東方Projectの二次創作(タイトル未定)   作:鈴秋

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民国百十五年です。というのは冗談で令和八年です。

「早苗じゃない、珍しい!」

 霊夢はそう言った。

 霊夢と魔理沙がちゃんと店内に入ったことによって、声の主だと思われる人物を特定できた。

 緑色の髪で、白と青を基調とした、霊夢と似たような服装をしている。この人がおそらく早苗だろう。

「魔理沙さんもお久しぶりです!」

「ああ久しぶりだな。そういえば最近見なかったな」

「神社で色々忙しかったんですよ~」

 神社。巫女さんだろうか。ただ、博麗神社では見たことがないのでおそらく違う神社だろう。

「そこの隣の方は誰ですか?」

 そう早苗は聞いてきた。幻想郷に来てから3回も同じ質問をされた。同じ日に。そんな知らない隣の人が気になるのか。気になるか。

「初めまして、早苗さん。鈴原優希です」

 フルネームを言うのは二回目だ。

「初めまして!東風谷早苗です。知っているかもしれませんが、守矢神社で巫女をやっています」

 知りませんでした。

「早苗。多分知らないと思うぞ。こいつ、外から来たからな」

 知らなかった理由を魔理沙が代わりに説明してくれた。ありがとう。

「そうだったんですね!ちなみに外の世界は今は何年なんですか」

 何年……?それを聞く必要があるのだろうか。というか、そういう概念がこの幻想郷にあったのか。

「民国百十五年です。というのは冗談で令和八年です」

 一回台湾の年の数え方を混ぜてみた。

「令和……?平成じゃないんですか……?」

 なんで平成という元号を知っていて令和は知らないんだ……?まさか早苗は僕と同じく幻想入りした人の一人なのか……?しかも令和より前。

 今の日本の内閣総理大臣は令和を経験しているのに、目の前にいる東風谷早苗は経験していない。

「平成は西暦二〇一九年の四月で終わりました。もしかして、平成のときに幻想入りしたとかですか」

 僕がそういうと早苗は驚いたような表情をしていた。

「鋭いですね。そうです。私は平成十九年に幻想入りしました。というか時間軸って違うんですね。私は来てから四年しかたってないのに、外では十九年も経っているなんて。大体五倍ですか。驚きです」

 まさか、そんなことがあるのか。だとすると、仮に帰れたとして、僕は1年しか経っていなくても外では五年経っていることになるのか。それは困るな。帰ったときに。

 そう考えているとお店の人が奥からこっちに歩いてきた。

「あのお客様。扉の前で話されるとほかのお客様のご迷惑になります。ですので、席についてくれないでしょうか。今話している早苗さんと相席でも大丈夫ですので」

 三十歳ぐらいに見える女性店員がそう言ってきた。

 流石に話しすぎた。

「ごめんなさいね。すぐ席に着くから」

 そう霊夢が言った。本来は僕が言うセリフのはずだ。ただ、代わりに言ってくれた。後でお礼の言葉を述べなければいけない。

 店員さんの助言通り、僕たちは早苗さんの周りに座ることになった。僕は、早苗さんの隣に座ることになった。

「それで、二〇二六年は今どんな感じなんですか?」

「どんな感じと言われても……」

 具体性に欠ける質問には答えにくい。

「そうですよね。失礼しました。そういえば、米国でiPhone?というガラケーが進化したものが発売されて、平成二十年に日本でも発売するみたいなニュースを見たんですけど、持っていますか?あれ、気になってたんですよ。幻想入りする二年ほど前にガラケーを買ったんですけど、ガラケーですらかなり驚いたのにiPhone?というもっと進化したものなんてワクワクするじゃないですか!」

 ワクワク。確かにワクワクするか。

「一応持っています。平成十九年に発売されたような古いものではなく、令和六年に発売されたモデルですが。そうですね、ガラパゴスケータイのことはよく知らないので比較はできません。しかし、iPhoneでできることはガラパゴスケータイでできたであろう通話やメールはもちろん、iモードを利用してできていたようにニュース等の閲覧も可能です。また、それに加えて電子ゲームを遊べたり動画の閲覧ができたり、コンビニとかでものを買えたりします」

 改めてスマホについて振り返ると、結構色々なことができるな。

「すごい、すごいです!まさか二十年弱でここまですごくなるなんて!一回ぐらい遊びに戻ってみたいな~」

 そう早苗がいった。今の発言からして幻想郷に来てから一度も現代日本に行っていないのだろう。

「あら、遊びに行ってみたい?できないことはないわよ」

 霊夢が言った。可能なのか。僕は現時点では戻れないと言ったのに。少し霊夢の方を見てみる。

「あの、差別しているとかじゃなくて、色々理由があるのよ」

 僕の視線に気づいたのかそう弁明してきた。それはそうか。

「帰れるんですか?霊夢さん、お願いしていいですか?」

「そう。わかった。紫に話は通しておくわ。ただ、そんなに長くは外にいれないわよ。せいぜい二週間ってところね」

 霊夢は早苗さんの願いを承諾した。

「ありがとうございます!」

 早苗はそう言った。元気に。はきはきと。感謝をこめて。 

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