部屋に通され、そこはニューヨークにあるメトロポリタン美術館に展示されていたような欧風貴族の部屋のようだった。
窓は小さいけれど、部屋の一面の中心部分には暖炉があり、その上に小さい時計が置いてあるのと、絵が飾ってある。
そして部屋の中心には丸テーブルとそれを取り囲むように三つ木でできた椅子が置いてあった。
レミリアはそのうちの一つに座り、昨夜はレミリアの右斜め後ろに立った。
僕と霊夢は他の空いている椅子に座った。
「それで、何をしに来たの?」
美鈴には言ったけど、レミリアや咲夜には言っていないことを思い出した。
「何、簡単な話よ。優希をあんたのとこに住まわせてやってほしいのよ」
霊夢がそういうと、レミリアは目を見開き驚いたような表情をした。
「え、本当に言ってる?」
「ええ、こっちは真剣よ。今は博麗神社に住まわせているけど、広くないしもう一人養えるお金はないのよ」
博麗神社ってそんなにお金なかったのか。お金を手にしたら賽銭を入れに行ってもいいのかもしれない。
「だけど、外から来た人をどうにかするのはあなたの役目じゃないの?」
「そうね。そうよ。だけど、私にも生活があるのよ!」
それは最もな意見だ。しかし、責務を放棄していいものなのだろうか。
「まぁ、いいわ。最近退屈だったもの。優希を引き取ってあげる」
「本当!?」
「え、えぇ……。なんでそんなに驚くのかしら?」
「いや、ダメもとで来たから……」
どうやら僕は望みが薄いところに連れて来られたらしい。なんかいけそうだけど。
霊夢がそう言った後、レミリアはため息をして「用はそれで終わり?」と言った。そして霊夢は「えぇ」とつぶやいた後、歩いて扉を開けて出て帰っていった。どうやって紅魔館の扉を開けたのかわからないけど、どうにかしたのだろう。
そして部屋には咲夜とレミリア、そして僕が残っていた。
「あなたも大変ね。こんなよく分からない土地に来て、挙句は吸血鬼のところに連れて来られたんですから」
全く憐れんでいない様子でそう言われた。
「えぇ、まぁ。幻想郷に来たのは驚きましたが、ここに来たときは怖くなかったです。なんせ、幻想郷に来た直後に人喰い妖怪に会いましたから」
「へぇ、ルーミアに会ったの。良く生きて帰れたわね」
「気分じゃないと言われて食べれなかったです。あと、森に彷徨っていたんですけど、博麗神社までの案内もしてくれました」
そう僕が言うと、いつの間にか出てきた紅茶をレミリアが飲んでこう言った。
「珍しいこともあるものね。まあ、いいわ。あなたには明日からここで働いてもらう。今日はいいわ。咲夜、部屋まで案内してあげなさい」
「承知しました」
咲夜が承諾すると、いつの間にか紅魔館のロビーまで瞬間移動していた。これはやはり咲夜の能力なのだろう。
「さ、案内します。ついてきてください」
そう言われた後、咲夜は入口から入って左側にある廊下に向かって歩いて行った。僕はそのあとを追った。
部屋の内装はニューヨーク市にあるメトロポリタン美術館のベンカートルーム(Benkard Room)を意識しています。