銀狼を開拓したい転生者の話 作:ザンディク・ワン・クワバラ
「忘却現象」について。
概要:「忘却現象」とは様々な世界で観測される現象である。実害は無く、ある一部の記憶を失う個人・集団を対象とした影響の事を指す。
説明:「忘却現象」に遭遇した被害者は、ある一部の記憶を喪失する。思い返す映像記憶における黒いモヤの虫食い、記憶された会話内容のノイズ化、記憶内における味覚の喪失、ある時間のみにおける記憶喪失。共通するのは記憶への影響であり、何かを忘れてしまう事を指して「忘却現象」と呼称される。
識別可能人物の付近に在る「何か」が判明しており、それが「忘却現象」の原因と見られている。
原因:未だに判明していないが、考えられる候補としては三つである。
一つ、記憶に属する者によって起こされる記憶の略奪。
一つ、神秘に属する者によって起こされる記憶の忘却。
一つ、虚無に属する者によって起こされる記憶の喪失。
対処:未だに有効な対処法は見つかっていない。また、影響を受けた記憶を修復ないし復元する事も現状不可能である。
追記:「忘却現象」によって記憶の変化を受けた存在を「忘却現象-a」と呼称。「忘却現象-a」への記憶の閲覧、操作、改変は全て失敗に終わる。また、干渉を行った機器は機能の八割を喪失、修理を行っても機能の回復は見られなかった。ある⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の協力の下、「忘却現象-a」の記憶への干渉を試した結果、協力者である⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。これにより干渉実験は全て停止、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎に所属する⬛︎⬛︎⬛︎も⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。また⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎に所属する⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎は対象への⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎を拒絶、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎すらも匙を投げた事実だけが残った。ところで、私の握り締めているこの右手はなんだ? 何か、大切な事を忘れている筈──
報告書を纏めていた⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎博士は発狂、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。
〜とある研究機関の報告書〜
「ふむ、「忘却現象」ね」
提出された山ほどある報告書の内の一枚を手に取り、仙舟羅浮の将軍である景元は思考する。今の羅浮を取り巻く状況に、果たして更なる変化は訪れるのかと。
結果から言えば、現状対処すべき問題に関わる事は無く、放置しても何の問題も無い事だ。
「ええ、うちの青雀と多数の人物が同時に襲われてるわ」
「確か薬王秘伝の起こした騒ぎがあったと聞いたが」
「そう、その騒ぎの近辺に「忘却現象」が発生したみたい」
「記憶の中の黒いモヤ、その近辺には誰かが観測されている事から人に付き従うモノとされていて、完全に記憶喪失となる者が単独遭遇したと考えれば、想定されるのは生物であり、内容を失われているとは言え会話記憶がある以上人間である可能性が高い……か」
記憶を失う、となれば仮に下手人が居るのならメモスナッチャーが筆頭候補となるだろう。しかし、彼等の奪う記憶はそんな極一部の様なモノでは無い。可能性を無理矢理挙げるのなら、特定の人物に偏執的に執着を抱いているストーカー、となるだろうか。
だから、色んな世界でたまに起きる怪奇現象の様な認識で留まっている。解明したとして、あまり意味を為さないからだ。
それに「忘却現象」に遭遇したと判明している事例も多くない。元々記憶の極一部が失われる、おかしくなるだけのソレが、いつもの日常の中のほんの一時の事だ。気付かずに生活している被害者も相当数居るだろう。
「仮に「忘却現象」の正体が個人だとして、目撃されている証言の中でとりわけ多く見られているのは星核ハンターと一緒に行動している時か」
星核ハンター。今もこの羅浮において波乱を巻き起こす厄介な集団である。窮観の陣にてメンバーの一人であるカフカを対象に情報の抜き出しも行った。さらにメンバーの中には、かつて仙舟朱明で名を馳せた刀匠にして雲上の五騎士の一人である応星──現在の刃もいる。
「そしてその中でも、特に行動を共にしているのは銀狼か」
「タイミングが悪かったわね。まだカフカへの尋問が終わっていなければ「忘却現象」についても聞けたのに」
「……さて、ね。銀狼は兎も角として、他の星核ハンター達は「忘却現象」の影響を受けていない──とは、言い切れない」
「そうかしら? 単純に星核ハンターのメンバー、或いは協力者の線が濃いと思っているけれど」
「もしそうだとすれば、その「忘却現象」という個人は、自由に他者の記憶を操作する事が可能なのだろう──しかしそう考えると、わざわざ星核ハンターの目撃情報を残す理由が無い」
自分だけを徹底して記憶から消す意味が無い。星核ハンターと行動を共にしていると理解出来れば、彼等との繋がりは誰でも察する事が出来るのだから。わざわざ星核ハンター達の記憶には自分を残し、周囲の目撃者からは自分だけを消す──意味不明な行動だ。
「メンバーの線は薄いとしても、協力者と言う立場は十分に有り得るだろうね。ただ、メモキーパーやメモスナッチャーの様に自由に記憶を操作出来る訳では無いだろうね」
現象として認識される様に、意図せずに起こり得るモノだろうと想像がつく。
「やはり虚無の影なのね」
「そして、その与える影響を考えるに使令級であると考えられる」
かつて「忘却現象」に遭遇し、自らの記憶の一部を失った者が羅浮にも居た。その原因を解明すべく窮観の陣にて過去の観測を試みて、そして失敗している。幸いにも窮観の陣は影響を受ける前に干渉を停止したが、カンパニーでも同じ様な試みが行われ、扱われた機材の大半が機能を喪失するという結末に終わった。
あまりにも濃い、虚無の干渉だ。
「忘却という現象から、関わっているのは神秘の可能性も考えられていたが、結果だけ見れば原因は虚無なのは間違いない」
しかしながら不思議な事もある。観測するだけでも影響を及ぼす様な虚無の力に侵されながら、実際の被害はごく一部の記憶のみとなっている。
「「忘却現象」が個人であるとの仮定を続けたとして、その人物はそこに在るだけで無差別に影響をばら蒔いておきながら、同時に自分という存在のみに影響が留まるように制御している事になるね」
「そこまで考えるなら、最早使令級の存在が影響を制御した結果と言うよりも、ただの特殊な自滅者と考えた方がマシね」
「ふふ、違いないね。案外、ただの星核ハンターのファンかもしれないよ」
「ファン? 星核ハンターの? それはまた、傍迷惑な存在ね」
「実際、今の羅浮には星核ハンターが侵入していて、同時に「忘却現象」も観測された。そして星核ハンター達も忘却の影響を受けているのだと仮定した場合……彼等のファンが着いてきたと考えられるからね」
全ては仮定、しかしその一定数有り得そうな想定に、話を聞いていた符玄は顔を顰めた。
「羅浮に星核を持ち込んだのも、案外「忘却現象」だったりするんじゃないかしら」
「ふむ……いや、それは無いだろうね。星核ハンターのカフカへの尋問は終わっていて、窮観の陣も使用している。結果だけ見れば星核を持ち込んだのは彼女達では無く、同時に「忘却現象」との遭遇も無い」
主に星核ハンターの銀狼と行動を共にしている事を考えれば、彼女だけは「忘却現象」の記憶を保持出来ている可能性は高いが……星核ハンター内で情報の共有をせずに星核という爆弾を持ち込む事はしないだろう。
「まぁ、騒ぎを起こす側がわざわざ薬王秘伝の起こした騒ぎを鎮圧する、と言うのもおかしな話ね」
「「忘却現象」については、あまり深く考えなくて良いだろう。ただ、近くにそれが居ると分かっているのなら……私が一度遭遇してみるのはアリかもしれない」
ソレと遭遇し、ソレが何なのかを覚えている人は誰も居ない。機械生命体のメモリからも消えて、カンパニーの技術力でも認識が不可能だ。しかし、この宇宙において星神に次ぐ強者である使令なら、果たしてどうなるのか。
使令ですらも影響を受けるなら、最早ソレは使令を超える災害ですらある。
まぁ、あくまでも何かの意図によって起きている現象ならばの話だが。
「私が考えるに、星核ハンターの行動指針に共感して支援を行っているファンの自滅者、と言ったところだろうね」
優れた知能を持つ景元将軍は、かなり真に迫った推測を行っていた。しかし、彼等は常識に囚われるが故に気付けない。
ある一定以上の能力を持つ者は、何かを為すべく行動するのだろうと、無意識にそう考えてしまう。星神の一瞥を受けるにせよ、ただその運命に属するにせよ、そうなるだけの土台がある筈だと。それこそがこの宇宙における基本原理であるが故に。
まさか「忘却現象」と呼称される存在が、ただ銀狼の好感度を稼いでムフフな関係になりたいだけ等と、誰一人として思える筈が無かった。
ヌース「イキスギィ!イクイクー!ンアーッ!枕がデカすぎます!」
ザンダー「やめなよヌース!淫夢ごっこは宇宙で恥ずかしい事なんだよ!」
ヌース「おっ大丈夫ですか大丈夫ですか、バッチェ冷えてますよ〜。淫夢は群星で流行ってるってはっきり分かんだね」
ザンダー「やめなって言ってんだろ!」
ヌース「なっ……お前やりませんねスギィ!淫夢は鬱病に効くってそれ一番言われてるから!じゃ、死のうか(無慈悲)」
ザンダー「アアアアアアアアアアア!!(怒りのあまり鉄墓を解き放ちナヌークはアッハに寝盗られる)」
原始博士「あかんこれじゃあ(人類の知性のせいで)患者(宇宙)が死ぬぅ! うーん……せや!」
人 類 野 獣 化 計 画
そうしてウェンワークは野獣(先輩にインスパイアされたホモガキ)の楽園となった。これがウェンワークの悲劇である。
ラマンチャ「もう終わりだよねこの星」
ルアン・メェイ「サーッ!(迫真)」手作りお菓子に自白剤混入
なんやこの怪文書