銀狼を開拓したい転生者の話 作:ザンディク・ワン・クワバラ
俺は今回のピノコニー編において、一つだけ懸念していた事がある。
アベンチュリンは死を経験する為に、そして後の布石として利用出来るように様々な行動を起こしていた。ジェイドの基石をサンデーへと渡していたのもその一つであり、わざと列車組と敵対する事で黄泉の一撃を引き出すのもその一つ。
解放された虚無の力を一身に受け止め、彼は本来死ぬ事の出来ない夢境での死を成し遂げる。その結果虚無の世界へと足を踏み入れ、原始の夢境へと到達する。
そう、彼は黄泉の世界に足を踏み入れるのだ。その足で虚無へと進んでいく彼は、本来なら原始の夢境に辿り着くだけなのだが……ここで俺というイレギュラーが邪魔になる。
黄泉の世界が存在とⅨの中間ならば、俺の世界はⅨを抜けた虚無の中。ワンチャンそのままこっちまで来る可能性があるのだ。
考えてみてくれ、自分の死を受け入れた様なあのアベンチュリンが、本当のピノコニーに向かおうと思ってたらあのオンパロス二次会に辿り着く姿を。真顔になるで。
そんな懸念を抱きながら列車組と黄泉がアベンチュリンと戦い見事に勝利を収める姿を眺め、暫く戦々恐々としていたのだが、来なくて済んでマジで安堵した。来た瞬間なるべく早く案内してあげないとカオス空間が更にやばい事になっちゃうからね。
さて。アベンチュリン戦の後の列車組の行動は非常に分かりやすい。時計屋の正体を知り、サンデーや夢の主の計画を知り、サンデーと戦うだけ。ただしサンデーと戦う時に彼は秩序のエナへと昇華しようとする。つまりホタルの二度目の死がやって来る。
「それで? お姉さん……いや、お兄さんでしたか。貴方は何でこんな場所にいるのです?」
「それはこっちのセリフじゃない? ポさん」
「さんは不要ですよ」
「むしろ必要だろ」
ドリームリーフの酒場で、金が無いので雰囲気だけで楽しんでたら仮面の愚者が来た。
「僕はただ自分の仮面を返してもらっただけですよ」
「そっか……ちなみに俺は暇潰しな」
「暇、ですか。皆さん色々と慌ただしく動いてる中で、随分と余裕なのですねぇ」
「そりゃ俺がやる事も無いし、やりたい事も無いし」
「それはまた何とも……夢の地に来て、夢の無い事を仰いますねぇ」
「違いねぇ」
普通に考えて悲しい人間過ぎるよな。銀狼と最終的にえっちがしたい事しか考えてない奴とか……金玉に脳みそあんのかよ。ち、違うんです。いや違わないけど! 一緒に仲良くゲームやりつつ、たまにダラダラえっちしたいだけなんです……。
なんだ、夢しか無いじゃん。夢バトルしようぜ夢バトル!
「もしかして花火が心配だったのか?」
「まさか! 僕が心配しなければならない程、花火さんは落ちぶれてはいないですよ」
「そりゃそうか……そろそろ調和セレモニー始まるよ、抜け出すならさっさとした方が良い」
「その様ですねぇ……ああ、その為の待機をしていたので?」
「そうだよ。だから愚者の脚本を乱す気は無い」
仮面を失った仮面の愚者に残るのは愚か者ってね。まだ花火は自分の仮面に大半の力渡したりしてないのかな?
「それはまた。ええ、どうやら無用な心配だった様ですね……では、僕はもう行きます──ああ、代わりに酒代くらい払っておきますよ」
「マジ? やったー! 持つべき者は財布だぜ」
「友達の事を正面から財布と呼ぶのは宜しくないですよ」
そう言って消えたサンポ、そして初めて飲むスラーダ。美味そうだなって思ってたんだよね……何やコレ。
「味、しねぇじゃん」
仮面の愚者が純粋な好意で物をくれる訳も無かった。クソわよ。
数人ぽっちの調和セレモニーが始まり、サンデーは調和のシペから力を奪い秩序のエナになりかける。そうして夢の世界は更なる夢へと落ちていく。ドリームリーフだろうが、十二の刻だろうが関係ない。ピノコニーの夢の中に居る人間は例外を除いて全員が意識を失った。
「行くかぁ」
彼等の落ちた夢はエナの夢と呼ばれ、サンデーが星神となる為の重要なエネルギー源でもある。その夢は三層からなっていて、一層目が夢の中の夢……夢を見る者達に都合の良い世界である。現実と夢との違和感に気付けなければ、或いはメモキーパーなどの助けが無ければ起きる事すら出来ない。
二層目は原始の夢境。人々の恐怖心を煽る為の宇宙の蝗害の生息域である。ホタルが今も尚戦っている場所であり、最近までアベンチュリンやブラックスワンとダリア、アルジェンティが居た場所だ。
三層目は十二の刻。最も外側のこの夢境が真っ先に現実との融合を始めている。先程まで俺が居たのは此処。
そんな中、一層目となっているホテル・レバリー(夢境)へと赴けば、丁度黄泉とブラックスワンが開拓者を連れて来た所だった。
彼等は現状の確認と、夢境を抜け出す為の話し合いを始める。エナの幸せな夢から醒める自由意志を待つのはとても時間がかかる──故にブートヒルの打ち上げる花火が、巡海レンジャー達を呼び寄せて不協和音を奏でる。しかし、その不協和音だけでは打ち砕けない……。
「これで彼の神格化を遅らせるには十分でしょう。ただそれとは別に、エナの夢の礎を一瞬揺るがす為の、極めて大きな力も必要になるわ」
「それは……さほど難しくは無いだろう」
おい黄泉こっち見んな、あんた以外気付いて無いんだからさ。認識されない様にしてんのに何で気付けんだよ。
「つまり、最後はやっぱりあなたの出番ってわけね? 確かにそれが合理的だわ。例え偽物だとしても、それに対抗するには使令の力が必要不可欠だもの」
そうそう、それで良いんだよ。っぱ黄泉しか勝たん!
「使令かどうかは関係ないかもしれない……これは全く別種の「衆願」だ。皆の為に全てを尽くし──悪しき神を討ち果たそう」
そうだよな! 悪神を討つのは得意だもんな! おい、出雲が刀を作った理由は覚えているか?
かくして一層目の打破には光明が差した。しかし二層目からこそが本題だ。彼等は一層目を抜けるのに、持ち得る全ての手札を切る事になる……あ、俺は除いてね。まぁでも、問題は無い。
何故なら、私(がケツを追いかけてる女)が来た!!!
「これだけ? ま、いいけど」
我らがパンクロードのウルフロード様だ! ホタルの支援しに来てたらエナの影響に巻き込まれて可哀想に……。
「未成年は参加出来ないよ」
「ちょっと、子供扱いしないでよ。ピノコニーだけじゃなく、アスデナ星系全体がゲームオーバー状態なの」
「……何故星核ハンターが?」
「銀狼さんはアスデナ星系の辺境にいたのに巻き込まれてしまったのです。彼女ひとり見付けただけで、もう息も絶え絶えですわ」
裏切りが代名詞とも言われる、このピノコニー編の陰の働き者のコンスタンス、またの名をダリア。彼女は記憶と壊滅を裏切っている特殊な経歴を持っている。ちなみに壊滅を裏切ると風化の呪いを受けるのにその様な描写は無い事から、俺は彼女は虚装戒律の様な事が出来るのでは? と思っていたのだが、ブラックスワンとの会話を見るに爪痕が残されているらしい……つまり、彼女もまた壊滅を裏切った代償に風化の呪いがかけられていると思われる。
ちなみに風化の呪いとは、姫子の家系と帰寂が受けているモノで、壊滅の子のグラフィエが壊滅に背いた為にかけられた罰の様なモノ。身体の一部が自己崩壊、風化していく致死性の呪いだ。帰寂に関しては嘘の可能性もあるし、ただ壊滅を裏切るだけじゃ同じ風化の呪いを受けない可能性もあるけどね!
まぁ恐らく、ダリアの本当に所属している運命は「強欲」なのだろう。その特性として他の運命の能力も扱える……と言うのが俺の推測だ。
「随分大胆な投資だね! じゃ、聞かせてもらおうか──それだけのリスクに見合うリターンはなんだい?」
「残り二つの夢境は、星核ハンターが何とかする。私達の協力者が今、十二の刻で「調和」に選ばれたもう一人を探してるの」
「ふむ、それはロビンの事かな?」
「そ。彼女は自力でエナの夢を脱出して、その上でまだ眠っている人達に「歌」を残したんだ。ロビンと私達の協力者が大きな騒ぎを起こして、十二の刻を破ってくれる。それと「原始の夢境」にはサムが待機してる。あなた達がエナの夢を脱出したら動く手筈になってるから」
ちなみにロビンは独力で目覚めたワケでは無く、サンデー兄様の仕込みのお陰でもあった筈。まぁでも、あのゴリラ姫様なら自力で目覚めてもおかしくないか。
「ホタルは元気にしてる?」
「聞いても動揺しないでね。彼女は死ぬ。逃れたかった全てと向き合って、二度目の死を迎えるの。でも、彼女の結末がどうなるかはあなた次第。あなた達の為に二つの夢境を破った後、彼女はまだ完全には消えてないエナの夢に堕ちる事になる。もしあなたがサンデーに勝って、彼女を夢から目覚めさせる事が出来れば、この死もまた夢で終わる。けど失敗して、夢が現実と完全に融合しちゃったら、彼女の死も現実のものになってしまう」
「絶対に死なせない」
よし、と頷いた銀狼はジロリと俺を見つめる。やだ、そんなに見られたら照れちゃう。
「あのさ、いつまでステルスしてるの?」
「いやぁ、俺いらないだろうから出なくて良くね? って思ってたんだけど」
そりゃそろそろ原始の夢境行こうかなとは思ってたよ? ホタルの万が一を潰す為に。
「だから、サボりじゃないよ。ほんとだよ」
「……ええっと、星核ハンター。どうして二人目の虚無の使令がいるのかな?」
黄泉と銀狼以外のみんなは初めて会ったって顔してるね。ちゃんとブラックスワンの記憶からも消えてる様で良かったよ。
て言うか虚無の使令って誰やねん、一人しかいねぇぞ。でも消去法で俺しかいねぇな……俺は使令だった? ははは、流石パブから招待貰っただけはあるねアベンチュリン。面白いジョークだわ。
「彼が私の切り札だからだよ。そして、残念ながらそれを切る必要が出来た」
「使令ってとこは否定して? 俺みたいな一般通過自滅者には誤用の方の役不足だぞ」
銀狼に、こいつマジかって顔された。
「……自覚無かったの?」
「無いが???」
あるワケねぇだろそんなもん。
「安心してくれ。私も虚無の使令だと言われても納得はしていない」
「悪神狩りのプロフェッショナルが何言ってんだ。お前は虚無パワー無くても使令級超えてんだよ芽衣先輩」
「あなたもそうでしょ?」
「記憶にございません」
俺の記憶にあるのはあらゆるゲームで銀狼にボコされてる事だけだよ。
「コントはそこまでにしてくださらない?」
それもそうだね、と銀狼が仕切り直す。いや俺は納得してないんだが……まぁ、駄々をこねて好感度を下げるワケにもいかないし、ここは引き下がるしかないか。
「ホタルが担当する「原始の夢境」なんだけど、そこに想定外の危険があった」
銀狼の発言に、ブラックスワンとダリアとアベンチュリンは顔を見合わせる。彼等は先程までそこに居たのだから、銀狼が言うような危険があったのなら気付けた筈だと。
「まだ育ちきってはいないけど、アレは「貪欲」の獣だった」
「貪欲って……行方不明なんじゃなかったっけ?」
星ちゃんが、多分模擬宇宙とかで知った情報で質問をするが、それに正確に答えられる者は居ない。何故ならアッハを始めとする星神達に倒された、とされているだけなのだから。その時代にその光景を目撃した人物は当然居ない、ならば伝承等から判断する他ない。純美のイドリラも、行方不明なだけであり死んだと思われていた。実は生きてたみたいだけど。
「貪欲のウロボロスは死んでるよ。死んでるけどその運命はまだ残ってるし、神骸も条件を満たせばまた動き出すよ」
「あなたの発言をどこまで信用していいのか分からないけれど……だとして、どうして原始の夢境でそれが目覚めたのかしら?」
「そりゃ、何の為の宇宙の蝗害かを考えれば分かるっしょ」
貪欲と言えば、二相楽園において本格的に出てきた運命である。星神はウロボロス、其は古獣である。古獣とはまだこの宇宙に星神が居なかった頃、宇宙を漫遊し星々を喰らっていた巨大な獣の事であり今では絶滅している。
やっぱ古獣って名前付くやつはヤバいんだよな。アークナイツの古獣とかも過酷をこれでもかと体現したテラの大地の旧支配者的な奴等だったし。
ちなみに原神にも貪欲の獣は出てきている。呑星の鯨ってやつね、フォンテーヌで原始胎海がぶ飲みしてたやつ。ヴォジャニーツァの事かァーー!
脱線したが、貪欲のウロボロスは既に死んでいる。故に本来であれば、貪欲の運命も死んでいる筈だった……のだが、恐らくは黄昏古獣という激ヤバ生物だった事などが原因となり、まだ完全には死んでいない。或いは汚染されたアッハに寄生しているのか。
では何故今回、その貪欲が活性化する様な事態が起きたのか。考えられる理由としては一つだ。
夢の主ゴフェルが仕組んだ宇宙の蝗害は、ホタルの生きたいという願いを受けて繁殖の力を活性化、宇宙の蝗害の再現を行った。その宇宙の蝗害は人々の恐怖を煽り、秩序への庇護を求める為のモノ。
そして人々の恐怖の心とは、味わえる愉悦となる。
食べた物を味わう機能である味蕾、それをアッハによって奪われた貪欲は、だからこそ尚も貪欲に味わえるモノを求め続ける。味蕾を奪ったのに、貪欲の未来は奪えなかったんだね……それとも、未来も失ったから封印されて死んだのかな?
「アッハの大半はウロボロスに呑み込まれてる。愉悦を取り込んでるって事、なら貪欲の勢力が愉悦を求めても不思議じゃない……人々の恐怖なんて最高の愉悦、あるなら貪り尽くすだろ?」
「……」
なんかみんな絶句してんだけど。何かおかしな事言ったかな?
「あなた、いつだったか『禁忌の知識』なんてアカウント名使ってたけど……本当に禁忌の知識だね」
仮にダリアの運命が「強欲」の場合、もう既に貪欲に愉悦が消化されて強欲が生まれていてもおかしくは無い。まぁ貪欲と愉悦が融合したら何になるのか、からの推測なんだけどねこれ。
「ま、どうせみんな今聞いた事忘れるし……それで、つまり原始の夢境にソレが居るから俺にどうにかしろって?」
「そう、出来るでしょ?」
「……規模次第?」
「大丈夫、相手も貪欲の使令だから」
呑星の鯨くらいかなって思ってたら、全然規模違くねぇか? え、俺に使令を狩れって言ってる?
「*オンパロススラング*おいおい、マジかよ兄弟!」
「ちなみにだけど、虚無の力は使わないでね」
いやそりゃ分かるけど。黄泉の出す影響だけでヤバいから、俺が下手に虚無の力を使えばピノコニー壊れちゃうのは分かるけど。
「つまり、素の実力だけで使令を殺せ……ってコト!?」
「出来るでしょ? まぁ正確には使令級だけどね」
「おおう……信頼が厚いな」
出来んのかな? まぁ出来るらしい。てか出来なきゃ終わりか。
でも、ここでネックになってくるのは不勝の呪いだ。仮に俺が貪欲の使令を倒せたとして、それ以外が全滅してたら何の意味も無い……せや!
「まだ育ち始めたばかりだけど、このまま順調に育てば並の使令じゃ収まらなくなる。だから、何とか出来るのはあなたしかいない……頼んだよ」
銀狼も「Lv.999のカセット」を使えばやれるだろ、とは思うけど。
「まぁそれが仕事ならやるけどさ……じゃあアベンチュリンさん、一つ賭けをしないか?」
「僕とかい? 悪い事は言わない、相手は選んだ方が良いよ」
「いいや、アベンチュリンさんこそが相手にとって最適なのさ」
「それで、一体何を賭けるつもりだい?」
「ルールは簡単、サンデーに勝てるか勝てないか。そしてチップは一枚だ」
「へぇ、今まさに彼の野望を打ち砕こう! って時に、そんなギャンブルを持ち掛けてくるなんてね……でも、僕の時間を奪うだけの価値のあるチップが、君にあるのかな?」
「これ、なーんだ」
アベンチュリンという男は、ことギャンブルにおいては(未来のとある一時を除いて)負け無しである。悲惨な過去と壮絶な人生の、男も女も魅力したクソメロ男であり、仮面の愚者達の集うパブからの招待状を受け取った事もある。とは言えやはり、彼について語るのならば圧倒的な運の良さだろう。
ただ無謀な賭けをするのでは無く、やれる事はしっかりやった上で勝つ。勝つべくして勝つ男だ。
つまり、そんな彼にギャンブルを仕掛けたのならばまず負ける……ならば、それを利用しない手は無いだろう?
ホタルの保険としてピノコニー入りが確定した時点で、俺は彼とのギャンブル対決を行うに値するチップを獲得しておいた。
「……何かの書類かい? 何処から取り出したのかって言うのは聞かなくても良いだろうけど、見せたいのは手品かい?」
「まっさかぁ。さぁ、ゲームを始めよう! 君は断れない、断る理由も無い、断る余地も無い」
纏めた書類の、一番上だけを手渡して見せる。
「スターピースカンパニー、十の石心の……内部監査報告書?」
「『盟約に従って』ってね。どうだい? これでもまだ、このゲームに乗らずにいられるかな?」
かつてダンロン2の狛枝凪斗君は言いました。怪しいと見当を付けた上で臨む捜査は、心当たりなく進めるそれとは大きく結果が異なる、と。それを踏まえて、疑いを持って捜査に当たればちゃんと出てきたんだなぁこれが。
十の石心には裏切り者が居る。そしてそれは、カンパニーの内部に潜んだ絶滅大君の鋳王である。
「──良いだろう。じゃあ僕は、そうだね……何か、欲しい物はあるかい?」
「千星シティでの一週間滞在権」
ピノコニー並の避暑地だ。夏と海、資本と豪遊。ついでにワンチャン銀狼の水着も見れる可能性がある……他人の金で焼肉食いたいよな! まぁいつもの事なんだけど。
「構わないとも。僕のポケットマネーから出そうじゃないか……それで、君はどちらに賭けるのかな?」
「当然、サンデーの勝利に」
「正気とは思えないね。今僕らは、彼の野望を阻止するべく動いてるのに、その彼にベットするなんて」
「は? なめんな、週休七日は全人類の夢だろが」
俺は働きたくない、サンデーは働きたい。じゃあ良いじゃん! 俺は他人の施しだけで生きてくからさ、働きたい奴だけ働いとけよ。魅力的過ぎるんだよな、サンデーの提案。社会人の大半はサザエさん症候群に罹ってるんだぞ? 日曜日の終わりにナイーブになって、月曜を毛嫌いしてるんだぜ? まぁ俺はカレンダーの休みとか関係無かったけどな! そして今世は無職だからマジで関係ない。
「こんなのが使令とはね……まぁ良いさ、僕は当然彼が負ける方にベットする。これで賭けは成立だね?」
「健闘を祈るぜ、ギャンブラー」
じゃ、やるべき事を終えたし仕事しに行きますか!
俺くん「出来らぁっ!」
銀狼「今なんて言った?」
俺くん「虚無の力を使わずに使令級を討伐出来るって言ったんだよ!」
銀狼「証人達の前でケチつけられたんだ、こりゃあどうしても虚無の力を使わずに使令級を討伐して貰わなくちゃいけなくなったな」
俺くん「え! 虚無の力を使わずに使令級の討伐を!?」
ちなみに作者は貪欲の腹の中で帰寂が見たのはアキヴィリの頭だと思ってる。俺はアッハが死んだ瞬間を見た!とか言ってんのにアッハの頭があってとち狂うとか意味分からんし……アプデ楽しみ