銀狼を開拓したい転生者の話   作:ザンディク・ワン・クワバラ

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HN.†††Silver★Wolf†††

 コードネーム銀狼。パンクロードのウルフロードとも言われる彼女は、言ってしまえば銀河のお尋ね者である。星核ハンターに所属する彼女は宇宙の終焉を回避する為に活動をし、星海の癌とも呼ばれる星核をあらゆる星で回収する事を生業としている。

 

 大体とんでもない騒ぎを起こしたり、洒落にならない被害を出したりするのがお尋ね者となっている要因の一つではあるだろう。

 

 まぁ、今更言う迄も無い事ではあるけれど。俺の唯一とも言えるネッ友の『†††Silver★Wolf†††』さんこそが銀狼その人である。

 

 崩壊学園や崩壊3rd等をプレイしていた人ならお馴染みのブローニャ顔、その派生系のブロニー系列だ。

 

 まぁここで並行同位体がどうのだの、崩壊ユニバースに於いてはどうのだの言った所で大した意味は無いので重要なたった一つだけを言わせてもらう。

 

 良いよね、銀狼。

 

 これに尽きる。

 

 顔良し声良し性能についてはノーコメント。性格についてもノーコメントだ! 推しのカップリングは当然我らが開拓者で、好きな関係は星核ハンター★ファミリー全員。二相楽園での刃が死ぬかもって時の銀狼は大体ヒロイン力が極まっていた。可愛いかよ。

 

 と言う事で、転生者たる俺はスタレで四番目くらいに好きなキャラとも言える銀狼を開拓すべく、今日もゲームに勤しんでいた。

 

 えー、大体二時間くらいゲームしてたんですけど……何の成果も得られませんでした。何ならやってる途中で飽きてツイッター見てました。

 

 え? もうとっくの昔にXになったでしょって? うるせぇ! 俺の中では今でもツイッターだしふぁぼリツなんだよ! 俺達のふぁぼを返して。

 

 そんなこんなで時間を潰していた時だった。

 

 

 

「やっほ、来たよ」

 

「おわっ、まじで来た」

 

 突然現れる──なんて事も無く、普通に扉から『†††Silver★Wolf†††』さんがやって来た。これが私の扉です。外見は敢えて言う迄も無い完璧な美少女なのだが、一つだけ言わせて貰うならちょっと露出多くない? お腹とか冷やしたりしない? まぁ女の子はみんなお洒落さんだし、気合いと根性で乗り切れるか。

 

「なに? その反応。まさか本当に来るとは思ってなかったって?」

 

「いや、約束を違えるとは思って無かったよ? ただ、男の部屋に一人で突撃してくるのは何時だろうとびっくりするだけで」

 

 もっとさ、自分が世界遺産級の美少女であるって言う自覚を持つべきでは? 普通に考えて危ないじゃん、女の子が単身男の部屋に来るなんて。まぁ、並の奴が相手ならどうにでも出来るって言う自信と言うか事実があるからなのだろうが。

 

「うげ、またピザ食ったの?」

 

「男の夢なんだ。ゲームしながらピザ食ってコーラ飲むのは」

 

 特に仕事もせずに出来るそれらは垂涎物だ。誰もが良いなと憧れを抱きながら、その領域に届く人間は極僅か。ちなみに子供に囲まれて豪邸で暮らして高級車乗り回す様な夢とは対極に位置する羨望だ。多分普通の人間は後者を羨む。だってこれ、社不の極みの夢だし。

 

「前来た時はカップラーメンのゴミの山あったよね」

 

「カップ麺生活な、二週間くらいは夢の様な生活なんだけど唐突に飽きが来るんだよな……数年くらいフライ麺はいらねぇや」

 

「デリバリー頼めるんだから、食材買って自分で作ろうとは思わないわけ?」

 

「自分の為に? まじで気が向いた時しかやらないな」

 

 振る舞う相手が居るのなら気合いも入るモノだが、基本自分を満たす為なら一から作るより店で食う方がパフォーマンスとして優れている。

 

「出来ないとは言わないんだ」

 

「まぁ普段から料理しないと調味料の類とか調理器具の類とか、足りない物も結構あるから出来ない寄りではある」

 

 とは言え、いきなりやれと言われても切って開くタイプのオムライスとかは作れないが。

 

「まぁいいや、そっち詰めて。今日はゲームの腕見に来たんだから」

 

「とりまこの間の格ゲー? 一応あの後練習は多少したけど」

 

 彼女が座る為の場所を開けると、そこにすとんと腰を降ろす。ちょっと邪な考えが湧いて来そうになったので思考をシャットアウトし、無心でゲームを起動する。すぐ隣に居るせいで匂いとかたまに触れた時の感触とかが思考のノイズになる〜。

 

「そうだね、それやった後は次やる協力ゲーの座学と実践やろうか」

 

「お、協力ゲーか……うむ、流石は『†††Silver★Wolf†††』さんだ。これやろうぜって投げ付けて何の説明もなく標準的なプレイを要求してこない」

 

「流石にそんな真似はしない。ていうかする奴は頭おかしいんじゃないの?」

 

「残念ながらいるんだなこれが」

 

 何も知らないままプレイさせられて「おい、なんでそこで◯◯しないんだよ」とか「いやいや◯◯しなきゃ死ぬに決まってんじゃん」とか言う奴は結構いる。ゲームの布教なんてまずは興味を持たせて、やり方を理解させて、そこから一緒に遊ぶって流れだろうに。

 

「安心して。私が教えるからには今日から沼にハマる事になる」

 

「それは楽しみだ」

 

 最強銀髪美少女に教えられるからと言うのでテンションは勿論上がるが、それ以上にある程度ゲームをやっていると新しいモノに手を出しにくくなる。恐らくは前世の記憶がある弊害で、感受性の低下だろうか。年寄りは新しいものを嫌煙して使い方を理解しようとしないと言うけれど、一から覚えるというのはかなりの労力なのだ。

 

 みんなも経験があるのではなかろうか、興味本位で始めても長続きしないといった事を。

 

 あ、絵が可愛いな、やってみるか……うーん、なんか頭に入ってこないわ。もうええか。と言って投げたゲームは数知れず。でもツイッターとかで盛り上がってるの見るとやってみたい気持ちはあるんだ……でも、出来ないんだ。

 

 だが! かの『†††Silver★Wolf†††』さん程のゲーマーが、手ずから布教をしてくれるのだ! ハマらないワケが無いし、面白くないワケが無い。ありがとう、ゲームの開拓者……俺に新天地を見せてくれて。

 

 

 

「うーん、前見た時も思ったけど、やっぱ反応おかしいね」

 

「俺の反応がおかしいって、遅すぎるって意味だよな?」

 

「いや、速すぎ。ハードの方が処理追い付けてないね」

 

 崩壊スターレイルと言うソシャゲの舞台は、平和に生きる人は普通の人間と変わらないが上限に関しては青天井、人の身のままで到れる上限は使令の最高峰である。仮にゲームやなろう系の考え方を借りて表現するとすれば、レベル999が上限である。レベル1000からは星神の領域であり、例え人の身のままそこに至ろうとも、至った瞬間にその身は神である。とは言えど、一般人やネームド強者達からしても強さに果ては無く、実質の上限こそあるもののやはり青天井と言えるだろう。

 

 通常であれば人間の肉体には上限が設定されている。反応速度、反射神経、思考伝達スピード、人体の最高速度、人である限り越えられない壁がある。しかしここは女の細腕で空から降ってくる大剣を摘んで止められるイカれた世界、鍛錬を続けた強者に常識は通用しなくなる。

 

「大体1フレームに反応してるのもおかしな話だけど、見てから反応してコマンド入力までしてるのは流石におかしすぎ。そんなの機械からしたらボタン全押しされてるのと同じだよ」

 

 どうやらイカれてる側の人間だったらしい。おかしいのは私? それともこの世界?

 

 とは言え異常な能力を持っていると言われても思い当たる節は無い。少なくとも転生に関連してのモノでは無いだろう。つまりは今世で磨き上げたモノのようだ。

 

「なるほど、つまり読み合いってのは対処不可技の押し付け合いって事か」

 

「まぁ、そういう解釈でいいや」

 

 前回の対戦からしっかりと練習はしたけれど、普通に技のコマンドって入力しても技出なくないか? やっぱ技振れるの大前提っておかしいよ。

 

「いや、出すべき時に技を出せなきゃ勝てないから」

 

「それはそう」

 

 ハードル高ぇ〜。やめたくなりますよぉ。なんか俺だけ無敵になるコマンドとかねぇか?

 

「うん、やっぱり技が出ない時は普通にコマンド打ててないか、打ててはいるけど速過ぎるかだね。意識して入力速度遅らせれば多少はマシになるんじゃない?」

 

「まじ? それすりゃ『†††Silver★Wolf†††』さんにも勝てる……ってコト!?」

 

「ふん、甘いね。私に勝とうなんて100琥珀紀は早い」

 

「なんだ、上振れ引けばすぐじゃん」

 

 琥珀紀とか言うクソ単位やめねぇか? 何だよクリフォトが槌を振り下ろす事で加算される単位って。クリフォトが気合い入れたら爆速で過ぎてくぞ。いやシステム時間も意味分からんが、一システム時間はまだ90分って決まってるから良いんだわ。

 

「って、もうこんな時間。今から拠点に戻っても遅いし今日は泊まってくね」

 

「そもそもこの部屋の所有者は誰だって話」

 

 俺の家とも言えるこの部屋の契約者は名義を弄ってはいるが銀狼であり、金を払っているのも彼女である。なので、泊まらせていただいているのは俺って話。

 

「そうだ、せっかくだから料理作ってよ。刃のとどっちが美味いか評価してあげる」

 

「さてはおめー、誰でも上手に料理作れると思ってんな? やってやんよコンチクショウ、男の料理なんて基本見栄えが悪いし盛り付けが下手だって事教えてやるよ」

 

 ちなみに刃とは星核ハンターの一人であり、豊穣の使令の肉片を取り込んだりなんかした事で実質不死身となっている可哀想な男である。彼の料理は恐らく美味いし盛り付けも映える、だって刀匠とか言う芸術家だし。あとエプロン姿が似合うし。

 

 その後俺の出した渾身の一皿、チキンのクリーム煮と出汁巻き卵、日本人の魂と言える白米と味噌汁は高評価こそ貰えたものの「何処か安心する家庭料理の典型」と言う褒められているのか貶されているのか分からない感想も頂いた。

 

 そしてやっぱり、盛り付けは適当だったので見栄えは悪かった。




スタレの最新ストーリーめっちゃ盛り上がった。異相のキングについては結構不満出そうね
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