バグですが、なにか?   作:社畜から無職へ

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1-04 バグと猿と

 

 前回のあらすじ

 

 本能「フフフ……私、聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うがいい」

 

 私「何、不幸だと!?」

 

 本能「そう、不幸だ」

 

 私「ほ、本能……お前は……」

 

 本能「君はいい友人であったが、君の父母がいけないのだよ……フフフ、ハッハッハッハ!」

 

 私「本能、謀ったな本能!」

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 謀られました…………

 

 

 

 やあ皆の衆、私だ。

 

 私は今、少々困った状況に直面している。

 

 前回のあらすじでご理解頂けたと思うのだが、卑劣なる本能の策略により、洞窟の構造自体に広範囲で破壊行為を行ってしまったのだ。

 

 そしてこの洞窟には多くの住人?が居たらしく、彼ら彼女らが大変お怒りで、私を凄い剣幕で追いかけて来るのだ。

 

 「ちっ! クソ猿がぁ~~~~~~!! エテ公の分際でぇ!! 調子コイてんじゃ~~ねぇ~~~~~~!!」

 

 振り向き様に猿供にブレスを放つ私ですが、溜めもなく、全力疾走中の不安定な状態では威力が出ない。

 

 命中した個体は一撃で倒せるものの、数が多すぎる。

 

 最初は良かったんだ。

 

 数匹の猿が吠え狂って襲いかかって来たけど。

 

 「ほ~ら♪ 捕まえて御覧なさ~~い♪」

 

 って感じでヒョイヒョイ避けながら、無事に全て倒したんだが、その後に増量おかわりが来た。

 

 増量おかわりを倒すと、また更に増量。

 

 そして現在、全力で疾駆する私の後ろには比喩ではなく、視界を埋めつくさんばかりに猿の群れがひしめき合っている。

 

 先頭を走る個体なんて、後ろから来る猿に押し倒され、踏み潰されている。

 

 「猿、ホアー?」

 

 アホかも知れんが、狂ったアホは質が悪い。

 

 時折、ワイヤートラップを仕掛けるのだが、全く気にせずに仲間とトラップを諸供に踏み潰してなお、数が減らない。

 

 減らないどころか、寧ろ増えてる。

 

 一匹一匹ならどうとでもなる雑魚猿が恐ろしい。

 

 もし、あの手に捕まったら。

 

 もし、脚が滑って転んだら。

 

 もし、……………

 

 

 握り潰される私。

 

 踏み潰される私。 

 

 引き裂かれる私。

 

 生きたまま喰われる私。

 

 

 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い!

 

 

 私の全てが恐怖に塗り潰される。

 

 「ウッギャ~~!エ゛ッエ゛ッ~~~~!!!」

 

 恥も外聞もない、涙と鼻水と涎で顔面をベトベトにしながら、泣き叫ぶ。

 

 「グェア゛ェ~~~~~~!!!」

 

 もし、人型の下半身が在ったら、垂れ流してたのは確実だ。

 

 「ゴベンナザイ~~~~! ユルジデ~~!!」

 

 淑女のペルソナをかなぐり捨て、私は逃げ惑った。

 

 私は逃げ続けた、走って、駆けて、跳び跳ねて。

 

 走り抜けたその先に………

 

 風を、感じた。

 

 逃げる先のその横から微かでは在るが、風の流れを感じる!

 

 出口!! 外界だ!!!

 

 一縷の望みに身体中に活力が戻る。

 

 洞窟を抜けて広い外に出れば何とかなる!

 

 速度を落とさず直角壁面ドリフトをかました先は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地面が在りませんでしたぁ~~~~ ⤵️ バグピョーン!

                  ・

 

 

 

 

 

 

 

 だがしかし、皆さんは知って居るだろうか?

 

 蜘蛛は飛べるのだ!

 

 「うおりゃ~~あぁ~~!」

 

 蜘蛛型のお尻からネット状の糸を虚空へ向けて打ち出した。

 

 更に更に! 今回のネットは只のネットではない!

 

 ネットの隙間を蜘蛛糸で覆ってある、パラシュートネットなのだ。

 

 下方に熱源が在るのだろうか? 赤い輝きが見える。

 

 それにより結構な強さの上昇気流が吹き上げている。

 

 

 

 

 「I ! can !  fly ! 」

 

 

 

 

 「私はぁ~~飛べるぅ~~!」

 

 徐々に高度を上げながら、周囲を見渡すと上は天まで、下は地獄まで通じていそうな大穴だった。

 

 あ゛猿ども落ちてら。

 

 私が出て来ただろう横穴から、猿達がボロボロと落ちて行く。

 

 後続に押し出されるから、穴が在るからと止まれない。

 

 「猿がゴミのようだ」

 

 ふっ! 所詮は数だけの猿どもか。

 

 我ら蜘蛛とは比べるべくもない。

 

 「猿とは違うのだよ、猿とは」

 

 猿どもが際限なく落ちて行く様を見ながら、キメ台詞を呟く私、カッコイイ!!

 

 「じゃあな、アバヨ とっつあん!」

 

 さて、外の世界はどんなモノか期待に胸を膨らませ、私は穴を上へ上へと昇って行くのだった。

 

 「月がぁ~~♪ 見ぃてぇ~~♪ みぃたいなぁ~~♪」

 

 ほんの少し前には恐怖でぐちゃぐちゃだった魔物が今、何の反省も無く浮かれた調子で世に放たれんとしていた。

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 次回予告

 

 第五話「貴女に、力を…」

 

 勝利も敗北もないままに、モンスターは愚かな縄張り争いを続けている。

 

 果てしない闇の向こうにバグは何を見るのか。

 

 作戦名『オペレーション・バグ・メテオ』。

 

 蜂連邦に反目する猿達は、流星に偽装した新兵器、バグを大穴にを送り込んだ。

 

 

 私「………月は出ているか?」

 





 どうも、無職です。

 バグの猿に対する罵倒の言葉や I can fly は社畜時代の自分そのままのノリです。

 睡眠不足、疲労、時間制限、上司の無茶振り、急な仕事の変更、無職となった今では視野狭窄に陥って居たのを自覚出来ます。

 皆さんも健康に気を付けて下さい。

 身体を壊しても、国も、会社も、上司も、責任など取ってくれませんから。
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