バグですが、なにか?   作:社畜から無職へ

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1-05 「貴女に力を…」

 

 私A「月は出ているか?」

 

 私B「は?」

 

 私A「月は出ているかと聞いている!」

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 はい!どうも、私です。 月は出ていません!

 

 代わりに蜂が出てきました!

 

 どうやら大穴上部は蜂達のテリトリーだった様です!

 

 「戦いは数だよ! 兄貴!」

 

 はい!すいません! すいません! 私に兄貴はいません!

 

 しかし、敵なら売る程います!

 

 今回も私は悪くありません。

 

 蜂の存在を確認した私は極力蜂達を刺激しない様、静かにやり過ごそうと大人しくしていたのだ。

 

 なのに、なのに。

 

 あの蜂達はあろう事か、乙女の身体(人型)を狙って来たのだ!

 

 乙女の身体にプスプス、プスプスと針を刺してくる蜂。

 

 パラシュートにぶら下がり、ろくに身動き出来ない乙女の身体を狙うなんて、なんと卑劣な行いか!

 

 執拗に身体を狙いを続けるコイツらはセクハラで訴えられても仕方ない。

 

 堪忍袋の緒がブチ切れた私は思わずブレスを放ってしまったのだが、撃ち抜いた蜂のその先に彼らの巣が在ったのだ。

 

 崩壊する蜂の巣、バラバラと宙に放り出される幼虫。

 

 威力が乗っていたとは言い難いブレスだが、彼女らの集合住宅に小さくない被害を与えてしまった。

 

 だが、集団性犯罪者の拠点に被害を与えたと考えれば情状酌量の余地もあるのではないか?

 

 その後はまあ、お察しの通りでこの状況に至る。

 

 「ちぃっ! 数が減らない!!」

 

 蜂といい、猿といい、私の敵は何故こうも数が多いのか?

 

 刺して来る蜂は殴り倒し、距離を取る蜂は蜘蛛糸ネットで打ち落としているが、一向に数が減らない。

 

 丸ごと消してやりたいが、パラシュートネットにぶら下がっているこの状況でそれをやれば体勢を崩して壁面に激突するか、パラシュートに絡まって身動き取れないまま墜落するのがオチだ。

 

 「蜘蛛の栄光、この私のプライド、やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞ~」

 

 しかし、蜂連邦との圧倒的物量差にジリジリと追い詰められ、軽微とはいえ身体のアチコチに傷を負っていく。

 

 この物量、どうやら蜂の巣は一つどころではなかった様だ。

 

 周囲を完全に包囲された私。

 

 じわじわと包囲を狭める蜂。

 

 此処までか。

 

 このまま不利な空中戦を続ければ確実に詰む。

 

 ならば、一か八か。

 

 覚悟を決め、ブレスの準備に入る。

 

 前回の様な(お試し)ではない、本気の一撃。

 

 コレで一気に殲滅する。

 

 なぶり殺しにされるくらいなら、万に一つを掴み取る。

 

 糸で牽制しつつチャージを始める。

 

 蜂達も何が感じ取った様で、攻撃が更に苛烈になるが今は我慢。

 

 喉元が赤熱する程エネルギーを溜め込み、臨界寸前で私はパラシュートとの接続を切る。

 

 落下する私を蜂達が追いかけて来るがもう遅い。

 

 自由落下の中、私は八本の脚を駆使して体勢を整え、全力のブレスを放った。

 

 「汚(魔)物は消毒よ~~!!」

 

 ヤケクソな魂の叫びを乗せて全力ブレスが大穴を蹂躙する。

 

 が、

 

 全力ブレスの反動で加速する私には満足に戦果を確認する余裕など在るワケ無く、流星の様に光る尾を引いて地の底目掛けてカッ飛んで行った。

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 本能「私、は?」

 

 理性「駄目です、残念ながら回収不可能です」

 

 私「ほ、本能! 助けて下さい、げ、減速できません。 本能、助けて下さ~~い!」

 

 本能「私、蜘蛛には大気圏を突破する性能はない。 気の毒だが…しかし私。 無駄死にではないぞ。 おまえが蜂連邦のモンスターに全力ブレスしてくれたおかげで撃破する事ができたのだ」

 

 私「う”ぁぁ~~!!」(燃え尽き)

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 「はっ!」

 

 どうやら急加速のGで一瞬気絶していた様だ、ナニか見ていた気がするが気にしている暇は無い!

 

 凄まじいスピードで落下する私。

 

 脚を広げ、制動をかけようとするが風圧が強すぎて儘ならない。

 

 下を見れば、最初はポツンと赤い点だったのが、だんだんと大きく迫って来る。

 

 パラシュートネット再・展・開!

 

 あ゛あ゛あ゛~~ダメか~~!

 

 あまりの勢いにまともに開かない。

 

 開く前に、台風に負けて逆展開した傘の様に!

 

 ………? 台風? 傘? …………考えたら負けだ!

 

 蜘蛛糸を壁面に飛ばして見るが、やはり速度と風圧で自分に絡まりそうになる。

 

 ブレスの威力が強過ぎた? イヤ、手加減したら倒し切れなかった。

 

 何が無いか………何か!

 

 

 

 “力が欲しいのですか?” 

 

 “力が欲しいのなら………” 

 

 “くれてあげましょう!!” 

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 

 私 またお前か本能!! 今度はどんなトンチキ能力を使わせる気だよ、お前は!

 

 本能 トンチキとは酷いですね、私。 役に立ったでしょう? 父親譲りの✕✕の吐息は?

 

 私 は? 父親? おま、知ってるのか?

 

 本能 さて? 幾ら思考加速しているとはいえ時間が無い。 今回は勝手にやらせてもらいましょう。

 

 私 ちょっと待て、おいコラ!  ナニ勝手に…………

 

 本能 身体生存維持制限解除! ✕鱗発生! ✕鎧発現! ✕気解放!  ✕神・◯◯神・双神権能顕現!

 

 

 

 

 

 

 

 

       死ぬよりはマシにしてやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 私が変わって行く。

 

 幼かった体躯は成人のソレへと成長し。

 

 初雪の様な穢れ無き白髪から、暗黒の闇夜のごとき黒髪へ。

 

 小麦色の肌には漆黒の鱗が生え、その上に黒蜘蛛の甲殻と同質の甲冑が生成される。

 

 肩甲骨の後ろから、皮を突き破り一対の大きな翼が。

 

 黒蜘蛛の尻からは全身の数倍は在ろう長大な尾が生える。

 

 全身から暗く眩い輝きを放ち。

 

 私は………世界のバグは、煮え滾る溶岩の中に凄まじい速度で突っ込んだ。

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 次回予告

 

 第六話「モンスターの見た流星(仮)」

 




 無職 ↑次回タイトルです! はい、ではさようなら!

 私 無職ぅ~~ ちょっと待てい! 逃げんな! 今回のタイトル、何が「貴女に、力を…」だよ! 力は力でも、儚げな〒ィファの願いが微塵も無いわ!

 無職 仕方無かったんや! 最初のプロットから、書いてるうちに大外れの方向にぶっ飛んでまったんや! 俺は悪くねぇ~~!! 文句なら本能に言ってくれ! 本当なら可愛い相棒から力を貰ってペアを組むはずだったんだ! お前らが暴走し過ぎたんだよ! 本当は変身は1-11で初お目見えする筈だったのに! シナリオ後ろ半分のタイトルからストーリー全部、練り直しだよ!

 私 謝れ! 私に謝れ! 全世界に全方位土下座で謝れ!

 無職 ぐぁ~~!! おい!本能!お前も謝れ!

 本能 …………やだ。

 
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