バグですが、なにか?   作:社畜から無職へ

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 前回出て来た大穴は、山頂の火口が貫通した富士山を想定してます。

 エルロー大迷宮は広大なので、一つくらいあっても良いかなと。

 火山の火口から現れる大怪獣、絵になるなと思ったので。




1-06 モンスターの見た流星

 

 その日の事を生き残った魔物たちは生涯忘れないだろう。

 

 頭上の大穴、かつてはクイーン・タラテクトという、魔物たちの中でも規格外の化け物が使用していた物の一つだが、その日は違った。

 

 轟音と共に黒く輝く尾を引いて、ソレは凄まじい速度で落ちて来た。

 

 ソレの名は「バグ」、混乱を巻き起こす災厄、「世界のバグ」がエルロー大迷宮中層に現れた瞬間だった。

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 タツノオトシゴ君は見た! 正体不明の「バグ(蟲)」が現れた瞬間を独占取材!

 

 我々エルロー大迷宮探索部隊は迷宮に潜る際「悪夢の残滓」との取り引きに成功、果物や調味料を交換条件に護衛及び案内をして貰う事が出来た。

 

 更には彼女を通して現地の魔物からの取材にも成功した。

 

 

 タツノオトシゴの証言、残滓さんによる口語?訳

 

 「いゃ~、びっくりしましたよ。 ワシら仲間と溶岩浴の後に岸に上がってまったりしとったら、上の穴からポロポロポロポロと猿と蜂が落ちて来るんすわ。 何や何や言うて上を見とったら大きな衝撃音と共に何か黒い光るモンが溶岩プールのど真ん中に落ちて………いや、突っ込んで来たんよ。 凄い衝撃と一緒に溶岩が降り注いで来てな。 次の瞬間もう一回、前とは比べもんにならん大爆発でワシも仲間も吹き飛ばされて気い失のうてな。 気が付いたら周りの仲間が喰われとったんや、あの化け物にな。 逃げた、もうダメやアレは、見た瞬間判ったわ。 後は判らん、逃げたからな。 お陰でワシらの仲間、随分と数が減ったで。」

 

 他にもウナギやナマズの証言も同様であったが、「アレはダメだ」「勇敢なやつはみんな死んだ」と口を揃えていた。

 

 我々は帰還後、これらの証言を元に有識者を交えて考察を行った。

 

 以下、その内容を記す。

 

 

 ・上から降ってきた猿と蜂

 

 ここまで残滓さんの案内で降りてくる途中、数百匹の復讐猿の死体を確認した事から、「バグ」は大穴から落ちてくる前に復讐猿と交戦。

 

 その後、大穴をテリトリーとする蜂の相手をしている。

 

 無傷で大量の復讐猿と蜂と火竜を屠った事から(龍)と同等かそれ以上の単体戦力を持つ。

 

 更に大穴まで復讐猿を誘因し、大穴に落とした事から高い知性を持つと予想される。

 

 なお、案内役の残滓さんに「バグ」について尋ねたが一切知らないとの回答。

 

 この事から未確定ではあるが、個体数は確認された1個体のみであると推測される。

 

 ・激しい衝撃波と溶岩の飛散(スプラッシュ)

 

 「バグ」高速で約3000mの直上から溶岩プールに落着、流動性が高くても溶岩は瞬間的に硬い壁のように振る舞う。

 

 溶岩プール落着の瞬間、凄まじい衝撃音とともに、周囲に大量の溶岩が文字通り「水しぶき」のように高く噴き上がりました(スプラッシュ・クレーターの形成)。

 

 ・巨大な気泡の発生と爆発

 

 「バグ」が速度で突入することで、「バグ」の後方に真空に近い空間(キャビティ)が生じ、大量の大気が溶岩内に引きずり込まれます。

 

 この引きずり込まれた空気が急激に加熱・膨張し、突入直後に大爆発を起こしてさらに溶岩を吹き飛ばした。

 

 ・急激な浮力による減速と浮上

 

 溶岩の密度が「バグ」の2.5倍高い(推測値)ため、突入した瞬間に猛烈な浮力(抗力と合わせて急減速がかかる)を受けます。

 

 「バグ」は一度溶岩内へ深く沈み込みますが、すぐにブレーキがかかり、海面の浮きのように表面へと浮上してきました。

 

 ・「バグ」による蹂躙劇

 

 姿を現した「バグ」は魔物達に無差別攻撃を開始。

 

 多数の勇気ある竜が仲間を守って連携し抵抗しましたが、中層の竜種では全く歯が立たす、一方的な蹂躙が行われ衝撃波で気を失った者の多くが「バグ」の餌食になりました。

 

 この「バグ」が地上に現れれば、尋常ではない被害が出ると予想され、迷宮との境界である、関の強化が急務であると探索部隊一同、具申させて頂きます。

 

           エルロー大迷宮探索部隊一同

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 私は暖かな流れの中、揺蕩うて居た。

 

 

 

  『ギェギェギェ~~~~~!』

 

   ドッカ~ン! ブバッ!! ザシャァーー!!!

 

 

 

 例えればまだ生まれる前、意識が覚醒する前の卵の中。

 

 

 

 

  『ガガガガガガッ!!』

 

   ズブッ! ダダダダダン!! ギャリッリリリッ!!!

 

 

 

 煩いな! 誰だ? 私の安眠を邪魔する不届き者は!

 

 

 

  「グォオオォォ~~ン!」

 

   バッターン! ゴロゴロゴロゴロ、グチャアッ!!

 

 

 

 喧しいわ! 何処のドイツだ、バカヤロー!

 

 思わず開けた口に生暖かいブツが入って来る。

 

 喰えない事はないが、正直不味い。

 

 「え~い! 女将を呼べ! こんなモノをこの私に食べさせようと云うのか!」

 

 思わず叫んて目を見開いた先は、死体累々。

 

 両手に歯形の付いたタツノオトシゴを持ち、私が立って居たのは血塗れな紅蓮の戦場だった。

 

 ナニコレ?

 

 などと思っていると身体が勝手に動き、飛んで来た溶岩塊をタツノオトシゴで払い落とす。

 

 ナニコレ?

 

 私の身体はタツノオトシゴを放り投げると同時に走り出し、両手から蜘蛛糸を射出、ナマズ?とウナギ?を拘束して振り回し始めた。

 

 『あら、目覚めたのね? でも、時間が無いの、しばらく私が制御権持ってるから、死にたくなければ大人しくしてなさい』

 

 ん、お前、本能か?!

 

 お前には聞きたい事がた~くさん、あんだよ!

 

 『ふう、ごちゃごちゃうるさいわね。 しっかり様子を見て戦い方を学びなさい。 じゃあ、また後でね』

 

 バッツン!!

 

 ぐはっ! 痛った~ぁ~! 衝撃と共に本能との接続か切られた。

 

 アイツ面倒臭く成ったな!

 

 この間にも、凄いスピードで周囲の景色が流れ、竜が屠られていく。

 

 私の身体は速さも力も火竜達を圧倒し、蜘蛛糸やブレス、尾による薙ぎ払いや刺突を駆使して無双する。

 

 私の意思とは、全く関係なく。

 

 当事者の私だけが、完全に置いてきぼりだった。

 

 

 

 

 

 ◇    ◇    ◇    ◇

 

 

 

 

 次回予告

 

 第七話「私の本能は狂暴です(仮)」

 

 

 





 本来なら、1-11で姿を顕現し、ラスボスとして1-12にて討伐される筈だった(世界のバグ)。

 しかし、バグがバグを呼び連鎖崩壊的に過去も未来もバグに侵食される今日この頃、皆さんもお仕事の予定が何故かオカシクなり、丸々仕事がやり直しになった事ありませんか?



 (無職注)ここから、言い訳が長いのて無視してOKです。



 正直、今回は難産でした。

 05で話の予定が完全に狂い、その余波で投稿予約していた04も修正、06以降は完全に作り直しでした。

 実際、06はお話の呈すら怪しいブツになり、逃避行動でガンダムネタのお話を何本か投稿した位です。

 心機一転、06では溶岩内戦闘を…と思い、資料を集めたのですが、バグの大きさと質量では溶岩内に潜る事が出来ませんでした。

 落下後の、二回に渡る爆発もその結果です。

 モッタイナイのでお話に入れてみました、

 炎熱の影響を完全無視したのですが、物理の前に轟沈です。

 本来ならスキルで潜るのですが、システム崩壊後の設定なので、魔法を上手く使えない今のバグでは……

 エヴァのD装備戦闘を!と想定していたら、溶岩の比重の重さと粘性の高さがもう………

 仮に溶岩内に潜る事が出来ても、視界は灼熱して美しい光景てすが、視界0で見渡す事すら出来ません。

 火山にもよるのですが、溶岩は粘性が高く、最も流動的でも蜂蜜並み、硬いお餅の様らしいです。 溶岩に投げたバナナが沈み込まずにそのまま燃える映像にも納得です。

 溶岩内での遊泳方法も模索したのですが、全身の鱗をスケイルモーターとして高周波駆動させ周囲を流動化、細長い胴体をくねらせて進むと言うのが一番効率的、と言う結果にたどり着きました。

 原作での、タツノオトシゴやウナギ、ナマズの体型は理にかなっていたのです。

 素人が調べ、シミュレートした結果なので本当に正しいか?ば保証外です。

 ではまた、機会があれば。

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