恋雪にTS転生したので、猗窩座を救いたい人生だった   作:自分の性癖に素直になろう小説

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>10月11日の投稿1回目です。本日は2回投稿しております。




第十七話 役立たずの狛犬・閉幕

 

 花火の夜から、季節がひとつ巡った。

 

 祝言の日取りが決まったのは、つい先日のことだ。

 そして、師範に再び頭を下げに行った日のことを、俺はまだよく覚えている。師範は少しの間黙ってから、いつもの豪快な調子とは違う、妙に静かな声で「頼んだぞ」とだけ言った。それだけで十分だった。あの人が余計な言葉を並べないときほど、本気だということを、俺はもう知っている。

 

 恋雪(こゆき)は、俺が式の日取りを伝えたとき、頬を赤くして目をそらした。いつもは軽口を叩く人なのに、その時ばかりは何も言わなかった。ただ、指先が着物の袖をきつく握っていたのを見た。ああ、この人も緊張しているのだと思うと、なぜだか胸の奥がくすぐったくて仕方がなかった。

 

 正直に言えば、怖い。

 

 強くなりたいと思ってきたのは、いつだって誰かを守るためだった。実の父親を守れなかった。だから拳を鍛えた。師範や恋雪(こゆき)のために、この腕を役立てたいと願ってきた。なのに、いざ幸せというものを目の前に差し出されると、体の芯が震える。俺の腕には、いまだに三本の入れ墨が刻まれている。罪人の証だ。この腕で、あの人の隣に立っていいのか――そう思わなかった日は、たぶん一日もない。

 

 それでも、恋雪(こゆき)は俺を選んでくれた。師範は俺を息子と呼んでくれた。

 

 幸せすぎて、怖い。

 

 道場の朝稽古を終え、井戸端で水を浴びながら、俺はふとそんなことを思った。空はどこまでも晴れていて、風は乾いていて、今日という日がこの先もずっと続くのだと、根拠もなく信じられるような朝だった。

 

 

 

 

 祝言の日付が決まってから、俺は誰にも告げずに朝早くに道場を出た。

 

 まだ人通りのない道を歩く。踏みしめる土の感触も、頬を撫でる風の冷たさも、今日はやけに鮮明だった。向かう先は、以前住んでいた町にある小さな墓地だ。

 

 親父の墓は、他のものに比べて随分と質素だった。碑石と呼ぶにはあまりに小さな石が一つ、地面から覗いているだけ。それでも俺には、これで十分だった。ここに眠っていると分かっているだけで、十分だったのだ。

 

 死んだ親父に、祝言を上げるって報告したくて。

 

 そのためだけに、今日はここまで来た。

 

 親父は、体の弱い人だった。働けない体で、それでも俺を育てようとしてくれた。俺が盗みを働いたと知ったときの、あの顔を今でも思い出す。怒るでも嘆くでもなく、ただ静かに、俺を見つめていた。そうして親父は、これ以上俺が罪を重ねずに済むようにと、自ら命を絶った。

 

 あなたが、命と引き換えに新たな罪から逃がしてくれた俺が。

 

 ようやく――ここまで来ました。

 

 言葉にはしなかった。声を出せば、何かが崩れてしまいそうな気がしたからだ。だから俺は、ただ墓の前に膝をつき、しばらくの間、目を閉じていた。

 

 風の音だけが耳に届く。遠くで鳥が鳴いた。

 

 親父。俺は今度、祝言を上げます。あなたが命をもって教えてくれたことを、今度こそ誰かのためにこの力を使います。もう二度と、あの日のような選び方はさせません。

 

 そう心の中で告げたとき、不思議と体が軽くなった気がした。まるで、長い間背負っていた何かを、少しだけ下ろせたような感覚だった。

 

 立ち上がり、墓石にもう一度目をやる。

 

 日の光が、白く乾いた地面を照らしていた。今日は、いい日になる。根拠などどこにもないのに、俺はそう信じて疑わなかった。

 

 俺は踵を返し、道場への道を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 ***

 

 墓地を出てから、思いのほか長く歩いた。

 

 途中、市の立つ通りを避けて回り道をした。祝言の話が町に広がっていることから、うっかり誰かに顔を見られて冷やかされるのも、悪くはないが今は少し気恥ずかしい。そんなことを考えながら、俺は普段より緩やかな足取りで町を抜けた。

 

 日はまだ高かった。

 

 日が暮れる前には、道場に戻ったのに。

 

 それなのに、道場が近づくにつれて、妙に息が詰まる。

 

 最初は、ただの歩き疲れだと思った。祝言を控えた緊張のせいだとも思った。だが、それにしては様子がおかしい。横隔膜のあたりが、勝手に小さく痙攣する。一度ではない。二度、三度と、間隔を空けて繰り返す。

 

 腕に鳥肌が立った。

 

 暑くもなく、寒くもない、ただの午後だ。風が強いわけでもない。なのに、皮膚の表面だけが、まるで冷たい水にでも浸けられたかのように粟立っている。

 

 理由がわからない。

 

 歩調を速めた。

 

 自分の足音だけが、やけに大きく耳に響いた。道場までの道のりを、こんなに長く感じたのは初めてだった。

 

 

 

 

 

 道場の門が見えてきたとき、俺は思わず足を止めた。

 

 そこには、見たこともないほどの人だかりができていた。近所の年寄りたち、恋雪(こゆき)を幼い頃から診ていた医者、町役人まで、普段は道場に近寄りもしない顔ぶれが、皆一様に青ざめた顔で集まっている。誰かが泣いていた。誰かが誰かの肩を支えていた。その光景だけで、胸の中の何かが一気に冷えていくのがわかった。

 

「誰かが井戸に毒を入れた……!」

 

 風に乗って、そんな声が耳に届いた。

 

 聞き間違いだと思いたかった。だが、続けて聞こえてくる声のどれもが、同じ方向を指している。

 

「慶蔵(けいぞう)さんやお前とは直接やり合っても勝てないから」

 

 誰の声だったか、俺にはわからない。輪郭のはっきりしない、近いのか遠くなのかその誰かの呟きだった。それでも、その言葉は矢のように俺の耳を貫いた。

 

「あいつら、ひどい真似を……!」

 

「惨たらしい……あんまりだ……!!」

 

 声は次々と重なり、溶け合い、もはや誰が何を言っているのかも判別がつかなくなっていく。俺はただ、その声の渦の中を、ゆっくりと――いや、自分では速く歩いているつもりだったのに、体はまるで泥の中を進むように鈍かった――道場の門へと近づいていった。

 

 そして、決定的な一言が耳を打った。

 

「恋雪(こゆき)ちゃんまで殺された……!!」

 

 その瞬間、俺の中で何かが止まった。

 

 

 

 ――俺は。

 

 俺は、大事な人間が危機に見舞われている時、いつも傍にいない。

 

 

 

 そんな考えが、まるで他人の声のように頭の中で響いた。なぜ今、こんなことを思い出すのか自分でもわからなかった。ただ、遠い昔、俺がまだ幼く、親父が独りで首を括ったあの夜も――俺はその場にいなかった。

 

 人だかりをかき分けるようにして進む。誰かが俺に気づいて何かを言った気がしたが、声は耳を素通りしていった。

 

 道場の敷地に足を踏み入れた瞬間、辺りの音が遠のいた。

 

 井戸端の脇、いつも二人が並んで座る縁側のあたりに、師範と恋雪(こゆき)の姿があった。

 

 俺は最初、二人が眠っているのだと思った。

 

 茣蓙(ござ)の上に、師範が仰向けで寝ている。恋雪(こゆき)もその隣で、体を横たえていた。顔の上には、誰かがかけたのか、薄い白い紙が一枚。まるで、日差しを避けるために顔を覆っただけのような、そんな穏やかな姿だった。

 

 俺は近づいた。膝をつき、恋雪(こゆき)の顔にかかった紙に、そっと手を伸ばした。

 

 指先が震えていることに、その時初めて気がついた。

 

 紙をめくる。

 

 恋雪(こゆき)の顔は、眠っているようにしか見えなかった。頬に赤みはなく、唇にも色はなく、そして――息をしていなかった。

 口からは血の跡が残っていた。

 

 俺は、その場から動けなくなった。

 

 呼吸の仕方を忘れてしまったような気がした。実際、自分がどれくらいの間、息を止めていたのか、俺にはわからない。目の前の光景は、少しも変わらなかった。時間だけが、そこで止まっているようだった。

 

 頭の奥で、ある声が蘇る。

 

 

 

『俺は誰よりも強くなって、一生あなたを守ります』

 

 

 

 花火の夜、俺が口にした言葉だった。あの時、恋雪(こゆき)は何も言わずに、ただ小さく頷いてくれた。俺はその頷きだけで、この先の人生をかけて誓いを立てたつもりだった。

 

 

 

 結局。

 

 口先ばかりで、何一つ成し遂げれなかった。

 

 その言葉が、頭の中で静かに、けれど確実に、俺という人間の輪郭を塗り潰していくのがわかった。

 

 

 

 

 ***

 

 その惨殺事件の詳細は、奉行所に記録が残されている。

 

 素流(そりゅう)道場の父娘が毒殺された後、生き残りの門下生一人が、隣接する玄武(げんぶ)道場を襲撃した。剣術道場に所属していた六十七名を殺害したのは、素手による頭部破壊、内臓破壊であったという。

 

 激しい抵抗があったと見え、遺体の多くには争った形跡が見て取れたが、それも一瞬のことであったらしく、ほとんどの者は為す術もなく命を落としたと推察されている。

 

 殆どの遺体は潰されて原形をとどめず、ひしゃげた肉塊と化していた。その上、身体の一部が多数欠損しており、顎、脳、眼球、手足、内臓が天井や壁に飛び散り、そのまま張りついていた。地獄絵図としか言いようのない有様であったと、当時この現場に立ち会った検分の者は書き残している。

 

 ただし、玄武(げんぶ)道場の跡取りの遺体だけは、道(・)場(・)か(・)ら(・)離(・)れ(・)た(・)神(・)社(・)の(・)境(・)内(・)で(・)発(・)見(・)さ(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)。他の遺体と違い、そこには争った形跡が一切なかった。跡取りは、まるで誰かに詫びるかのように土下座の姿勢のまま息絶えており、その頭部だけが破壊されていた。

 

 そして、唯一生き延びた女中も、正気を失っていたという。

 

 あまりにも荒唐無稽な内容であったため、この記録は三十年ほどのちに、作り話であるとして廃棄されている。

 

 

 ***

 

 血の匂いが、まとわりついて離れなかった。

 

 歩くたびに、足元から赤い痕がついていく。着物も、腕も、頬にまで飛び散ったそれが、乾ききらないまま冷えていくのがわかる。それでも、俺はどこか他人事のように、自分の足取りを眺めていた。まるで、誰か別の人間の後ろをついて歩いているような感覚だった。

 

 先ほどまでの喧騒は、いつの間にか遠のいていた。人の悲鳴も、怒号も、意味のない謝罪も、何もかもが背後に置き去りにされ、聞こえてくるのは自分の足音と、川の流れる音だけになっていた。

 

 気づけば、見覚えのある橋の上に立っていた。

 

 ここは――。

 

 ああ、そうだ。ここは、恋雪(こゆき)と二人で花火を見た場所だ。

 

 あの夜、俺はここで、この人を一生守ると誓った。恋雪(こゆき)は、頬を赤く染めながら小さく頷いてくれた。夜空を焦がす光の中で、俺はこの世に生まれてきた意味を、初めて理解した気がした。守るべきものがある。それだけで、この命には価値があるのだと、心の底から信じられた。

 

 今、同じ場所に立って、俺は何を思えばいいのだろう。

 

 守ると誓ったその人は、もういない。師範も、もういない。俺の両手には、まだ生々しい感触が残っている。誰かの命を、いくつも、いくつも、この手で終わらせてきた感触。それが誰であったかさえ、俺の記憶はもう定かではなかった。ただ、気づけばここに立っていた。ただ、それだけだった。

 

 俺の体に最後に残された素流(そりゅう)の武術も、俺の心に残された親父との約束も、その全てを己の手で穢してしまった――

 

 

 

 

 川面を見下ろす。

 

 月光を映して、水は静かに、何事もなかったかのように流れている。

 

 俺は、何のために強くなったのだろう。

 

 考えても、答えは出なかった。強さとは、誰かを守るための手段だったはずだ。だが、その誰かがいなくなってしまえば、この強さは一体、何を守るためにあるというのか。この両腕は、もう何も抱きしめることができない。この足は、もう誰かのもとへ駆けつける必要がない。この命は――。

 

 このまま、ここから。

 

 そう思う自分に、驚きはなかった。恐怖もなかった。ただ、極めて自然な結論として、その考えは俺の中に降りてきた。橋の欄干に手をかけようとする。

 生きる意味は、もうない。

 

 誰に言い聞かせるでもなく、俺は静かにそう結論づけた。感情は、もうどこにも見当たらなかった。悲しみさえ、遠くに置き去りにしてきたようだった。ただ、川の流れる音だけが、いやに耳につく。

 

 体を、一歩傾ける。

 

 そのまま落ちれば、全てが終わる。それだけのことだった。

 

 俺は、それでいいと思った。

 

 

 

 欄干にかけようとした手が、止まる。

 

 橋の中央に、誰かが立っていた。

 

 いつからそこにいたのか、俺にはわからない。足音も、気配も、何一つ感じ取れなかった。それでいて、そこにいるという事実だけが、やけにはっきりと肌に伝わってくる。

 

 美しい、と思った。同時に、ひどく歪だとも思った。

 

 深い夜に溶けるような、上等な着物を纏った男だった。長い髪が、風もないのにわずかに揺れている。その双眸は、まるでこの世の何もかもを見下ろすかのような、静かな昏さを湛えていた。

 

 男が、口を開いた。

 

「し(・)ば(・)ら(・)く(・)、鬼を配置した覚えのない場所で、鬼が出たとの大騒ぎ」

 

 声は低く、抑揚に乏しかった。

 

「私(・)か(・)ら(・)逃(・)れ(・)た(・)者(・)か(・)と(・)思(・)い(・)、わざわざ出向いて来てみれば、ただの人間とはな。なんともつまらぬ」

 

 その一言一言が、酷く場違いに響いた。まるで、この橋の上で起きたことなど、路傍の石ころほどの価値もないとでもいうように。

 

 頭の中で、何かが焼き切れる音がした。

 

「だまれ」

 

 自分でも驚くほど低い声が出た。

 

「殺す――ぞ」

 

 言い終えるより先に、俺は地を蹴っていた。ただ、拳術で鍛え上げてきたこの体だけを頼りに、俺は出し得る限りの速さで、男へと拳を放った。

 

 届く、と思った。

 

 いや――届いていたはずだった。

 

 視界が、ぶれた。

 

 気づいた時には、何か途方もなく重いものが、頭部に叩き込まれていた。痛みという感覚すら追いつかない、それほどの速さだった。骨が軋む音を、俺は自分の内側から聞いた。

 

 男の手刀が、俺の頭を捉えていた。

 

 ――速い。

 

 人の域を、明らかに超えている。

 

 それでも、俺の体は止まらなかった。頭を潰されながらも、俺の拳はなおも軌道を描き続けていた。人としての反射、鍛え上げてきた技術、それだけが、意識の途切れかけたこの体を、まだ戦わせようとしていた。

 

 だが、届かない。

 

 男は、眉一つ動かさなかった。

 

 俺という人間が積み上げてきた技も、速さも、覚悟も、この男の前ではまるで意味を成さなかった。それでも俺の体は、最後の一瞬まで、諦めずに拳を握り続けていた。

 

 

 頭は、確かに潰されたはずだった。

 

 それなのに、意識はまだかろうじて、この体につなぎとめられていた。痛みすら、もう遠い。視界は霞み、色を失いかけている。それでも、男の姿だけは、やけに鮮明に映っていた。

 

 男は、倒れかけた俺を見下ろしていた。

 

 値踏みするような、その目。まるで、道端に転がる石の質を確かめるような、そんな眼差しだった。

 

「十二体程、強い鬼を造ろうと思っているんだ」

 

 男の声は、変わらず平坦だった。

 

「お前は、与えられる血の量に耐えられるかな?」

 

 その問いが、何を意味するのか。俺には、もう考える力すら残っていなかった。

 

 鬼になるということなのか。人であることをやめるということなのか。それが、俺にとって何を意味するのか。

 

 考えようとしても、思考はどこにも辿り着かなかった。

 

 恋雪(こゆき)の、眠るような死に顔が浮かぶ。

 

 師範の、あの豪快さが失われた顔が浮かぶ。

 

 親父の、あの日の静かな眼差しが浮かぶ。

 

 守ると誓った。強くなると誓った。なのに、この手には何一つ、残っていない。俺という人間は、結局、誰一人として救うことができなかった。それが、この人生の全てだった。

 

 だとしたら――。

 

 俺が人であろうと、そうでなかろうと。

 

 もう、何の違いがあるというのだろう。

 

 唇が、勝手に動いた。声にすらなっていないような、掠れた息だけが漏れる。

 

「……ど、う」

 

 もう、どうでもいい。

 

「もう……どうでもいい……」

 

 全てが、意味を失っていた。生きることも、死ぬことも、人であることも、何かになることも。何もかもが、等しく色を失い、等しく価値を失っていた。

 

「全て……が……」

 

 そこから先の言葉は、続かなかった。

 

 続ける必要も、もう、なかった。

 

 

 

 

 男から何かが、自分の頭に流し込まれるのを感じる。

 

 冷たい、と思った。人のものとは思えない、静かな冷たさだった。何かが、体の奥深くに流れ込んでくる。血液とは違う何かが、心臓から手足の先まで、じわりと染み渡っていくのがわかる。

 

 痛みは、なかった。

 

 不思議なほどに、何も感じなかった。

 

 視界の端で、川面が月明りを静かに返している。あの橋の上で、俺と恋雪(こゆき)が並んで見上げた夜空とは、まるで違う色をしていた。

 

 体の内側で、何かが作り替えられていく感覚があった。骨が軋み、肉が沸き立ち、それでいて、どこか懐かしいような、生まれ変わるような感覚。抗おうにも、抗うための「俺」という輪郭そのものが、少しずつ溶けていく。

 

 ――恋雪(こゆき)……こゆ、き……。

 

 最後に浮かんだのは、その名前だった。

 

 声にはならなかった。もう、声を出すための「口」が、狛治(はくじ)という人間のものではなくなりかけていたのかもしれない。

 

 視界が白く染まっていく。

 

 音が、遠のいていく。

 

 橋の上に立つ男の姿だけが、いつまでも、俺の中に焼き付いていた。

 

 

 

 そこで、狛治(はくじ)としての記憶は途絶える。

 

 ………………。

 …………。

 ……。

 

 

 




>次回、エピローグ。
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