【主人公】屑鉄の少女外伝 死神が降り立つ【喋らない】 作:アルファるふぁ/保利滝良
オリジナル:SF/冒険・バトル
タグ:オリ主 屑鉄の少女 傭兵 死神 エグさ満点 設定と世界観借りただけ オリジナルパワードール
完全復帰の狼煙がわりに
注意!
屑鉄の少女を22話以上読んでから閲覧してください ネタバレがあります
また、私の作品のセルフオマージュ作品です そこもお許しください
とある酒場
スラム街の荒くれもの達がたむろするここに、一人の女性が入ってきた
その顔を見た野郎達は皆、その女性に手を触れようとした 具体的には、ナンパしようとした
しかしその女性の視線の先の者に気付くと、荒くれものは皆大人しく椅子に戻った
女性は確かな足取りである席を目指す
そこへ酒場の店主が制止した
「やめときな姉ちゃん、そいつに関わったらいけねえ」
呼ばれた女性は振り向いた
その顔の一部は、血管だらけの火傷痕 しかし、無事な部分は幼さを残しつつもまるでこの世のものとは思えない美しさを持つ 首の下に、たわわに実った胸が、はち切れんばかりに服に圧されている
女性は聞いた
「なぜだ?」
「大方、ヤツに仕事を頼みに来たんだろうが・・・アレは本物の死神さ 依頼主が少しでも裏切る素振りを見せたなら・・・」
怯える店主を嘲笑いながら女性は続ける
「依頼を放棄し依頼主を殺す・・・そんな傭兵など珍しくないだろう」
しかし店主は錯乱ぎみにその解答を否定した
「違う!奴は・・・」
「あの傭兵がどうしたというんだ?」
「奴は、依頼主とその関係者、ついでに依頼で敵対したヤツラも・・・皆ぶち殺すんだ・・・!一人残らず!」
その会話を聞き、酒場のカウンター席を独占していた屈強な男達が怯えぎみに呟く
「一月前ここで我が物顔してたギャングが、奴ごと敵対したグループを潰そうとして、ヤツに潰されたんだぞ・・・」
「バカヤロウ、三日前もデカイ組織がライバルのマフィアごと皆殺しになったろ・・・」
しかしその様子をまじまじと見ていた女性は微笑しながら言う
「ほう、なら好都合だ」
それはあまりに大胆不敵すぎるセリフ
その瞬間
酒場の時間が止まった 厳密には、雰囲気が凍りついた
「それくらいの実力がなければ困る」
女性は、凶悪な笑みを浮かべながら目的の人物のほうへ歩く
ハイヒールが床を叩く音が、酒場に響いた
そして、女性は声をかけた
「お前が、《死神》だな?私はM・L」
呼ばれた男は、フルフェイスのヘルメットをかぶったまま振り向いた
「貴様に仕事を依頼する」
Mと名乗った女性は、やはり凶悪な笑みを浮かべながら言う
「報酬は貴様の好きにしてやる 乗るか?」
酒場に静寂が漂う グラスの氷が溶け、ガラスに当たる
数秒後、ヘルメットの男は右手を差し出した
Mはその手をとり言った
「交渉、成立だな」
砂漠の荒野
何もかも乾いたこの地に、いくつものパワードールが立っていた
「リサ、もうすぐ目標が見える 気を付けろ」
「わ、わかりました隊長」
その中に、若い女パイロットが乗るサジタリウスはあった
彼女はリサ・アルマーティブ 人を救う仕事として統合政府に入った しかし統合政府の実態を知り、反旗を翻した仲間と共に反乱軍として戦うことを決めた
リサはけして実戦経験豊富な訳ではない だが、彼女には才能があった
今まで、誰よりも強いパワードール使いとして仲間内で名を馳せたリサ 今回は、統合政府内の《委員会》を相手に奇襲を行う 彼女の得意な戦法だ
やがて何十機かのパワードールが現れる 標的だ 腐っただけの外道の手下達
合図の信号弾が、空中で破裂した
「行くぞおおおおッ!」
リサのサジタリウスを筆頭に、反乱軍のパワードールが敵に突撃した
激しい銃撃戦が繰り広げられる しかし、リサは冷静にマシンガンでパワードールを次々と撃ち抜いて行く
「でやあああああ!!」
戦場が泥沼になりはじめた頃、通信が入る
隊長がそれを聞いて、息を飲む
「全機聞こえるか!?基地がマフィアに襲撃されている!敵は小規模だが、パワードールがない今では確実に基地が制圧されてしまう!」
「もうひとつ通信!」
リサはその内容に目を見開く
「10時方向から謎の機影・・・?」
機体の駆動音が大きくなる 背中のブースターが爆発的な加速力を生み、戦場へ機体を運ぶ
そこに乗っているのは、『死神』
異形の大型パワードールが、反乱軍と委員会部隊に突撃していく
戦闘範囲の隅っこにいたサジタリウスが、訳もわからないままバズーカの直撃を食らう
後ろに倒れたパワードールを無視し、死神は地上を滑走
背中のコンテナから無数のミサイルが飛び出した 空を少し滑空したあと、ミサイルは無差別に地面に突き刺さる 泥沼の戦場が爆撃に晒される 必死に敵を倒していた兵士が、上空への注意を散漫にしていたために死んでゆく
「う・・・み、皆、大丈夫ですか!?応答を・・・」
爆発の中、なんとか回避したリサは知り合いに通信を試みた
しかし、帰ってくるのはノイズのみ
「く・・・」
現れた何者かの方向にマシンガンを向けたリサ しかし、その隙を突かれ委員会部隊の攻撃を食らう かすり傷のサジタリウスを必死に動かし、リサはとりあえず敵を撃つ
しかしその後ろでは未確認機がガトリングを掃射しパワードールを殲滅している
四方八方からの攻撃をものともせず、あまつさえ止まりながらバズーカとガトリングを撃ち続ける異形のパワードール
冷たく光るカメラアイが捉えた敵は、その一瞬後に死ぬ
リサはこの近辺で出ると言う、死神の噂を思い出した
ガトリングで反乱軍のパワードールが蜂の巣に、バズーカで委員会のパワードールが消し炭に
冷静で冷徹な攻撃で戦場の何もかもを殺す死神のパワードール
その死神が、ガトリングとバズーカを捨てた ハンガーからハンドガンを引っ張り出して、正面に構える
弾丸が高速発射され、的確にパワードールのコクピットを射ぬく
左手にもハンドガンを持ち、左右前後の順で弾を撃つ
それら全ては、委員会と反乱軍双方のパワードールに飛ぶ まばたきする暇もなく、ハンドガンの残弾分パワードールがパイロットごと死ぬ
委員会部隊が一斉射撃を死神に叩き込んだ
マシンガンやバズーカ、ロケットが歪な機体に次々とぶつかる しかし、死神は倒れない
今度は使い物にならなくなった装甲をパージし、再びブースターを起動する
そして、ハンドガンを捨て今度は肩のハードポイントからショットガンを取り出す 一瞬だけブースターが光り、サジタリウスの一機を至近距離にとらえる
「あっ」
あっけない断末魔
そのサジタリウスが散弾に倒れ、死神は右に銃口を構える 躊躇いなく引き金が引かれ、またパワードールが撃破される
舞い踊るように回転し、ショットガンを的確に叩き込む
最早その殆どを死神に撃墜された双方のパワードール部隊
しかしリサは諦めなかった
例えこの戦場のパワードールがヤツと自分だけだとしても、彼女は諦めなかった
彼女は正義感に溢れたパイロットだった 人のために戦うことを夢に決めていた それは叶ったあと、裏切られた
いま、先輩や仲間も死んだ 目の前の死神に、殺された
正義の使徒は、何もできないまま撃墜された その敵と共に
だから
「・・・許すものかああああああッ!」
ブレードを展開し、斬りかかる とんでもないスピードでリサのサジタリウスが死神を襲う
ショットガンを構えた死神はしかし、ショットガンの弾が尽きたのに気づいた
一瞬だけで死神に肉薄するリサ あと一踏みで死神を叩き斬れる
そう思った
死神がハンガーから大鎌を取り出すまでは
柄の部分で刃を受け止め、そのままサジタリウスを弾き飛ばす
よろけたところに、鎌が振るわれた
「そ、そんな・・・」
リサが最後に見たものは、家族や仲間の走馬灯ではない
裂かれたコクピットに突っ込まれた、対人機銃だった
「ほう・・・」
Mは凶悪な笑みを浮かべていた
委員会と反乱軍、双方のパワードールを『死神』に始末させ、彼女の部下がその基地を制圧する
これがM.Lの計画だった それはものの見事に成功した
だが、『死神』の要求した報酬はとんでもないものだった
「私の唇を望むか、スキモノめ」
それはMのファーストキス
乱暴に顎を持ち、『死神』はMの唇を奪った
「ん・・・」
仮にも統合政府の基地を制圧した組織のボスMが、傭兵の女になる
しかし、その強さに、Mは確かに何かを感じている
数秒のキス
舌が絡み合う
が、『死神』の携帯端末にメールが届く
依頼主 人類管理委員会
桔梗悠花の無力化・捕獲
生命さえ無事であればどれだけ肉体が欠損していようと構わない。
依頼主 反乱軍幹部
先日我々が委員会の暴虐に対し反乱を起こしたのは知っての通りだと思う。
貴方には一つの独立戦力として反乱軍に加勢して欲しい。
弾薬・修理は全てこちらで負担する他、定期的に安定した報酬を保証しよう。
これは貴方の実力を見込んでの依頼だ。いい返事を期待している。
覗き見たMは、思わず笑った
先程潰した連中から、依頼が舞い込んできた
「行ってこい だがな、また私を奪えよ?」
Mは、『死神』に言った そして、また唇を重ねる
この荒廃した世界を、飛び回る者
それは、信念を持つものとは限らない
死神
命を奪うだけの、恐ろしい傭兵
その物語に、殺された者がいる
その物語に、怯えた者もいる
そんなことはどうでもいい 彼はただ、
死神である
水底のオッツダルヴァさんからもらった、本作オリジナルパワードールの設定
試作段階で破棄されていた第三次世界大戦中にドイツで開発されたパワードール、ヴォルフをアンタレスやレイザーなどの他のPDの部品や闇ルートから手に入れたパーツを使用して改造した機体。
機体各部に複合装甲を使用し高い防御力を誇り、闇ルートで入手した燃費は悪いが高出力の規格外ブースターで機動力も損なっていない。その状態での機動力はアンタレス並。
また、全身の複合装甲をパージすることで防御力を犠牲に非常に高い機動力を発揮する。その状態では胴体のディテールが遠目で見ると髑髏のように見え、より禍々しい外観になる。
武装は旧世代規格であり、新世代の固定装備は使用できない。
ヴォルフは戦闘中の形態変化による変則的な戦闘をコンセプトに作られたのはいいがあまりの使いにくさに開発が断念されたという機体
設定協力ありがとうございました!
そして、見てくださった皆様に感謝を!