黒ひげがブルックを睨みつける、観察するように
一見考えなしの破天荒な人物と思われがちだが、実は結構な策略家であり思慮深い部分があるのだ。
『こいつ⋯』
黒ひげは思う
厄介な相手だと
ブルックの事を詳しく知っている訳ではないが本能とも呼べる部分が警鐘を鳴らしている。
お互い緊張状態が数刻続いた。
これはブルックにとっては僥倖であった。
ブルックは決して弱くない海軍大佐の『たしぎ』をも圧倒し『雨のシリュウ』とも互角に渡り合っていた。
だが相手は四皇、その中でも危険度No.1
ルフィがくるまでの足止めができれば勝ちだと。
しかし黒ひげもだまって突っ立ってる男ではない、基本的に凶暴で好戦的なのだ。
その瞬間! 黒靄を消し一気にブルックに詰め寄る!!!
―――――
ルフィはギア4状態で空中を移動していた。
ロビンを探している。
微かにロビンの気配を感じた。
「見つけたぞ!」
ロビンを肩に担ぎ一目散に戦場から遠ざかる背中を追い越し、正面に勢いよく着地する。
ルフィはロビンを担いでた奴を視認した
「おまえ⋯⋯ 魚人島でヨワホシを」
それはバンダーデッケンであった。
「バホホホホ、久しぶりだな」
余裕ぶったセリフではあるがバンダーデッケンは死を覚悟して対峙していた。
ルフィはバンダーデッケンのことをあまり知らない
シラホシに危害を加え続けていた程度のことである。
「ロビンをはなせ!」
ルフィの言葉にデッケンは目を逸らすことなくゆっくりとロビンを降ろした。
そして構える、絶対に適う理由のない相手、だが構える
デッケンの目的はただ一つ、それさえ完遂し死ななければいいのだ。
それはブルックと違い時間稼ぎをする必要もなく、逆にさっさと終わらせたい状況であった。
デッケンが勢いよく飛びかかる!!
しかし掠りもしない、両手にはナイフ、もちろん手袋をしている
少し変わった手袋だ
ルフィのターン、
ジェットピストル!!!
『ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!』
といとも簡単に攻撃を食らうデッケン
だがまだまだ倒れるわけにはいかない、もし2本足であったなら既に倒れていたであろう身体を4本の足でなんとか堪える
「バホホ ゴホッ!⋯そんな⋯もんか」
精一杯の強がり
なんとか攻撃を繰り出す
が、当たるわけがない
そんな戦いとも言えない戦いを数刻、デッケンは意識どころか生命までなくなりかけたその時
『ここだ』とバンダーデッケンが倒れ込む
もう、ピクリとも動ける気がしなかった。
そんな姿をみてルフィは戦闘態勢を解除する。
しばらくうつ伏せに倒れているデッケンを見下ろしゆっくりと近づく。
近づいた瞬間『ガバッ!』と来ることはよくあることで、そんなセオリー通りのこともなくデッケンの横に倒れているロビンを抱き上げた。
デッケンを背にしてスタスタと立ち去る、一度振り返りデッケンを見る。
動く気配はなく瀕死のデッケン
そして二度と振り返ることなくルフィはその場を去った。