コードギアス~4人の浪人~   作:三戦立ち

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第2話

アキラ達を乗せたトレーラーは街灯もない暗い道を走っていた。 今、軍がカゴシマのサクラジマに拠点を置いてあるテロリストと対峙してある。岡村達はその隙に陽炎の基地があるとする薩摩半島の南にある開聞岳の付近にあるとされる陽炎の基地を襲撃するという作戦だ。

 

アキラ達は内藤から渡された書類に目を通した。内容は陽炎に関する資料であった。

 

「おい、内藤こいつは…」

 

基地の資料を見た本田は内藤にたずねた。その内藤はというとサングラスをかけ暢気な様子でコーヒーを飲んでいた。

 

「わかってる。これだけなのかって言いたいんだろ。 軍に手をまわしたが手に入れることができたのはこれだけだ。」

 

これから向かう基地に関しては敷地面積などの図面だけで基地の中に詳細はわからなかった。

 

「別に今に始まったことじゃないだろ。 日本開放戦線の連中も陽炎の事知っているのはほとんどいなかったんだ。」

 

「それだけじゃない、井ノ本達はブリタニア本国へ突然やってきてみんな貴族になったんだ。 新しい陽炎を設立して軍の中でも大きな影響をあたえるまでになったらしい。 井ノ本がなんでブリタニアと繋がっていたんだ?」

 

運転しながらも岡村も井ノ本達の突然の失踪そしてブリタニアとの繋がりが気にはなっていた。

 

「みんな考えたことがあるか?」

 

無口だったアキラが重い口をあけた。

 

「何故俺達が陽炎から排除されたのか?」

 

アキラの問いに皆黙っていた。

 

「井ノ本はどんな兵士を求めていた? 奴は自分のために死んでくれる兵士、駒が欲しかったんだ。 俺達はその駒には不適格だったんだ。」

 

「確かにどいつもクセのある野郎ばかりだかな。」

 

内藤は薄ら笑いをした。

 

「ブリタニアでも奴は陽炎を設立し自分に忠実な兵士をつくっている。」

 

「それで今度は日本人の血をすするって訳かチキショ!」

 

岡村はハンドルを叩いた。

 

(それだけじゃない、ギアス。 井ノ本はあの力の事にも関与しているはずだ。)

 

 

「だとすると基地にいる敵の数はどれくらいだ?」

 

「サクラジマの反乱軍に数をまわしてるからそんなにいないと思うがどうした本田?まさかここに来てビビってるのか?」

 

内藤はニヤニヤした顔を本田に向け本田もサングラスをかけたその顔を見てイラっとした。

 

「俺は絶対に井ノ本を殺すと誓ったんだ! だから確実に殺せる道を選びたいだけだ!」

 

「内藤! こいつの家族の事は話しただろ! からかうマネはよせ。」

 

岡村は怒鳴るように叫んだ。

 

「へっ、それがどうしたって言うんだ。同じような事をした同類のクセに妹が奴らのオモチャにされた途端これだ。 調子がいいだよお前。」

 

「貴様、殺してやる!!」

 

本田は懐から銃を取り出し内藤にその銃口を向けようとした。

 

「てめぇらいい加減にしろ!! ここまで来て喧嘩はよせ!! 俺達はもう動きだしてるんだ!!」

 

岡村の言葉に本田は舌打ちをして銃を収めた。

 

 

 

 

 

 

 

-カゴシマ サクラジマ 反乱軍本部-

 

基地にいる人たちは慌しく動いている中ある一室に2人がある会話をしていた。

 

「……以上で物資の積み込みは終わります。」

 

「短い間とはいえ我々を匿っていただき感謝します。」

 

ト部巧雪はここの基地の責任者に頭を下げた。

 

「奴らは明日の明朝ここを総攻撃かけるでしょう。 我々が迎え撃ちあなた方黒の騎士団はその隙に…。」

 

「しかし、私達だけではなくあなた方もご一緒に…。」

 

「ここはもうダメでしょう。今、我々ができることは黒の騎士団を日本から脱出させることです。 」

 

「………。」

 

その言葉にト部は何も言う事ができなかった。

 

「これは私の我儘ですが基地にいる若い奴らを連れて行ってください。 まだまだ青いやつばかりですが必ず力になるでしょう。 黒の騎士団は我々日本人の希望です! ご武運を!」

 

差し出された腕にト部は力強く握り返した。

 

 

 

 

 

(ここにもいなかった。)

 

物資の積み込みをしながらも紅月カレンはどこか沈んだ顔をしていた。

自分達の手配書がエリア11の各地で貼り出されているがアキラの手配書は見られなかった。

自分を助けるために1人、軍と戦い姿を消した。

皆は捕まったのかもしくは殿で死んだため手配書に載せる必要がなかったっと言うが

カレンはそうは考えられなかった。

 

 

(あいつが簡単にくたばるはずがない!)

 

逃避行を続ける中カレンは各地でアキラを探した。逃げた先の基地、近くにあるゲットー。少ない時間の合い間を縫ってカレンはアキラを探しまわった。

ここの基地にいるのではないかと思い基地の兵士達にも聞いたがここにもアキラはいなかった。

 

 

 

「どうした?」

 

「C.C.……」

 

カレンの様子を見たC.C.が話しかけた。

 

「……奴か。」

 

「……もう先に日本出てるかもね。」

 

カレンは苦笑いを浮かべた。

 

「お前、何故あいつが生きていると思う?」

 

「じゃあ、逆に聞くけどあんたはアキラが死んだと思う?」

 

「………。」

 

黙ったままのC.C.を見てカレンはフッと微笑んだ。

 

「根拠はない。 けどあいつが捕まったり、死んだってどうしても思えないの。 あっでもゼロ、ルルーシュは私が見捨てちゃったからもう無理だろうけど。」

 

「そう責めるな。 あいつは生きてるよ。」

 

「じゃあその力でアキラの居所が分かれば楽なんだけどな。」

 

そう言うとカレンは残りの物資を運ぼうと出て行った。

 

(アキラ、あの時の借りまだ返してないんだからね!)

 

カレンは右腕を力強く握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

-???-

ある人間が目を覚ました。自分の体を起こし辺りを見渡し、眠っていたベッドの周辺には様々な機器が付けられていた。

自分の髪に手を触れ自分の腰の辺りまで黒い髪が無造作にのびていた。

 

 

「目が醒めたようね。」

 

1人の眼鏡をかけた女性とその部下数人が部屋へ入ってきた。

 

「………」

 

「どこか異常は?」

 

「……いえ、どこも…」

 

「そう、でもこれから検査、調整を始めるわ。 貴女はPS、パーフェクト・ソルジャー第1号だからしっかり成果をあげないとね、エリス。」

 

「はい………。」

 

 

エリス、そう名付けられた彼女の様子をマジックミラー越しから井ノ本 寛司は伺っていた。

 

「如何ですか? 彼女はシンジュクでの戦闘で瀕死の重傷から我々の手術で見事復活しました。 身体能力の向上だけではなく脳の視覚、聴覚などの演算機能を大きく発達させました。 まぁそのおかげで自分の過去一切の記憶がなくなりましたけどね。あとは通常の人間と変わらない知識を与えることもできます。そこは妹のジョディに任せればいいでしょう。」

 

ドリーは隣にいる井ノ本に経過を報告した。

 

「例のは?」

 

「ギアスの対抗手段のあれは脳による演算処理強化により可能となりました。 もっともかなり脳に負担がかかるのでまだ1度でしかできないと思われます。 しかしよろしいのですか? この技術をあの教団に提供するのは。」

 

「…構わん。 あとは頼む。」

 

研究室を出た井ノ本は私室へと入ったが部屋の中には1人誰かいたのだった。

 

「やぁあ。」

 

10歳前後の男児に見える子供がいた。

 

「V.V.…。」

 

「どうだいPSは?」

 

井ノ本は椅子に腰掛けた。

 

「手筈どおりというところか。」

 

「ふぅん。」

 

V.V.は書斎に飾られてある陽炎の写真を眺めた。

 

「過酷な訓練、実戦を耐え抜いた兵士が完璧なる兵士。それが君の理想の兵士だって君は言ったね。」

 

「そう……しかし、私は気づいた。通常の人間からは理想の兵士は生まれない。」

 

「だから君は自身の手でその理想の兵士をつくろうとしている。まるで神みたいだね。」

 

「しかし、エリス…彼女はまだこれからだ。 私の理想にもっとも近かった人間は…。」

 

「流崎アキラ。」

 

V.V.はテーブルに置いてある写真に目をやった。そこには陽炎時代のアキラの姿が写っていた。

 

 

 

「年相応の弱さを持ちながらも彼の力は抜きん出ていた。 彼を私の手元に置きたかったが奴はそれを拒否し支配されるということを拒んだ。その反抗的な姿勢に私は恐れた。」

 

「それで昔の僕みたいに彼を殺そうとしたけど彼は生き延びた。そして今度はPSをつくり彼と戦わせる。」

 

「もし、エリスが流崎と戦い勝てば彼女は人間としての感情を持ちながら常人を超えた力を持つ究極の兵士になるだろう。」

 

「その究極の兵士をつくりあげて君はどこへ向かうつもりかい?」

 

V.V.の問いに井ノ本はニヤリと笑みを浮かべ

 

「君達と同じだよ。 偽りのない理想の世界だ。 私はシャルルが目指す世界をこの目でみたいのだ。」

 

その言葉にV.V.は微笑を浮かべた。

 

 

 

-同日、夜-

 

トレーラーを廃墟に隠し今日はここで一晩過ごすことになったアキラ達は食事をとっていた。

 

皆が食べている中本田だけが俯いたまま出された食料に手を出さなかった。

 

「へっ、何情けねぇ面してんだよ。」

 

その様子を見て内藤は嘲罵をつくようにつぶやいた。本田はその言葉を聞き口を開いた。

 

「俺は…抜ける。」

 

「何!?」

 

岡村は箸を止めた。

 

「内藤、お前の言うとおりだ。 俺も妹を殺した奴らと同じ人でなしのクズだ。 だがな他人の傷を抉るようなてめぇと一緒じゃあ戦いたくねぇ!」

 

「おい本田、頭を冷やせ! この少人数だ、1人でも欠けたら勝算は低くなるんだ。」

 

「なんだよ。ビビってるのを棚上げにして他人のせいにしてやがる。お前はやっぱり臆病者だよ。」

 

相変わらずの内藤の態度に本田は内藤の胸倉を掴み自分の拳を内藤の顔面に叩き込んだ。

殴られた拍子にかけていた内藤のサングラスがはずれた。その顔をみてアキラは目を細めた。

 

 

「へっ、かかってこいよ。 臆病のパンチなんざ痛くもないぜ。」

 

内藤の挑発に憤った本田は2発、3発と拳を内藤の顔、腹部へ何発も叩き込んだ。

 

「お前らいい加減にしろ!」

 

岡村は本田を抑えた。

 

「本田、もういいだろ。」

 

アキラも内藤、本田の間に割って入った。

 

「岡村、流崎そこをどけ!」

 

「こいつがまともな体なら止めはしない。」

 

「何!? どういうことだ流崎?」

 

暴れていた本田も動きを止めた。

 

「よく見ろ、こいつの左目は偽物だ。」

 

「何だと!」

 

内藤の左目をよく見ると眼球が動いていないのがわかる。

 

「内藤、義眼だったのか…どうして。」

 

「あんたのその額の傷と同じだよ岡村。」

 

「それでお前ずっとサングラスを……馬鹿野郎!!どうして言わなかった。」

 

「別に言う必要もなかっただけさ。」

 

その姿を見てアキラは静かな口調で言った。

 

「やせ我慢はよせ。 そんなことしてお前や俺達の気が紛れると思ったのか。」

 

「は、ははっ……」

 

内藤は自嘲するに笑った。

 

本田は彼のところへ寄った。

 

「内藤、そんな体でKMF動かせるのか?」

 

「へっ、馬鹿にするなよ。 この日のために俺は今まで生きてたんだ。 片目でこいつらを動かすのに俺がどれだけ苦労したと思ってんだ。」

 

立ち上がった内藤は砂を叩き落としトレーラーのほうへと向かった。

 

「俺は先に寝るぜ。」

 

内藤の背中を3人はただじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

-翌朝-

 

AM9:00 

今日はアキラの運転でトレーラーを走らせている。そのトレーラーの中は誰1人口を開くことなく沈黙が続いていた。 そんな中岡村が口を開いた。

 

「見えた、開聞岳だ。」

 

岡村の言うとおりひときわ目立つ大きな山が見えた。岡村は時計に目をやり時間を確認した。

 

「今日、軍が反乱軍の基地に総攻撃を仕掛けるのはずだ。 俺達もその時間を目安に基地に攻撃を仕掛ける。いいな!」

 

 

その言葉に誰も返事はしなかったが皆、作戦が目前に迫っていることで身が引き締まる思いであった。

 

 

 

 

-鹿児島湾 ブリタニア第8艦隊-

 

「敵に動きは?」

 

この作戦の指揮者は桜島に双眼鏡で見つめながら部下の報告を聞いた。

 

「大きな動きは見受けられません。」

 

「そうか、まぁ今回は陽炎がいる。 奴らに任せればいい。」

 

「同じイレブンのくせに躊躇なく殺す。…本当に最低な奴らですね。」

 

 

あのブラック・リベリオンから陽炎の存在が公になり陽炎はブリタニアの軍として反乱分子の制圧を中心に積極的に参加するようになった。

 

ブリタニア人もいるがほとんどがイレブンを中心とした部隊でその操縦技術は軍の間でも舌を巻くほどでもあった。

だが未だに抵抗を続けるイレブンの反乱分子を同じイレブンでありながらテロリストに対して容赦なく壊滅させる。 最近あったエリア11での反乱軍制圧作戦では反乱軍をほとんど全滅、捕虜にすることなく全員殺すという徹底ぶりであった。

 

また、陽炎のKMFは軍と同じサザーランド、グロースターを中心とした機体であるがマントはもちろん余計な装飾を外し装甲も軍で使うものとは違いかなり軟弱なものであった。 機動性では大きく飛躍しているがその分敵からの1撃でももらえば命の危険がある。 噂では脱出装置も取り外されているらしい。

 

その残虐性、生存率の低いKMFに乗っている陽炎を軍の人間は裏でこう呼んでいる。

 

 

”最低な騎士”と

 

 

 

 

 

 

開聞岳の周辺を運転し、アキラ達は目的の陽炎の基地を見つけた。

 

基地は開聞岳のすこし離れたところにあり、周辺は森林に囲まれいた。

様子を探ろうとアキラ達は基地を見渡せる丘の近くまでトレーラーを動かした。

 

「9:50か…しばらく様子を見よう。」

 

しばらくして雨も降りだし辺りは霧もたちこめてきた。

 

 

「本田。」

 

あれからほとんど口を聞いていなかった内藤が口を開いた。

 

「色々おちょくるような事言って悪かったな。」

 

本田は内藤を見たがこちらの顔を見ず窓の外へと顔をやっていた。

 

「ふん、よせ。…………内藤、なんで名誉ブリタニア人なんかになったんだ。」

 

「ふふっ、阿呆らしくなっただけさ。 レッド・ショルダーだの吸血部隊だって言われたけどな、曲りなりにも俺も日本のためだと思って戦ってきたんだ。 それが日本人からは鬼、殺人鬼呼ばわれされてこんな事になったんだ。」

 

「おい待て、じゃあその目は!?」

 

「あぁ岡村、こいつは敵にやられたんじゃない。 命かながら陽炎を抜けて小さい反乱軍に身を寄せたんだがその中に俺達に家族を殺された奴がいてな。 最強の陽炎だって歓迎を受けたはずが一転憎しみの対象にされてな。それからは殴る、蹴るの繰り返しだ。くっくく。」

 

内藤の笑い声がトレーラーに響いた。

 

「隙を見てどうにか逃げたがおかげで片目はやられて、KMFどころか体もロクに動かせなくなっちまった。 それからはゲットーを渡りながら暮らしていた。 だがな名誉ブリタニア人になればそれなりの自由になってこの義眼もできた。 くっくくく、おかしいだろ。 もう日本だのブリタニアとかどうでもよくなって、あとは勝手にやってろってな。 はっははは!」

 

「もういい、内藤。」

 

笑っている内藤を岡村がとめた。

 

「その恨み節は井ノ本に会って奴にぶつけてやれ。そのためにここまで来たんだ。」

 

 

「出たぞ!」

 

双眼鏡で基地の入り口を見張ってたアキラが声をあげた。

 

「来たか!数は?」

 

「4機…いや6機だ。 機体はサザーランドだが少し外装が違う。」

 

「よし!! 行くぞ!!」

 

 

コンテナを開き4人は各自の無頼に乗り込んだ。

 

 

-あの基地に井ノ本がいる。奴に会い何がわかるのだ。そして俺達は………-

 

 

 

 

 

 

 

 




今回でた新キャラエリスはPSというよりもネクスタントに近いですね。

エリスにあるギアスキャンセラーは1度しか使用できず、この技術がR2のジェレミアに活かされるという設定にしてみました。
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