〜特級裨益呪霊〜 黄昏の福音 作:楓舞星
10話:特級裨益呪霊と夏油達
東京を闊歩する人物がいる。夏油だ。それに付随する様に、呪霊が付き合わされている。恐らく生まれてから随分と時が経っているのだろう古参の、意識がしっかりと存在している火山の呪霊、漏瑚が言う。
「人間は嘘で出来ている。表に出る正の感情や行動には、必ず裏がある」
夏油はそうだねーと適当に相槌を打って歩く。
「だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な本物の人間なのだ」
かもねー。
「偽物は消えてしかるべき!」
だよねー。
夏油は心底適当にそう言いながらも、ファミリーレストランに入って、自身が獄門疆と言う呪物を持っていることを伝えた。
「獄門疆!持っているのか、あの忌み物を!」
「落ち着け、漏瑚。焦げ臭い」
「そうか、だが……それを使うまでもない。儂の力は宿儺の指何本分だ?」
「甘く見積もって7、8本分ってところかな」
「十分だな……五条悟とやらは、儂がやる」
漏瑚がそう言い、頭の火山をぐつぐつと音を立てながら周囲を燃やし、死人が次々に出た。
コツコツ。鴉色の、ヒラヒラとした『喪服』を羽織った、垂らした髪にアンテナがぴょこりとある女性が入店する。その女性は、夏油の隣に座った。
「こんにちは、久しぶりだね。変な人」
「ああ、君は特級裨益呪霊か……どうしてここにいる?」
「死人がここで沢山出るって聞いたから」
「誰にだい?」
「電化製品店のテレビで」
「はは、相変わらず君は面白いね」
「それほどでも」
「あの時とは違い、私に危害は加えないんだね?」
「呪霊の『私』からしたら、そんなのどうでもいいからね。むしろ、そっちの味方かもよ?」
「どの口が言ってるんだか」
「さて、一体何があったの?そこの火山が原因?」
「そうなるね」
東京を闊歩する人物がいる。夏油だ。それに付随する様に、呪霊が付き合わされている。恐らく生まれてから随分と時が経っているのだろう古参の、意識がしっかりと存在している火山の呪霊、漏瑚が言う。
「人間は嘘で出来ている。表に出る正の感情や行動には、必ず裏がある」
夏油はそうだねーと適当に相槌を打って歩く。
「だが負の感情、憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な本物の人間なのだ」
かもねー。
「偽物は消えてしかるべき!」
だよねー。
夏油は心底適当にそう言いながらも、ファミリーレストランに入って、自身が獄門疆と言う呪物を持っていることを伝えた。
「獄門疆!持っているのか、あの忌み物を!」
「落ち着け、漏瑚。焦げ臭い」
「そうか、だが……それを使うまでもない。儂の力は宿儺の指何本分だ?」
「甘く見積もって7、8本分ってところかな」
「十分だな……五条悟とやらは、儂がやーー」
漏瑚がそう言い、頭の火山をぐつぐつと音を立てながら周囲を燃やそうとして、
コツコツ。鴉色の、ヒラヒラとした『喪服』を羽織った、垂らした髪にアンテナがぴょこりとある女性が入店する。その女性は、夏油の隣に座った。
「こんにちは、変な人」
「ああ、君は特級裨益呪霊か……どうしてここにいる?」
「死人がここで沢山出るって聞いたから」
「誰にだい?」
「電化製品店のテレビで」
「はは、相変わらず君は面白いね」
「それほどでも」
「あの時とは違い、私に危害は加えないんだね?」
「呪霊の『私』からしたら、そんなのどうでもいいからね。むしろ、そっちの味方かもよ?」
「どの口が言ってるんだか」
「本当だよ?まあ、死人だけは記憶の都合上どうしても出せないみたいだけど。だから、そこの頭火山、とりあえず落ち着きなさい」
頭火山と言われた漏瑚はその言葉に、逆に落ち着きを取り戻し、
「……なんだ貴様……どう言う存在だ?」
その問いに、特級裨益呪霊はテーブルに肘をついて考える。
「『私』は……さあ、誰だと思う?知らないけど、結構美人だよね」
「儂に人間の美醜など求めるな」
「『私』は呪霊だけどね」
その返答に、マシな回答は得られないと思ったのか、漏瑚はため息をつく。
「……はぁ」
「これでも、かなり落ち着いている方なんだよ?ファントムトークは使わないし、なにより『私』は顔が良い」
「誰に比べてかい?もしかして、例の子の話かい?」
「例の子?ああ、センテラス?私ね。『私』にすごい似ている……まあ、どっちかっていうと『私』がコピーなんだろうけど……でも、『私』も記憶があるしで、よくわからないんだよねー。『一回会ってみた』感じ、『私』の方が持ってる記憶の総量は遥かに多いんだけど、と言うか、向こうが微妙にあるだけと言うか……『器』や『フラグメント』は向こうが全部持っていってるみたい。自分が明確に偽物なはずなのに、本物の方が持ってる記憶が少ないんだよね」
「……中々面白そうな事になっている様じゃないか」
夏油は下卑た顔をして笑うと、
「……君たちみたいな面白い子は大歓迎さ」
「うーわ、胡散臭い顔。やめた方がいいよ。みっともない」
「はは、そう言う顔つきなもんでね」
「で、何やろうとしてんのさ」
「なに、ちょっと五条悟封印計画を実行しようとね」
「待て!その前に儂に挑ませろ!調子に乗っている若造に罰を与えてやる!!」
「彼は誰時に決行するなら私も手伝うよー面白そうだし。余興としてね」
「どうして彼は誰時なんだい?」
「『私』が『私』として1番強い時間帯だから。まあ別にどっちでも良いけど。負けないだろうし」
その発言からは、強い我が感じられた。
「なに?貴様は人を殺せぬ呪霊なのではないのか?足手纏いは不要だぞ」
「まあ、『私』も、手伝いは出来るよ?殺せはさせないけど」
「……貴様は何らかのしがらみを持っている様だな」
「それじゃあ、参加していい?漏瑚」
「ふん、同じ呪霊のよしみだ。付き合ってやろう」
「ありがとねー」
「それにしても……貴様からは何も感じんな。強い者と言うのは往々にしてそれ相応の気配を纏うものだが……」
「まあ、今の『私』ってなんも積み重ねてないからね。これから積ませてもらうんだよ……」
「?」
「ま、とりあえず行こっか」