〜特級裨益呪霊〜 黄昏の福音 作:楓舞星
「おっまたー!」
「あ、きた」
五条がなんか入ってそうな箱が乗っているワゴンを持ってきた。そして、出てくる。
じゃじゃーん!と効果音をスピーカーで流してから、
「はいオッパッピー!」
「は、はいオッパッピー……」
「故人の虎杖悠仁くん!と、新入生の吉野順平君です!」
「「…………」」
「久しぶりだね虎杖、背ぇ伸びた?」
「多分成長期だから少しぐらい伸びてるぞ!」
「マジレス乙……まあとにかく」
「「「おかえり、虎杖」」」
歓迎の声がその場に響きわたった。
「ぼ、僕は……?」
「初めましてでオッパッピーかましてくる奴が悪い!」
「ほら虎杖!やっぱやりすぎじゃないか!」
「す、すまん!」
「そっちの方はいったい誰なんですか?新しい進入生?」
「名前は五条先生が言ってくれた通り吉野順平です……最近呪術師になりました」
「今回は流石に新米すぎるから僕んところで一緒に観戦するけど、これからよろしくね」
「やあ、吉野」
「……君がテラスちゃん?」
「わぁ、初対面で下の名前で呼ばれてさしもの私も頬を赤く染め上げる可能性がなきにしもあらず……」
「ああ!ごめん、いや、君に似てる人を知っててさ」
「別にいいよ。言われ慣れてるし。というか、はぁ?私に似てる人?誰その変態」
「……言動は全く似てないね。うん。特級裨益呪霊って知ってる?」
「『初耳』だねぇー。ヒエキって、裨益の意味だよね?というか私、呪霊と比べられてるの?新種のディスり?」
「……いや、そう言うわけじゃなくて、その呪霊に助けられたからーー」
「へー、因みにどんくらい似てるの?ポケモンとパルワールドぐらい似てる?」
「ああ!もうなんでこんなに鬱陶しい!?」
「このぐらいで参ってちゃダメだよ吉野くぅ〜ん。心はゴムマリさ。押さえつけられれば必ず跳ね返そうとする」
「あああ!!!」
「お前ら、さっさといくぞ」
伏黒の冷静な声に、順平とテラスはスタスタとついていった。
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「パンダが喋った!」
「しゃけしゃけ。わかめ」
「こっちはおにぎりの具!?」
虎杖が個性豊かな面々に踊らされるなか、真希が、
「というか、私の屠坐魔どこいった?」
「あ、私が持ってますよ。返した方がいいですか?」
テラスは肩にかけていたバックから屠坐魔を取り出す。
「あれ?なんかちょっと小さくなってねえか?あと、刃がすげえ鋭くなってる……」
「気のせいっすよ」
「お前のせいだろ。教えろ。流石に違和感あるぞ」
「宿儺と戦ってたらなんか鋭くなってました」
実の所は、テラスが宿儺の伏魔御厨子を切る時に、刃毀れしないように解や捌を研ぎ剤として使い、刃を研いだのである。実際はあんな風に終わったとはいえ、テラスは虎杖を救うために、未来を考え、屠坐魔を研ぐことにしたのだ。宿儺の術で研いだのは純粋に高級感があると思う。
「意味わかんねーな……ああ、あと別にお前は呪具持ってんのか?」
「いいえ」
「ならそのままもっとけ。私は他に呪具あるからな。だけどぶっ壊したらただじゃおかねえぞ」
「うっす」
「まあとりあえず、作戦としてはーー」
テラスは呪霊掃討係に任命された。
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「それでは、姉妹校戦の開始でーす!!」
五条の声から始まりが告げられる。テラスはストレッチしてから、走り出す。
「呪霊!呪霊!呪霊!!!」
テラスはトリガーハッピーな顔をしながらそう言い、あえてぎゃははと下品に笑って、
「私に抵抗する愚か者は皆殺しじゃあああ!!」
バッサバッサと呪霊を殺して行って、1時間がただ辺りだろうか。後少しで過半数を殺し終えるだろう最中だった。
「んあ?帷?」
帷が下ろされているのが気配で分かった。どう言うことだと思いながらも、
予感がした。それは的中する。最悪の予感が。
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「あんな老耄の骨じゃ何も作れねーよっと!」
前衛的な格好をしているその男は、呪いのかかった釘を地面に突き刺し、
「闇よりいでて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え……これでいいか?」
結界術、帷を張った。
その帷の効果……それは『五条悟を通さない』という帷。
「夏油ってすごいね。そんな帷張れちゃうんだ。結界術、練習しようかなぁ」
バルコニーで外を覗きこみながら特級裨益呪霊はそう言う。それに、夏油は簡単そうに返す。
「君にも、練習したらできるさ」
「ん、そう。まあ部屋を外殻とした領域展開ぐらいは習得しとこうかな。あれなら、少しは楽に習得できそう……それじゃ、今回は『私』も出張ろうかな」
「自由にしなさい。どう言う事になるのか、この歳にして私もワクワクしてるんだ。君達のおかげだよ」
「『私』もいるしね。ちょっくら200億年と3万年積んだ私の神闘を学んでこようかな。力がないと、守りたいものも守れないんでね……『一応』、ただそれだけ。用心の為だけに、『私』は動く」
「いってらっしゃい」
夏油はそう言ったあと、
「おかえり」
夏油は意図がよくわからない返事を特級裨益呪霊に返す。対して特級裨益呪霊は、呆れた顔をしてから、
「何言ってんだか」
そう言った。
テラスが帷に入った時、もう既に戦闘は始まっていた。巨大な木が実物質化しており、それは天を覆い隠していた。その規模感から即座に、
「こりゃあ特級呪霊の仕業かな。準一級が二人いるとはいえ、早めに行かないとまずそう……」
タッタッタとテラスが寺付近に近づいた時だった。藍色髪の女が現れた。
「ん?いや、殆ど輪郭しかみえないから呪霊なのはわかるんだけど、何お前?」
「こんにちはーっす。『お嬢ちゃん』。ちと『私』と勝負しないかい?」
「……はぁ?勝負?」
テラスは思う。
(ここまで流暢に喋る呪霊……?意味不明だな……だが、聞いたことがある。五条が最近襲われた特級呪霊はよく喋っていたと……というか、私相手に『お嬢ちゃん』……?むかつくやろうだぜ……)
「おいお前、お前もまさか特級か?あっちで暴れてるのはお前の仲間どもってことか?」
「さあ?『私』にはわからないな」
「ふーん、あくまでシラを切るつもりなんだ……いいや、名前は?いや、名前ないか」
「うん。『私』に名前はないよ」
「じゃあ、なんて呼ばれてるか、あだ名教えろ」
「特級裨益呪霊ちゃんですっ!」
「あっ、ふーん。お前が例の……」
「まあ、勿論聞いたことがあるよね」
「ああ、なんか大層な名前付けられてるなーって思った。呪霊のくせに生意気だ!」
「まあまあ、んなこといわずに、一緒に茶でも飲みましょうや『お嬢ちゃん』」
「ふっ、私の実年齢はーー」
テラスが冗談混じりに言おうとした時だった。先に特級裨益呪霊がニヤリと笑いながら言う。
「ーー『200億3万歳』だろ?」
「なっ!?」
(ど、どうして私の実年齢を知っている!?)
「ど、読心系の技術とか、術式が使えたり……?」
「はっ!そんなんだから『お嬢ちゃん』なんだよ。クソガキ」
「はいカッチーン!テメェぶっ殺す!私を舐め腐った奴は全員斬殺、撲殺だぁ!!」
テラスは内心の動揺をこれ以上悟られないように、動きだす。よくわからない感情と共に、全力で仕留めにかかる。
それと同時に特級裨益呪霊も動き出す。
「必殺、スーパーナックルー!」
特級裨益呪霊の豪速パンチがセンテラスの顔面を抉ろうとする。