〜特級裨益呪霊〜 黄昏の福音   作:楓舞星

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18話:特級裨益呪霊vsセンテラス ②

 

「神闘、死羅享楽(しらきょうらく)の型」

 

 テラスが使った、死羅享楽(しらきょうらく)の型に対して、

 

 ーー解説しよう。戒驕戒躁(かいきょうかいそう)の型は基本的には堅の構え。防御を固めて、根気よく相手のスキをうかがっていく守備型スタイル。将棋で言えば「穴熊囲い」に近い防御より神闘。だから、警戒している相手だからこそ、初撃にテラスはその神闘を用いていた。

 

 だが、そんな神闘をとうとう……

 

「神闘、戒驕戒躁(かいきょうかいそう)の型」 

 

 特級裨益呪霊は会得した。

 

「えーっと、何勝手に私の神闘パクってんですか?動きが完全に私と一緒なんですけど……」

 

「一番最初使われていた型だから……1番早く習得するさ……でも、一緒じゃない、全くもって一緒じゃない……」

 

 静かに、特級裨益呪霊は言う。

 

「まあ、私の方が完成度は余裕で高いかな?」

 

 ニヤリと笑いながらそう言っても、実の所テラスは内心動揺を隠せなかった。

 

 (し、神闘だぞ?この世界にはない概念なはずなんだぞ?な、なんでこいつはこんな精度で神闘を収めているんだ?)

 

 それに……

 

「っ!」

 

 テラスは頬に拳が掠める。それをした、特級裨益呪霊は、

 

「ようやく……1ダメージ……」

 

 どこか達成感に満ちた声でそう言った。

 

「いやいや……1ダメージどころか、心にはカンストダメ、9999ダメ喰らっているよ!」

 

 テラスはなんとかファントムに返して場を濁すが、

 

 (ヤバい……コイツは早めに仕留めないと……ヤバいっ!!)

 

 テラスは気づいている。もうコイツの神闘の基礎部分は完成していることに。このままコイツを放逐したら、勝てる奴はもうこの世に五条しか、いや、不気味さからして五条でも危ういかもしれない。

 

 だから、マジの本気を出し、

 

「龍閃崩拳!」

 

「ぐっふ!」

 

「神速閃拳!」

 

「がはっ!」

 

「絶華一閃!」

 

 テラスは生首を掴みあげる。

 

「テメェはなにもんだ?何をしてる……?」

 

「がぶっ……ようやく、1ダメージだ。長かったぁ」

 

「痛えな……今のガブリで2ダメージ目だろうが。テメェは一体何を言っている?」

 

「お前の『素』の底は見えた。元から知っていたけど、実際に見ると心が引き締まるよ」

 

「おかえり」

 

 夏油は返事を特級裨益呪霊に返す。対して特級裨益呪霊は、『まあまあ』疲れた顔をしてから、

 

「ただいま」

 

 そう言った。

 

 テラスが帷に入った時、もう既に戦闘は始まっていた。巨大な木が実物質化しており、それは天を覆い隠していた。その規模感から即座に、

 

「こりゃあ特級呪霊の仕業かな。準一級が二人いるとはいえ、早めに行かないとまずそう……」

 

 タッタッタとテラスが寺付近に近づいた時だった。藍色髪の女が現れた。

 

「ん?いや、殆ど輪郭しかみえないから呪霊なのはわかるんだけど、何お前?」

 

「こんにちはーっす。『お嬢ちゃん』。ちと『私』と勝負しないかい?」

 

「……はぁ?勝負?」

 

「おいお前、お前もまさか特級か?あっちで暴れてるのはお前の仲間どもってことか?」

 

「さあ?『私』にはわからないな」

 

「ふーん、あくまでシラを切るつもりなんだ……いいや、名前は?いや、名前ないか」

 

「うん。『私』に名前はないよ」

 

「じゃあ、なんて呼ばれてるか、あだ名教えろ」

 

「特級裨益呪霊ちゃんですっ!」

 

「ーーじゃ、さっさとやろうぜ」

 

「……」

 

 雰囲気が変わり、突っ込んできた特級裨益呪霊とテラスは武の交換をする。

 

 が、

 

 (コイツの武……明確に私のものだ……しかも、)

 

 テラスは特級裨益呪霊の拳をつい受ける。同時にテラスの片腕が破損する。

 

「重いぃっ!!」

 

「私に褒められても何も嬉しくないな。こんなの、ただの繰り返しただけ……」

 

 テラスは片腕だけの状態で、何とか応戦し、

 

「龍・閃・崩・拳!!!」

 

「ぐっ!!」

 

「絶華一閃!」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

「……また負けた……か……」

 

 ………………

 

「おかえり」

 

 夏油は返事を特級裨益呪霊に返す。対して特級裨益呪霊は、『ひたすら疲れた』顔をしてから、

 

「ただいま」

 

 そう言った。

 

 テラスが帷に入った時、もう既に戦闘は始まっていた。巨大な木が実物質化しており、それは天を覆い隠していた。その規模感から即座に、

 

「こりゃあ特級呪霊の仕業かな。準一級が二人いるとはいえ、早めに行かないとまずそう……」

 

 タッタッタとテラスが寺付近に近づいた時だった。藍色髪の女が現れた。

 

「ん?いや、殆ど輪郭しかみえないから呪霊なのはわかるんだけど、何お前?」

 

「こんにちはーっす。『お嬢ちゃん』。ちと『私』と勝負しないかい?」

 

「……はぁ?勝負?」

 

「おいお前、お前もまさか特級か?あっちで暴れてるのはお前の仲間どもってことか?」

 

「さあ?『私』にはわからないな」

 

「ふーん、あくまでシラを切るつもりなんだ……いいや、名前は?いや、名前ないか」

 

「うん。『私』に名前はないよ」

 

「じゃあ、なんて呼ばれてるか、あだ名教えろ」

 

「特級裨益呪霊ちゃんですっ!」

 

「ーーじゃ、さっさとやろうぜ」

 

 雰囲気が変わった特級裨益呪霊はそう言って突っ込んでくる。テラスはそれに冷静に、

 

「神闘、戒驕戒躁(かいきょうかいそう)の型」

 

「神闘、世等乃斗(せらのと)の型」

 

「神闘、邪乱古奏(じゃらんこそう)の型」

 

「神闘、枕夜兎耳(まくらやとし)の型」

 

「神闘、併殺古刹(へいさつこさつ)の型」

 

「神闘、ーー」

 

 特級裨益呪霊はテラスと対等に戦う。テラスは普通にドン引きを通り越して、コイツはここで仕留めなければマズイと全力でかかる。

 

 ……いつの間にか、特級裨益呪霊は呪力強化をせず、生身の体で戦っていた。

 

 長い長い時を歩むうちに、その方が、対等だと思ったから。

 

 どこか律儀な所があるのも特級裨益呪霊の特徴であった。

 

 だが……

 

「はぁ……はぁ……テメェ、なにもんだ……」

 

「がぶっ」

 

「痛てえなぁ……これ以上ダメージを与えないでくれる?私のガラスのハートは今にも砕け散りそうなんだよ」

 

 テラスはダメージを明確に受けながらも、戦闘に勝利した。

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

 

「はぁ……また負けた……か……」

   

 ………………

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