アノフタルモスの魔眼使い   作:木原 無二

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回想です。
そう、能力者同士は引かれ合うのです。引力みたいに。


第7話 行間  小日向歌恋の独白

その力に気付いた日は今でも覚えている。

 

小学一年生の、国語の時間だった。

テストをやっていた時だ。

 

漢字の答えがわからなかった時、考えていたらその答えが出た。

お陰で満点を取れた。

その時は勉強の成果だと喜んで、友達や家族、担任の先生にだって自慢した。

満点を初めて取って、浮かれていたのだと思う。今になってみたら、恥ずかしいと思うけど。

その次も、その次も。

私は満点を取った。

だが、自分があきらかに知らない知識まで出てきた時はおかしいと思った。

学校の図書館で調べたら、それが魔眼の力じゃないかと気づいた。

最初は両親や先生、友達に言おうとした。

でも、言えなかった

テストでずるをして満点を取ってきたという事はいけない事だ。恥ずべき事だ。

だから、誰にも言えなかった。親友のめいちゃんにだって言えなかった。

 

だが、ほんとうに、あの時言わなくて良かったと思う。

言えば、バレたら、お終いだったと思う。

 

魔眼に家族や友人や先生に言った場合どうなるかという事を聞いた事がある。

友人は良かった。『良し』だった。特に、めいちゃんは特に。

だが、家族と教師はダメだった。『悪し』だった。

その時は理解できなかったが、後で色々と魔眼で調べてみたら、両親は魔眼所有者(能力者)を嫌っていた。

宗教的な理由ではなく、人という種族の原理主義者、みたいなモノと言えばいいだろうか?

魔眼は勿論、障碍者だって忌み嫌う人だった。

だからこそ、言えなかった。

 

教師も『悪し』だった。だが、理由は様々あり、私の脳では情報を処理しきれなかった。

ちなみに、これが私が初めて倒れた理由だ。

正解が多い、文字通り情報が多い内容は能力者自身が自身の脳で情報の処理を行う。だが、倒れるレベルで処理した場合、目を覚ました後でもその情報はわからないままだ。

もし、私がもっと頭がいい人間ならば、もっとこの力を使いこなせたのだと、そう思う。

 

話は変わるが、あれは4年生の全校集会だったと思う。

校長先生が、町で不審者が出たから気を付けるようにと話していた。

その時に私はこう思った。

 

“この街で、一番危険な人は誰なんだろう?”と。

 

ふと、そう思った。

勿論、会いたい訳じゃない。

知っていれば、その人を避ければいい。そう思ったのだ。

 

だが、私の持つ魔眼は正確な答えを持たない問いに対しては、正確な答えは出てこない。1+1は2やごんぎつねの作者は新美南吉とか、そういった問いは簡単に分かる。しかし、“この街で、一番危険な人”なんて問いは曖昧だ。危険ってなんだ?どう危険なのだ?1番ってどう順位付けしてそうなのだ?という感じでとても曖昧なのだ。

 

 

だから、私は少し考えて魔眼所有者(能力者)だけに絞る事にした。私が言うのもなんだが、一般人よりどう考えても魔眼所有者(能力者)の方が危険だと考えたからだ。

そして、言い方を変えて魔眼に聞いてみたのだ。

 

“この街に住んでいる人の中で、魔眼所有者(能力者)の中で位が『赤』以上の魔眼所有者(能力者)は誰か。”

 

魔眼はこう答えた。

 

小日向歌恋(こひなたかれん)

そして、無常仮寝(むじょうかりね)

 

 

 

 

 




パンツを見せたのには理由があった。
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