どうしよう。
これってどう見ても不法侵入だよね?だってここはランスター家っていうことになるじゃん。
あいつの言い分が正しかったら…いや絶対正しいと思うけど…
「ねえ。ナオキ君。大丈夫?それにどうやって入ったか教えてもらえるといいんだけど…」
「ああ。ええっと転移事故?」
「転移事故!?だ、大丈夫?」
「うん。慣れているから」
「慣れてるの!?え!ええ!?」
だってこれで3回目ぐらいだよ?慣れなきゃおかしいじゃん。
『それはマスターが特別なだけですよ』
と聞こえた気がするが今はあの宝石もどきのことは忘れておこう。いや一生思い出さないでもいいと思う
それよりだ。この状況を打破する手は…
「と、とりあえず管理局に電話しようと思うけど…」
「だめだ!」
「え?」
いやダメだ。
もしこのまま管理局に行ってしまったら戻れなくなりそしてそのまま逮捕され一生檻の中で生活する羽目になる。
そんなことになったら…俺の人生が終わり、俺の夢である普通に生活するという夢が叶えられなくなってしまう!それだけは嫌だ!!
『なら、マスター。いいものがありますよ?」
『いいもの?』
『はい。ないんだったら作ればいいじゃないですか。』
どっかで聞いたことがあるセリフだ。だが
『どういう意味だ?』
『こうすればいいんですよ。実はお隣さんの養子だったとか』
『いやいや。無理があるでしょ。そんなの』
『それができるから言っているんじゃないですか。マスターの能力を忘れたんですか?』
俺の能力?……そうか!!
「どうしてダメなんですか?」
「ああ今思い出した。君は確かティーダ君だったよね。その下の子にティアナって言う妹いるでしょ?」
「いるけど…どうして知ってるの?」
「ああそれはね。ナナエルおばさんがそう言ってたからね。」
「え!?ナナエルおばさんって…家族かなんかなの?」
「そ、そうだけど…」
言えない。実はそうじゃなかったって言えない。って言うか言ってみるもんだな。本当にナナエルなんて人物がいたとは驚きだが。
「あれ?でもナナエルさんは数年前に亡くなったような。」
うおい!ナナエルさん死んじゃったの!?それじゃあ俺の嘘がバレるじゃねぇか。
「ああ。それでナナエルさんが前々から俺を家族にしたがってたけど…今はいないんだ、だからこの家だけは俺がもらうと決めたんだ。それがナナエルさんの意思だから!」
『マスター。何格好良くナナエルさんの意思だから!なんて恥ずかしいセリフを言ってるんですか?後で思い出したとき赤面確定ですよ』
何も聞いてない、何も聞こえない!
『というマスターだったが美少女のスカートがめくれた瞬間!』
何処だ!!
『フフフ掛かりましたね。マスター。これであなたも我らの仲間だ。』
ってなんだよそれ!?
『え?』
だからなんだよ!?って言うかさっきからお前俺の心読んでるよな!?
『…まさかマスターが気づくなんて』
え?じゃあ今まで思ってきたこと全部?
『はい。全部聞いてましたよ?何か?』
俺のプライバシーを返せ!!
『え?マスターにプライバシーなんてあるんですか!?』
あるよ!?絶対あるよ。こいつ本当に捨てたろか?
『捨てても結構ですがどうせ戻ってきますし』
そうだった。こいつなんか知らないけど戻ってくるんだ。
『マスター。』
なんだ?
『さっきからこの子目が点になってますよ?』
あっ。忘れてた
「………」
「………」
やばい。何かしゃべってよ。
「……」
「……えーっと」
いいぞ俺!もっとだ!
「そろそろ帰るね。じゃあ」
「う、うん。じゃあまた明日ね。」
そうしてティーダ・ランスターとのファースト?コンタクトを取ることに成功したのであった。
これは余談だが
「どうするジェル?」
『とりあえず。家が欲しいと言えばいいんじゃないんでしょうか?』
「分かった。じゃあ”家が欲しい”」
そしてランスター家の隣の家に住んでいたナナエル家の一族はその日世界から消滅したのであった。
世の中は残酷なことだ。
だがこの主人公は自分でしたことに全く気づくはずもなく見事に家を獲得したのであった。