ティアside
兄さんが死んだ。その事実が頭から離れなかった。それを知ったのはほんの数時間前のことだ。嫌なことが起きそう。そう予感がしていた。そしてその予感が見事に的中した。最悪の形で。
「キミのお兄さんは死んだ。まったく最悪な死に方をしてくれた。」
やめて…違う!兄さんは!兄さんは!!
「キミの兄はホンの少しの子供だけ救ってあとは見殺しにした臆病もんだ。」
違う!!兄さんは臆病者なんだかじゃ!!
「全くキミの母や父は優秀だったのにキミの兄ときたら管理局の面汚しにも程がある、」
いや…いや!!!言わないで…
どうして…兄さんはどうして……誕生日に知らさられた事実。そして罵られる罵倒。私は墓の前で泣き崩れた、そして
「せいぜいしたよ…キミの兄ははっきりいってめ…ぐはあ」
誰かがまた兄の悪口を言おうとしたところでその人は何者かに殴り飛ばされた
「ディーダさんの…あの人の悪口を…言うな!!!」
誰?私は振り返る。
「ディーダさんは…僕達に生きる意味と最後の希望をくれたんだ!それなのに…あの人を…ディーダさんの悪口を言ってみろ?僕が殺してやる!」
振り返るとその少年は涙を流しながら私を抱きしめていた。私はどうしていいか分からず、その男の子の背中に手を当てた。すると男の子はそっと私の耳に口を近づけて
「貴方がティアナさんだね?僕はディーダさんに命を救ってもらったものです。あの人に言われてきました。ティアを守ってほしいと。僕は頼りないですが僕でよかったら僕の胸の中で泣いてください。これからは家族のようなものですから…」
そういって私は泣いた。全てを任せて泣いた。そしてその子も一緒に泣いた。泣き終わる頃には雨雲だった空も晴れ綺麗な星がただ佇んでいたぐらいだった。
懐かしい夢を見た。あの子…セイントが私のところに現れた夢を、そして時は動き出す。止まってしまった時が再び、
sideout
セイントside
僕は今日出勤していた。場所は機動六課と言う八神隊長が設立した部隊だ。隊長陣には有名な高町教導官、フェイト執務官。後は機動六課支援に高町教導官の幼馴染である山田一等空佐、フェイト執務官の幼馴染である田中さん(女)、後は八神隊長のお兄さんである八神信士隊長などがいる夢の舞台。そこに僕は出勤しているのだ。そして僕が所属している部隊はスターズと言うなのはさんが隊長を務める部隊だ。そしてその部隊には僕、ティア、スバル、山田空佐、シグナム副隊長、なのは隊長といった現ミッドの有名人が揃っていた。
「おはようございます!」
ふと見かけたなのはさんに声をかける。すると向こうは気づいたので僕に向かって
「おはようなの!セイント」
と声を返す。なのはさんは任務中はとても怖いがプライベートだと語尾になのを付ける人だ、はっきり言って可愛い、だがこれがティアにばれると…
考えないでおこう。
「おはよう…セイント?」
「ああ。おはよう?て、ティア?」
声をかけられたので後ろを振り向く。すると……何故かにっこりとしたティアナ・ランスターさんがいた。なぜかとても怖い
「セイント?…今なのはさんのこと見とれてたでしょ?」
やばい気がする。このままじゃ確実にやられる!ようなすごい気迫だ。なぜか脳裏に体を分解されて旅行バックに詰められている僕の姿が目に映る。
「そんなわけないじゃないか?ティア。僕はティアだけだよ?」
そう言ってごまかす。すると彼女は安心した顔に戻りそっとディバイスをバックに戻した。……あれ?今銃じゃなくて包丁じゃなかった?
「それよりティア」
僕は必死に話を変えようとする。だってこのままだとやばい気がするからだ。さっきの幻覚が実行されそうで
「何?セイント?」
「あのさ。もしよかったらだけど今度の日曜「あ!ティア!セイントおはよう!!」…」
僕が上手く話をそらそうと頑張っていたところに声をかぶせてきたバカはスバルだった。
「おはよう!スバル。」
「…おはよう……バカバル」
「な、何!?バカバルってあたしのこと?!」
「バカとスバルをかけたのね。」
はぁ~。なんでだろうな。僕の未来はバッドエンドしか見えない。それもこれもあいつのせいなんだろうけど肝心のあいつは一向に現れる気がしない。
ちなみにあいつというのは僕が過去にディーダさんに助けてもらった時に最上階にいて笑いながら転移していった悪魔の子のことだ。管理局に入って調べてみたところ永久次元犯罪者ということがわかったので確定だろう。
「それよりティア、バカバルはおいといて早くしないと遅刻してしまうよ?遅刻したら精神的にやばそうな罰則が与えられそうな予感がするんだけど…」
「それもそうね。いきましょう?セイント?」
「まってよ~ティア~。それとセイント!またあたしのことバカバルって呼んだ!」
そう言って笑いながら俺たちは進む。こんな日常がいつまでも続けばいいのに…僕はどうしてだか壊れてしまうような気がする…あの時のように。
――ティアにこれを渡してくれ――
駄目ですよ××さん!
――俺がこいつを惹きつけるそのうちに――
嫌です!ディ×さん!
――ははさよならだ。俺の分まで幸せになってくれよ?――
え、待ってくださいディーダさん!!
「どうしたの?セイント?」
すると不意にスバルが不思議そうに僕を眺めた
「?」
どうやら僕はぼーっとしていたらしい。
「ほら。セイント?バカバル?行くわよ」
「ティアまで~」
「はいはい」
この時僕は思ってもみなかった。まさか再びこの事件が繰り返されようとすることが…