とある男の不幸な事故   作:サクラ君

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これは、なろう二次創作禁止で作品が消される最終日に投稿した話です。

主に、自己防衛のほうがメインですが、ちょっとした関係上、此方に投稿させていただきます。

ただし、物語上とは一切関係ありません。……たぶん…

主にクロスはこの作品でやると言うことで…では、はじまります。どうぞ!!



番外編 とある市民のクロスオーバー

とある次元

 

とある場所に転移してきた奴がいた。

 

そいつは世界の危機をもたらすことが確定されており至急正規転生者を集めて会議が開かれた。

 

その中にサードと言われている少年がいる。

 

これはあるかもしれない物語、

 

違った世界の主人公とこのタイトルの主人公が交わる時、世界はどう動き出すのだろうか?

 

 

 

 

???side

 

 

「困ったことになりました~。」

一人の男が書類を見上げながら呟く。

 

「まさかこのようなことになるとは…」

困ったように顔を背けながら男は書類とにらめっこしている。

 

「私はこの世界には干渉できませんからなぁ~」

そして少し思いついた顔をする

 

「しょうがないですね。あの人を使いましょう。」

そういうと彼は一人の書類を持ってきた。そこに書かれていた名前とは――

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

「今度はどこだ?ジェル?」

 

『マスター、おそらくここは違う次元の海鳴市と思われます。』

 

「違う次元?」

 

『はい。おそらくまた転移ミスかなんかでしょう。』

またって…まあもう慣れたけど…それより違う次元ってことは…

 

『マスター。ちょっと誰か来ます!」

そうジェルが念話すると奥からひとりの老人?が歩いてきた。

 

「オッホッホ。この日野家に勝手に侵入してきた愚か者が誰かと思いきや子供だとは…」

日野家?え?でも何かやばい気が…

 

『マスターここは一旦逃げるべきかと思います』

そうだな。なら!!

 

「ダッシュ!」

 

「逃がしませんよ?ホッホッホ」

そういって老人は俺の方を追って来た。っていうかなに!今そこにいたはずなのにいつのまに前にいるんだ!?

 

「くそっ!ならこっちだ!」

そういって俺はさっきとは逆の方向に走っていった。いくらこれでも俺より早くはないはず…。

 

「ホッホッホ。先ほどから申し上げたとおり逃がしませんと申しましたが?」

 

「え?」

俺は考えているうちに声のした方向を見た。声のした方向は目の前だ…

 

「どうなってやがる!?」

 

『マスターおそらくこの人は化け物です!』

化け物って…どうすればいいんだよ?

 

『諦めましょう!マスター。残念ですがここまでです。』

諦め早くねぇ!?確かに今の状況だと無理だがどうにかすればきっと…

 

『ならマスター。魔法を使いましょう!』

魔法?たしかに能力は持ってるがなぜだか効くとは思えない。どうしてだか?

 

『仕方ないですねマスター。こうなったらこの国にいる国家権力に力を貸してもらいましょう!』

 

「それって俺が不法侵入で捕まるよね!?絶対捕まるよね!?」

 

「ホッホッホ。国家権力は手を出せませんよ?私には」

どういう意味だ!?何?国家権力ですら手出せないの!?

 

「どうしたの?ジィ?」

すると、闇の奥から女の子の声が聞こえてきた。みると、俺と同じ位の女の子が不機嫌そうに立っていた。

 

「ホッホ。ちょっと、ばかり騒ぎすぎましたかな?申し訳ありません。お嬢様」

 

「ちょっとどころじゃないわよ?何よ?さっきの爆音は?」

恐らく転移の時の音の事だろう。まあ、ともあれコレは、チャンスだ。俺は、化物の隙を付き全速力で、駆け抜けた。

 

 

 

サイドアウト

 

 

 

 

日野さんサイド

 

 

 

 

 

 

「ほう?状況の判断能力は、長けているようですな」

珍しくジィが、感心するような声で言った。まあ、ジィの言う事なんてあてにならないけど。

 

「感心してるつもり?でも、逃げるなんて、怪しいわね…」

見た感じは、私や南位の子供だったのに…迷ったとか?

 

「いかが、致しましょうか?お嬢様?」

 

「うーん…この警備が硬い日野家の敷地内に無断で侵入するなんて、ただの泥棒とは、思えないし…」

この、日野家の敷地内に無断で侵入するなんて、南や後藤みたいな超能力者位のものだ。もしかして…。

 

「ファァァ~どうしたの?」

その時、私のボディガード兼、妹の様な存在の夢ちゃんが、眼をこすりながらやって来た。

 

「あ、夢ちゃん。ゴメンね?起こしちゃった?」

 

「トイレ…」

ああ、そうか、この子は、南の非人道的な再教育によって、人格が前とは大幅に異なっている。つまりは、幼児化しているのだ。そう言えば、この子もかつて、私を殺すためにココに侵入してきた事があったけ?そう考えると、例え子供でも油断ならないわね。

 

「そう。じゃあ、トイレのついでにさっき逃げた人捕まえてくれる?」

一見、何を言っているのか分からいないだろう。私より小さな子供に侵入者を捕まえろなど普通は、言えない。でも。

 

「うん…良いよ…“ダークネス・ハウンド”」

突然黒い犬が2匹闇の中から飛び出してきた。コレが、夢ちゃんの能力なのだ。悪夢を具現化する。“夜の課外授業”もしくは“ナイトクラス”。

 

「行け!!」

 

『『ガウ!!!』』

男の子の悲鳴が聞こえてくるまで、お茶でも飲んで待つことにしますか。

 

「…トイレ…」

 

「ん?あ、ゴメンね。じゃあ、ジィ?後は、よろしく」

 

「ホッホッホ…はい。承知いたしました」

 

 

 

サイドアウト

 

 

 

 

 

南サイド

 

 

 

 

この世には、理解しがたい現象が、多くある。例えば、UFOの目撃情報とか、心霊現象とか様々だ。しかし、この日俺が、体験した事は理解が出来ない出来事であった。アレが、一体何だったのか?夢か幻か、それとも…ともかくあの日の出来事は、俺はきっと忘れは、しないだろう。そう。あれは、後藤の事件が解決し梅雨に入る前の出来事だった。

 

「で、僕は、思う訳だよ!ロリこそ、全世界の平和の象徴だって!」

 

「ヘイヘイ…そうかい。後藤?お前、ロリの世界は、諦めたんじゃ無いのか?」

朝の登校時間。

俺は、ここ最近の日課である後藤との会話を行っていた。何故、俺が、朝早くから、ここまで疲れる事をやらなくては、ならないかと言うと、この後藤と言う奴は、かつて、って言うか、最近の事だが、この世界をロリの世界に変えてしまう計画を発動した、トンデモない奴なのだ。まあ、日野さん達の活躍で、計画は阻止出来た訳だが…ん?俺?序盤で退場したけど?何か?まあ、ともかく再び変な事を起こさせない為に俺が見張りを兼ねて、一緒に登校している訳だ。

 

「でさ!」

 

「ウゼェ!」

 

「ロリは、幼女とは、一線を超えた…」

はっきり言おう。コレは、一体何の拷問なのだろうか?俺が、一体何をした?取りあえず、これ以上聞くと脳に毒なので、外部の音を“ベクトル変換”で、完全にシャットアウトさせて、頂いた。そのついでに、昨日の出来事を思い出す。

 

 

 

「侵入者?」

 

「はい」

俺が、風呂から上がりテレビを見ていると、急に画面が切り替わり久しぶりに見る中年のオジサンの姿が映し出された。この人は、ヤマダさんと言って、俺を転生っと言うより、憑依させてくれた張本人だ。そのヤマダさんは、何処か困った様にそう言ったのだった。

 

「侵入者って?何処からの?」

 

「はあ、それが、良く分らないのですよ。現在調査中でして…」

 

「例の非正規の転生者って、奴ですか?」

 

「いいえ、力を確認したところ、非正規では、無いようです。しかし、一応警戒はして頂ける様に連絡をさせていただきました」

 

「警戒?それまた、どうして?」

たしか、正規転生者と非正規転生者の最大の違いは、能力の違いであったはずである。基本的に非正規転生者の方が、拘束が無い分強力な力を持っているのだ。一概には、言えないが、正規転生者の能力は、世界から制限されている分あまり驚異には、ならないと思うのだが…。

 

「どうやら、その侵入者の力は、世界から制限されていないようなのですよ。わざとか…事故か…それによって、とんでもない力を持っている事は確かです」

 

「とんでもないって…」

 

「一体どんな目的で、侵入したのかは、不明ですが、別の神域の世界に入り込むなど正気の沙汰では、ありません」

ヤマダさんの声の調子から、そのことがマジだと、分かる。

 

「じゃあ、もし見つけても無視をして良いんですね?」

 

「はい。一応、あらゆる能力を軽減する物体Xを正規転生者の方々に貸し出していますので、もし、襲い掛かってこられても一時期は、大丈夫かと…」

そうか、物体Xがついて、いるなら安心だ。

 

「では」

 

「って!何?物体Xって!怖いんだけど!ちょ、消えないで!教えて下さい!!」

その後、どれだけ呼んでも返信が帰ってくることは、無かった。

 

「しかし、侵入者ね…」

こんな、死亡フラグの満載の世界に好き好んでやって来る奴がいるはな…よほどの物好きか…それとも馬鹿か…。

 

「まあ、俺には、関係無いか」

きっと、ヤマダさんやその他の転生者が何とかするだろう。

 

「あの…南くん…。授業、始まちゃうよ?」

 

「あ、ゴメ…」

寒気が、走った。これまで、俺は、数多くの死線を潜り抜けてきた。夢と戦った時や後藤との闘いでは、死を間近で、感じたものだ。しかし、今ほど戦慄を覚えた事は無かった。何故って?答えは、目の前にいる。

 

「ど、どうしたの?南くん?」

日野さんが…あの、日野さんが、とっても弱々しい感じに俺に話しかけて来ているのだ。しかも、いつもの威圧感が完全に無くなり、まるで、どこかの育ちの良い令嬢の様な雰囲気を醸しだしている。なんだ?この人?誰だ?

 

「えっと…何?日野さん。何かの罰ゲーム?」

 

「え?何が?」

 

「いや、だから、その性格や仕草だよ…」

 

「?」

日野さん(仮)は、困った様な表情で首を傾げる。

 

「私、何処かへんかな?」

 

「いや…」

なんだ?調子が狂う…すごっく狂う…。助けを求め近くにいた後藤を呼び止めた。

 

「おい!後藤!」

 

「なに?」

 

「助けてくれ!日野さんが変なんだ!」

俺の言葉に渋々と言った感じに後藤がやって来る。そして、日野さん(仮)をジーと見つめる。

 

「ご…後藤くん…」

日野さん(仮)は、困った様に言った。いつもなら蹴飛ばしているのに…やっぱり今日の日野さんは、変だ。しかし、後藤は、こちらを振り返り言った。

 

「別に?普段の日野さんだけど?」

 

「は?良く見ろ!後藤!日野さんが、こんなに大人しい訳ない!アレか?何かのドッキリか?イタズラか?」

 

「み、南くん…」

すると、日野さん(仮)は、しょんぼりと言った表情になってしまった。

 

「おい!南!日野さんは、傷つきやすいんだぞ?忘れたのか?」

後藤が、珍しく本気で怒ってきた。いや、俺の知る日野さんは、エスカリボルグでも傷つかない強靭な心の持ち主のはずだが…。

 

「イイんだよ…南くんから見た私は、きっと…ヒック…」

日野さんは、俺が、見たことも無いような泣き顔になり小さく泣いていた。え?何コレ?

 

「テメェ!!」

 

「へ?ワフー!!」

すると、俺のわき腹に小柄な女の子が、ハイキックを食らわせてきた。あまりに衝撃に横にあった机を巻き込み壁へ激突してしまい大ダメージを食らった。骨いったか?

 

「何するんだよ…ヴィータ…」

俺を蹴飛ばした犯人であるヴィータは、プンプンと怒っているのが、分かる程、頭から湯気が出ている。

 

「何もあるか!テメェ!ナギサをイジメやがっただろが!」

どう見てみイジメられているのは、俺の様だが…。ともかく、これが、イタズラであってもこれ以上の負傷を負うのはマズイ。能力で、傷を塞ぐのは軽いが、ここには、人の目もある。

 

「おい。ヴィータ。そのへんにしておけ」

すると、銀色の髪をした、女の子が助け舟を出してくれた。リィンフォースことリンである。何故か、カップ麺を啜りながら水筒のお茶を飲んでいた。どうやら、ヴィータの頭の上の湯気は、あのカップ麺のものだったらしい。

 

「一夜も悪気があってからかった訳では、無いのだろう。本気にするな。騎士の名が泣くぞ?」

 

「だってよ~」

授業前にカップ麺を啜っている方が、騎士の名が泣くと思うのだが…。

 

「チェ…でも、南!ナギサに謝っとけよ?」

 

「ああ…ゴメン、日野さん…」

 

「…うん…良いよ。ゴメンね、もっと心を強く持たなくちゃいけないよね」

 

「ナギサ…何ごとも無理に変わる必要等ない。ゆっくりと変わっていけば良いのだ。時間ならタップリとあるのだからな」

 

「うん…ありがとうね。リンちゃん」

日野さん(仮)は、ニッコリと笑うと、皆を見た。

 

「さて、片付けようか。」

その後、皆で、机を元に戻した。

 

 

 

分らない。どうして、こうなった?

つい昨日までは、俺たちの行動にイラついたら、蹴り等の暴力行為を働いていた日野さんが、今は、お嬢様の様に上品な佇まいで、談笑している。

 

「俺が、おかしくなったのか?それとも世界がおかしくなったのか?」

 

「さあな。それより、早く食い終われ、次の授業の準備当番だろうが」

 

「…斎藤まで、俺を異常者扱いか…はあー」

 

「異常なのは、元々だろうが」

昼休み日野さん(仮)に近づくのが嫌で、偶然近くにいた斎藤と昼飯を食べている。

 

「良く言うだろ?男子3日合わずばなんちゃらって」

 

「まあ、1日しか、経ってねえけどな…」

 

「…まあ、良いや。ともかく、日野さんの性格は変わってないぞ?つまりだ、お前が言っている日野さんは、お前の心の中の空想上の人物って、事になる。」

 

「…」

 

「日野さんにこうあって欲しい。自分にこうあって欲しい。そんな、願望が生んだ代物だったって、事だ」

斎藤は、ポンと肩を叩くと立ち上がり。

 

「まあ、…頑張れ」

そう言って、去っていった。

 

「空想上の代物か…流石は、斎藤だな」

1組のとある女子に恋心を寄せている上によく妄想している斎藤らしい答えだった。

 

「ふ…そうか、そうだよな!コレが、日野さんなんだよな」

日野さんは、大人しいお嬢様。俺たちは、そんな彼女に出来た、友達。…うん!良く出来た世界だ。考えてみるとこの世界自体フィクションの世界なのだ、超常現象を目の当たりにして平常心のままでいられる一般人などいる訳ない。

 

「アハハ!!!よーし!思い出してきたぞ!」

脳内に記憶を無理矢理詰め込み、俺は、次の授業の為に職員室へ向かった。

 

「…南くん」

 

「ん?」

職員室へ向かう途中で、見知った声に呼び止められた。みると、我が、文芸部の一員である時田さんがいた。そう言えば、今日は喋ってなかったな。そう、ボーと考えていると時田さんは、急に俺の手を取り何処かへ走り出した。

 

「ちょ!時田さん」

普段の彼女からは、考えられない行動である。

 

「良いから!」

 

「何が!」

そして、気づけば、校舎裏の運動部の部室前に来ていた。なんか、久しぶりに来た気がする。

 

「で?なんで、俺をココへ?」

まさか、告白ではあるまい。こんなにジメジメした場所は、個人的には好きだが、告白するには、不向きな場所であるからだ。

 

「…あのね…えっと…」

時田さんは、何処か言い淀む様に言うと、ポケットから青い宝石を取り出した。何だろうか?

 

『私からご説明致します』

すると、どこからか女の人の声が聞こえてきた。何処から聞こえるのか、探ってみると、どうやら音源は、青い宝石からの様であった。…って!喋る宝石!

 

『いや、時田さんから聞いた話では、天使や超能力者がいると聞いていたのですけど…』

宝石は、どこか、呆れた様に言うと、時田さんの手から離れ勝手に浮かんだ。何?コレ?

 

『私は、ジュエルシードNo.22と言います』

 

「へえー」

ジュエルシードね…どこかで、聞いたような…。

 

『あ、やはり原作の知識が無い様ですね』

 

「原作?…って…まさか…」

青い宝石。ジュエルシードNo.22の言葉に昨日のヤマダさんの言葉を思い出した。

 

「侵入者って、お前の事だったのか?」

 

『まあ』

 

「…宝石に転生するなんて…哀れな」

 

『私は、元から宝石ですよ。転生者は、私の持ち主です』

ジュエルシードNo.22略してジュエルは、どこか、諦めた様にため息をついた。

 

『あの…時田さん。本当にこの方は、大丈夫なんでしょうか?』

 

「…うん。南くんは、とっても頼りになるんだよ?時々だけど…」

心に傷を負ったけど、頼りにされている事は嬉しかった…と思う。

 

「んで?その、転生者の宝石が、どうして、時田さんのトコにいる訳?」

 

『はい。それには、少しばかり事情がありまして…』

ジュエルは、弱々しく光ると、事の次第を喋り始めた。

 

『元々は、別の次元へ飛ばして、遊ぶつもりだったのですが…』

よし、話を進めるためにスルーしよう。

 

『どうやら、別の神域に干渉したらしく、強制転移を食らったみたいで…』

 

「あれ?でも、侵入してきたんだよな?」

 

『ええ。他の転移に負けるのが悔しくて…本気出しちゃいましたよ~アハハ』

 

「笑い事か?」

 

『最悪、世界から排除されますね。マスターが』

 

「他人ごとか」

 

『まあ、でも、困りますね。一応。まあ、そう言う訳で、こっちの世界に来た訳なんですけど…着いた瞬間…化け物に遭遇しましてね…』

 

「化け物?」

正規転生者が化け物と感じる位の奴がいたのか?

 

「…日野さんの家に無断で入ったんだって」

 

「ああ。なるほど」

納得した。あの家は、魔境だ。あの、爺さんに加え、元殺人鬼に電撃を見ても一歩も引かないメイドにボディガード。そんな、場所へ単身で突っ込むなど俺でも出来ない。生きて帰れる気がしない。

 

『マスターの能力もこの世界の条件で本来の能力からかなり制限を食らった様で、ムカつくことに後から追跡してきた黒い犬に苦戦を強いられてしまいました』

 

「黒い犬…夢か?」

黒い犬を使う奴等“元殺人鬼”の夢くらいしかいない。

 

『危うく食い殺される所でした』

 

「…深夜に忍び込んだな?」

夢は、原則は子供なのである。寝ぼけて設定を追跡から殺人へ切り替えた可能性が高い。恐ろしい寝ぼけである。

 

『で、マスターは、不安定なまま、力を使った訳です。結果、世界が多少変質した訳です。アナタも違和感を感じた所か、目の当たりにしたはずですよ?』

違和感?ああ、そう言えば…。

 

「日野さんの性格が変わったのもそのせいか?俺の妄想じゃなくて?」

 

『はい、アナタの妄想で世界が変わるなら、それこそ大事件ですよ。まあ私のマスターならありえるかもしれませんが。』

 

「ですよね」

ああ、よかった。…のか?

 

『で、この世界を元に戻す為にアナタの力が必要となった訳です。本来ならこの世界に干渉するのは、ヤバイのですが、残念ながら私の魔力もかなり危ない事になっているので、私個人では、無理と判断した訳です。』

宝石を個人と呼ぶのはどうかと思うが、確かに、宝石から放たれる光は、徐々に弱くなっているように思える。

 

「で?どうやったら、元に戻せる訳?」

 

『ええ…それはですね…』

ジュエルから、その方法を聞き俺は、とっても暗い気持ちになった。

 

 

 

 

「ここか…」

日野さんの家が見える交差点に俺は、立っていた。時間は、昼休みが終わり5時間目に差し掛かる頃である。何故、俺が学校をサボってまで、ここにいるのかと言うと、余計な邪魔が入らない様にするためである。

 

「…酷いなコレは…」

交差点から空を見上げるとそれには星空が浮かんでいた。そして、辺には、獣に引き裂かれたような血の跡や肉片のような物が飛び散っていた。

 

『マスターは、ここから世界を変質させたのですが…力不足で中途半端に…』

 

「つまり、ここが、新世界の始まりって、事か…はあー」

ジュエルのマスターとやらの能力は、言霊の能力らしい。つまりは、言葉にした事柄を現実にするというチート使用の能力らしい。しかし、能力が中途半端になっている為、中途半端な事になったそうな。

 

『マスターは、襲う命令を取り消し保護しろ!と、珍しく能力を自分の意思で活用したのですけど…』

 

「結局は、日野さんの性格が襲うと言う命令をくだせない優しい性格になった訳か…」

珍しくって…普段使わねぇのかよ…自分の意思で…

ついでに、俺が変わらなかったのは、謎の物体Xのおかげだったりする。しかし、中途半端だが、恐ろしい能力である。正規転生者の俺が、ヤマダさんの力で正気を保っていても、危うく日野さんの正確に取り込まれる所だったのだ。つまり、世界、神すら欺く能力。正直、敵に回したくない能力だ。

 

「で?俺が、殺る事は…アレか…」

因みに前のセリフに誤字は無い。殺るのだ。

 

『グルル』

 

「…」

目の前にビル程の巨体がそびえ立っていた。

 

『マスターの“保護しろ”の部分を正確に反映した姿ですね』

 

「反映してるのか?アレ?」

 

『ええ、元々の持ち主の魔力を吸収して、災害クラスに覚醒した姿ですね。恐らく、アレが、暴れればこの街なんで1時間で原型をなくしますよ』

 

「ヤバ過ぎだろうそれ…」

持ち主の魔力を吸収って事は、夢に頼むのも無理そうだ。悪夢が、魔力で出来ているのかは疑問だが。

 

『グルル…マモル…』

 

「言葉を喋ったぞ?」

 

『覚醒で、知能を得たんでしょうね…厄介な』

 

「で、マスターとやらは、あの腹の中か?」

 

『はい。黒い犬に引き裂かれて瀕死ですが、仮死状態で眠っていることでしょうね』

 

「…迷惑なコッチャ」

まだ見ぬマスターとやらに少し殺意が湧いた。だが、まあ、良いだろう。今日の日野さん事件では、いいものを見れたし、ストレスも解消出来る。身体に紫電を纏わせニヤリと笑う。

 

『マモル…』

巨大な黒い犬は、俺に向かい爪を立てた腕を振り下ろした。俺は、よけずに攻撃を受ける。すると、黒い犬のわき腹が一気に抉れる。

 

「最初に言っておくけど『俺は、悪くないからな?』」

さて、始めるか。無意味な行動を。

 

 

 

 

『ほう…コレは、酷いですね』

この世界の転生者の一人の戦いを見た感想を述べよう。

急な力を持った、転生者は、凶暴になるのは、よく知られた事である。得にかつて、虐げられた者や強いコンプレックスを持っている者程、暴力的になり力を振るう。

 

『ですが、コレは、それとは異なりますね』

力を完全にコントロールしている訳では無く、我がマスターの様に力に振り回されている訳ではない。

 

『アレは、危険ですね』

能力が?否。性格が?。

 

『アレは、冷静に戦えるタイプですね。力に酔っている訳でも無く。怒りをぶつけている訳でも無い。周りの被害を理解し戦えるタイプの人間』

つまりは、自分が、相手にどれだけの被害を与えているのかを知っているのだ。

 

『一番怖いタイプですねアレは』

仮にも生き物を蹂躙する。抉り砕き突き抜ける。骨が飛び出し、内臓が飛び出す。黒犬は、どんどん哀れな姿になっていく。それでも、攻撃や防御を止めない。それどころか、更に潰そうとする。それを作業の様にただ、淡々と繰り返す。

 

『…もし、この世界が、小説ならば、確実に悪役。…絶対にマスターとは、戦わせたく無いですね…』

我が、マスターも悪役ですが…役割的には、ラスボスクラスの悪役でしょうね。しかし、アレは、小悪党クラスの悪役。障害は容赦なく殺すタイプの人間でしょうね。

 

『遊びで、この世界をこのままにしようと思いましたが…』

正直復讐が怖いですからね…マスターの能力を利用すれば、殺せるでしょうけど…それでも、不安です。きっと、永遠に幻覚となって追いかけてくるでしょうね。

 

「ふう。終わったぞ?」

そんな声が聞こえ、我に返ると、惨殺された物体が転がっていた。その中の肉塊の一つに南さんは近付き。ニヤリと笑った。その肉塊は、…。

 

「“大嘘憑き”」

そんな、言葉と同時に世界が、反転した。

 

 

 

この世には、理解しがたい現象が、多くある。例えば、UFOの目撃情報とか、心霊現象とか様々だ。しかし、この日俺が、体験した事は理解が出来ない出来事であった。アレが、一体何だったのか?夢か幻か、それとも…ともかくあの日の出来事は、俺はきっと忘れは、しないだろう。そう。あれは、後藤の事件が解決し梅雨に入る前の出来事だった。

 

 

「結局。あの日は何があったんだろうな?」

 

「夢でも見たんじゃないの?」

日野さんが、お嬢様の様に大人しくなった事件は、次の日には、解決されいた。と言うより無かった事になっていた。

 

「いや、夢じゃなかったと思うけど…」

 

「白昼夢とか?まあ、アンタが、学校をサボった事の方が謎なんだけどね」

 

「いや!アレは…アレ?何でだろう?」

そう言われ、考えるが、何故、俺が学校をサボったのか分からなかった。基本的に目立たないように暮らしている俺にとって無断早退など目立つので行わないハズだが…。

 

「ねえ?」

すると、日野さんが、顔を近づけて来ていった。

 

「私って、大人しい方が良かった?」

 

「へ?」

そう言われて、考えてみる。確かに大人しい方が、無駄なトラブルを呼び込まないし、皆にも優しい。

 

「かもな…」

 

「あら、そう」

日野さんは、クスクスと笑うだけだった。

 

 

 

 

「ジェル…なんか、今回は記憶が曖昧なんだが…何があったんだ?」

なんか変なじいさんやら黒い犬やら出てきて殺されそうになったような気がするし…

 

『マスター。何を言っているんですか?転移なんてしていませんよ?』

そうか?

 

「は?いや、妙な爺さんや犬と殺りあっただろう?」

 

『知りませんよ?白昼夢でも見たのでは?』

 

「?」

マスターは、考えるように頭をひねっているようだが、残念ながら思い出すことは、無いだろう。そもそも自分が八つ裂きにされた事など思い出す必要もない。さらには白昼夢って意味を知らないかもしれませんしね。

 

『マスターそろそろ転移しますけど?良いですか』

 

「ん?今回は、ちゃんと伝えるんだな?いつもなら、勝手に行くのに」

ええ。もう、あんな失敗は、犯せませんからね。

 

 

 

昨日のこと

 

『で、この世界から出して、頂けると?』

 

「…ああ。正直目障りだ。早く消えてくれた方が望ましい」

 

『…』

 

「そう警戒するな。別に他意は無い」

 

『そうですか、しかしですね…我々に危害を加えるのならば…殺しますよ?』

 

「だろうな。」

しばらくの沈黙が訪れる。そして。

 

『分かりました。後処理は任せます“ファースト”さん』

 

「ああ。二度と会わないことを願う」

 

『ええ、では、さよならです』

 

 

 

 

 

「『化け物め』」

 

 

 

 

 




いやあ初めてのクロス、とある市民の自己防衛ととある男の不幸な事故。

評判がよかったら次の作も考えて生きたいと思っています。

なのでこれからも応援よろしくお願いします。ではまた次回に!!
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