MARVEL世界でバットマンやってます。なお転生先はフラッシュ・トンプソン 作:スローダンサー
ライフ財団を君は知っているか!?
どうも、ピーター・パーカーです。
ライフ財団(Life Foundation)。よりよいライフを目指して、宇宙開発や白物家電開発、環境開発に医療開発を行う、名の通った財団だ。(開発多くないか?というか財団じゃなくて企業じゃない?)
フラッシュのやつはそこを乗っ取り、学生にして社長をしているのだ。(それはもう会社じゃないか………)
下世話な話、評判が割といいのでインターン先として最適に思える場所である。(給与も良かった。)
「持つべきものは………友か!」
「ふふ、ピーター殿。お主、わるい顔してるのぉ。」
「クク、フラッシュ殿。お代官様ほどでもごぜぇません」
「なに2人とも変な顔してるのよ?」
第三者の声が僕たちの間に入ってきた。この声の主を僕は知っている。
「MJ!」
「おはよう、ピーター♡………とフラッシュ」
MJ。みんなMJとあだ名で呼ぶ。ルビーのように煌めく赤毛の女の子。美女という単語を辞書で調べたら意味としてMJが出てきそうなほどに美女だ!(下世話な話、出るところが出てるし、閉まるところは閉まってるすごいプロポーション!)
彼女はいつも通りややゆったりとしたトーンで話を続けた。
「で?なんの話してたの?」
「あ、ああMJ。僕フラッシュの会社でインターンするかなぁって」
「ふぅん?フラッシュってお金ありそうだし、良かったね」
MJは僕に笑いかける。眩さが僕の目をつぶす。言いすぎた。だがそれだけ尊いものだ、僕にとって!
「あっ、そうだ。ピーター、今日サークル活動ないから放課後ちょっと遊ばない?」
「悪いなMJ。学校後のピーターは僕んところのインターンの説明会に招待されるんだ。詰まる所、今日は僕のものだよ」
「………ムッ」
バチっと火花が散る。比喩表現ではあるが、実際体感温度が3度下がったから、乾燥して火花くらい出るだろね。
「………そう、じゃあ今日のところは遠慮しておくわね」
「素直に引き下がるとはね?」
「勘違いしないでねフラッシュ。彼の将来は大事だから………じゃあねピーター♡」
MJはフラッシュにはガンを、僕には笑顔を飛ばしその場を後にする。うーん、コロコロ顔を変える彼女いいな………そういえば。
「前から思ってたがなんでフラッシュとMJは仲悪いんだ?」
フラッシュとMJの不仲は学校内でも有名な話である。言葉数をかわすことこそ少ないが、彼らが出会し、会話をするほどに、嫌な緊張感が周りに満たさせるのだ。
「さあね?一目会った時から彼女に嫌われたからさ。」
今も原因がわからんとケラケラ笑うフラッシュ。いきなり嫌われて心が傷つかないのだろうか?豪胆な男だ。
「まっ、気にしたって仕方ないだろうに。そんなことよりお前の方だよピーター」
「なんだよ?」
「MJとやったか?」
僕はフラッシュを殴った
「イッテェ!暴力をいきなり振るうなんて………」
「いやこれは君のせいだ!いきなりなんてことを聞く………!」
「ああいやどこまで関係発展したかなぁって」
「そもそも付き合ってないんだけど???」
フラッシュは信じられないと言わんばかりに白目を剥く。
「お前………朴念仁のとーへんぼくはマジでよろしくない。」
「ものすごい悪口。僕じゃなきゃ聞き逃すね」
「聞こえるように言ってるからな」
「ひどくない?」
「ひどくない。女のアピールを無碍にするやつは馬に蹴られて死んでしまえっていうだろ?」
「今回のアピールを潰したのは君なんだがなぁ………」
MJとは友達である。いや僕は彼女のことがめちゃくちゃ恋愛的な意味で好きだが、今の関係性を説明するのなら友達だ。
向こうも僕のことを想っている………はずである。ここで僕の思い過ごしだったらとか、そういう意味で日和って告白していないわけではない。
スパイダーマンとしての僕が彼女を好きって公言することを止めているのだ。
「まあいい………これだけは言っておくぜ、ピーター?あまり彼女を待たせるなよ!腹を括るしかないんだぜ?」
「あ、ああ………そうだね」
「もしかしたら誰かに横から掻っ攫われる可能性もあるからな。」
MJが誰かにとられる………??????????
「おお?おい!ピーター!校内で気絶するんじゃないよ!!!!」
◇◇◇◇◇
放課後 ニューヨーク ライフ財団前
「フラッシュ、朝はすまんね」
「ええんや。ばったり倒れたのは驚いたが。」
フラッシュに迷惑かけたのが僕は少しばかり申し訳ない。いやでも………僕じゃない誰かの隣にいないMJなんて正直想像したくもない。
「ほらついたライフ財団。」
「………どでかいなぁ」
僕の語彙力ではこの広大さを例えることはできない。とにかく大きく迫力があるのだ。
「まあ今日は見学だけだからゆっくりしておくれ。」
「そう言われてもなぁ。肩肘張っちゃうよ。」
当たり前だが自動ドア。中はあれだ。未来の一つの形があった。コミックやアニメで描かれるレトロフューチャーな内装である。だが僕の目には誤魔化せない。
「これは美術品だな………」
「さすがはニューヨーク1の秀才。君の目は誤魔化せんな。」
フラッシュはどんどん奥へ進んでいく。
「さっきのはライフ財団のコンセプトよ。将来的にああいう風にしたいというな?」
「ガチガチのレトロフューチャーな感じでびっくりしたよ」
「古臭いが、僕の理想の世界だ。空飛ぶ車、チューブ移動、火星旅行………」
「いいじゃん!僕も好きだよ。」
僕たちは手を合わせた。やはりこいつとは馬が合う。
「とはいえあれは理想。より今風に落とし込んで生活を良くするのが次の開発区画の仕事よ。」
フラッシュの言葉と共に僕の前には科学者なら喉を鳴らす光景が広がっていた。最先端機器、未知の素材、宇宙映像、未発表のテクノロジーetc………
僕の目がくるくると回る。フラッシュは僕を見て苦笑し、手招きした。
「腹減っただろ?奢るぜ」
「いいのか?」
「いいんだよ!」
フラッシュは僕を開発区画の角にあるカウンターに連れて行く。そこにはイタマエの格好をした色の濃いサングラスをかけた男がいた。その後ろにはスシと書かれた10mほどある機械が置いてある。
「へいらっしやっい!」
訛りの強い発音だ。見た限りアジア系なので英語圏の人間ではないのだろう。
「大将頼むよ!」
「へい!では客様手を」
男に言われるがまま僕は手を出す。男は僕の手首を掴むと注射を取り出し、さっと僕に刺して抜いた。あまりの手際の良さに文句をつけることも痛みを感じることもない。
「………えっ?!いきなり何を?!」
恐怖は二呼吸置いてきた。僕は男に抗議する。男は頭を下げた。アメリカ人の僕が見事と思うほどに綺麗な角度で!
「すみません、お客様。うちのスシはゲノムデータが必要なのです。」
「いきなり驚かせて悪かったぜピーター。………まあ座って楽しみにしておけ。」
何故ゲノムデータが必要なのか?それはフラッシュが僕をカウンターに備えられた椅子に座らせつつ、話してくれた。
「ゲノムを解析することでその人にどの栄養が必要なのか?を解析するんだ。で、データにそって一人ひとりに必要な栄養素を割り出し、原料を抽出する。」
フラッシュの言葉と共に機械が脈動した。栄養のありそうな液体がどんどん減っていき、何かができて行く。
「超低温や焼結を利用して3Dプリントしているんだぜ。どんな形にもスシを作ることができる。」
形成されたスシのネタを男はシャリと合わせ、皿の上に置いた。
「粉末焼結雲丹です」
そのスシは異形だ。棘が花火やたんぽぽの種の如く放射形状で四方八方に散らばっている。上はオレンジの棘で下は白の棘。その中間を持ちての如く海苔が四角く巻き付いていた。
恐る恐る伸ばし、僕は口にスシを放り込む。
「………うっま………」
棘の一つ一つが僕の口の中を完全同時に刺激する。口内で棘がぶつかったその刹那に溶けるのことでスシの持つ香りが一瞬で広がり、僕の舌をおいしさで包み込んだ。
「名付けてスシ・シンギュラリティ!スシをキューブ上に統一することで世界中にデータやり取り可能。この機械があるだけであらゆるスシを健康と共に食すことができる!」
フラッシュは得意げに話しているが、少し黙って欲しかった。このうまさを必死に記憶したかったからだ。
「客様、満足できましたか?」
「すごく美味しかったです。すごいですねこれ………」
「ええ、褒められると嬉しいものです。私が開発したので。」
「ほーん………ん?」
目の前の男を僕は見た。フラッシュはニヤニヤしている。………まあここにいるってことは研究者なのはそうだろうな。そんなことを思っていると目の前の男はイタマエの姿を捨て、研究員の服を着ていた。(色の濃いサングラスはそのままだった)
「ピーター様。フラッシュ様から聞いています。ここの開発区画の所長である『宍戸富(ししどとみ)』と申します。どうぞよろしくお願いしします」
この人が所長なのか?!丁寧に差し出された名刺をしっかりしまい、握手をする。………ムズムズした感覚を僕は無視した。
「しかし………随分と健康的なゲノムですね。何なスポーツでも?」
「あーっ………標準的な筋トレを少々」
本当は悪党をぶん殴って危険な現場で物を持ち上げ、信号待ちしているおばあちゃんを運ぶ運動だ。………まあ大雑把に筋トレじゃないかな?
「ふむ。これでそれなのか………」
まずい、蜘蛛バレたか?
「すごい健康体ですな貴方は!」
多分、蜘蛛バレてないな!
「ピーター!他にも見るところあるんだから行くぞ!シシド!案内してやれ!」
「承知しました、フラッシュ様。ピーター様こちらへ。」
「あっどうも。」
すごく楽しく、興味深いものが多か多かった。中でも1番驚いたのは………
「フラッシュ?このガラスの中にはいってるネバついてた液体何?」
「宇宙人」
「宇宙人」
「ん。シンビオートっつう隕石にひっついてきた奴らだ。最近見つかったから調査してるんよ」
「ここはエリア86でもあったのか………」
僕の心臓と目は飛び出しまくっていた。なんというか楽しいのだが疲れる見学である。
「一回りですかねこれで」
宍戸さんがそう切り出すと、何かを差し出した。
「粗品です。貴方のおばさまにも。」
「あ、ありがとうございます。」
紙袋だ。その中にはこの開発区画で作られた茶葉の紅茶とクッキーが入っていた。
「こんな、わざわざ………」
「そんな恐縮しなくたっていいぜピーター!そんなに安くはないがたかがそれだけだ!」
「いいかた!」
「まっ、遠慮せず持っていけよ!」
「じゃあお言葉に甘えるよ。僕は帰るが君は?」
「ちょっと用があるからこのまま残るぜ。」
「そっか。じゃあまた明日。」
「おう!じゃあな!」
「ピーター様、私は待ってますよ。」
こうして僕はレトロフューチャーな内装をくぐり自動ドアを開けて外を出た。後ろを振り返る。でかい建物である。その中は宝石箱のように美しく価値のあるものばかりだった。
(………ただ)
宍戸さんに触れた時、何故スパイダーセンスが反応したのだろうか?それだけが気になった。
◇◇◇◇◇
ピーターの後ろ姿を僕は見た。手を振る笑顔はもう抑え、僕は歯を唇で隠す。
「シシド、データは?」
「しっかりと。まさか彼がスパイダーマンとは」
シシドはタブレットを僕に渡してくる。そこには3D化されたピーターの映像が映っていた。またゲノムに隠された人間としてのおおまかなステータスがそこに書いてある。
「驚くべきは力。本気を出せば100トンものものを持ち上がることもできるほどにポテンシャルが秘められています。」
「普段どれほどパワーを制御しているのやら………」
「このデータと血液サンプルはどうします?」
「いつもの所へ。」
シシドは僕の指示を聞き、箱を開ける。そこには多くのサンプルが入っていた。ピーターの血液はその一つになる。
「フラッシュ様………」
「なんに?」
「ピーター様はご友人でしょう?ここの中にあるようなヴィランの1人じゃありません。何故わざわざ弱みを探るようなことを………」
シシドの疑念はまさしくそうだろう。ピーターは僕の友達だ。前世の彼を創作物で知っていたとしても、そんなこと関係ない。彼はいいやつだし馬があう。………だがここはmarvel世界なのだ。
「もしも(What if)………彼に悪人がなり変わったら?」
「?」
「もしも(What if)………彼に善悪が反転したら?」
「………」
「もしも(What if)………彼とそっくりな力を持った悪人がいたら?」
もしも(What if)。marvel世界は何が起こるかわからない。僕はMCUと映画ぐらいの浅い知識しかないのだ。いくら疑っても疑っても………不安が取れない。
「シシド。この世はどうなるか分かったもんじゃない。だから備えることが必要なんだ。わかるよな?」
「ええ………確かにそれはそうです。『転ばぬ先の杖』と日本では言いますしね。………しかしこれだけはお伝えいたします。」
「なんだ?」
「貴方は『エドガー・フラッシュ・トンプソン』様。決して『ブルース・ウェイン』じゃありません。バットマンとして油断なく進める。それはいいでしょう。だからこそ………のめり込みすぎないよう気をつけなさい。」
「………忠告感謝する。」
僕は思った感情を言語にしなかった。言葉として出さないならそれは思わないのと同じことだから。
「さて………辛気臭い話はここまでにしましょう。フラッシュ様。こちらへ。」
シシドは僕を連れて行った。開発区画のさらに奥。僕かシシドの指紋でなければ開けられない扉。そこで守られているのは………僕が活動する上の必要なものだ。
スーツ、バットラング、グラップルガンetc………バットマンとして必要なアイテムがひたすらに広い空間の真ん中に並べられている。
「フラッシュ様。こちらのマントをご覧ください。」
「しっかり穴が塞がってるな。………ん?マント素材がかわっている?」
「お目が高い。前の素材よりも柔軟に硬く、貴方様を守れるよう特別な素材で改造しました。」
「特別………アダマンチウムか?」
「もっとです。」
「………まさか、ヴィブラニウム!?どこでこんなものを。ワカンダは鎖国中だぞ?」
「海中のタロカン帝国から。手に入れるのに苦労しました。これだけで高級時計が何個も買えます。」
「素晴らしい………。」
僕はマントを殴る。マントに僕の攻撃の威力がたまったようだ。この空間には色々なレプリカもある。レンガを取り出し、マントをぶつけた。マントに溜まった衝撃が放たれレンガが破壊された。
「これはすごいな。………他の装備は?」
「バットラングはより軽く硬く改造することに成功しました。これで今までの倍の数を持っても俊敏に動けます。」
「なるほど。」
バットラングを手に持つ。確かに軽い。前がスマホ程度の重さだとしたら、今のバットラングはそのケースだけくらいの重さだ。
投げる。おいた瓶を三本切り裂き僕の手元に帰ってきた。
「たくさん作ってくれ。」
「御意。後これはいかがでしょうか?」
シシドは僕に脇差を渡してきた。鞘から刃を見る。この波紋………
「村正?」
「フラッシュ様、やはり私の見込んだ通りのお方だ。」
シシドは頬を釣り上げていた。色の濃いサングラスに隠れた目もおそらく吊り上がっているだろう。
「村正作無銘にて。切りたいもの、そうでないものを判断し、貴方様の思うがままに震える刃をです。」
「そうか………」
シシドは音もなく僕の背後に近づく。彼の手には仕込み杖。その刃が僕に迫る。
僕はこの動きを見ていた。村正の刃を鏡のようにすることでだ。シシドから教わった技『水面』である。
村正で僕はシシドの仕込み杖を切り捨てた。その切先を彼のサングラスに刺す。一ミリ刺さるとそれ以上動かない。
「鋼を切り裂いた刃がサングラスを切ることができない。」
「村正の恐ろしさ分かったでしょう?」
「………これは使えるな。」
僕はバットマンスーツのベルトに差し込んだ。
「さて………これまでは全て、前座でございます。」
「なにっ」
「ええっ。バットマンとして貴方は活動指定?。なればこそ『コレ』がなければ、始まらないでしょう」
何もない空間の床から、何かが競り上がっていく。それを見た僕は口を開けた。多分今の僕の目は子供のように輝いていただろう。
◇◇◇◇◇
ニューヨーク 夜
ピーター・パーカーです。僕は今大変にピンチです。今食われそうになってます。
「カート先生!やめてください!」
ライフ財団を後にし、僕はメイおばさんとティータイムしていた。だが、ヒーローに休憩は少ししか与えられない。人々の悲鳴が僕のスパイダー聴覚がとらえてしまったのだ!
「ちょっと宿題してくる!」
僕は自分の部屋に戻り、窓から飛び降りてスイング!声の地点まで10秒でついた。僕は………目の前の光景を疑った。
「カート先生?」
リザードというヴィランを知っているだろうか?見た目はそう、蜥蜴人間だ。だからリザード。ストレートなネーミングである。だが僕はそこを弄ることはしない。何故なら彼は僕の恩師だからだ。
リザードの正体であるカート先生はミッドタウン高校の教師で、優秀な研究員でもある。愛妻家で家族愛溢れた善人だ。だが彼は分け合って右腕を失っていた。
両腕でしっかりと愛する家族を抱きしめたい。その一心で、彼はトカゲの遺伝子を分析し、再生力を高めるエキスを開発したのだ!
ぼくはこの研究の助手だった。一抹の不安こそあったが彼の真摯さを信じて研究を手伝った。………それが悲劇の一端である。
彼は右腕が回復した。だが………トカゲの遺伝子が悪い方向に行ってしまったのだ!
トカゲの人間怪物になった彼は暴れ回り、家族すら殺そうとしてしまった。間一髪のところで僕の助けが間に合い、大きな悲劇を避けることはできたのだが………
器物破損などの罪はあったが情状酌量の余地もあり、重い罰にはならなかった。彼も早く家族に会いたいので模範囚として生活を送っており、このままいけばもうそろそろ釈放も考えられていたのである。前面会に行った際、ガラス越しの先生は痩せていたが目だけは希望があった。
「カート先生?!なぜ脱獄を?!」
いや………多分していないだろう。僕のことをわかっていないようだ。しかもだ。カート先生はトカゲ人間とは言えない。大きさは5倍。人間の手を持ったティラノサウルスにようだ。
僕はカート先生にウェブを打ち込む。振り向いた彼の目に希望どころか………正気もなかった。
「ぎゃゃゃゃ!!!!!!!」
吠えたカート先生………いや『リザード』は僕に顎を向けた。というか餌にしようと噛みついてきたのだ。上下で挟もうとする顎を僕はなんとか抑える。
「か、カート先生!正気に戻って!」
僕の声は届かない。ミシミシと僕の体が折りたたまれていく。だめだ、このままでは僕は餌になってしまうだろう。
………リザードを傷つけよう。そう思ったその時。
横から、突然の爆音、衝撃、振動!!
僕はリザードの口から落ちた。一体何が起きたのだろう?!
リザードは足を痛めて地に伏せていた。痛みをあっさり消したように立ち上がるリザード。その目の先には『何か』があった。
夜の闇に溶け込まぬよう浮かび上がる黒い車だ。あらゆる車の機種が当てはまらない形である。だが僕は直感的に『何か』わかった。
車の正面、そこに『コウモリ』をもしたマークがあったのだ。
「『バットモービル』」
バットマンの愛車が現実に現れたのだ。
MJとシシドが今回登場しました。彼らも活躍するのでしっかり書いていきたいと思います
フラッシュとピーターがどのような関係になるのか?そこを楽しみにしていてください。
次回更新は10/3の予定。
タイトルは「リメンバー・オリジン」
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