MARVEL世界でバットマンやってます。なお転生先はフラッシュ・トンプソン 作:スローダンサー
ニューヨーク クイーンズ 夜
僕はキャプテン・アメリカの格好をした自分のLMD(ライフ・モデル・デコイ)をスパイダーマンに渡す。煙幕のおかげで素早く入れ替わることができた。
まさか観客が暴れ出し、殺し合いをするとは思わなんだ。アルフレッドがいなかったらどうなっていたのやら………
だが立ち上がり煙をばら撒いたあいつらの姿。観客、つまるところ一般市民の格好しているのだが、僕の目はきっちり捉えていた。ハンドのマークを持っていることを。
なぜ変装してまでこの劇場に入ってきたのか、わからない。いやまああの格好のまま劇場に入れるわけないのだろう。
一通り倒れている観客たち。彼らはモゾモゾもがいているがスパイダーマンのウェブクラスターのせいで動くことはできない。
………こんな武器もあるのか知らなかった。アルフレッドの記録の中にも残しておかなければ。
「あっコウモリくん!」
やばい、僕にスパイダーマンが話しかけてきた。
「………いたのか」
「そりゃあスパイダーマンは親愛なる隣人を謳ってからね。隣人トラブル解決シューターってわけ。」
「………長い肩書きだ。」
「いいじゃないの。アイアンマンよりはましさ。」
……………………………………………………………………スーッ………
「………先日はその」
「ん?」
「いや、すまなかった」
「ん?んーん?」
口が動かない。マスク越しでこそ言えるだろうと思っていたが僕の見通しが甘かったのか?
迷惑かけたのはこっちでバットマンの格好してなきゃ謝罪の意味は全くないんだが………
場の雰囲気が地獄だ。周りの観客は地べたで暴れ回ってるし、僕のLMDはスパイダーマンの上でぐったりしてるし、僕の口が乾いているし、全くもってよろしくない。
………ふらふら視線を周りに回すと僕が劇場に突っ込ませたバットモービルの上を通るやつが何人か。ってあれ、ハンドの連中じゃないか!
「………さらば」
「あっ?!」
スパイダーマンが僕の後ろで何か言っているが、あいつらを逃したら、それこそよろしくない!
「アルフレッド!」
『承知しました。』
バットモービルが後ろに下がり、外へ。飛び上がった僕をコックピットに格納してくる。僕のこだわりが反映された所だ。
「いい仕事だ、シシド。」
『調整及び操作しているのは私ですからね?』
「thank you アルフレッド。」
『どんどん褒めてください。』
「気が向いたらな。」
『いけずなおかた………』
「声を女にしないでおくれ………」
そろそろ調整するか?などと考えながら、僕は逃げるハンドを追う。半自動運転で車を避けつつ、追いかける、だがその距離が全く縮まない。奴ら、普通の服を捨て赤い忍者装束を着ている。そのせいだろう………
『いやフラッシュ様。今時速88マイル(約140km)で走ってるのわかってます?』
「忍者は恐ろしいなぁ………」
デロリアンなら時間旅行できる速さだ。そのスピードで追いつけないのなら………
「ミュータントか?」
『ざっくり分析の結果だとそのような痕跡はありません。』
「なら忍術か。」
『私のデータの中にはありませんな。』
「勉強不足だな。もっと学べよ」
『データ化されていないものは難しいですからね。』
「古書店買うかなぁ」
『円安ですからな。何個か書店買えますよ?』
「………冗談だからな?」
ハンドの連中の動きが変わった。路上走りから壁走りへ。窓をトランポリンのごとく、飛び台にし、鳥のように空を飛んでいる。
「僕は追いつけるか?」
『この鉄屑(モービル)にいなければ無理でしょうな』
「手厳しい………」
このままバットモービルで追いつくしかない。だがハンドは僕の心理を読んでいるようだ。ハンドは空から何かを降らせる。その後を通った車がどんどん潰れて、火をあげ、動かなくなる。
「マキビシ………!」
非人道兵器とも言われる恐ろしい設置武器である。無論あの作品でのなかの話だが、このような惨状を引き起こす姿を見るに言い過ぎではない。
さて、このまま進めばさらにやばい事故になることは間違いない。僕のバットモービルはでかい弾丸のようなものだから。だが僕はこのような事態を想定してないわけはない。
ハンドルにいっぱいついたスイッチの一つを押し込む。その瞬間、バットモービルはその車体を大きく空に上げた。ジャンプボタン、文字通り機体を飛び跳ねるための機能である。
地面に落下するバットモービル。何もない場所に墜落するように着地できた。しかし、飛んだせいでさらにハンドから距離は離れてしまう。
「………なればこそ!」
僕はジャンプボタンの上部にあるボタンを押し込む。バットモービルのミラー、その装甲が剥がれ、『アレ』を写実した。
コウモリ型の小型ドローンである。羽が回転し、自走する機械だ。カメラ付き故、ハンドを追うことはできる。
「アルフレッド、ドローンのカメラと監視カメラの情報から場所を割り出せ。」
『承知しました。』
バットマスクの目にハンドの逃走ルートが見えた。最初からこうしていればよかったが………まあいいだろう。この先は劇場と真反対の廃ビルか?
「行くしかないな?」
『私に聞かなくてもいいでしょう。答えは決まってますでしょ?』
アルフレッドの問いに答えなかった。
「ハンド・ハントだ」
◇◇◇◇
ニューヨーク ブルックリン 夜
廃ビルの中に僕は入る。ビルは10階建程度だろうか?そこそこ高い。今僕は5階にいた。バットマンは段を飛ばす手段なぞ星のごとくある。
「………………」
いるな。視線、息、臭い、刃の光。何人いるんだ?そんなこと思っていたら、
風を切る音もなく、飛んでくる手裏剣。僕は風を切る勢いでバットラングをぶつけ、砕く。
「一度だけ言う。すぐに失せろ。」
僕の脅しは聞かなかった。
ギラリ輝く日本刀。膝で抑え砕く。
複数飛んでくる手裏剣。村正で切り払う。
マントに対する鉤爪。逆にへし折る。
毒の吹き矢。アイスグレネードで撃ち落とす。
火遁。僕も火遁
空手パンチ。チョップはパーだ。
次々ありのごとく襲いかかるハンドを僕は薙ぎ倒し、へし倒し、超えていく。
100を数える頃僕は数えるのをやめた。
「はあっ………ばぁっ………ふぁ………」
ハンドを全員倒す。僕は息も出来ない。だがまだ調査ができていない。動かなければ………
僕の視線の端に何かいた。そいつは僕に二刀流で襲いかかる。村正で対応しようとした。やつの目が僕を縛る。全く動かない。
日本刀が僕の体を切り裂く。血が吹き出す。倒れることもできない。そいつは僕のことを床に倒し、気絶させた。
◇◇◇◇◇
朝日………起きる。眩しい。臭い、血の臭い?
「う………うわぁぁ?!」
ハンドは死んでいた。みな切腹していた。血でマークを描いている。これは五芒星?僕の手には血のついた日本刀が持たされていた
「警察だ!凶器をおけ!」
何人もの調査員が廃ビルに入ってくる。
「ちくしょう!!!!!!!」
僕は日本刀を捨て、ハンドのばら撒いていたカプセルを拾うと空を飛ぶ。銃弾が頭をかする。
まずいまずいまずいまずい。
まずは………これを分析しなければ。
あの朝日は僕にとって不吉の赤だった。
今回は非常に短くなってしまいました。キリのいい所がここかなぁって感じに書いていると文章量がまちまちになってます。
一旦この話が終わったら色々話を統合しようかなと考えています。今は考えるままに書いていきます。
次回は10/18日更新予定
タイトルは「2発の爆発」
読んでくれてありがとうございます。感想待っています。