MARVEL世界でバットマンやってます。なお転生先はフラッシュ・トンプソン 作:スローダンサー
ニューヨーク フラッシュ邸 午前
【街を引き裂く爆発!!!!】
【重軽傷者100人以上か?】
【原因はスパイダーマンとバットマンである!!!!】
【バットモービル、警察が押収!】
デイリー・ビュークルの朝刊を一通り、目を通して暖炉の火種にした。僕とスパイダーマンの醜聞をここぞとばかり叩いてやがる。
「クソッタレ!!!!!!!」
僕はゴミ箱を蹴飛ばした。僕の血を拭った布が周りに錯乱する。その時、ロボットアームが現れ、布をゴミ箱に捨てた。アルフレッドの操るものである。
『フラッシュ様。物に八つ当たりしたところで信用も信頼も時間も返ってきません。』
「それは………わかってるよ!!!!」
『ほら〜またこんなに汚して、片付ける私の身にもなってくださいよ。』
「………ちぃいっ、口うるさいぜ!」
『貴方様がその様に作りましたからね。』
「僕のせいかい、ちくしょうー!!!」
僕は叫んだ。
「何がかなんだかわからん!僕が人殺し?!おかしいだろ!ちょっと血溜まりに刀持ってただけじゃないか!」
『はたから見ると、とんでもなく貴方様殺人犯ですよねそれ。』
「そりゃそうだ、アッハハ!!!クソが!」
ベットの上で枕を顔に押し付ける。何度も何度もあばれ叫び、枕を汚した。くそっ、僕は枕を投げる。アルフレッドのロボットアームがあっさり掴み、洗濯室に移動させた。
『わざとですね?』
「………うん。」
『貴方もう高校も卒業するんですよ?』
「………うん。」
『癇癪起こした子供のようなことしないでくださいよ。』
「………うん。」
『お昼ロブスターロールにしますか?』
「………うん。」
アルフレッドのロブスターロールは相変わらず美味かった。
◇◇◇◇◇
「さて………じゃあこれを調べるか。」
僕は先日ハンドの懐から奪い取った、煙のカプセルを取り出す。ここで開けるわけにはいかない。成分が分からぬ以上、細心の注意が必要だ。
『ライフ財団に持って行かなくて良かったのですか?』
「万が一ってこともあるだろ?ここなら人間は僕しかいない。」
ガスマスク
特殊素材のケース
ロボットアーム
カメラ数台
大量の計測器
カプセルをそれらの真ん中に置いた。
「よし………じゃあアルフレッド、開封してくれ。」
『承知しました、フラッシュ様。』
アルフレッドのロボットアームがケース内部のカプセルにヒビを入れる。少しずつ亀裂が走り、そして割れた。
『だいぶ割れやすい素材のようですね。』
「叩きつけて壊れないと意味がないからな。」
ケース内部はどんどん赤くなっていき、行き場のない煙がぐるぐる回っている。漏れ出す隙間もなく、風もないはずなのだがなぜか動いているのだ。
「これは………アルフレッド!」
『ええ、調べてます。』
アルフレッドの分析音が静かに響く。僕はそれを固唾を飲んでみていた。
『フラッシュ様。』
「わかったか?!」
『ライフ財団に持って行かなくて正解でした。』
アルフレッドの出した成分表を見て僕は、手に持っていたそれを落としてしまった。
「アルフレッド。」
『なんでしょう?』
「調べて欲しいことがある。」
『何なりと。』
僕はパジャマを脱いだ。そして地下に降りる。ここにはバットマンの秘密装備とスーツがある。目の前にあるのはバットマンのスーツ。ママが交通事故で死んで、パパが僕のせいで死んで、残ってるのはこれしかない。
これを着ると僕は………バットマンになれる。どんなことでも立ち向かえる、そう思える。
◇◇◇◇◇
ニューヨーク ライフ財団 夜
白衣を着て1人、忙しく働く男が1人。宍戸富。日本人である。いつもかけている物とは違う色の薄いサングラスで、書類を整理していた。
ふと宍戸が手を止める。窓が開いた音がしたのだ。宍戸は席を立ち、窓に近づく。
そこには人間の形をしたコウモリがいた。尖ったツノとマント、そして闇の中でもギラリと光る目が宍戸を貫く。
「フラッシュ坊ちゃん!わざわざ高い所からいらっしゃって。」
バットマンは黙っている。皺がない口が一文字から丸に形が変わった。
「シシド。ハンドが何をしていたのかわかったことがある。」
「おお、それはそれは!一体何をしているんでしょう。」
「奴ら、このカプセルを使って人間を暴走させていたのだ。」
「それは恐ろしい!」
「運良く、私が無傷のものを手に入ったからな。これを解析できた。」
「そうなのですか!」
宍戸はバットマンに詰め寄った。
「一体何が!」
「シンビオートだよ。」
その言葉に宍戸は反応しなかった。
「正確にはシンビオートのクローンみたいなものだ。怪物になることはないが吸うことで人間の闘争本能を活性化させ、見境なく暴走させる。」
「なんとおそろしいものですね。」
「実に恐ろしいな。」
宍戸はバットマンから離れ自分の席に戻っていく。
「しかしシンビオートですか………まさかここから盗まれたってことなのでしょうか?」
宍戸の質問にバットマンは答えなかった。その代わりもう一つ袋を取り出す。中は宍戸に見せず、手に握りしめる。
「シシド。」
「なんでしょう?」
「お前、いつものサングラスはどうした?」
宍戸はサングラスを上に上げた。宍戸の目がバットマンを見つめる。
「私はシシド、お前の目を見たことなかったな。いつも色が濃いいつも同じサングラスをつけていたから。………気分を変えたとか言い訳は効かないよ?私との付き合い10年間で一度だって変えたことなかったじゃないか。」
「………」
「シシド。これはなんだ?」
今まで手に隠していた袋を宍戸に突きつけるバットマン。その袋の中にはバラバラになったサングラスが入っていた。
「あのガラス工場で見つかったものだ。マジア(marvel世界のマフィアを指す)の殺し合った現場の中に混ざっていたんだ。ガラス瓶の破片の中で混ざっていて探すのは大変だったよ。」
「………よく見つけましたね。」
「私はバットマンだからな。」
本当はアルフレッドの分析によるものであるが、バットマンはそれを黙っていた。宍戸はアルフレッドの存在を知っているがどれだけ高性能なのかは知らない。アルフレッドの全貌はバットマンだけ把握しているのだ。
「このサングラス自体は売り物だ。高いが手に入らないわけではない。………10年間いつもこれをかけている人間が、いきなりかけなくなったと言ったらそれは怪しいよな?」
「いやはや………」
「まだあるぞ。」
バットマンは地図を床にぶちまける。それはニューヨークのものだ。
「直近の現場、特にハンドが関係ありそうなものは4件起きている。」
その位置には赤くマークされていた。
「そしてこれは極めて均等な距離に並んでいる。だがこの点だけではどのような形になるか分からない。………ここを最後の点にしたのなら別だ。」
最後の点、そこはライフ財団の場所だった。
「五芒星(ペンタグラム)。これには様々な意味が込められるが………ハンドが日本の秘密結社なら陰陽道の儀式に利用することが想像できる。シシド、一度だけ聞くぞ」
バットマンは宍戸を睨みつけた。
「お前、ハンドか?」
宍戸は、白衣を脱ぎ捨てた。
「ええそうです。どうも初めまして、ハンドの現当主『ゴーゴン』です」
サングラスをメカニカルなゴーグルに付け替え、その手には2本刀を持っていた。それは昨夜バットマンを圧倒したハンドのニンジャの格好と同じだった………
バットマンはバットラングを投げる
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一瞬のうちに、6枚のコウモリ手裏剣がゴーゴンを襲った。だが彼はゴーグル越しに視線をバットラングに向ける。一瞬で光が放たれた。
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一瞬のうちに、6枚のコウモリ手裏剣がゴーゴンの足元に落ちた。特殊金属のそれはただの石になっている………
「名前の通りなのだな?!」
「そうですよ坊ちゃん!!!!」
拳
蹴り
パンチ
チョップ
斬撃
白羽取り
跳ね返し
飛び上がり
衝撃相殺
ゴーゴンが隙をつき
バットマンはそのまま吹っ飛ぶ
「いいですか?坊ちゃんに戦いを教えたのは私ですよ?貴方の動きを分からないわけないじゃないですか!」
ゴーゴンは倒れたバットマンを蹴り上げ、壁に踏みつけた。グリグリと胸を壁へ押し付け、徐々にヒビを入れていく。
「シシド………なぜだ!なぜこんなことを」
「今日は何の日ですか?」
「何?」
「今日はね、ビースト様が現世から地獄に堕ちた日から666年ちょうどたつ日なのです。屈辱的な日ですよ。」
どんどんバットマンは壁を貫通していく。
「いいですか?本来なら貴方のお父上がこれをやるのでした。だがまあ予想外に早く死んでしまって私がやることになったのです」
「なにっ?!」
「貴方のお父上はバンドの幹部でした。私の上司で優秀な人でしたよ。まさか貴方みたいな子を守るためにその崇高な使命を放棄するとは思わなかっですが………」
「おまえは………俺を………憎んでいるのか………」
「まさか!!愛おしく思ってましたよ。なんというか面白くて。」
ゴーゴンは嘲笑った。バットマンを蹴り飛ばす。ヒビが割れた壁はついに崩壊し、バットマンはそのまま落下した。
「坊ちゃん!貴方面白かったですよ!子供みたいにはしゃいでバットマンごっこして………バカみたいに!!!!」
ゴーゴンの言葉がバットマンの脳裏に焼き付く、
そして闇の中に消えていった。
「さて………仕上げの時間だな。」
ゴーゴンは懐からリモコンを取り出す。そしてボタンを押すとシンビオートをニューヨークの街中に解き放ったのだった。
いよいよクライマックスです
ここから頑張っていきます
次回は10/25日更新予定
タイトルは『ウェイクアップ!』
ここまで読んでくださりありがとうございます。感想、評価待っています。