とびぬけ!異世界派遣軍   作:筒手

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えぇ…同作にある三色旅行記の後世話。
あちらは全然筆が乗らないので、暫くはここらでと


準備期間

 

あれから何年が経ったか…当時を知る者はトランシー人しか居らず、またその第三世代人種達も極一部の者達しか過去を知らない

 

 

今日も一日…訓練の日々だ。

そんな一人一人の一般兵達の光景を見ながら司令室で事務仕事に励む士官将官達の姿。

 

実戦配備直前の兵士達は最終試験としてアーマードスーツを与えられる。

黒を基調として青いラインスリットの入ったヘルメットと全身を守るアーマー、自警団から一般歩兵に支給される国民的象徴AR-75アサルトライフル。

毎分600発で放たれる45発弾倉に押し込まれた10mm×39mm炭化鉛弾、此度の第二次統一戦争にて大活躍したAR-70アサルトライフルの現行仕様改良型である。

最新技術と素材によって全長1145mmにして重量は2.7kgに抑え込まれており、改良前の5.7kgより軽くなっている。

それも前のアーマードスーツは最適化されていない大型の物である為、スーツのジェネレーターの出力ゴリ押しによるものだった。

今回の新型によって生身でも扱える代物となっているのが大きな変化だ。

 

最終訓練兵達はそれを持って射撃訓練に励んでいる。

 

「よし新兵達!よくやった!次の射撃訓練所は実戦形式だ。直ちに移動したまえ、走れッ!」

 

訓練教官がキツく言わず厳しめに言い放ち、実戦射撃訓練区画への移動を全力疾走で駆け抜ける新兵達と教官の後ろ姿を見届けながら訓練施設の司令室へと入った。

 

「…!お疲れ様です。ネッドリッヒャー大元帥閣下」

 

入ったその時、前大戦で英雄として讃えられていた大元帥閣下が義足の整備をしながら頷いている。

 

「そう畏まる事はない、今年の最終配備兵数はどうかね?インゲン陸軍大佐」

 

大元帥閣下の確認に報告書と個人の予想を含めて答える。

 

「報告書通りでは約700名、私個人で思うとすれば300名程かと」

「何故、例年より下がっているのだ?これからも未知の脅威だった幾らでもあるというのに…」

 

それについての問題は先の最終訓練である実戦形式の射撃訓練にあると私は指差した。

大元帥閣下は窓越しにその様子を私と二人で見届けている。

 

 

ー最終訓練区画ー

 

「自由に違約した不届き者が長年の鬱憤を晴らす為にお前達を殺しに掛かるだろう、見ろ!あれが反逆者だ。民主主義は悪と考える忌々しき存在をこの世から消し去るべきだ!自由と家族の為に撃て!殴れ!敵の死体に祖国の旗を突き立てろ!」

 

訓練教官の短い演説の後に新兵達は最後の訓練だと勢いよく死刑囚に向けて攻撃を始めた。

無論だが、死刑囚管理局は死刑囚に対し生存出来れば特殊作戦群配属が決まって死刑を免れる唯一の選択のだった。

そんな死刑囚も国民狙撃銃、MR1908:グロージアを一人一丁を持たされていた。

第一次統一戦争時にて窮地に陥れられた共和国を何とか繋ぎ止めた急造兵器モデルが戦後、国民の厚い信頼と優雅な見た目によって新しく作り直されたのが本銃。

5発のクリップ装弾に距離調整可能な標準照準器、折り畳み式の銃剣付きのボルトアクションライフル。

旧式ながらも多くの古参兵には愛用され続けているその上でグロージア造兵工廠では工場労働者の家族の一人が15歳を越えた際に本銃を無償で授けるのが伝統になっている事から、共和国正式儀仗銃としても採用されている。

全長2431mm重量3.7kg、使用弾薬7.62mm×90mmタングステン弾

正規軍塗装規格によって黒を基色として金属部分は青色に塗られてはいるが、木製ストックとバレルカバーが当時の急造品時代を思い出してくれる。

 

双方共に自由の為、筒を取り撃ち合う様は異様なものと見えるがここでは日常的な最終試験なのである。

死刑囚不足に陥ると異形種による特殊作戦群との合同実戦演習が行われるので、その年の死傷者は誰一人居ない

 

ところ場面は変わって共和国海軍局、過去の大戦にても目覚ましい活躍は残っておらず常に後方支援の役目だった。

今回も変わらずであるものの、第二次統一戦争にて何度か支援要請受理し海からの艦砲射撃によってある地区が今でも尚復興に予算が注ぎ込まれている。

 

共和国第三艦隊、陸軍支援班6隻

強襲巡洋戦艦 アランティア。グーゲナス。

ミサイル戦艦 タイフン。タイフウ。

ミサイル駆逐艦 タイラ。マナイタ。

この6隻の艦砲射撃によって該当地区は高濃度の放射能によって死の地とされ、一部異形種と上位共和国人類以外は住み込めない土地となっており

彼らによって復興作業が推し進められている。

 

特に被害を大きく出したスヴィエラ級強襲巡洋戦艦が搭載する1400mm連装砲から放たれる…ニュークリア弾が原因とされる。

またその次とするボウフウ級ミサイル戦艦が搭載する大陸間弾道核ミサイルも自由に反する問題として取り上げられてメディアの注目の的にされていた。

あまり注目されなかったもののテーブル級ミサイル駆逐艦もまた戦術核ミサイルを発射していたことが今回になって明るみに出たのでまた海軍に自由反逆罪として予算削減と人員の死刑囚管理局への送還が行われた。

皆が総じて「第二次統一戦争、共和国の自由への道為の支援砲撃であって」…と彼らの台詞はここで途絶えている。

何がともあれ当時は黙認されている兵装も現在では問題視されている兵装を共和国最高司令部の許可無しに発射したことは重罪である。

 

ちなみに宇宙軍が取り扱うヌーク弾頭は、共和国最高司令部の許可を得て作られた艦載機用の核ミサイル及び核ロケットでありこちらは国民投票の結果も相まって問題視されていない。

 

 

……

 

 

そんな書面作業処理を済ませると元帥閣下は次なる仕事に向かうと司令部を後にした。

 

「元帥閣下に敬礼!」

外では訓練兵代表のそんな声が聞こえ、元帥閣下は垂直離着陸機に乗り込んで現場へと向かう様子が窓から見えていた。

 

 

昼も終わって素晴らしい仕事は共和国労働協定によって1日最大6時間労働と定められており、それ以上の作業は自由反逆罪として処理される可能性がある為…残業は重罪であるとされる。

なお異形種は含まれないとする。奴等は我々の自由を奪った存在であるようで、今は少しずつ緩和され自治区を与えられているようだ。

私の労働後の自由時間は個人農場の労働者の確認だ。

個人農場労働者は異形種で統一させているそのおかげか、お互いの絆を深め合っている様子も見てわかる。

しかしその言葉は私には全く理解が出来ない、ふと空から噴進式推進器の音がする方に顔を向けると…政府管理局専用機が駐車場区画に着陸していた。

政府管理局から二人が私に近付いて来ていた。

 

「大佐、至急政府管理局から御要件があります」

「……インゲン大佐、もし別要件とあらば事後処理の内容はお分かりですね?」

 

青色を基調として黄色いスリットの入ったヘルメットとアーマーを着込んだ政府管理局の正装。

彼らからのメッセージとなれば必ず行かなければ命令違反とされ軽い罰が下る。

この出頭の際の労働時間は含まれず、特別休暇として割り当てられるのがまだいいところ。

軽い罰というのは強制連行され特別休暇割り当てが無くなり労働時間に組み込まれるという事で、既に労働時間を超えている場合なので確実に自由反逆罪が成立してしまうという問題がある。

現在政府管理局はこの問題を回避すべく特殊法の成立を急いでいるらしい、だが今回の件は異なるようだ。

私は直ぐに専用機の貨物室に乗って移動を始める。

 

 

 

機内で管理局からアーマーを渡された。

 

「着用して下さい、今回の件が行われるのはスティグラ地区です」

「例の放射能汚染地域か…管理局が関与してるとなると…」

「えぇ。上位共和国人類トランシー総合中央管理局の指令であります」

 

 

アーマーを全て着用し終えると身体が一瞬浮き上がる感じがした。

今ので離陸し移動し始めたところなのだろう、現地の話を聞こうとしたが二人共「お応えしかねる」の一蹴遍だった。

 

暫くして立ち入り禁止地域、スティグラ地区に管理局専用機が着陸した。

アーマーの一機能の一つである放射能検知機能がかなり振り切れており、非常に危険な環境であると分かる。

暫く歩いていると白と赤、黒の三色で構成されたアーマーの兵を見かけた。

 

「アレは一体?」

「大佐はまだ知らなかったようですね。愛國管理局の方々ですよ」

 

そう言ってると彼等から近付いて来た。

 

「インゲン陸軍大佐殿、ここからは我々が案内します」

 

真っ赤なアーマーの愛國管理局の歩兵が私を連れて移動を再開する。

平和な時代だというのに大型のサブマシンガンSMP-45と使い捨て対戦車ロケットLWP-7を8名全員が装備している。

真っ白なアーマーの愛國管理局の歩兵はその隊長格なのだろうか、比較的軽装備であるものの…対物拳銃R-50calを一丁腰に付けている。

暫く歩いているとそれらしき建築物が見えて、真っ黒のアーマーを着込んでいる重装甲の歩兵が巡回していた。

 

「汎用機関銃…MG-46、結束手榴弾…まるで大戦中の装備だ」

「如何なる時でも備えは必要だ」

 

白いアーマーの歩兵がそう言ってはそのまま施設の中に入る、そして暫く施設内を数時間移動すると目的の会議室に辿り着いたが…相変わらず放射能濃度は凄まじい数値。

 

既にある程度の人数が席に座っているようだが

全員フルフェイスアーマーなので誰なのか全く分からない

 

「では確認を取ろう」

 

非常に装飾が多くて動き難いアーマーの人がそう言った。

その次に言い始めるのは隣の何処かで見たようなアーマーだった。

 

「出席者を確認する…愛國管理局長エルフィン。陸軍大佐インゲン。

…愛國管理局実行部隊総司令官グレゴール。そして我こそが元共和国総指導者ネッドリッヒャーである」

 

ん?元帥閣下元々それくらいの役職だったのか?現在その席は一体誰なのか聞こうとしたが、話しが進められ…とても質問を挟むことは出来なかった。

愛國管理局は武装組織ながらも政府直属なので軍階級制度が無く総合勤務時間で変動するらしい

 

「愛國管理局からの一報、超次元空間ゲートが何かしらの進展で起動した様子。地区はここスティグラとアンティーリにヘクの平野に建てられ起動に成功したそうです」

「いよいよ他世界からの脅威とやらがやって来る訳か」

「そこまでにしておけグレゴール、何でも武力解決するというのは君の悪い癖だ。ここはヒカリに頼もう」

「ヒカリって誰なんです?」

 

他3名は既に知っている顔振りのようで早速エルフィルが通信を掛けた様子が見て分かる。

 

「あと4時間後に来るそうです」

「暫く休憩としよう」

「この高濃度放射能環境下でですか!?」

「大佐、時には止む得ない場合もあるのだ」

 

元帥閣下と共に此処で待つこと四時間が経過した。

 

やって来たのは上位共和国人類種の特徴的な灰色の肌が垣間見える空虚科学研究局長エル。

そしてその娘であるヒカリだった。

ヒカリがやって来ると元帥閣下や他二人が略式敬礼しており、私は閣下と共に敬礼して様子を見る。

 

「そう畏まらなくていいです、異界ゲートへの軍動員費用は既に決定しております。各自この指令書をご確認ください」

 

ネッドリッヒャー大元帥閣下と私はヘクゲートを担当されている。

他二人はスティグラゲートを担当しエルとヒカリはアンティーリゲートを管理する事が決められた。

 

「さて…本題は終了です。ここからは別件ですのでインゲン大佐は私のところに来てください」

 

大元帥閣下と二人はそのまま解散の流れで会議室から出ていったが、私とエル。ヒカリだけがここに残った。

 

「大佐、貴方には自由反逆罪容疑が掛かっています。一つ確認として異形種を雇用し保護しているとの民間人からの報告が上がっております。これは事実ですか?」

「はい」

 

私はただの小娘の戯言だろうとそう侮っていた。

 

「御本人の証言も得られました事、これよりインゲン大佐は栄誉保護として第77特殊作戦群へ左遷を決定とする。愛國管理局員は直ちに拘束連行を実施せよ」

「!?」

 

視界の外から漆黒のアーマーを着込んだ愛國管理局の実行部隊が私を拘束。

頭を強く殴られ気絶した私が目覚めたのはヘクゲート手前に集められた第77特殊作戦群本部だった。

黒く大きな翼を生やした鳥人種や魔族、果てには狐耳やら熊の獣人とやらも集められている。

その者達の言葉は全く分からない、その上で年齢層は一切統一されておらず子供から老人までと幅広い

そのど真ん中に優雅に紅茶を嗜む一人の特殊作戦群所属の人が居た。

 

「インゲン大佐ですね、本日から私の副官となるのです。私には名前がありませんので勝手に海軍中将とお呼びくださいね」

「海軍中将?グーゲナスの艦長と関係があるのですか?」

「ええ、その時に名前を剥奪されたのです。事実上海軍は解体…残された者達が何とか引き継いでいるその程度ですね。私は単なる砲手、それ以上でも以下でもありません」

 

彼女の息継ぎ話しを聞いていると前進信号が発せられた。

 

<全体命令発行!特殊作戦群は直ちにゲートを潜り、潜在的な反民主主義勢力を討伐して参れ!以上!>

 

その命令が発令されると皆が赤黒いアーマーを着込み始めた。

 

「貴方の分は既に用意しておいた。さて休憩はここでお開きとしましょう」

 

彼女もアーマーを着込んで、自動散弾銃GSD-12を持ち込んでゲート手前に走って行った。

このアーマードスーツ、第二次統一戦争時の旧型アーマーだった。

そして旧型アサルトライフルより少し大型のガウスライフル、TR-20。

旧型アーマードスーツの出力を最大限活用した専用装備、装弾数200発の20mm×120mm内封プラズマ弾を発射する代物だ。

重さ的には大体50kgらしい…

 

周りの特殊作戦群も大体同じ装備だったりするが彼女の様な素の階級が高かった者や、有翼種族は比較的軽装備で現在採用されている新式アーマーを使用している。

この場に居る全員が準備を終えて整列していた。

 

<作戦開始時刻までのあと5分!>

 

…この時の我々はまだ知る由もない泥沼のような戦いが起きようとは思わなかった。

民主主義管理自律AIことヒカリや、内側に潜む不穏分子の存在も…現地異世界文明の反民主主義的情報操作プロパガンダに翻弄される時が来ようとは

 

だがそれでも我々と友好的に接し合えそうな存在は僅かながら存在しえる時もあったに違いない

もし状況が異なっていたら…第二次統一戦争で我々が敗北していたら、こんな結末にはなっていなかったのだろう……

 

 

創生暦3000年

ここには共和国という存在は小規模に収まり…複数国家や自治区が乱立する混沌世界時代の始まりとなる。

それはまた別の話となるだろう…。




クロス元ネタ

殆どの部分はHelldiversの世界観を参考にしながら弄り回している。

弾薬・海軍艦艇及び地域名はEvEOnlineプロジェクタイル系 炭化鉛弾とかそのまんま。
爆薬入ってないのに爆発属性付きって…

アーマー、殆どの新式は地球防衛軍シリーズのエアレイダー辺りで旧型はStarCraftのTerran陣営のMarlin

上位共和国人類の位置に関してはKILLZONEのヘルガンが元ネタ。詳細は前作に書こうとしてるけど中々気が乗らない

以下現時点で未登場

自動化部隊・安心と信頼のボンネットトラック5t級
軒並み車両や航空機等は全て電動駆動で現地の環境に配慮してとかはそんな事は無く、燃料補給がいつでも出来る訳じゃないので緊急時は手回し発電機等を使う

宇宙軍・割とボロい物を使っている。
予算が海軍より少なく、廃材と隕石を使って宇宙船を無予算から製造している。
つまり配属員の給与しか支払われていない、残る全ての装備や製造材料、製造に使う道具の材料も現地調達。
空気漏れだって?ダクトテープで閉じておけ。ヨシッ!

バッテリータンク・陸海空宙全てで使われている使い捨ての充電器。
殆どの車両は核バッテリーなので、この使い捨ても同じ物を使用している。
陸軍に関してはほぼ野晒し設置で使用する。…ここに関しての元ネタとして燃料補給用のラグナイト、戦場のヴァルキュリア辺りを想定してます。
取り敢えず乱雑に置かれた砲弾が原因で補給中の襲撃での被害は甚大。
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