延文三年──西暦一三五八年から幻想郷へ迷い込んだ北条時行は、博麗霊夢と霧雨魔理沙に連れられ、妖怪の山を目指していた。
目的地は、その山上に鎮座する守矢神社。
五百年後の世にも諏訪の信仰が受け継がれていると聞き、そこに仕える風祝、東風谷早苗に会うためである。
「君たちから見て、早苗という娘はどのような子なんだ?」
山へ向かう道すがら、時行がふと思い出したように尋ねた。
「んー。たまに気合が入りすぎて変な方向へ行くけど、基本的にはいい子よ。幻想郷では珍しく」
「神奈子や諏訪子がしょっちゅう妙な企みを始めるからな。まあ、責任感は強いやつだぜ。いかにも五ボスらしいというか」
「五ボス?」
「気にしなくていいわ。要するに、従者気質ってことよ」
魔理沙の大雑把な評価を、霊夢がさらに大雑把に言い換えた。
「早苗のことは、私たちが先入観を与えるより、直接会って確かめればいいんじゃない?」
「それより、お前の時代の話を聞かせてくれよ」
魔理沙が箒の上から身を乗り出す。
「お前の時代について残っている記録なんて、『太平記』くらいだからな。あれは面白いけど、どうにも誇張が多くてさ」
「そうか。では、やはりまず我が郎党たちの話から始めよう!」
「いや、お前自身の話を聞きたいんだが」
こうして早苗についての話はそこそこに、時行の郎党自慢が始まった。
◇
「──というわけで、弧次郎は一騎当千の武者なのだ。宇宙一強い!」
博麗神社を発ってから妖怪の山の麓へ着くまで、時行は弧次郎一人の話だけで使い切った。
「『太平記』のほうが、まだマシな誇張だったな……」
「というか、もう妖怪の山に入るわよ。ここから先は、神や妖怪が喧嘩を売ってくるかもしれないから気をつけなさい」
「では次に、雫の話をしよう」
「私の話、聞いてた?」
霊夢の忠告にもかかわらず、時行の話は止まらなかった。
霧深い山腹には大小の滝が幾筋も流れ、木々の隙間からは河童の工房らしき煙が立ち上っている。人間の里とは異なる気配が、四方から三人を窺っていた。
「げげっ、人間!? 勝手に妖怪の山へ入ってくるな! これでも喰らえ!」
茂みから声が上がったかと思うと、水飛沫をまとった青い光弾が一斉に飛来した。
「雫は頼重殿と同じ神力を扱える。いわば、君たちに近い存在でな──」
時行は話を中断しなかった。
迫る光弾に合わせて首を傾け、一発目を頬の横へ通す。二発目には身を沈め、三発目には足元の石を蹴って跳んだ。宙で身体を捻り、水輪のように広がる弾幕の狭間をすり抜け、そのまま頭上の枝へ着地する。
呼吸も、話す調子も乱れない。
「にとりの弾幕を避けながら自慢話を続けるなよ。『芥川龍之介の河童』が、完全に自慢話用の曲になってるじゃないか」
「全部勝手に耐久扱いしてるうえに、満面の笑みなのが怖いわ」
「私の弾幕を話の背景に使うなーっ!」
河童の抗議を背に、時行はひらひらと弾幕をかわしながら山道を登っていく。
「あとは天狗に見つからなければ、もう一息ね。連中は山の警備にうるさいから、ここからは静かに行くわよ」
「そうか。では、話もあと五分で締めよう」
「話すのをやめなさい」
◇
そして、二時間後。
結局一度も話をやめなかった時行は、満足げな顔で守矢神社の入り口へたどり着いた。
「結局、文に見つかった挙げ句、取材という名の弾幕を浴びたじゃない……」
「早苗に会う前から、どっと疲れたぜ……」
「本物の天狗は初めて見たが、なかなか礼儀正しいものだ」
烏天狗の射命丸文は、時行の話を記事にすると約束して飛び去った。翌日の新聞が『太平記』も真っ青な内容になることを、霊夢と魔理沙は確信していた。
「これで我が郎党たちの魅力は十分に伝わっただろう」
「私は小笠原貞宗のことしか頭に残ってないわ」
「敵じゃねえか」
「彼は敵ではあったが、幼少の私に戦いの作法を教えてくれた、師のような存在だ。後世でも大いに名が残っているんだろうな」
「殺し合った相手に対する感想じゃないんだよ、それは」
すっかり疲れ切った魔理沙が、箒の上で肩を落とす。
霊夢は一時間ほど前から、時行の話を聞き流す術を身につけていた。それでも「宇宙一」という言葉だけは、数えた限りで二十七回聞いた。
「着いたわよ」
霊夢の声に、時行が顔を上げた。
木々の向こうに、大きな鳥居が見える。
守矢神社。
五百年後の世界で、今なお諏訪の神々が鎮座する社。
時行は急くように石段を上った。だが鳥居の前まで来ると、その足を止める。
「どうした?」
魔理沙が尋ねても、時行は答えなかった。
静かに鳥居をくぐる。
その瞬間、二時間にわたって一度も止まらなかった彼の口が、ぴたりと閉じた。
境内には、清冽な風が吹いていた。
山上の湖が陽光を反射し、木々の葉がさざ波のように揺れている。その奥には、年経た社殿が静かに佇んでいた。
時行の知る諏訪の社とは、何もかもが違う。
建物も。景色も。生きる者も。流れた歳月も。
それでも、境内を満たす神気だけは知っていた。
山と大地。風と水。
頼重や雫の傍らで幾度も感じてきた、懐かしい諏訪の気配がある。五百年という遥かな時を越えてなお、それは消えずに受け継がれていた。
時行は着流しの乱れを正した。
石段の上で膝をつき、社殿へ向かって深々と頭を下げる。
「諏訪の神よ」
先ほどまでとは違う、静かで厳かな声だった。
「北条時行、推参いたしました」
返事の代わりに、風が吹いた。
時行の髪を撫で、境内の奥へと駆け抜けていく。
その風に導かれるように、社殿の前へ一人の少女が姿を現した。
青と白の巫女装束。風に揺れる長い緑髪。髪には、蛇と蛙をかたどった飾りをつけている。
少女の背筋はまっすぐに伸びていた。作法に隙はなく、柔らかな微笑みにも曇りは見えない。
少なくとも、何も知らずに見た者には。
「お待ちしていました」
少女は時行の前まで歩み寄り、丁寧に一礼した。
「守矢神社の風祝、東風谷早苗と申します。八坂神奈子様から、お話は伺っています」
顔を上げた早苗は、五百年の時を越えて現れた少年をまっすぐに見つめた。
「あなたが、北条時行様ですね」
「いかにも。五百年の時を越えてなお、諏訪の信仰が受け継がれていることを嬉しく思う」
「受け継がれている……ですか」
早苗が、わずかに目を伏せる。
守矢神社が幻想郷へ移ってきたのは、外の世界で信仰を得られなくなり、その存在さえ危うくなったからだ。少なくとも早苗自身は、諏訪の信仰を守りきれず逃れてきたという負い目を、今なお心のどこかに抱えていた。
言葉に詰まった早苗へ、霊夢と魔理沙が助け舟を出す。
「早苗、そんなに畏まらなくてもいいわよ。こいつ、気安いうえに変態だから」
「筋金入りの変態だぜ」
「子孫との感動の対面なんだから、黙っていてくれない!?」
大声で突っ込んだ時行に、早苗は呆気に取られた。
「いや、誤解だ、早苗。私は決して変態ではない」
「魔理沙のマスタースパークを避けながら発情しておいて、それは無理よ」
「にとりのポロロッカへ自分から飛び込み、弾だけ避けておいてよく言うぜ」
「少しくらい格好をつけさせてくれないかなぁ!」
時行が霊夢や魔理沙と騒がしく言い合う姿を見て、早苗はようやく小さく笑った。
「北条時行様。逃げ上手の若君。諏訪頼継様の手記にお人柄は記されていましたが……本当に愉快な方だったのですね」
「ああ、頼継か! 彼にもよく助けられた」
「それにしても、本当によく喋るわね」
霊夢が呆れたように言った。
「ずっと走りっぱなし、逃げっぱなしだったのに、疲れるということを知らないわけ?」
「そういえば……」
時行はふと思い出したように、胸へ手を当てた。
「どれほど逃げても、心の臓が苦しくならない。まるで凪のように穏やかで──」
言葉が途切れる。
時行はしばらく、自分の胸に掌を押し当てていた。まるで家の鍵を失くしたことに気が付いた時のように、その表情が、戸惑いから焦りへと変わっていく。
あるべきものが、どこにもない。
「……胸の鼓動がない!」
「死体が喋っている」
「魔理沙は、どうしてすぐそういうこと言うの!?」
「やっぱり、本人は気づいてなかったのね」
霊夢は時行へ歩み寄り、その手首を取った。脈を探し、次いで額へ御札をかざす。
「博麗神社で会ったときから、生きた人間にしては気配が薄いと思っていたのよ。でも、亡霊とも違う。完全に死んでいるんじゃなくて、生と死の境界に引っかかっているみたい」
「では、私は死体ではないのだな!」
「そこだけ切り取ればね」
時行が安心しかけたところで、霊夢が早苗へ目を向ける。
「それで、早苗は心当たりがあるんでしょう? 神奈子が、あんたはこの件で落ち込んでいると言っていたわ」
早苗の笑みが消えた。
唇を固く結び、時行へ深く頭を下げる。
「……はい。私が時行様にお会いしたいと願ったばかりに、あなたを幻想郷へ引き込んでしまったのだと思います」
早苗の指が、巫女装束の袖を強く握る。
「私は……守矢神社の巫女失格です」
風が止まった。
先ほどまでさざめいていた木々まで、早苗の告白へ耳を澄ませるように沈黙した。
時行は胸に手を当てたまま、何度か瞬きをする。
「私に会いたいと願った?」
「はい。最近、諏訪頼継様の手記を読みました。大勢の郎党を率い、何度敗れても立ち上がり、ついには足利尊氏に憑いた悪神を祓った若君。もしお会いできたなら、守矢の巫女としてどうあるべきか、教えていただけるのではないかと……」
時行はすぐには答えなかった。
しばし考えたのち、静かに問い返す。
「頼継の手記には、私の失敗も書かれていたか?」
「失敗、ですか?」
「鎌倉を奪い返しては追い出され、味方を増やしては失い、魔理沙が言うには、最後は捕らえられて処刑されるらしい。私の人生は、誰がどう記録しても順風満帆とは程遠い」
「それでも、時行様は挫けることなく使命を果たそうとしました。鎌倉幕府が滅び、ご家族の大半を失ってなお……」
早苗が、巫女装束の裾を固く掴む。
「あー。早苗は幻想郷へ来たとき、家族を外の世界に残してきたんだよな。時行に、自分を重ねているところもあるんだろうぜ」
「魔理沙、あんたまた……」
「いいんだよ。言わないまま遠回りするより、二人の相互理解がさっさと進んだほうが」
魔理沙は軽い口調で言ったが、その目は早苗を気遣っていた。あえて無神経を装っているのだと察し、霊夢はそれ以上たしなめなかった。
「そうか。教えてくれてありがとう、魔理沙」
時行は早苗へ向き直った。
「早苗。君もつらい別れを経て、ここにいるのだな」
「いえ……私は自分の意志で決めたことです。神奈子様と諏訪子様の信仰を、私が守ってみせると。現人神として、奇跡を起こす力を授けてくださったお二人への恩返しでもあります」
「……やはり君は、私たちの子孫なのだろう。雫の面影がある」
「雫……奥方様ですか?」
「三人いる正妻の、一人だそうよ」
今度は霊夢が、わざと棘のある言い方をした。
時行は咳払いをして話を戻す。
「私は家族のほとんどを失った。だが諏訪で、神のごとき父代わりの頼重殿と出会い、郎党たちにも恵まれた。命を懸けて戦いながら、多くの者と親しくなれた。その人生は──とても楽しかったとも」
「……はい?」
早苗が顔を上げた。
涙さえ滲んでいた瞳に、困惑が浮かぶ。
「足利尊氏への復讐を果たす人生が、楽しかったのですか?」
「無論、尊氏との戦いは苦しかった。最後の戦では、何度吐きながら戦ったか分からないほどにな」
「では、何が楽しかったのです?」
「仲間と共にいることだ」
時行は屈託なく笑った。
「皆で策を考え、馬鹿な話をし、飯を食い、敵に追われて必死に逃げる。その一つ一つが楽しかった。使命だけを見ていたなら、私はとっくに潰れていただろう。戦いの中にも楽しみがあったから、次の一歩を踏み出せた」
早苗は何も答えなかった。
「君にとっての神奈子様や霊夢、それから魔理沙も、私にとっての郎党たちと同じではないだろうか」
時行はそこで周囲を見回した。
「ところで、神奈子様は?」
「神奈子様なら、拝殿の中にいらっしゃいます。私からお話ししたいとお願いして、待っていただいています」
そこで、魔理沙は会話に割って入った。
「諏訪子はどうしたんだよ? あいつだって諏訪の神なんだし時行のことも知らないわけじゃないだろ」
「諏訪の神が、もう一柱おわすのか?」
「……諏訪子様は、少し前からお姿を見せていません」
早苗の表情が、さらに曇る。
霊夢が眉を寄せた。諏訪子はミシャグジ様を統べる祟り神でもあり、幻想郷では「また守矢か」と言われるほど、事件の原因になったことも一度や二度ではない。
「少し前って、いつから?」
「時行様が幻想入りなさる直前です。『古い知り合いを片づけてくる』とだけ言って……」
「怪しいわね」
「すごく怪しいな」
「お二人は、諏訪子様を何だと思っているんですか」
「祟り神」
「裏ボスの黒幕」
「否定できませんけど!」
時行は三人のやり取りに首を傾げたが、今は追及しなかった。
「それで、早苗。君は願っただけで私の心臓を止め、幻想郷へ引き込んだと考えているのか?」
「私の奇跡は、しばらく前からおかしくなっていました」
早苗は御幣を握り締めた。
「雨を降らせようと祈れば日照りになり、豊作を願えば畑に見たこともない虫が湧く。妖怪同士の争いを鎮めようとすれば、余計に話がこじれる。小さな奇跡でさえ、願ったこととは逆の結果ばかり起きました」
「そうして自信を失っていたとき、頼継の手記を見つけたと?」
「はい。それで、時行様にお会いしたいと願ったばかりに……あなたの歴史を歪めてしまった」
「話が見えてきたわね」
霊夢は改めて時行の手首へ指を当て、脈を測る。
「やっぱり、心臓は止まってる。でも死体とも亡霊とも違う。生きても死んでもいないというか、死ぬ寸前の時間だけ引き延ばされている感じね」
「そんな状態で、二時間も郎党自慢をしてたのか、お前」
「心の臓が止まっていれば、息切れもしないからな!」
「便利そうに言うんじゃねえよ」
のんきな時行にドン引きする魔理沙だが、霊夢はいたって真面目に続ける。
「少なくとも、今すぐ消えるような状態ではなさそう。でも、早苗の奇跡だけが原因とは限らないわ。幻想郷は、何かから忘れられたものや、生と死の境界からこぼれたものが流れ着く場所だもの」
「でも、私が願った直後なんです」
「それだけで自分を犯人にするのは早いぜ」
魔理沙が帽子をかぶり直す。
「お前の奇跡がおかしくなった。そこで都合よく時行の手記を見つけ、会いたいと願った。その直後に時行が心臓を止められて幻想入りし、同じ頃に諏訪子が『古い知り合いを片づける』と言って消えた。どう考えても、誰かの作為があるだろ」
「それでも、私が願わなければ……」
「君は、私を殺そうと願ったのか?」
時行の問いに、早苗は勢いよく顔を上げた。
「違います!」
「私の心臓が止まればよいと思ったか?」
「そんなこと、一度も!」
「ならば、今ここで君を責める理由はない」
「ですが、結果として時行様は……」
「結果なら、まだ出ていない」
時行は自分の胸を軽く叩いた。
「確かに鼓動はない。だが私は話せる。歩ける。逃げられる。それどころか、五百年後の諏訪へ来て、君と会えた。この巡り合わせには、感謝したいくらいだ」
「さすが正妻が三人もいると、歯の浮くような台詞がすらすら出てくるもんだな」
「魔理沙、今いいところだから黙ってて」
霊夢に肘で小突かれ、魔理沙は口を閉じた。
「しかし……」
時行は早苗の顔を覗き込んだ。
「少々困ったな」
「何がですか?」
「頼継の手記を読んで私に憧れたと言ったが、早苗はずいぶんとつまらなそうな顔をするのだな」
「つまらない……?」
「違うか? 君は先ほどから、使命と失敗の話しかしていない」
早苗の眉が寄る。
「当然です。巫女の力で人を傷つけたかもしれないんですよ。そんなときに楽しむなんて、不謹慎です」
「そうして楽しいことをすべて捨てれば、失敗した者として立派になれるのか?」
「私は反省しているんです!」
「反省とは、笑わないことだろうか?」
時行の声は、穏やかだった。
慰める甘さはない。かといって、責める厳しさもない。ただ、早苗が目を背けているものを、まっすぐ差し出す声だった。
それがかえって、早苗の胸の奥へ深く刺さった。
「違います。でも……自分の奇跡さえ信じられない私に、現人神を名乗る資格なんてありません」
「資格か」
時行はしばらく考え込み、やがて手を打った。
「では、それがあるかどうか確かめよう!」
「どうやって?」
「遊ぼう!」
「……はい?」
「弾幕ごっこをしよう、早苗」
あまりに唐突な提案に、早苗の思考が止まった。
霊夢と魔理沙は顔を見合わせる。
「出たわね」
「まあ、こうなると思ったぜ」
「待ってください。どうして今の話から、弾幕ごっこになるんですか?」
「私は今日この幻想郷へ来たばかりだが、弾幕ごっことは実に素晴らしい遊びだ。そして早苗は弾幕を撃てる。ならば一緒に遊べる!」
「理由が完全に自分本位です!」
「それだけではない」
時行は笑みを収めた。
「早苗は、自分の力が怖いのだろう?」
「……はい」
「ならば、使わなければ何も分からぬ。君が弾を撃ち、私は避ける。狙いと違う方向へ飛んだなら、それも私が避けよう。何度間違えても、次を撃てばよい」
「万一、当たったらどうするんです?」
「喜ぶ」
「何を言っているんですか?」
「私に当てられるほどの弾なら、喜ばぬほうが失礼だろう」
「そういう問題ではありません!」
時行は声を上げて笑った。
「それに私は、君と遊んでみたい」
その言葉だけは、冗談めかさずに告げられた。
「私も子をもうけ、父となった。だが、子らはまだ一歳でな。成長した我が子と思いきり遊んだり、悩みを聞いたりするのが、ささやかな夢なんだ」
早苗の表情が変わった。
目の前にいる少年が、遠く離れた時代では武将であり、父親でもある。その時行には、元の時代に置いてきた幼い子供たちがいる。
そして、歴史書のとおりならば、時行はその子らの成長を見ることができない。
「その夢は……かなわないのですね」
「そうらしい」
「悲しくないのですか?」
「悲しいさ。無念だ」
時行は即答した。
「私を父と呼ぶ声を聞いてみたい。大きくなれば一緒に馬へ乗り、弓を引き、どのような相手を好いているのか聞いてみたい」
「最後のは、たぶん嫌がられるわよ」
「霊夢、親子の感動的な話をしているんだから黙っていてくれる?」
「でも、それができないのに……」
早苗の問いに、時行は頷いた。
「だから、せめて君と遊びたい。血が直接つながっているかは分からぬ。だが、五百年後まで諏訪を受け継いだ君は、私にとって子も同然だ」
「そんな、勝手な……」
「うむ。勝手だ」
時行は少しだけ寂しそうに、しかし朗らかに笑った。
「大人とは、子を勝手に大切にする生き物なのだろう? 私も父代わりの頼重殿には、ずいぶん色々なことをされた。話を聞く限り、神奈子様と諏訪子様も、君へ随分と迷惑をかけているようだが」
早苗は反論できなかった。
神奈子と諏訪子は、早苗を実の娘のように慈しんできた。だが、それはそれとして、地底へ核融合の力を持ち込んだり、巨大人型ロボットにしか見えない非想天則を作ったり、早苗を巻き込んでやりたい放題してきたのも事実である。
時行はそこまで知る由もない。ただ、霊夢や魔理沙の言葉の端々から、神々と早苗の距離を感じ取ったのだ。
「……時行様」
「何だ?」
「一つ、約束してください」
「聞こう」
「身体に異変があれば、すぐに言ってください。その時点で中止します」
「はは。負うた子に教えられ、とは、こういうことを言うのだな」
「……本当に、楽しそうですね」
「ああ。楽しいからな」
◇
境内の中央で、時行と早苗が向かい合った。
早苗は御幣を構え、時行は着流しの裾をからげる。
「改めて確認します。これはスペルカードルールに基づく弾幕ごっこです。勝敗は技の美しさと、どちらが相手を制したかで決めます」
「私は君たちのように弾を撃てないからな。避けるだけだ」
「ですから、本来は勝負にならないんです」
「私は逃げる。君は追う。それでよい」
「制限時間内に一度でも当てられれば、私の勝ちということで?」
「うん。ただし、全力で撃て」
「怪我をしますよ」
「避ける」
「当たったら?」
「そのときは、早苗の勝ちだ!」
何の答えにもなっていない。
早苗は肩を落とした。けれど御幣を握る手からは、先ほどまでの震えが消えていた。
「霊夢さん、審判をお願いします」
「はいはい。神社を壊したら、修理代は神奈子持ちだからね」
「なぜ私なんだい?」
拝殿から、八坂神奈子が姿を現した。
「うわ、出たぜ」
「見てたの?」
「早苗から、自分で話したいと言われていたからね。邪魔をせずに聞いていたのさ」
「神奈子様……」
早苗が不安そうに振り返る。
神奈子は何も助言しなかった。ただ、力強く頷く。
「好きにやってごらん。後始末は私が引き受ける。神前試合だ。気合を入れなよ?」
「はい!」
早苗は時行へ向き直り、御幣を掲げた。
風が集まり、白い光弾が花弁のように咲く。
「では、行きます!」
「来い、早苗!」
「秘術『グレイソーマタージ』!」
最初の弾幕は、整然としていた。
白い弾が星形を描いて広がる。神へ捧げる舞のように美しく、一分の乱れもない。
時行は一歩、右へ動いた。
星形の一辺をなぞるように飛んだ弾が、途中から美しい曲線を描いて折れ、時行の周囲へ降り注ぐ。
一発目が袖をかすめる。
二歩目で身を沈め、光弾の列を頭上へ通す。三歩目には軸足を入れ替え、背後から迫った一弾を、振り向きもせずにかわした。
「おお……!」
時行の頬が紅潮する。
「実に美しい! しかも魔理沙の星とは動きが違う!」
「感想を言いながら避けないでください!」
「素晴らしいものは、褒めねば失礼だろう!」
「奇跡『白昼の客星』!」
早苗が次の札を切った。
二つの光源から直線状の光が放たれ、その間を埋めるように早苗自身の光弾が重なる。
だが、時行に焦りはない。
足元だけを見れば、ただ歩いているようにすら見えた。必要な瞬間に、必要な分だけ動き、紙一重の隙間を選び続ける。
「どうして当たらないんですか!?」
「君の弾は、あまりに綺麗すぎる! 美しいが、戦場で無軌道に放たれる矢より、はるかに読みやすい!」
時行は光弾の間をくぐり抜け、楽しげに笑った。
「君は私を撃っているのではない。失敗しない形、神前に捧げても恥ずかしくない形を並べている!」
早苗の顔から笑みが消える。
「何が悪いんですか。弾幕ごっこには、美しさも必要です!」
「悪くはない! だが、面白みが足りぬ! もっと君自身の力を見せてくれ!」
「……なら、本気で行きます。蛙符『手管の蝦蟇』!」
「げっ、あれを使うのかよ」
魔理沙の額に冷や汗が浮かぶ。
それは本来、射命丸文のように弾幕を消す手段を持つ相手へ向けた技だ。回避だけで切り抜けることなど、想定されていない。
「私の願いに巻き込まれ、心臓まで止まった御身を、いたずらに消耗させたくはありません。これで決めます!」
早苗が御幣を大きく振るった。
風が渦を巻き、無数の光弾が境内を覆う。
巨大な蛙を思わせる弾幕が天を塞ぎ、そこから降り注ぐ小弾が逃げ場を奪う。奇跡のような雨あられが、時行へ襲いかかった。
先ほどまでの均整は崩れた。
逃がすための隙間すら押し潰す物量が、予測困難な軌道で殺到する。
時行の笑みが、さらに深くなった。
「これはいいな!」
「何がいいんですか!」
「君たちの弾幕は素晴らしい。だが、どこか意図して逃げ道を残しているようにも感じていた。戦場の矢には、敵を逃がすための隙間などない!」
「弾幕ごっこは、そういうものなのです!」
時行が地を蹴る。
光弾の壁へ正面から飛び込み、一発目を肩で、二発目を腰で、三発目を頬でかわした。あと一寸ずれていれば直撃する軌道を、身体を捻りながらすり抜けていく。
「あれを笑顔で避けるとか、正気かよ……」
「変態だわ……」
「楽しいな、早苗!」
「私は楽しくありません! どうして、そんなに笑っていられるのですか!」
早苗の声が、荒れ狂う風を貫いた。
「今のあなたは、私の願いに巻き込まれて幻想郷へ迷い込み、帰れば処刑されて死ぬと言われているのに!」
「死ぬのは怖い! 子らに会えぬのも悲しい! 郎党たちと別れるのも嫌だ!」
「だったら!」
「それでも今、君と遊べているからだ!」
時行は風の刃を跳び越えた。
「明日の悲しみのために、今日の喜びまで捨てる理由がどこにある!」
早苗の手が止まりかける。
だが、時行が叫んだ。
「止めるな!」
次の瞬間、一発の光弾が時行の頬をかすめた。
血の筋が一つ、頬を伝う。着物の肩口も、浅く裂けていた。
「時行様!」
「まだ当たっていない! 頬をかすめた程度では、赤子でも死なぬ!」
「普通の赤子は弾幕を受けません! 子供ですか、あなたは!」
「子と遊ぶ父だ!」
早苗は、とうとう吹き出した。
笑った拍子に照準がぶれ、光弾があらぬ方向へ飛んでいく。
弾は誰もいない境内の隅へ落ち、土煙を小さく上げて消えた。
早苗の笑みが凍りつく。
狙いとは違う方向へ飛んだ。
また奇跡が逆転したのかもしれない。
だが、何も起こらなかった。
誰も傷ついていない。社殿も壊れていない。ただ一発、弾が外れただけだった。
「……外れた」
早苗が呟く。
「外れたな」
時行は笑った。
「失敗したなら、次を撃てばよい!」
早苗は御幣を握り直した。
手は震えている。
それでも、震えが収まるのを待たなかった。
怖いまま構えた。
怖いまま、時行を見据えた。
「今度こそ、当てます!」
「来い!」
新たな光弾が、風を切って放たれた。
どれほど続けただろう。
早苗の弾幕は、もはや最初の整然とした形を失っていた。
だが、乱れてはいない。
時行の動きを見て、一発ごとに軌道を変える。右へ逃げれば右を塞ぎ、跳べば着地点を狙い、身を沈めれば地を這う弾で追う。
弾幕が、型ではなく対話になっていた。
「これなら……!」
早苗は弾数を減らした。
境内を埋め尽くしていた光が消え、わずか七つの光弾だけが残る。
「急に少なくなったな」
「怖いですか?」
「まさか。楽しみだ!」
七つの弾が放たれた。
六つは時行の周囲へ広がり、わざと大きな隙間を一つ残した。
罠だと分かる。
だからこそ、時行はその隙間へ飛び込んだ。
罠の先にある、さらに細い逃げ道を見つけていたからだ。
「そこだ!」
早苗が御幣を振り下ろす。
七つ目の弾は、時行の正面ではなく、足元の小石へ当たった。
小石が転がる。
時行が踏み込もうとした地面へ、わずかに滑り込む。
「なっ……!」
足裏が傾いた。
体勢が崩れる。
あり得ない偶然だった。
いや。
起こるはずのない偶然を、起こす力。
「これが……奇跡か!」
時行は笑った。
次の瞬間、早苗の最後の光弾が、その胸を正面から撃ち抜いた。
時行の身体が宙を舞う。
地面へ落ち、何度か転がって止まった。
「時行様!」
早苗が御幣を放り出して駆け寄る。
「しっかりしてください! 時行様!」
時行は胸を抑え、苦しそうにしている。
早苗の顔から、先ほどまでの喜びが消えた。
「私が……また……」
「落ち着きなさい、早苗」
霊夢が隣へ膝をつき、時行を診る。
「弾幕が原因じゃない。こいつの身体を止めていた力が、揺らいでいる」
神奈子も駆け寄り、時行の胸へ手をかざす。
「生と死の境が崩れ始めた。時行をこの時代へ引き込んだ術が、限界を迎えたんだ」
「そんな……」
早苗は青ざめた。
「いや、そんな慌てることじゃないぜ。要するに──止まってたこいつの心臓が動き始めたんだろ?」
「はは……喉元過ぎれば熱さを忘れるというが……私の心臓は、こんなに弱っていたんだな……」
胸を押さえて苦しそうにする時行は、それでも笑っていた。
「早苗、君と会えて、こうして遊べて。とても楽しかった。最後に先祖の頼みを聞いてほしい」
時行は帰ると決めていた。
帰れば処刑される。それでも帰るべき場所から逃げないと決めている。
早苗は、その決意を奪いたくなかった。
「時行様」
早苗は目を開けた。
「あなたを不死にはできません。処刑される運命を消せるかも分かりません」
「それで……いい」
「だから、一つだけ」
早苗の手から、柔らかな光が広がった。
「あなたが本来の最期を迎える、その時まで」
風が早苗の周囲を巡る。
山上の湖が輝き、境内に満ちる神気が一点へ集まっていく。
「あなたの心臓が、決して止まらない奇跡を!」
早苗の光が、時行の胸へ沈んだ。
どくん。
一度。
時行の胸が脈打つ。
どくん。
二度。
止まっていた血が巡り、青白かった頬に赤みが戻る。
時行は大きく息を吸い込んだ。
「……動いている」
自分の胸へ手を当て、目を見開く。
「心の臓が、きちんと動いているぞ!」
「成功したのよ、早苗」
霊夢が言った。
「でも……」
早苗は時行を見つめた。
「本当に私の奇跡なんでしょうか。また、別の何かが……」
「早苗」
時行は身を起こすと、彼女の手を取った。
「君は先ほど、私へ弾を当てた」
「はい」
「今は、私の心臓を動かした」
「……はい」
「どちらも君が選び、君が起こしたことだ。誰かに奪わせるな」
早苗の目から、涙がこぼれた。
「私が……起こした奇跡」
「うむ。実に見事だった」
時行は満面の笑みを浮かべた。
◇
別れの時は、間もなく訪れた。
早苗が時行の胸へ宿した奇跡は、彼の肉体と元の時代との結びつきを取り戻していた。境内の空間に、陽炎のような歪みが生じる。
その向こうには、薄暗い山城の一室が見えた。
時行が幻想郷へ来る直前の、潜伏中の信濃だった。
「これを越えれば、元の時代へ戻れます」
早苗は時行へ告げた。
時行は霊夢と魔理沙へ向き直った。
「霊夢。世話になった。賽銭箱は直せぬが、私の時代の銭でよければ置いていく」
「今使えない銭を置かれても困るわよ」
「では、魔理沙から取り立ててくれ」
「なんでだよ!」
「壊したのは君だろう?」
「そのとおりね」
「二対一は卑怯だぜ!」
時行は声を上げて笑った。
次に神奈子へ、深く頭を下げる。
「諏訪の神よ。五百年後まで我らを見守ってくださったこと、感謝いたします」
「最後に一つ聞くが……本当に帰るんだね?」
神奈子は時行を惜しむように。あるいは商売人が勘定をするようにぶつぶつと呟いた。
「尊氏から悪神を取り除いた後だし……処刑でも事故死でも病死でも歴史に与える影響はそこまで……いっそこのまま守矢神社で生き証人として囲ったほうが将来的に信仰の足しになるような気も……」
「人を信仰集めの道具にしないでくれる!?」
「神奈子様! そんなことばかり言っているとご先祖様にまで嫌われますよ!!」
時行にツッコまれ、早苗に強く諫められ、その剣幕に神奈子は後ずさり……にやりと笑った。
「半分冗談さ、早苗もすっかり元に戻ったようだね」
「……はい! ご心配をおかけしました!」
「……やはり諏訪の神。頼重殿を思い出せました」
最後に、時行は早苗の前へ立った。
「早苗」
「はい」
「楽しかった」
「私もです」
「君の弾幕は美しく、恐ろしく、何より実に避け甲斐があった」
「最後の感想で台無しです」
「では、もう一つ」
時行は少し考え、それから、早苗の頭へそっと手を置いた。
「よく頑張ったな」
早苗は目を見開いた。
「使命を果たすことは大切だ。だが、その使命のために生きることまで捨ててはならない。食べ、笑い、遊び、ときには逃げよ。それでも帰るべきところへ帰ればよい」
「……はい」
「私の子らも、君のように育ってくれると嬉しい」
「きっと、大丈夫です」
早苗は涙をこらえ、笑顔で答えた。
「時行様の子供たちですから。きっと何度転んでも、笑って立ち上がります」
「そうか」
時行は目を細めた。
「それを聞けただけでも、ここへ来た甲斐があった」
時の境界へ足を踏み入れる。
身体が光に包まれ、少しずつ透けていく。
「さようなら、時行様」
「さらばだ、早苗」
時行は最後まで笑っていた。
「五百年後の諏訪を、その先の未来もよろしく頼む!」
光が収束する。
北条時行の姿は、守矢神社の境内から消えた。
しばらく誰も口を開かなかった。
やがて早苗は、時行の消えた場所へ深く頭を下げる。
「お任せください」
その声に、もう迷いはなかった。
◇
夜。
守矢神社の境内を、黒い影が這っていた。
名を忘れられ、信仰を失い、かつて足利尊氏に取り憑いて世を乱した悪神。
時行に祓われ、霧散した後も完全には消滅せず、幻想郷に流れ着いた残滓が長い歳月をかけ再び集まったものだった。
悪神は早苗へ取り憑き、その奇跡を歪めた。
時行へ会いたいという願いを利用し、処刑される直前の時行の心臓を狂わせた。歴史に記される死すら奪い、名も残らぬ病死へ変える。それが、悪神の企んだ復讐だった。
だが、時行は幻想郷へ流れ着いた。
子孫と出会い、その心を救い、早苗の奇跡によって本来の歴史へ戻っていった。
悪神の企みは、何一つ思いどおりにはならなかった。
『まだだ……』
影が蠢く。
『まだ、終わらせんぞ、時行ィ……!!』
「終わりだよ」
幼く、老獪な声が遮った。
悪神の前に、小柄な少女が立っていた。
黄色い服に蛙を思わせる帽子。洩矢諏訪子は、境内を這う影を冷たく見下ろしている。
『洩矢の……祟り神……』
「人の巫女に取り憑いて、奇跡を裏返して、時代を越え歴史を歪める復讐か」
『奴さえ……奴さえ歴史から消えれば……』
「残念だったね。あの子は帰ったよ」
諏訪子が一歩を踏み出す。
大地が脈動した。
悪神を中心に石畳が歪み、逃げ道を塞ぐように盛り上がる。
『なぜだ……! なぜ、我と同じ悪神である貴様が邪魔をする! 我につけば、貴様の敗者としての歴史を変えることだって……!』
「早苗に憑いた時点で、私の領分に踏み込んだ。理由なんて、それで十分でしょ」
諏訪子は帽子の縁へ手をかけた。
帽子をわずかに持ち上げる。
その内側には、夜より深い闇が広がっていた。
悪神が逃げようとする。
しかし動けない。
幻想郷は、忘れられた神々が流れ着く場所だ。
だからといって、忘れられたものが好き勝手に振る舞える場所ではない。
「さよなら悪神。ま……あの尊氏に憑いていた時ならともかく。今のあんたじゃ、どうせ何もできないよ」
影が歪んだ。蛙が蠅を舌で掴むように、悪神が諏訪子の眼前に引き寄せられ。
声にならない悲鳴を上げ、諏訪子の帽子の中へ吸い込まれていく。
やがて境内には、秋の虫の声だけが残った。
諏訪子は帽子をかぶり直し、時行が消えた場所を見つめる。
「さよなら、逃げ上手の若君。諏訪の神として。神奈子との戦争に負けた神として。あんたの逃げ続けた人生を称賛するよ」
遠く離れた六百年前へ、その声が届くことはない。
翌朝、早苗はいつもどおり境内を掃いた。文が時行に取材した太平記も真っ青の郎党自慢を呼んで小さく笑う。
昨日までとは少し違う顔で。
日本の歴史は変わらず、幻想郷の平和も脅かされなかった。
ただ一人の巫女が、自分の奇跡をもう一度信じられるようになった。
それだけの、小さな異変だった。
逃げ上手の若君最終巻を昨日読んだのですが歴史ものならではの改変やまさかの命鶴周りの新発見などとても面白かったです。
松井先生の作品はネウロのころからファンでずっと読んでいたのですが、二次創作を書くのは初めてなので時行のキャラクター性や会話のテンポなど再現が拙いところも多々あると思いますがご容赦いただけると幸いです。
東方projectに関しても、昔人狼ゲームを遊んでいた時にロールプレイはよくしていたのですが、二次創作として小説を書いたことはなかったので霊夢や魔理沙、守矢神社の面々を書くにあたって緊張しました。
紅魔郷クラシック発売記念に書き始めたものですが、初めてのことが多く貴重な経験になったと思います。
北条時行を幻想郷と絡ませるにあたり守矢組を差しおいて他を絡ませるのも不自然なので紅魔館組が出せなかったのが心残りなので、時間が取れたら『すぐ死ぬ吸血鬼が幻想入り』とか書いてみたいなぁと思いつつ今回はここまでとします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。