人間嫌いの元人間と人間が大好きなサラマンダー 作:のじゃぁぁぁぁぁ!!
「ん?」
俺は町の図書館にて本を読んでいた。
俺、鈴木
中でも俺はホロライブという日本を拠点としたVTuber(バーチャルYouTuber)プロダクションが所属タレントが配信やメディア展開など様々なことを通じて活動するアイドルグループにハマっている。
Vtuberを知ったのは小学生の頃だ。最初はVtuberってYoutuberとはどこが違うんだ?と思っていたが、ときのそらさんの動画を見たことをきっかけにどんどんハマり……いまや箱推しという全てのホロライブのメンバーのことが推しになったのだ。
ちなみにVtuberを否定的に見ていたとある友人……プライバシーの意味でここではKと呼ばせてもらおう。そいつは元不良でVtuberのことを得体の知れない生き物を見るかのように気持ち悪がっていたが、俺はKに大空スバルさんの配信を見る事を勧めた。
「ああ!!?Vtuberは見ねぇっつってんだろ!!」
「まぁまぁ、騙されたと思って見てみなよ」
俺は知っている。友人KがVtuberのことを毛嫌いになった理由を。
友人Kは本当は可愛い洋服を着たりとか、女の子が付ける小物とかに興味あったが、周囲の人から高圧的に否定されたことで自分はこうなのにVtuberはキラキラと輝いているのが気に食わないと。でもVtuberに突っかかるのは流石に倫理に反しているから不良行為をしているのだと。……それはそれでどうなんだ?
結果から言えば世界にVtuberオタクがまた1人増えた。
今やKの部屋には俺の勧めた大空スバルさんのグッズを初め、様々なVtuberのグッズを飾っていた。しかも吹っ切れたのか、Kの両親に数日間かけて説得し、今や登録者が30万人越えのVtuberとなって女声を基本に個人勢でゲーム配信などの活動をしている。いやぁ……推しは人生を救うって本当なんだな。
話は脱線したが、その日の俺は町の図書館へ読書しに行っていた。
まあ、特段理由なんてない。この前デビューしたアソビ★まわり隊!というグループ名でデビューした4人の新人さん達のグッズを買い集めるために秋葉原や東京都の公式ショップまで走ったのだ。そこで4人のグッズを全て買うことはできたが、帰りの電車賃によってお金がほとんど無くなってしまった。バイトをしようとしても次のバイトは来週にしか取れなかったのだ。
俺はその暇つぶしのために図書館で読書をしようとここに来たのだ。まぁ、ホロライブに所属しているVtuberの配信を一日中見ようかと考えていたが……少し距離を取ろうと考えていた。
実は先程言った新人さんの1人がとある先輩Vtuberのネタを言わされて、赤い絵文字が大量に流れて、その流れで強要されるという信じられないことをしたリスナー達がいてな……
しかもその子は何も悪くないのに真面目に受け取って以後は気をつけますと反省していたが……そりゃ無いだろ。
別に新人さんが自主的に先輩のネタを使うのならいいんだよ。でも、言わされるのは違うだろ。まだデビューしたばかりで右も左も分からないましてや機材もろくに使ったことないし、界隈のルールもあまり知らないのに強要するのは流石にあり得ない。だから、ネットにいると言わせたやつとレスバしてしまう可能性があるから図書館で頭を冷やすこともあって来たのだ。
でだ。
事件はこの後起こった。
俺は古い歴史にまつわる物語やファンタジー小説などをコーナーへ目を通していると突如、俺の頭に分厚い本が落ちて俺はその痛みに悶絶していた。
「……ッ!!!……ってぇ~~~!!誰だよ雑に置いた奴は……?」
痛む頭を擦りながら俺は落ちた本を見るとその表紙を見て驚愕した。そこには今さっき考えていた新人さんである……仮面を頭に置かれた素顔の
「人間嫌いの
ファンメイドか?でも熱千めらさんがデビューしたのは4日前だし……それに素顔を(想定外で)公開したとはいえ、挿絵を含めてこの本を作り上げるのは徹夜しても作るのは不可能だが……
「せっかくだし、読んでみるか」
まあ、これも何かの縁かもな。俺は椅子に腰を掛けてその本を開いた。
…………。
世界線から入る話だ。
要約すると異世界から転生した男が平安時代のような世界で雷獣と呼ばれる伝説の生物に転生した。
そこで雷獣は人助けをして、村の人達と幸せに暮らしていたがある日に欲に目を眩んだ悪人によって村から姿を消すことになったのだ。
……うーん……御伽噺にありそうなネタであるが、これを書いた人は熱千めらさんの世界線を再現しようとしたのかもしれない。
そして雷獣は人間となり、人の世に溶け込もうとしたが髪の色が黒色ではなく、黄色であり、爪も鋭く尖っているため人々から迫害された。
……おっと?何か風向きが悪くなって来たな……
やがて、悪い噂は広がり、人々は嘲笑、そして排除しようとされてとうとう耐え切れなくなった雷獣は脅しの意味を込めて攻撃したが、人々は殺そうと躍起になり、襲うが雷獣の返り討ちに遭い、やがて雷獣は森の中に引きこもることになる。そして卵を見た所で序章は終わる。そこで文章はここで途切れていた。何度見直しても真っ白でそこには何も無かった。
……………………。
いや終わり!!?悲惨な運命に打ちひしがれた雷獣が卵と邂逅するという気になるところで終わったんだが!?
もしかしたらこれを作った人にとっては酔った勢いで書いた黒歴史そのものの本なのかもしれないな。それで図書館に置いて行方をくらまし……いや、あり得ないな。そもそも黒歴史だったら燃やして証拠隠滅するだろうし……
「何なんだ?」
そう呟くと、急に眠気が沸き上がり、たまらず机の上に突っ伏して寝たが……まさか、これで異世界に行くとは夢にも思わなかった。
みんなも図書館で怪しい本を見かけたら気を付けるんじゃぞ!!(そもそもそんな機会は無い)