いやーそろそろ執筆慣れしてないのが出てきてきつい!
それでは、どうぞ!
「う、うまい!いい肉ってこんなに柔らかいのかよ!」
「おいしい、おいしいよぉ。」
「そうでしょう?好きなだけ食べていいんだよ?これは君たちが協力してくれた報酬なんだからさ。」
強硬派の生徒二人は、やっとありつけたごちそうに夢中なようだ。結局、2人は、拠点の場所やその警備について、洗いざらいしゃべってしまった。すでに1人裏切者が出たと思っていたことや、わかりやすいご褒美を目の前にして、彼女たちの忠誠心は抵抗虚しく砕け散った。
「あなたたちも、やっと来ましたのね?」
先に開放されていた生徒が、肉を夢中で貪っている2人の方に歩いてきた、手にはアイスを持っている。もう、あらかた食べ終えたようだ。
「なにが、やっとだ!お前が早すぎなんだよ!」
「そうだ!そうだ!すぐしゃべりやがって!」
2人は、真っ先にしゃべった生徒のことを責め始める。彼女たちからしたら、すでに情報が洩れていたからこそあきらめた部分があって、自分たちがしゃべったのは仕方ないとも思っているのだ。
「何を言ってますの?ご自身の実家の話くらい、とっとと話してしまえばよかったのですわ。」
「「は?」」
「え?ご実家の話でしょう?私はメイ様に聞かれてすぐ答えましたよ?」
彼女の衝撃発言に、ふたりは顔を見合わせる。そしてその視線は、後ろでにやにやしていた私に向けられた。
「彼女がしゃべったのは、彼女の実家の話だけだよ。わざとらしいお嬢様口調が気になってね。元トリニティの上流階級だったのが、建設業界の競争に負けて、失脚。アリウスで借金取りから隠れているらしいよ。」
二人は予想外の答えに目を見開く。そして、また視線を向けられた元お嬢様は、胸を張りながら、口を開く。
「確かに、私の実家は失脚しましたし、知られたくない恥ずべき過去ですわ。でも!私はいつか自力で返り咲き、笑い話に変えて見せます!そのためなら、一時の恥なんてなんともありませんわ!」
「ならなんで、私たちを見たとき隠れたんだよ?私たち、あれでてっきり..」
「そ、それは久々のお肉につい、皆さんをお待ちすることなく食べ始めてしまったのが恥ずかしくて..」
「「…。このバカ、お嬢!」」
2人は自分たちがとんでもない勘違いをしてしまったことに気づいた。その原因である元お嬢様のマイペースぶりに、我慢し切れずに飛び掛かった。強硬派同士のキャットファイトが始まってしまった。私が誘導したとはいえ、ここまで単純だと可愛く見えてくる。
「姉さん。性格が悪いぞ。」
サオリが美味しそうな肉の乗った皿を持って来てくれた。なんて気の利く子なんだ!好き!
「まだ姉さんは食べてないだろう?私や姉さんが焼いてるのを見てヒヨリが焼いたんだ。食べてやってくれ。」
「え、ヒヨリが?!」
コンロの方を見ると、長い髪をポニーテールにまとめたヒヨリが、肉と格闘していた。
「うわぁぁぁん!お肉に引火しました!サオリ姉さんは?いない?!ミサキさん!どうしましょう!?助けてください!」
「ヒヨリ。大丈夫だから。落ち着いて。」
まだ、安定して美味しく焼けるわけじゃないようで、サオリやミサキに面倒を見てもらいながら頑張っているようだ。
「ヒヨリも大きくなって。お姉ちゃんは嬉しいよ。このお肉も食べるのが勿体無い!できるなら永久保存を…」
「いや、食べてやってくれ。」
私はなんて無力なんだ。永久保存できれば、最後の晩餐まで取っておくものを!でも、できないものは仕方ない。私は観念して、ヒヨリの焼いてくれたお肉を口に入れた。
「トレッビァアアアンッ!!何だこの味は…ッッ。」
最高の隠し味は愛情というのは本当らしい。口に含んだ途端、幸福感に包まれる。ああ、満足だ。これで白飯10杯はいける。そこからは白飯の味が上書きしてくる気がするからダメだが。サオリは私の突然の奇行に驚いたようだ。
「ごめんサオリ、ちょっと内なるグルメが抑えられなくて。」
「い、いや、美味しかったならいいんだ。あっちで、姉さんが買ってきた他のやつも焼いてみたから食べてくれ。」
私は、料理が並べられたテーブルに移動する。気をつけなくては。私のイメージがどんどん崩れていってる気がする。
「あ、メイちゃん。これ美味しいよ。メイちゃんも食べる?」
「え、いいの?ちょうだい!」
席に着くと、対面の席でアツコが焼き鳥を食べていた。アツコのイメージだと、一個ずつ取ってから食べてそうな気もするが、ワイルドに串からそのまま食べている。少しギャップ萌え。
「じゃあ、はい。あーん。」
「え、」
私は、宇宙猫になった。アツコのあーん。どれだけの先生たちが望み、叶わぬ現実に、血涙を流したか。私は今、猛烈に感動している。私の望む世界が、今、目の前にある。ありがとう、ゲマトリア。ありがとう、色彩。私、この世界に来て幸せです。
「ほら、早く。垂れちゃうよ。」
私は、アツコの声でようやく正気を取り戻し、口を開いた。焼き鳥は焼き加減もちょうど良く、タレがよく染み込んでいる。何よりアツコのあーんによって何億倍にも美味しく感じてしまう。ごめん、塩派の同士諸君。私は塩派を裏切り、今日からタレ派になる。
「そんなに、美味しい?」
私が、アツコのあーんと焼き鳥を堪能していると、ヒヨリの世話をサオリと代わったミサキが声をかけてきた。
「ん?ミサキ?美味しいよ!アツコに食べさせてもらったから、さらにね!」
「なら、はい。あーん」
「え、待って!あ、あーん」
顔を綻ばせていた私に、ミサキも焼き鳥を差し出してきた。私は、されるがままにミサキにもあーんしてもらった。塩も美味しかった。ごめん、塩派の諸君。みんなに食べさせてもらえるなら、なんでもいいのかもしれない。その後も2人は交互に食べさせてくれた。あれ?ここ、そういうお店だっけ?とりあえず、領収書の宛名は、ゲマトリアで。
その後は、サオリと私で片付けをして、お開きとなった。ちなみに、強硬派3人組が落ち着いた時には、もう食べ物が片付けられていて、世界は虚しいと呟いていた。バニバニ。
次の日の朝、約束通り、3人を解放してあげた。私たちの拠点の前で、そのまま解放したのだが、姿が見えなくなるまで何度も振り返り、ヒヨリが朝ごはんとして目玉焼きを乗せたパンを食べるのを羨ましそうな顔で見ていた。りんごもあるよ。一応、お嬢とモモトークは交換しておいた。
「よし!じゃあ準備しますか!」
私は、みんなと朝ごはんを食べ、強硬派の拠点を襲撃する準備を始めるのだった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
アリウス過去編は、十話までで、その後は本編をやるつもりでしたが、もう少し伸びそうです。
過去編は情報とキャラ不足から、オリジナル要素での補完、伏線張りが必須でなかなかスクワッドのみんなに触れられないので、もう少しみんなとの絡みを入れていきたいので、物語の進みが遅れそうなのです!
これからも、よかったらお付き合いください!
ではまた、第七話で。
追記、ネタ?オマージュ?要素多すぎでしょうか?