どうしても、過去編ではオリ設定、キャラがストーリー進行上多くなってしまうので、ここらでアリウス組の話を設けてみました!
お嬢なんかのオリキャラも、もっと話に出て来て私とみなさんの中でキャラが確立して来たら、日常編も書きたいと思います!
【アツコ視点】
メイちゃんは、よくわからない子だ。メイちゃんは突然現れた。食料探しに出ていたさっちゃんが連れて来た、さっちゃんのお姉さんを名乗る子。第一印象は、アリウス特有の悲壮感のような雰囲気のない、文字通り住む世界の違う子だった。
実際、メイちゃんは、アリウス出身じゃないみたいだった。でも、さっちゃんも、ヒヨリも不思議と懐いていて、ミサキや私も嫌いにはならなかった。むしろ、アリウスらしくない優しさに、私も含めてみんな惹かれていったのだと思う。
「アツコさん?そろそろ着くけど、ご機嫌いかがかな?」
「」プイッ
「アツコ様〜!もう許してよー!」
今、私とメイちゃんは、2人でお買い物に来ていた。というのも、拠点攻略に向かったメイちゃん達だったけど、結局、拠点はそのまま手に入ってしまった。その攻略の日からさっちゃんは腰にハンドガンを装備するようになった。
聞いてみると、拠点攻略にあたって、メイちゃんから使っていたハンドガンを譲り受けたのだという。さっちゃんは、とても気に入っているようで、日中も肌身離さず持ち歩き、夜は、寝る前に必ず整備して大切にしていた。
それで私は思った。私だけ何ももらってないなって。ヒヨリは雑誌、ミサキはぬいぐるみ、さっちゃんはハンドガンと、みんなはそれぞれ何か個別にもらっているのに、私は、何ももらっていなかった。
まぁ、機会があれば何かもらえるだろうと思って、特に気にしてはいなかったつもりだけど、どうやら態度に出てしまっていたらしく、みんながメイちゃんに報告したらしい。そのうち、メイちゃんが様子を伺って来た。
「やぁ、アツコ。元気?」
「どうしたの、メイちゃん。何か用事?」
「ねえ、アツコさん?なんか怒ってる?」
「別に何も怒ってないよ。それとも何か心当たりがあるのかな?」
「いやー、ど、どうかなぁ」
正直、怒っているわけではない。でも、思うところがないわけじゃない。だから、さっちゃんたちの反応や、何よりメイちゃんの反応が面白かったのもあって、少しからかうことにしたのだ。それで、今は、焦ったメイちゃんの運転で、アリウスの外までお買い物に来たのだ。
「アツコ様!お許しを!」
「もういいよ。買い物に連れて来てくれたしね。せっかくだから楽しもう?」
「よかったぁー!アツコに嫌われたら生きていけないよー!」
メイちゃんが心底安心したように言う。メイちゃんは本当に私たちのことを大切にしてくれる。たまに病的なほどに。そして、そんなメイちゃんを私たちも好ましく思っている。
「それで?アツコは何が欲しいのかな?なんでも言って!私、今は小金持ちだから!」
メイちゃんは最近というか元々、結構お金を持っているようだ。最初の晩のご飯もそうだし、その後のご飯もほとんどメイちゃんが買ってくれている。
「メイちゃんは、どうやって稼いでるの?」
「いや、まぁ、色々だよ!アツコたちは気にせず使って!まだまだ入ってくる予定だから!」
メイちゃんはごまかしつつ、最後は胸を張って宣言した。詳細が気になるところではあるけど、知ったとしても何かできるわけじゃないし、これ以上は聞かないことにする。
「なら、植物の種が欲しいな」
「植物の種?」
「そう。第七拠点に空いているスペースがあるでしょ?そこで、野菜とかお花とか育てたいなって。」
第七拠点に移ってから、生活は一変した。まず、住居だ。メイちゃんは実質第七拠点のボスであり、その権限で私たちには元幹部用の部屋をあてがってくれた。おかげでベッドはふかふかだし、トイレもシャワーも綺麗で、お湯も出る。
次が、敷地だ。前は建物といっても倒壊一歩手前で、何か置いておいても、いつ潰されてしまうかといった感じだった。でも、今の第七拠点は、半数が出ていった後なのもあって、結構な防壁内のスペースが空いているのだ。私は、そこで植物を育ててみたいと思った。
「なるほどね!スペースも余っているし、いいんじゃないかな。ただし、花壇や畑じゃなくて、植木鉢で育てようね。」
「どうして?」
「あまり考えたくないけど、あそこの拠点を離れないといけない時も来るかもでしょ?そんな時、みんなで育てた植物を置いていきたくない!」
メイちゃんは、こういうところがある。幼くて、無計画なように見えて、実は先々のことを考えている。そんなところがあるから、見た目は完全に妹でも、自称姉な部分を否定しきれないのかもしれない。
そんなわけで、私たちはエンジェル24で、植木鉢と植物の種、園芸の本を購入した。エンジェル24、なんでも売っているんだね。メイちゃんは他にも布や裁縫道具なんかを買っていた。
「アツコと色々買い物できて楽しかった!また行こうね!」
「そうだね。今度はさっちゃんたちも一緒に。」
「いいね!それでさ、アツコ。よかったらコレ。」
アリウスへの帰り道の車内で、今日の感想を語り合っていると、メイちゃんが何か渡してくれた。それは、薄紫色のリボンに赤い薔薇刺繍がされた麦わら帽子だった。
「これから外で作業するなら必要だし、アツコに似合いそうだと思ってさ。」
「ありがとうメイちゃん。すごく、嬉しいよ。」
「そう!?よかったー!じゃあ、昼間のことはもう許してくれたかな?」
「それとこれとは別だよ。」
「え!?うそ?!お願い!許して!アツコに嫌われたままじゃ、私、死んじゃう!」
メイちゃんの反応が面白くて、つい意地悪してしまう。さっちゃんとは、また違ったいじりがいがある。
「なら、今度、一日中一緒に種植えしてくれたら許してあげる」
私は、メイちゃんからもらった麦わら帽子を被りながら、また次の約束を取り付けるのだった。
【ミサキ視点】
「いや、私はいいから。」
「え、そう?でも、可愛くない?クマちゃん。」
「可愛いかもしれないけど、私が作る必要ある?」
今、私は、メイに、クマのぬいぐるみの服作りに誘われている。別に興味ないのに。このクマのぬいぐるみは、私が前にメイにもらったものだ。そのクマは、現在、カウボーイハットにベストを着て、カウボーイクマに変身していた。元々は何も着ていなかったが、いつのまにか、メイが作った服が着せられていた。
「ミサキも作れるようになると、楽しいと思うよ?」
「いや、私は別に…。それにメイが作れるなら、それでいいんじゃない?」
「うーん。まぁ、確かに言われればいくらでも作るけど…」
メイはそう言いつつも、あからさまに残念そうだ。そういうのは、ずるいと思う。そんな反応されたら、こっちが悪いように感じてしまう。
「わかった。やるよ。それでいいんでしょ?」
「本当!?やった!ありがとうミサキ!」
「ちょっと、抱き付かないで。ほら、やるなら早くやるよ。」
メイを引き剥がして、クマの服作りを始める。作り方自体は、メイが本を買って来ていて、2人でそれを見ながら、アレンジを加えつつ、作っていく。クマは、私のと、練習用にメイが買った2匹がテーブルに座っていた。
メイは、1回作ったからか、要領よく私に教えてくれた。難しいところは先回りしてコツを教えてくれて、私たちは難なくクマの衣装を作成し終えた。
「できた!見て!ミサキの衣装!」
「作っている時からまさかとは思ったけど。やっぱり、私の普段着だよね。」
「そういうミサキは、天使の羽と光の輪?」
「そうだよ。悪い?」
「悪くないよ!すごく上手だよ!」
メイは、私に許可をとって、私の作った服を自分のクマに着せて、色々角度から見て楽しんでいる。そんなに喜ばれるとこっちが恥ずかしい。
「なら、交換ね。」
「え、いいの?せっかく上手にできたのに?」
「いいから。はい。交換。」
「分かった!ありがとう!みんなに見せてこなくちゃ!」
メイは、服を交換するや否や、サオリ姉さんたちに自慢しにいった。私はそのまま自室に戻り、枕元にクマを置いた。クマは私と同じ服を着ていて、なんだか変な感じだ。
その晩、夕食の際にサオリ姉さんやヒヨリからぬいぐるみ衣装について褒められた。私が自慢したわけでもないのに、多方面に伝わっていて、なんだか気恥ずかしい。
メイは、食事の時もクマを連れて来ていて、元強硬派の生徒にも自慢している。そんなメイの様子に呆れているとアツコが近づいて来た。
「あれって、ミサキが作ったやつでしょ?上手だね。」
「そう?メイに教わりながら作ったから、だからじゃない?」
「ふーん」
「何?」
アツコは、興味深そうに私を見て、その後、小さな声で耳打ちして来た。
「あの衣装ってさ、天使じゃなくて、メイちゃんでしょ?」
一瞬、何を言われたのか、わからなかった。特に具体的なイメージがあって作ったわけじゃなかった。でも、改めて言われてみると…。メイは、ヒヨリから天使と呼ばれていたし、私たちをあの生活から救ってくれた。その印象が強かったのかもしれない。
「はぁ//?そんなわけないでしょ。」
「そう?メイちゃん以外は、みんな気づいていると思うけど?」
「え?」
アツコはにやりと笑うと、手をメガホンのようにして、メイの方を向いた。
「メイちゃん!ミサキがね!」
「アツコ!!」
「わー、ミサキが怒った!」
私は余計なことを言われないように、楽しそうに逃げるアツコを追いかける。後で見せられた写真の中には、アツコと追いかけっこしながら笑っている私がいた。
メイが、額縁に入れて飾りだしたので、すぐに取り上げた。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
当初の予定であった十話までの毎日投稿は、話の進行スケジュールがずれ込んだ関係で遅れております!ごめんなさい!
でも、続けてはいくので、これからもよろしくお願いします!