戦闘民族サイヤ人、異世界に襲来!   作:KKRT

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プロローグ
第0話 悟空とベジータが消えた!? 新たな戦いの幕開け


 「ハァッ……ハァッ……!」

 

 地球とも、大魔界とも違うどこかの世界。 荒れ果てた大地の中心で、一人の男が血反吐を吐き這いつくばっていた。男の周辺には、数多くの激しい死闘の跡が残っている。

 一体どんな戦いが繰り広げられていたのかは分からない。だが少なくとも、這いつくばっている男が死闘の敗者であるのは誰が見ても明らかだった。

 

「み、認めてたまるか……何故、この俺が……!」

 

 這いつくばっている男の顔は、怒りに満ちていた。 自分に打ち勝ち、そしてプライドを傷つけた者への怒り。

 激しい憎悪で渦巻く男の視線は、大地から目の前の砂煙、その中からゆっくりと歩いてくるもう一人の男に向けられた。

 彼こそが、この男のプライドをへし折った、死闘の勝者だろう。

 

「……ッ!」

 

スタ……スタ……

 

 その男の髪は大きく逆立ち、全身には、黄金のオーラを纏っていた。

 この世界では全く見たことのない姿。 だが間違いなく、圧倒的な圧力(プレッシャー)を対する者に与えてくる。

 それに怯えきっている自分への怒りか、男は口を歪め、吠えた。

 

「くそっ……くそおおおおおおおっ!! 何なんだあっ!! 何者なんだお前はぁぁぁぁっ!!」

 

 対する"理不尽"は、その怒りに満ちた咆哮にただ一言、されどその咆哮に引けを取らないほどの怒りを含んだ、静かな一言を返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「……ただの、サイヤ人だ。」

 

◆

 

 

 戦闘民族サイヤ人。

 それはかつて、遥か遠い宇宙で数多の星々を侵略した、恐るべき種族。

 その強大な力を持って、宇宙で暴虐の限りを尽くしていたサイヤ人であったが、より遥か上の力を持つコルド軍、もといフリーザ軍に服従し…ついには、そのフリーザ軍に切り捨てられ、自らの母星である惑星ベジータ諸共滅ぼされてしまった。

 しかし。ほんの僅かながら、この現代まで生き残ったサイヤ人たちが存在する。

 サイヤ人の王子、ベジータ。 そして、地球育ちのサイヤ人、孫悟空。

 彼らは数々の戦いとともにすくすくと成長し、そして互いに相見え、宿命のライバルとも言える関係を築き上げた。

 彼らは時に激闘を繰り広げ、時に共闘し、時に、共に宇宙を救い…

 

…そして今日もまた、激闘を繰り広げるのだった。

 

「はぁぁぁぁっ!!」

「くっ!」

 

 ベジータが悟空の頬に向かい、左ストレートを振るうが、悟空はそれを右腕でガードする。 そして、反対の左手でカウンターを叩き入れようとするも、避けられる。 しかしそこへ右キックを入れてガードさせ、コンマ1秒ほどひるませた。

 

「でりゃぁぁぁぁぁっ!!」

「ちっ!」

 

ドゴォンッ!

 

 悟空はその隙に、上に挙げた両手を組んで思いっきり振り下ろす。 ベジータは腕を交差させてその攻撃を防ぐも、攻撃の余波で吹き飛ばされた。

 

「まだまだぁっ!」

「舐めるなよぉっ!」

 

 すぐさま吹き飛ばされたベジータに追いつき、追撃の攻撃を加えようとする悟空。ベジータも体勢を立て直し、悟空に殴りかかって行く。

 

 

 

━━━━この間、約3秒。そんな激しい攻防戦が、カプセルコーポレーションのある地上より遥か上の、光る雲を突き抜けた上空で行われていた。

 

「相変わらずだべなぁ、あの二人……」

「まったくね……」

 

 二人のサイヤ人による激しい戦いを観戦する、チチの溜め息混じりの言葉にブルマが同意する。

 このカプセルコーポレーションのベランダでは、悟空とベジータの友人、家族、好敵手。 数十人の関係者が戦いを観戦していた。

 

「ははっ、相変わらずすげえなあ、あの二人。」

「パパのともだちすごーい!」

「そうだねマーロン。パパと負けず劣らずだ」

「はは、勘弁してくれよ18号……」

 

 クリリン、マーロン、18号の3人家族。

 

「……互角、いや、ベジータが少し押しているか?また強くなりやがったな、ベジータ。」

「きっとベジータさん、かなり修行頑張ってたんでしょうね。……父さんに、先に超サイヤ人4って言うのになられて先を越されたとか言って、カンカンでしたし」

「ふふっ、まだまだ強くなるのね、あのお二人。」

 

 ピッコロと、悟飯、ビーデルの夫婦。

 

「いっけぇーっ! そこだパパーっ!」

「ああっ! 頑張れおとうさーんっ!」

 

 トランクス、悟天のヤンチャキッズ。

 悟空達と共に数々の戦いを潜り抜けた仲間達が、この幾多も繰り返されている激しい戦いを観戦していた。

 

「ほんと、何度もやって飽きないのかしらねえ。」

「ほんとだべ……ま、けど今回は大目に見てやるだよ。」

「あら? チチさんにしては珍しいわね。 何かあったの?」

「んだ。悟空さってば、最近は……」

"やっぱオラ、流石にチチ達の事すっぽかして修行やり過ぎだと思ってさあ。 だからオラ、ここしばらくは畑仕事頑張るぞ。"

「……って言って、珍しく頑張って働いてくれてたからな。 たまにはこうしてベジータさんと戦わせても良いと思ったんだべ。」

「あら、奇遇ね! ベジータも最近…」

"ブルマ、お前はしばらく身体を休ませておけ。……たまには、俺が手伝ってやろうと思ってな。"

「なんて言って、私の代わりに家事をやってくれてるのよ!」

「ベジータさんがか? 珍しい事もあるもんだべ!」

「それはチチさんのとこも同じでしょ〜?」

「あっはは!そうだったべ!」

「うふふ……それにしても、チチさん。」

 

 奇遇で珍しい出来事に談笑する二人。

 ……しかし、そんな出来事だからこそ

 

「……全く嫌な予感がするわね。」

「……オラも同じ意見だ。」

 

 二人の主婦に、この先起こるであろう事件の存在を予感させるのだった。

 

「はあああああああ……!」

 

 そんなやりとりをしている間に、二人の戦いはクライマックスに入っていた。

ベジータが合わせた両手を頭の左に添え、紫色の光を帯びた気を溜め始める。

 

「か……め……は……め……」

 

 悟空が上下に対となって添えた手を腰の右へ動かし、水色の光を帯びた気を溜め始める。

全く互角の二つのエネルギーは共にどんどんと力を溜めていく。

そして、二人の目が大きく開眼したその瞬間……

 

「波ァァァァッ!!」ズオォッ!!

「ギャリック砲ォォォォォッ!!」ヴオォッ!!

 

カッ!!

 

 二つのエネルギーは凄まじい光と共に放たれ、そして激突した。

 

「んぐぐ……ぎぎ……!」

「くおぉぉぉぉぉっ……!」

 

 拮抗した二つの眩い光は互いに負けじと、押して押されを繰り返す。

 

「今度こそ勝たせてもらうぞ……カカロットォォォッ!!」

「くっ……! 負けっかぁぁぁぁぁっ!!」

 

 先程より一層輝きを増す光と共に、ぶつかりあう咆哮と咆哮。

 光と光の衝突はさらに激しさを増し……そして、爆発した。

 

 ドガァァァンッ!!

 

「くっ! ……うおっ!?」

「ちいっ!!」

 

 爆発の光は、西の都一帯を太陽よりも眩く照らし、そして二人を包み込む程にまで大きくなって行く。

 

「きゃぁっ!!」

「ふぅ、これでやっと終わりだべか……?」

 

 そう。ここまでは、サイヤ人である彼らの戦いではよくある事だ。

 見て来たものには、それが分かっている。

 

 

 

 

 ……しかし。今日は何かが変わっていた。

 

「……妙だ。」

「え? どうしたんですかピッコロさん?」

「悟飯、あいつらの気は感じ取れるか?」

「……いえ、まだ感じません。」

「もしかして、そういう戦法なんじゃないですか? 気配を消して、奇襲を仕掛けるって言う……」

「確かに、その線もある……けど、ビーデルさん。 僕はあの二人が、こんなに長く奇襲の為に時間をかける筈が無いと思うんです。」

「え? じゃ、じゃあ一体……」

 

「おーい悟空! ベジータ! いるなら返事しろーっ!!」

「なあ、一体どうしたんだい?クリリン。」

「あの二人の気が、急に消えたんだ。 不自然すぎるくらいに……」

 

「あれ? お父さんとベジータさんの気が感じなくなっちゃった?」

「バーカ。 悟天、こういうのは集中すればすぐ感じ取れ……感じ……あれ?」

 

 二人の気配を読み取れる者達の間に動揺が広がり、やがて、そうでない者達にも広がって行った。

 

「み、みんな一体どうしちゃったのかしら……」

「ま、まさか……悟空さとベジータさんの身に何かあったんじゃ……」

 

 そうして経っていく時間と共に、二人を包み込んでいた光が収まっていく。……だが、光が完全に消えても……

 

『!?』

 

 二人の姿は、どこにも見当たらなかった。

 

「……う、うそ、ベジータ……孫くん……?」

「……ご、悟空さと……ベジータさんが……いなくなっちまっただぁぁっ!?」

 

 幾多も繰り返されていた二人の戦いは、見る者全てを圧倒させつつも、どこか安心感を与えていた。 彼らがいれば、この地球は大丈夫だと思わせていた。

 ……だが彼らが、旅に出る訳でもなく、死ぬ訳でもなく。その安心感を連れ去るように、突然この世界から消え失せるとは……

 一体、誰が予想出来ただろうか━━━━

 

 


 

 

 ……ん? なんだ? どこだここ? オラの座ってるとこ以外、真っ暗で何にも……あれ? ベジータもいるんか。って、なんだあベジータのやつ。まだ寝てんぞ。

 仕方ねえ、起こしてやっか。

 

「……おいベジータ! おい!」

「……む?ここは……」

「ベジータっ! 起きろってベジータ!」

「ええいやかましい!とっくにもう起きている!横で急に叫ぶんじゃない!!」

 

 おっ、ベジータも起きたな。

 

「わりいわりい……ところでベジータ、いってえここどこなんだ?」

「知るか。 逆にこっちが聞きたいぐらいだ。」

「やっぱしそうだよなぁ……もしかすると、オラたちがさっきの戦(たたけ)えで気絶してて、その間に誰かがここに運んで来たんかな?」

「……確かにさっき、オレたちは戦闘の中で起きた爆発に巻き込まれていたが……」

「なんなら、オラたち死んじまったのかもなぁ! はっはっは!」

「バッ、バカを言うんじゃない! そもそもここがあの世でも、ここまで暗い場所など無かっただろう!」

「ははっ、分かってるって! ……にしてもよ、オラたちをここに連れて来た奴は、いってえ何が目的なんだろうな?」

「それは、あなた達に頼みたい事があったからです。」

「むっ!?」

「誰だっ!?」

 

 そうやって話してたら、急に前から知らねえ奴の声が聞こえて来た。

 オラ達は勢いよく立ち上がって、その声のがする方に向かって構える。……声は聞こえるし、空気の流れも、確かに誰かいるって教えてくれてんのに……気を感じねえ。 いってえ何もんだ?

 

「そう構えないでください。悪意があって連れて来た訳じゃ……」

「知るかっ! 悪意があろうがなかろうがどうでも良い! 急にこんな所に連れて来やがって……さっさとここから出しやがれ!」

「で、ですが……せめて、話だけでも……」

 

 ……まあ、わりい奴じゃ無さそうか?あんまし警戒しなくても良さそうだな。

 ベジータはそう思ってないみてえだけんど……

 

「ま、まあベジータ落ち着けって……確かに悪意はねえらしいしさ……」

「……チッ。 まあ話だけは聞いてやる。」

「ホッ……ありがとうございます……」

 

 そうしてオラ達が構えを解くと、目の前からさっきの声の主が歩いて来た。

 金髪で短え髪の、首飾りを付けた女だった。

 

「……私は、女神のミネルと申します。 孫悟空さん、ベジータさんですね? 説明もなく、突然あなた方を連れて来たこのご無礼、お詫び申し上げます。」

「フン、全く良い迷惑だ。」

 

 メガミ?ってやつらしいミネルは、オラたちの前に立ち止まって、頭を下げながらそう話して来た。

 メガミ……あ、女の神様っちゅう事か?界王神様と良い、神様って結構色々いるみてえだなあ。

 

「オッス!よろしくな、ミネル! オラは……って、オラたちの事もう知ってるみてえだな。」

「ええ。 あなた方の勇姿は、私達神々の間でも広く伝わっております。ピッコロ大魔王、フリーザ、セル、魔人ブウ、ヒルデガーン、大魔王ゴマー……数々の凶悪な悪人達を倒したと。」

「フリーザとブウはともかく、ピッコロのことまで知ってるんか? おめえ物知りだなあ。」

「そんな事はどうでも良い。貴様、何故オレたちをここへ連れて来た?」

「ええ、そろそろお伝えしようと思っておりました。……孫悟空さん、ベジータさん。これは、貴方達にしか頼めない事です。」

 

 ミネルは、さっきまで緩んでた顔立ちを引き締めた。 かなり大事な話みてえだ。オラ達━━━でも、ベジータはそんな変わんなかったな。━━━も同じく引き締めて、話を聞く。

 けど、いってえどんな頼み事なんだろうな? 大事な話みてえだけどよ、オラちょっとワクワクして来たぞ。

そう考えてっと、ミネルの口がゆっくりと開いた。

 

 

 

 

「……あなた方には勇者として、我々が管理している異世界に行っていただき、悪しき魔王を討伐していただきたいのです。」

 

 

 

 

 

「……なんじゃそりゃ?」

「なっ!?」

「チッ、くだらん。」

「くだっ!?」

 

 勇者……って、確かタピオンがその勇者だったよな。 それに、オラ達が?

 そもそもオラたち、この前大魔王ってのと戦ったばっかだ。大も付いてねえただの魔王って聞くと、あんま期待は出来ねえな……

 けど頼み事っちゅう事は、その魔王に困らされてるって事だよな。困ってるってなら助けねえと。 さっさとその魔王ってのぶっ飛ばしてから、地球に帰るとすっか。

 

「で、ですが……魔王の力はとても強大で……」

「おい、さっさと帰るぞカカロット。さっきの続きだ。この女のくだらん頼みで邪魔されたからな。」

「えっ!?」

 

 いいっ!?マジかよベジータ!?

 

「べ、ベジータ、おめえもう帰んのか!?」

「当然だろう。 こんな得体の知れん奴の頼み事なんて知るか。」

「た、確かにオラもうさんくせえとは思ったけどよぉ……」

「そんな……ちょ、ちょっと待ってください!」

「黙れ! くだらん事をべらべらと……こっちは暇じゃないんだ!さっさとオレたちを元の場所に戻しやがれ!」

 

 ……どうやらベジータの方は、全然乗り気じゃねえみてえだ。 気持ちは分かるけどよお……

 

「ま、まあ待てよベジータ。 こいつ、わざわざオラ達に頼みに来たって事は、相当困ってるみてえだぞ?」

「知るか! そいつが困ってようがオレにはどうでも良い! こっちはブルマやトランクスに話もせず急に消えちまってるんだぞ!カカロット、貴様も同じような状況だろう!?」

「け、けどさぁ……」

「そもそも、何が魔王だ! 貴様らが管理している世界の問題なら、貴様らで解決しやがれ! そんな事のために俺たちを呼びやがって!」

「……で、ですが……その……」

 

 ま、参ったな〜……ベジータの奴すんげえカンカンだぞ。 頼み事は聞きてえけど、いってえどうすりゃ……仕方ねえ、わりいブルマ。

 

「なあ、このまま帰って良いんか?ベジータ?」

「当たり前だ。 こっちは妻と子供を心配させて……」

「……ブルマが、世界の危機を救って欲しいっちゅう頼み事を断ったって知ったらさ。もしかしたら、すんげえ怒るかもしんねえぞ?」

「ふん、何をバカな……」

━━━━瞬間。ベジータの脳内に、起こりうる未来の光景が呼び起こされた!━━━━

"はあ!? 孫くんと戦いたいからって、何ノコノコと帰って来てんのよ!! 孫くんもいるんだから、世界の一つや二つ救って来なさいよ!!"

「……」

「みんなには、帰った時に事情を説明すりゃ分かってくれるだろ。それに、魔王って奴も案外強えかも……」

「……おい貴様。」

「えっ? は、はい……」

「気が変わった。さっさとその異世界とやらに連れて行け! 魔王だか何だか知らんが、サイヤ人であるこのオレがぶっ潰してやる!」

「へっ?」

 

 べ、ベジータのやつ思ったより食いついたな……ま、まあやる気出したみたいで良かったぞ。サンキューブルマ!

 

「ほ、本当ですか!? 魔王を倒していただけるのですか!?」

「そうだと言っている! 良いから早くしろ!」

「ちょ、ちょっと待ってください! その前に重要な説明を……」

「チッ、ならその説明とやらをさっさとしやがれ!」

 

 ベジータがそう急かしたら、ミネルは指を鳴らして、オラ達との間の床を変な模様で光らせた。 たしか、マホウジンって奴か?

 すると、そのマホウジンって奴からまた光が出て来て、目の前に見たこともねえ世界の景色が映った。 ひゃ〜! すんげ〜っ!

 

「これが異世界とやらか。 随分地球に似ているようだが……」

「……まず、私達神々が管理しているこの世界、『マジランド』では、『レベル』と呼ばれるシステムが存在します。」

 

 レベル……戦闘力みてえに強さの指数を表す言葉……で合ってんだよな? そいつのシステムって、いってえどういうことだ?

 

「『レベル』という言葉はその個人が持つ強さを表しており、数字が多ければ多いほど強い……というのは分かりますね? ですがこの世界では、レベルは人が持つ『経験値』の量によって決められます。

 経験値は、魔物などの敵を倒す事で得ることが出来ます。 その敵が強ければ強いほど、得られる経験値もより高く……ちなみに、鍛錬を積む事でも得ることが出来ますよ。」

「お? ちゃんと修行して強くなれんのか。 ……けど、なんだか戦闘力といまいち違いがわかんねえなぁ。」

「……要は『経験値』という奴を得ることさえ出来れば強くなれる、という事だろう。 雑魚でも、遥かに強い奴の寝込みを襲って倒しさえすれば、強くなれる……と言った風にな。」

「あ、そういう事か! ベジータやるなぁ!」

 

 要は……

・レベルは戦闘力みてえだけど、ちょっと違う。

・レベルは経験値って奴を集めれば上がる。

・経験値は相手をぶっ倒したり、修行すれば貰える。

・経験値は倒した相手が強え奴ほど、いっぺえ貰える。

って事だな。サンキューベジータ!

 

「フン……それより、何故そんな事を説明した? ただの注意喚起ではないだろう。」

「……そうですね。 まず、あなた方のレベルを確認してみましょう。 『ステータス確認』と頭の中で念じてみてください。」

 

 それでオラ達のレベルがわかんのか? ええっと……『ステータス確認』

 ……わっ!? 目の前に光る板見てえなのが出て来たぞ!

 

Name:孫悟空

Level:300

種族:サイヤ人

特性:

・気力操作

・純真

・超サイヤ人(4)

・大猿化(無効)

・超回復(限界)

攻撃力:5934561

速度:5581465

防御力:5916812

技量:1159

知力:100

 

 オラは300か……下にもなんだか色々あるみてえだけど、あんましよくわかんねえな……

 

「レベルが上がれば上がるほど、その下にあるステータスが上がっていき、特性や技も開放されていきます。……それにしても、流石孫悟空さん……基本的な最大レベルは100なのですが、それを3倍以上も上回るとは……!」

「ひひっ、まあ修行頑張ってきたからな。あそうだ、ベジータはレベルどんぐれえだったんだ?」

 

 ま、大方オラと同じぐれえだろ。

 

「301だ。」

 

へーっ、301か……いいっ!?

 

Name:ベジータ

Level:301

種族:サイヤ人

特性:

・気力操作

・超サイヤ人(4)

・大猿化(無効)

・超回復(限界)

攻撃力:5933530

速度:5582548

防御力:5916807

技量:1207

知力:150

 

「いっ、いちっ……!」

「……くっくっくっ。どうやら、この俺がレベルで勝っているようだな?」

「ちっ、ちっくしょぉ〜っ!!」

「はーっはっはっ! どうやら俺の方が一枚上手だったようだ! 残念だったなカカロット!!」

 

 く、くっそ〜……1レベル負けたのか……すんげえ悔しいぞ……

 そうオラが頭抱えながら悔しがってっと、ミネルが申し訳なさそうな顔でゆっくり手ぇ上げて、口を開いた。

 

「あ、あの……大変申し上げにくいのですが、良いですか?」

「ん? そういえば、レベルについて説明した意味を聞いていなかったな。 まあ良い、言ってみろ。今の俺様は気分が……」

「その……お二人の身体を、マジランドに合うよう再構築し、その後マジランドに行ってもらう訳なのですが……」

 

 

 

 

 

「……その際、お二人のレベルは、初期値……レベル1に戻されるのです。」

 

 …………へっ?それ、ホントか?

 

「……今、なんと言った?」

「ですから、その……お二人のレベルは、1に……」

「きっ、貴様ァァァァァァッ!! 本気で言っているのかぁっ!?」

 

 オラより先に、ベジータが吠えた。び、びっくりした〜……急に横で叫ぶのはやめて欲しいぞ……

 

「ご、ご安心を! 元の世界に帰る際にはレベルは元通りに……」

「そう言う話じゃないっ!! 何故レベルを1に戻す必要がある!?」

「し、仕方の無い事なんです。 身体を再構築する際、その影響で……だそうです。こ、こればかりは私には分かりません。 転移者を連れてくるのも初めてなのに……」

「く、くそったれ……」

 

 ……すげえ残念そうな顔してんな、ベジータ……それも仕方ねえ。オラも、さっきの話を聞いた時はかなりガッカリした。折角鍛え上げた力が、1からなんてよ〜……

 

 けどよ、ベジータ。オラは、別に悪い話ばっかじゃねえと思うんだ。

 

「まあ良いじゃねえか、ベジータ。」

「貴様は楽観視が過ぎるぞカカロット! オレたちがこれまでどれほどの時間かけて鍛え上げてきたと思ってる!?そいつを戻すのにどれほど時間がかかるか……」

「けどさあ……これでまた、勝負出来んじゃねえか?オラ達。」

「なんだと!?一体何を…………いや……」

 

 おっ、オラが言いたいこと分かってくれたみてえだな。

 

「……要は、こう言う事か? どっちが早くレベルを上げ……魔王とやらを倒せるか。」

「ひひっ、そういうこと。」

「……フッ。良いだろう。 貴様より先に魔王を潰し、どっちが上かハッキリ決めてやる!」

「望むとこだ! 勝負すっぞベジータ!」

「な、何とかなった……で良いんでしょうか?」

 

 どうやら、ベジータの機嫌が元に戻ったみてえだな。よかったよかった。

 そうしてオラ達が笑いながらバチバチ睨み合ってっと、ミネルがごほんっ!と咳込みをしてオラ達の視線を集めた。

 

「では、私からの説明は以上です。 お二人は、これから別々の場所でマジランドに降り立ち、魔王を倒すため旅をしてもらいます。」

「おう!分かった!」

「御託は良い。さっさとそのマジランドとやらに送りやがれ!」

「フフッ、それでは……」

 

 ミネルが片手を上げる。すると、オラ達が立ってる地面にマホウジンが現れた。

 

「おおっ!? なんだなんだ!?」

 

 そしてすぐにマホウジンが光り始め、オラ達の身体を浮かび上がらせる。

 

「……さあ、異界の勇者達よ。まだ見ぬ地で、悪しき魔王を倒し、マジランドに光さす未来を!」

 

 そんな言葉がかけられた後、ゆっくり浮かんでいたオラ達の身体は一気に飛び、真上の光へと向かっていく。

 あそこがマジランドか。 大魔界とは、またちげえ異世界。そんな世界じゃ、いってえどんな奴と出会えんだろうな? くぅ〜っ!

 

オラ、ワクワクしてきたぞっ!!

 

そうして、オラの身体は光に包まれた。

 

◆

 

 こうして、新たな世界へ旅立った悟空。まだ見ぬ舞台で待ち受ける、新たな出会いと旅は……!

 

「いやあああああっ!!誰か助けてぇぇぇぇぇっ!!」

「いいっ!?」

 

 ……この先、どうなります事やら。




 烈海王も異世界行ったんだし、悟空も異世界行ってもええやろ(適当)
 お久しぶりの方はお久しぶりです。以前投稿していた小説があまりにも雑な展開にしすぎて完全にやる気を失っていたので、「いっそのこと全部書き直すか〜!」とこうなっちゃいました。
 ちなみにストックは何も無いしプロットもまだ脳内にしか書いてないので、またかなり投稿期間が空きます。許してちょ。
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