自称幼女は銀魂世界でぷりちー天使あいどるにレベルアップする。 作:松魚
次の日コンビニに用事があるという土方さんにくっ付いてコンビニまで一緒に手を繋いで出かけた時そういえば昨日神楽ちゃんが面白いことを教えてくれたことを思いだしたジル。
その内容とは由緒正しいハム家に生まれたハムぱぱ曰く超綺麗な自慢の娘が夜な夜な出歩いてばかりいるから連れて帰ってきてほしいと万屋に依頼したけど実はハム子は『転生郷』なる麻薬に手を出していて実はそれの発祥元は宇宙海賊『春雨』という銀河系で最大を誇る犯罪シンジケートが関与していてそれに必然的に巻き込まれた銀さん一家は神楽ちゃんとはっさんが敵に掴まり銀さんは重傷を負わされてハム子は廃人寸前というヤバい状況になったけど超綺麗好きな天人と交戦し命からがら逃げることに成功した
銀さんがロドリゲス太郎に救出されて屋敷で介抱されたけど大切なもんまた奪い返しにくという銀さんにロドリゲス太郎が付き合って宇宙海賊に変身して敵を壊滅にまで追い込んだという話。
随分簡単に省略したが相当大変だったと思う。
っていうかハム子がどんな人なのか気になるな~。
「おいジル、なんか買ってやるぜ?近藤さんには内緒な」
「やった~!じゃあコーヒー牛乳買ってくれる?」
「コーヒー牛乳?やめとけ。夜眠れなくなるからいちご牛乳だ」
「えぇ~!?」
ブーブーとブ―垂れていても結局おごってもらっているので文句は言えず。
ありがとうございましたー!!という店員のあいさつと共にコンビニを出るといきなり
「誰か~!!ひったくりよ~!」
という女性の叫び声。土方さんはジルと繋いでいた手を放し携帯のボタンを押しながらジルに言い聞かせました。
「なんだとっ!?ッチ、ジル。お前ここで待ってろ。いいか迎え呼ぶから動くんじゃねぇぞ?」
「おいっす、いってらっさい」
「おう!山崎が来るはずだからいい子で待ってろよ!」
手を振って走り出した土方を送り出すジル。
適当にボケッと座っていちご牛乳をずずーと飲んで数分後。
何やら座り込んでいるジルの前に人影が出現。
上を見上げてみると
「あんたそこで何してる訳、迷子な訳?」
ガン黒の女子が現れた。ジルは首を振って
「ううん、ここで待ってろって。じゃないとお仕置きされるんだ」(やっちんが)
というと
彼女は顔をしかめて
「何今流行(はやり)の虐待なとか?超ありえないし」
とかいうのでジルは
「超ありえまくりだよ、家じゃ」(主にやっちんが被害に遭ってるし)
と否定するとガン黒女子は
「マジ?ちょっとアンタヤバくない?」
とか心配そうに聞いてくるので
「マジヤバいかもね」(やっちんが)
と答えるとガン黒少女はジルの手を急に掴んで立ち上がらせました。
「とりあえず家くればいいんじゃネ?後で屯所に通報してあげるから」
とジルを彼女の家に招待してくれることに。
ジルは一瞬マズイなと思ったけど携帯持ってるし、後で連絡すればやっちんが痛めつけられることないよなと思い、そのままガングロ少女と手を繋いで歩き出しました。
けどジルはこの時わかりませんでした。
携帯の充電が切れていることに。
そして現場に駆け付けた山崎は絶叫するのです。
「ジルちゃんが何処にもいない!?」
その叫びを聞きつけたひったくりとっ捕まえた土方が戻ってきて鬼に変化して
「山崎ぃぃぃ!」
「ぎゃぁぁあああああああああ!」
ジルの心配が当たりました。やっちんが土方にぼこぼこにされてしまいました。
ガン黒少女に案内されたジルが行きついたのは見た目にすぐわかる金持ちの豪邸でした。とりあえず居間に通されたジルはちょこんと正座に座り辺りを興味津々に見回しました。
「ジュースとか飲む?」
「あ、おかまいなく~」
「……あんた子供っぽくないわね」
ガン黒少女は公子と言うらしい。
ジルはうんうんと可愛く頷いて
「ハム子っていうんだね、私ジルっていうの」
と自己紹介しました。
「ハム子じゃねぇよ公子(きみこ)だっーつの」
「大丈夫安心して。私人の名前間違えたことないの」
「すでに間違えてるし」
「ハム子公子(きみこ)でいいと思うの」
「それコンビ名っぽいんだけどすでにコンビ組んでるんだけど」
「わかったよ煩いなぁ…ハム子公子(きみこ)シスターズでどう?」
「それもうすでに芸名っぽいんだけど、私の名前が芸名に変化しちゃってんだけど」
「とりあえずそれは置いといて」
「置かれた勝手に放り投げられたコレマジ?」
気になっていたので疑問をぶつけてみた。
神楽が話してくれた人物に当てはまると思ったのだ。
「なんで連れてきてくれたの?」
「……別に放っておくの嫌だっただけよ」
「どこの馬の骨かもわからないちみっこい餓鬼なのに?」
「……私も前に助けられたから。だから何となくよ」
ハム子はそっぽ向いて照れたように言った。そっか、万屋の人たちがしたのは彼女にとって救いでもあったんだね。人とかかわろうとする万屋の面々。
それはそれでいいと思う。私にはどうでもいいことだ。
ワタシには関係ない、だがこの出会いも『必然』ならば意味のあることだろう。
ハム子は成長した。人間として。
「……そっか、ハム子はいい子だね」
「だからハム子じゃねぇって言ってんだろーが」
最後まで認めないハム子が可愛いと思った。屯所からの迎え、やっちんがボロボロ状態で疾走して来てくれて叱られた。
ゴメン、後で土方さんに謝るから泣かないでとやっちんを慰めて
ちゃんと手を繋いでバイバイと手を振って彼女と別れる間際
「また遊びにくれば?」
と言ってくれたので私も
「また遊びにくるよ」
と笑って言った。
今日、また友達一人できました。
◇◇◇
最近脱走するのが趣味になっているジルと
心配で心配で剥げそうになってきているゴリぱぱこと、近藤は
行儀悪くゴロゴロと寝転がりながら二人仲良くゲームをしていた。
近藤よ、仕事はどうしたと天から声が聞こえてくるような感じですが
本人は愛しの娘と交流する数少ない時間。貴重すぎて仕事どころではないと放りっぱなしです。たぶんそのうち土方が怒鳴り込んでくるかもしれない。
が、天は言うだけなのでそれで終わる。
寝っ転がったシロの背中に乗っかりながらジルは思い出したようにゴリぱぱに問いかけました。
「そういえばぱぱ~?」
「うん?なんだい、ジル」
「前に麻薬の密売に関与してた幕府の高官ガマガエルoneを守った話なんだけど~?その時ぱぱ怪我させられたんだって?」
「何そのガマガエルoneって!?っていうか何処からそんな物騒な話聞かされたの!!?」
ゴリぱぱの驚愕した声にジルは、一瞬つまり
「……えーと、ロドリゲス太郎から」
「ダレそれ!?天人なのっ!?天人の友達なのかい!」
ゴリぱぱはコントローラー投げ出してジルに詰め寄ります。
が、シロが「ガウッ!」と威嚇してゴリぱぱを近づかせないようしました。
その隙にジルはコロコロとシロの背中から転がり体制を立て直します。
「カツラ屋やってる友達。大丈夫心配しないで。性格はおとなしい方だと思うから」
「ぱぱ心配だから一度会ってみたいよ、そのロドリゲス太郎君に」
「え~?それは駄目だよ」
「どうしてだい?」
「だって神出鬼没だもん。住所不定なんだよ、その人。そう簡単に捕まらないかもしれないよ」
「ジルちゃんもうその友達と会っちゃいけませんっ!」
「えー!?なんでー!!」
「だって聞くだけで怪しいからだよ、ぱぱに紹介できない友達なんて友達じゃありません」
「ケッ!ちゃんと実在するもん。ネットでしか語らない相手の方がよっぽど怖いっつーの」
ぶーぶー文句たれながら頬を膨らませるジル。
それがまたゴリぱぱのハートにずきゅんっ!とhit。
「はぅ!カワイー!」
思わず携帯の写メをバシバシ!!と撮影しまくる近藤。
だが機嫌が悪くなったジルが素早くシロに
「襲え」
と命令し、シロは忠実に主人の命に従って
「ガゥゥゥウウウウ」(餌くれっていうかお前餌になれ)
「ぎゃぁぁぁぁあああああああぁあああぁぁあああ!」
一人と一匹は弱肉強食な世界へと突入しだしました。
庭先を元気に走る一人と一匹を傍観しながら、ジルはちょっと拗ねていました。
なぜかって?それはね。
近藤は必死に逃げることで精一杯ですから当然聞こえていないでしょうが
ジルはポツリと呟いておりました。
「……私がいたら……怪我させなかったのに…」
そのガマガエルoneの所為で彼が怪我したのならもっと早くこの世界に来ていれば
そうすれば、痛い思いしなくて済んだかもしれない。
ジルはそう思っていたからこそ伝えればよかったんですが
本人はそういう面で素直じゃないので
面と向かって言えずじまい。
近藤がジルの事を大切に想っているように
ジルも近藤の事が大切になってきている証拠でした。
本人はまだ気がついていないけど
ジルの中で今一番に大切な人は
近藤勲なのかもしれません。
※
沖田視点
ジルがいないと何処に行ったのかその姿を捜しちまう。
いたらいたで「あ、総ちゃん」と屈託なく笑うアイツに苛立っちまう。
実際、今そうだ。
廊下をトコトコと歩いている姿なんかまさにそうだ。
「捜したよ?」
子供の体して、子供だと思わせておいて何の前触れもなく『幼児』から『女』になる。
そのくせ、アイツは大人の余裕を出す。
好きすぎてどうしようもねぇ。
というか、好き以上になっている、正直。
女なんかこの世の中わんさかいやがる。
そうさ、男の人口の半分は女。ジルじゃなくともいくらでもいる。
だが、欲しいのはこの女だけだ。
欲しいどうしようもなくジルが欲しい。
アイツの何もかもが俺にとって麻薬みたなもんだ。
全部独占したい、
その眼差しも
その吐息も
その口も
その体も
全て、俺だけのものに。
「総ちゃん、土方さんにもあげたんだけど、食堂のおばちゃんから飴もらったんだ。総ちゃんにもあげるよ。ホラ?」
何も言わずに立つ俺に向かって両手いっぱいに飴を乗せジルは屈託なく微笑む。
それは子供の笑い方だ。無邪気を装っての笑い。
「飴よりも」
ジルが欲しい、と。
俺は意識せずまま動いていた。ジルの手を取って飴が床に気にせずに。
ドカドカと廊下を歩き自分の部屋に連れ込む。
スパン、と襖を閉め、俺とジルだけの空間。
俺は小さな体を引っ張ってわざとらしく「きゃっ」と悲鳴をあげるジルを押し倒す。
組み敷いた小さな体。まったく抵抗はなかった。
「ヤメロよ、それ」
と苛立ちが募って出た言葉。
俺の前で演技するなよ、俺しかいないじゃないか。
畳に広がる銀色の糸のような髪。一本一本光っているみたいに綺麗だ。
幼児の体してるクセになんで色気ありまくりなんだよ。
卑怯、じゃねぇか。
紅なんかさしてねぇのにジルの唇は誘うように紅い。
ごくり、と喉がなる。
ジルは、目を細め小さな手で俺の肌を撫でた。
「しょうがないじゃない、今はこの姿なんだから」
子供は子供らしくしなきゃ、ね?
と聞き分けのない子供に言い含める母親みたいに俺に諭す。
でも俺は、そんなもんと跳ね除ける。
「お前が欲しい、全部全部」
囁くだけじゃ物足りない
触れるだけじゃ物足りない
キスだけじゃ物足りない
何もかもが物足りなさ過ぎて、俺はどうにかなっちまいそうだ。
「お前といっしょに」「ストップ」
最後まで言わせてくれねぇ所とか意地悪だ。小さな手が俺の口を塞ぐ。
「駄目よ、総悟」
そう言ってジルは体を半分だけ起こし、俺とほんの数cmの距離で喋る。
吐息がモロに当たる。
紫の瞳は、吸い込まれそうなほど深かった。
「それ以上は駄目」
キッパリと駄目と2回もいいやがった。
「なんで、俺は」
お前と、繋がりたいだけなんだぜ。
「私は子供のジルよ、この意味を失くさないで。アナタにとって必要なジルは大人での私でしょう?でも生憎と今の私は子供なの。境界線がある以上、総悟が今の『沖田総悟』をつくってきたように、私も『ジル』をつくってきた。それを壊すような無粋な真似はしないで」
じゃないと、本当にお仕置きするわよ。とジルは冷徹に言った。
そこにはまったくの感情など存在せず、俺を凍りつかせるには十分すぎるほどだった。
「だったら、どうすればいいんだよ、ジル」
震える唇から一生懸命に俺は伝えようとする。
「…どうすれば、」
この想いに応えてくれるんだ、お前は。
「簡単なことよ、総悟」
ジルの俺の両手が俺の顔を捕らえた。
「私を裏切らなければいい」
「裏切らない?」
「そうよ、総悟」
復唱しなさい、ジルはそう命令した。
「…うらぎらない…」
ジルの瞳が一瞬にしてうさぎのように紅く染まった。
「そう、それでいいの。ワタシを裏切らなければいいのよ」
少女の一方的な言葉に、俺は頷くしかなかった。
意味が分からずとも、俺の願いがかなうのならばと。
(彼の心、彼女知らずに通り抜け)