自称幼女は銀魂世界でぷりちー天使あいどるにレベルアップする。 作:サボテンダーイオウ
どうもジルです。
久しぶりにこの姿になるので若干違和感も感じますが、そこは順応性が高いので問題はないです。しかしこの真選組なる場所、ホントに男しかいないむさ苦しい場所でした。
部屋を一室与えて貰えたものの当初はゴリ近か総ちゃんと一緒みたいな話になってました。
ゴリ近改め、ゴリぱぱ(本人が泣いてウザイのでこれで妥協した)が私と一緒に寝るとか総ちゃんがゴリラと一緒にいたらホントにゴリラになるかもしれねぇぜぃ?なんて脅してくるもんだから来た日は総ちゃんと一緒に寝ることになったのだが、それはもっと危険だぁあああ!と土方コノヤロー(総ちゃんがそう呼べと言ったから)がキレて叫んだので急遽空いてる部屋を私用にすることになった。
私も静かに寝られる環境がほしかったので願ったりかなったり。だって毎度毎度耳元で大声あげられるのはキツイし、うるさいじゃない。
さて、朝食時のやりとりでのことだ。
「ジル、ご飯小食なのかぃ?」
「うん、土方コノヤローの食べ方みたら食欲失くした」
総ちゃんが心配そうに聞いてくれたがすいません。
給仕のおばちゃんたち、アレを見てしまってはいかにおいしそうな朝食でも喉を通らねぇってもんさ。私の向かい側に座る当の本人はそのブツをおいしそうに食べていました。
「ジル、お前もどうだ。マヨネーズご飯」
「遠慮します」
差し出されるご飯が盛られたお椀に並々ととぐろを巻いて乗っかっているマヨネーズ。
私は間髪入れずに断った。見ているだけで、うぅ気持ちワル。
なんであんなに大量にマヨネーズ投入できるのだ。やっぱりこの世界の住人はどこか特殊な能力があるのかもしれない。恐ろしや恐ろしや。
「こら!ジルちゃん、好き嫌いしてると大きくなれないぞ」
「好き嫌いの度合いが違うんだよゴリ近」
「ジルちゃん!?ゴリパパって呼ぶことにしたんじゃないの!」
隣にいるおっさんもとい、ゴリぱぱは偉そうにそういった。
今格下げしてやったんだよと冷水のごとく冷たい視線をプレゼントした。
しかし…ゴリラに人のことを俺の嫁と勝手に決めてくる少年に吐きそうなほど全身マヨネーズに染まっている男。侮りがたし……真選組!
と、感服もしたことでせっかく作ってくれた朝食をゆっくりではあありますが、しっかりといただきました。美味しかったよ!おばちゃんと食器を片付けながら挨拶すると、あら、可愛いわねぇ~なんてめちゃくちゃ頭撫でられたり、飴玉あげるわ、なんて大量にくれたり、いいおばちゃんたちでしたよ。
ポケットがパンパンに膨れ上がるくらいもらいました。
さて、ではこの世界の情報収集といきますか。
この屯所内、少々過保護な男連中が多く一人で外へ出るなと口酸っぱくして言うものだから耳にタコができてしまった。ふらりと玄関まで向かうとそこには見回りに向かう総ちゃんと土方さんと出会いました。
「飴もらった」
一人では消費することもできなさそうなのでお裾分けした。
不機嫌そうだった土方さんがちょっと雰囲気が良くなった気がした。私はしっかり見回ってこいと満面の笑みで送り出します。
「いってらっしゃい」
「やっぱり行くやめまさぁ。後は頼み」
「逃げんじゃねぇぇぇぇええええ!」
私とのんびりしたいと我儘を言いだした総ちゃんを土方さんがガシっと引っ張って強制的に連れて行こうとする。だが総ちゃんは不服そうである。
「いってらっしゃい、夕方になるまで帰ってこなくていいから」
「すぐに帰ってくるぜぃ」
「簡単に帰れると思うなよ」
バイバイと手を振って二人を見送るミッションは無事終了である。
よしうるさいのは去った。あとは……、
「ジルちゃ―ん!パパとかくれんぼでもしようか?それとも肩車してあげようか?ああ、それともお人形さん遊びとか?」
突如背後に出現するゴリぱぱ。ハート飛ばしながらさも子煩悩溢れることばかり連発してくる。だが精神年齢大人な私にはこれほどキツイものはない。
耐えろ、耐えるんだ、私…!
ギリギリと奥歯鳴らして精神的ダメージの軽減を図ろうと模索した結果、妙案を思いついた。そうだ、これを利用してしまえばいいのだ。
「……私~、かくれんぼがいいなぁ~?」
上目使いでゴリぱぱの服をちょいっとあざとく引っ張れば、
「ぐふぅ!ナイスアングル!」
と吹き出しながら鼻血を噴射したゴリぱぱ。しかも親指ぐっと立てて何が喜びのポイントだったのか、理解に苦しむ。ちょっと怖いと思ったがどうやらゴリぱぱには私の子供光線が効くようだ。うむ、結果オーライである。他の対象にも試してみる価値はありそうだ。
一応養子の立場としては仕事すべきだと諭したほうがいいだろうが、今は外へ行くことが最大の目的。あとでゴリぱぱが土方さんに叱られようとも、私は一切存ぜぬで通してやる。
「よぅし!じゃあ俺が鬼になるぞぉ?」
どうでもいいから語尾伸ばさないで欲しい。そこまで精神年齢子供じゃない。
とかいいつつ、突っ込むとややこしくなりそうなので今回はなしだ。笑顔でこっちも乗り気をアピールしてみる。無論、わざとだが。
「じゃあ隠れなきゃー」
「10数えたら探しにいっちゃうぞぉ~!」
どうぞ探してください。その頃にトンずらしますわ。
私はそそくさと適当な隠れ場所を探し出すため靴を履いて玄関から走り出した。
庭先の木の下で10数えた頃ゴリぱぱは、
「きゅう、じゅう!!ジル~、どこだ!!」
童心のようにはしゃぎながらごそごそと辺りを探し出しました。その時、私は草むらの陰に身を潜めていました。そんじょそこらの餓鬼ではないこの私に気配を完全に消し去ることなど朝飯前である。どっかで見つけた布きれを頭にかぶって(どうやら相当私は目立つみたいなので)スタンバイおっけー。
「もーいーよー」
大声でゴリぱぱに叫びながら私は足腰に力をこめその場から跳躍する。
シュタッ!と高い壁を難なく乗り越え塀の上に立つことができた。
元の姿と今の幼児の身体能力はそう大差なく発揮できるらしいと実感し未知なる世界へと足を運ぶため
「行ってきますか!」
私は期待に胸を膨らませながら小柄な体で再び足を進ませた。布で隠した銀色の髪を風に躍らせ口端をにぃっと吊り上げぽっけに大量の飴を膨らませて。
【小さな女帝は行く】
死んだ目の男視点
あー、腹減った。おなかがぎゅるるるるぅぅと唸って仕方がないぜ。
それどころか、息絶えそうだ……。それもこれも先日拾った、大食いの夜兎に遭遇してしまったのが運のつき。アイツは人間バキュームといっていいほど食べ物を吸い込みやがる。
今の俺ん家の冷蔵庫は食料がすっからかんだ。いや、普段でもそれだけどな。
「…あー、糖分切れだ…」
栄養不足で地べたに倒れこむしかない。どうする、俺。
明日の朝刊の見出しに『かぶき丁の銀さん、糖分不足で行き倒れ!?』なんて記事にされたら。………有名人じゃん。
いやいやいやそれ以上に恥ずかしー!って展開になるだろっ!?
……くだらねこと考えてないで何とかすっか。いやでもな、力でねぇわ。
「飴、いる?」
「あ?」
心地の良い、声。幼い…そう、幼い少女の声だ。
幻聴まで聞こえてくるとは俺はヤバいとこまで来ちまってるのか…。
だがなんとなしに顔をあげてみて幻聴ではないことがわかった。
俺の前でしゃがみこんだ餓鬼。見たことがない服装というか、和と洋をコラボした服装で大きな布を頭からかぶり顔ははっきりとしない。
いや、一つだけはっきりしている。
餓鬼は俺に小さな手を差し出していた。両手いっぱいに飴玉を乗せて餓鬼は再度俺に尋ねた。
「飴、いらない?」
もちろん、俺は餓鬼の好意に甘えた。見ず知らずの餓鬼に、だ。
「いやぁ、銀さん助かった助かった」
子供に助けられる俺。二人並んで駄菓子屋のラムネを飲むことになったが、俺は一切金を出していない。二人分子供が支払った。つまり俺はおごってもらっている。
見ず知らずの通りすがりの子供に、だ。
相変わらず顔は隠していて見えないが、ところどころ隠し切れない髪がちらほら見える。
その髪の色に驚いた。銀色、俺と同じかと思ったが俺以上に輝くような銀色。ラムネを両手で持ち、んぐんぐと飲んでいる姿は胸がきゅん!と鳴ってしまうくらい愛らしかった。
「よかったね、行き倒れてる人いるからびっくりした。死んでるかと思ったけど」
「いや、銀さん死んでないから、ちょっと糖分足りなくて寝てただけだから」
「でも死んだ目してるからやっぱ、死んでるの?」
「いや、銀さん死んでないから、ちょっと糖分足りなくて寝てただけだから。ってこれ2回目!?俺2回同じこと言ってんの!?」
「やっぱり特殊な人間が多いんだ、行き倒れで糖分必要としてる種族初めてみた」
「聞き捨てならないから、種族ってなんだよ!?糖分しか接種しない人間ってなに?!もはや人間じゃねぇぇえぇええええ!」
「え、人間じゃないの!?じゃあ宇宙人……私初めて会った!サインください!」
「ちげぇぇえええええ!」
「え、違うの?じゃあ進化した人間?」
「いいからその話題から離れてくれたのむから」
「……じゃあおじさん、何人?」
「おじさんじゃないおにーさんと呼びなさい。生粋の日本人だよ、逆に聞きたいよ!オメーの母ちゃん何人ですかぁぁぁあ?」
この俺が少女のテンポに巻き込まれていくとは、あなどりがたし。
俺の叫びに少女は意外な台詞を放ってきた。
「母親?うーん、愛人」
「っ!」
「答えたよ、愛人って」
無邪気に俺を見上げる瞳は何も言えなくなった俺と対照的であった。
「おまえ…」
目の前の少女はなおも言葉をつづける。
「あ?産みの方じゃなくて育ての方?あまり記憶にないからなぁ。しいて言えば生きてた人?アハハ、それも可笑しいか!」
「…………」
「ん?どうしたの、おにーさん」
少女は俺が黙り込んだことで不思議そうに立ち止まった。
「わりぃーな」
ぽんっと少女の頭に手を置いた。少女は意味がわかっていないようだった。可笑しそうに声を出して
「変なの!もう死んでるから関係ないのに」
異様だった。まるで親などいないのが当たり前かと言うほどにこの子供は淡泊すぎた。
少女はラムネの瓶を片づけるといきおいよく俺の腕を引っ張った。さっき見せた子供らしからぬ姿を消すように無邪気な子供の顔を浮かべる。
「おにーさん色々教えて?私この土地にきたばっかりだから全然知らないの」
「引っ越してきたのか」
「うん!」
俺は少女を連れてかぶき町を色々まわった。
少女は興味津々に俺に質問ばかりぶつけてきてそこは年相応というか子供らしい一面をみれたかもしれねぇ。
でも、やっぱり違和感が残っちまう。
さっきの『愛人』って言葉を言うとき顔が歪んだ。嘲るように、心底汚いものを思い出すような拒絶した横顔。
「あのーおにーさん。どこ向かってるのか尋ねてもいい?」
「あ、大串君の家」
「誰?大串君って私、知らないわ」
「いつも瞳孔開いてる男」
「…………」
少女はぴたりと歩くの止め眉間に皺をよせる。必然的に俺も同時に立ち止まった。
「なにしてんの」
「そこはいきたくない。大串君がどんなひとかわかんないけど、そっちの方向はヤダ!」
うぅ~、小さく唸りながらだだをこねる姿は親を困らす餓鬼そのもの。少女は俺のズボンをぐいぐいと引っ張ってぶんぶんと顔を横に振った。それほどに嫌か。
うるうるした瞳と上目遣いに胸がどきゅん!とまた鳴った。
よく見るとコイツの瞳は黒ではなく紫であることが分かった。
「ね、そこやめて別のとこ案内してよ。大串君別にみなくていいから挨拶もしなくていいし」
「……お前、大串君に怒られるようなことした?もしかして悪いこととかしたんじゃねーの?」
もしや知り合いかと探りを入れてみる。
「う!?」
すると少女は図星と言わんばかりに変な声を出した。
それからしゅんと肩を下げ、叱られる数秒前状態。
「………逃げ」
「あ?逃げ?」
「逃げてきたの。ゴリ近から」
「ゴリ近って誰?っつか人間か?」
天人に捕まっていた、というわけじゃなさそうだが。聞き出そうにも少女はそれ以上口を堅く閉ざして喋ろうとしない。助けを求めるように小さな手が俺のズボンをしっかりと握りしめている点以外は。
しかたねーな…、また拾っちまう羽目になるとは。
「はぁ」
俺はため息をつきつつソイツを抱き上げた。見た目通りの軽さだった。
「およ?」
「そのゴリ近とかなんとかいうのが嫌なら俺のとこ来るか?」
「おにーさん家?」
「金も飯もねーしおまけに大食らいと眼鏡がいるけどよ。お前に嫌なことする奴じゃねーよ」
なんとなく放っておくことができないと思ってしまった。
だが、少女は俺の問いの的確に痛いところを突っ込んでくる。
「お金なくてご飯もなくておまけにいっぱい食べる人がいるとこに私みたいな子供がいったら余計に家計圧迫しちゃうよ?…それにゴリ近が嫌だから逃げたんじゃないの、情報が欲しかったから」
「情報、だと?」
子供が口にする言葉じゃねぇのは分かり切っている。コイツは普通とはどこか一線を引いている。そんな気がした。
「うん。全然知らないとこだから情報が欲しかったの。この土地を収める人間はなんなのか、国家はどんな風に成り立っているのか、他国との情勢、宇宙人みたいなのがいる理由、この国の人の暮らし、人種、とにかくいろんな事全部ね。だってやっぱり何も知らないで保護されてるのも気持ち悪いし私の性分じゃないわ」
「……」
「ゴリ近が嫌なわけじゃない。私が勝手に抜け出しただけだから心配してくれてありがとう、おにーさん」
ほんわか笑顔で礼を言う少女は降ろしてとの催促される言葉のまま地面にそっと降ろした。
「おにーさん、今日は色々教えてくれてありがとう」
俺にお礼を述べ少女は自分が行くのを嫌がっていた『大串君の家』の方向に走っていった。なんとも不思議な日だな。
あ、名前言わなかったじゃんか、アイツ。
結局、『ゴリ近』が人なのか天人なのか、わからねぇ結果になった。
【どうにもしっくりこねぇな】
どうもジルです。夕暮れ時お夕飯の時間ですね。歩きまくったらおなか、すいた……。
今私は屯所に近い電柱の側に隠れています。はた目からみたら私って結構怪しいかもしれん。でものこのこ出るわけにはいかないよなぁ。なぜかというと、屯所の前では…
「おい!ジルちゃん見つかったか!?」
「…いや、まだだ、情報は…ないな。手が空いている隊士たちにも言ってはあるが、なかなか…」
「局長の様子はまだアレなのか?」
「……ああ、まだアレだ……痛ましいな……」
意味深な台詞だけ残して隊士2人は屯所の前から走り去っていった。
どうしましょう。局長ってゴリぱぱを示していると思う。しかもかなりの隊士たちが総動員して私を探してるのか……。大事になってしまった。
ちょっと情報を仕入れるつもりだったのに出るに出れないとは。
そういえばとさっきのおにーさんは人が良すぎる。道に行き倒れた人は初めてみたけど飴で復活するとは思わなかった。死んだ魚の目をした人だったけど丁寧にここの事を教えてくれたし。ゴリぱぱからの事を話せばだったら俺のとこ来るかとまで言ってくれた。見た目と違ってお人よしすぎて苦労しそうな性格だと思った。
さて私よ、これからどうするか。ずっとこのまま電柱の陰に隠れているわけにもいくまい。考えあぐねいた結果、
「………素直に謝るか……」
これが一番いい選択だと判断。隊士さんが言っていた局長がアレになってるという言葉もすごく気になってしかたがない。出た時と同じように塀の上に跳んで一気に庭の草むらに忍び込んだ。うん、ここまではばっちぐー。さて、この先が問題だ。人は複数いるようだ。だが気配はそこかしこに移動をしていてすぐ鉢合わせなんて状況にはならないはず。
皆忙しないな。様子をうかがっていた、その時!
何かどよよんとした暗い雰囲気を背負う人影が建物の床下部分から出てきた。
「ジルちゃぁぁぁああああんん~、もう出てきておいでぇぇぇえええ~~~。ぱぱの負けでいいから……ぱぱお手上げ侍だから~~~………ぐずっ!うぅ~~」
鼻水だらだら、涙ぐちょぐちょ。床下から這い出てきたので服も泥だらけ。
「ジルちゃぁぁぁああああああああんん!」
手で顔を覆って本格的に泣きだしてしまった。
私は、言葉を失ってしまいました。
まさかゴリぱぱは、この時間までずっとこの屋敷全体を探していたのか!?
隊士の人が言っていたアレというのは、この状態だったのか……
なんつー、純粋な人だ。
子供のいう事なんか諦めて仕事してればいいのに、そのうち出てくるだろうって考えればいいのに……。
彼は真剣に探してくれたんだ、と思ったらすごい罪悪感が私を襲った。
うぅ、悪いことしたなぁ~。
やっぱり一言言って出てくるべきだったな。
世話になる身でありながら軽率だった。
よし!もういっちゃおう。
私は草むらから飛び出て、おいおい泣いているゴリぱぱに背中から抱きついた。
むぎゅ!
「ぱぱ」
「……え、ジルちゃん…!?」
私が出現したことに気がついたゴリぱぱは、みるみる内に表情を変えていく。怒られること覚悟して謝ろうとした、その時
「よかった」
の一言と大きな腕の中にいた。
「え」
「………見つけられてよかった…」
くぐもった声と安堵しきったように私を逃がすまいとする逞しい腕。
「……」
「…いいんだよ、今日はたくさん、楽しめたね……ジルちゃんが楽しめたんなら、俺も楽しめた」
「…で、も…」
「君が帰ってきてくれてのが一番、俺は嬉しいさ」
この人……全部、わかってたんだ……。
私が外に出たいって思ってたことも、かくれんぼだって言って塀よじ登って出て行ったことも。全部わかってひっくるめてこう言ってくれてる。今まで演技で探していてくれたこと。それら全て私の為だったこと。
そう思ったらホントに自分が悪いことしたんだってわかって涙が自然に溢れた。
いい歳して泣くなんてなさけないけど、でも自分が完璧に悪くて自分本位で動いてしまった。それが私の当たり前だったからどこの世界でも通用すると思った。
「ご、ごめんな……」
「ジル。お帰り」
「!」
ゴリぱぱは、そう言って笑った。私の涙腺は一気に壊れ
「ごめんなさい……ごっごめんなさい!」
滝のように落ちる涙。ゴリぱぱは黙って抱きしめてくれました。
ただ、良かったって言ってくれた。
皆に心配かけてすいませんでした!
大声で謝った。怒るのが当たり前なのに
皆は私が無事だったことを心から喜んでいてくれて、また私の涙腺がこわれてしまいました。
でも、この屯所のみんなに出会えたことは本当に良かったと思った私でした。
まだ完全には信用していなかった私だが素直に人を信じられたらどんなに素敵だろう。でも私には無理な話だ。だって根本からそうなっているんだから。
総ちゃんが疑り深い視線を向けてくる。
「ジル、今日ホントに屯所の中にいたんだよな?」
「いたよ」
「……ジル、目が明後日の方向向いてるぜぃ」
「う!」
「お前、素直だな」
隣で総ちゃんと同じく疑り深い視線を投げかけてくる土方さんがぶにゅっと私の頬を両手で挟む。
「ぶーぶー」
「豚か、お前は…」(でも可愛いから許す)
「…今日、ジルちゃんみたいな年齢の子を連れまわした銀髪の怪しい男っていう通報が入ったんだよ」
やっちん、こと山崎君が心配そうに私を見ていた。無論疑いも含めてだ。
三人に詰め寄られて私は何も言えなくなってしまった。
「………」
すると体がふわっと浮いた。一気に高くなる視線。気がつくとゴリぱぱが私を抱っこしていた。
「今日は一日中、俺とかくれんぼしてたもんな?なぁ~?」
「ゴリぱぱ…」
「近藤さん」「局長…」
「っていうわけで今日は俺と一緒に寝よう、ジル」(パチン☆)
「………うん!」
ジルちゃんからジルにれべるあっぷ。距離が近くなった。色々とね。
私が年齢的には上だけどでもこの人の方が大人だって素直にそう感じました。
【だからって布団が一緒とは限らないぜ!】