自称幼女は銀魂世界でぷりちー天使あいどるにレベルアップする。 作:サボテンダーイオウ
どうも。ゴリぱぱとちょびっと距離が縮まったジルです。
仲良くなれたのは私も嬉しいですよ。ええ、嬉しいですとも。
たとえ、ベタベタ引っ付いて離れようとしなくて屯所の中、歩くにも
「ジル、どこ行くんだ??」
「トイレ」
「一人で行けるかい?俺も一緒に行こうか!?」
「結構」
とな、またまたこんな時も…。
「ジルちゃぁぁーん!ホラ、リンゴ買ってきたぞぉぉ!!パパと一緒に食べようよ」
「ありがと、でもご飯食べた後でキツイから明日食べるよ」
「そんなっ!?せっかくジルの為に買ってきたのに……うぅ~。どうせ、俺なんか俺なんか……!」
「…………1個だけなら食べる」
「よぉぉっし!ウサギさんにしてあげようかぁぁああああ!」
切り替えはやっ。包丁持ったまんま、浮かれないでほしい。どうしよう、地獄から一気に天国に移動した人みたい。嬉しいけど本心から信じてくれたのは嬉しいけど。
正直、ウザイ!叫びたい、叫びたいよ!
うぉぉぉおおおおおお!!!
お前マジでウザァァアアアアアアア――――――――!って。ちゃぶ台あったらブン投げてるはずだ。私の視線の先にはルンルン♪鼻歌歌いながら華麗な包丁さばきでリンゴをむいていく。アッと言う間に、
「ウサギさん!ほら、ジル?ウサギさんできたよ!?うまくでき」
グサッ、ぽいっ、むしゃむしゃ。
「うん、旨いね」
「上手いの字が違うよぉぉぉおおおお!嬉しいけど違うからぁぁああああああ!」
絶叫しながら涙ながすって器用だよね。私より上手いウサギさん、切りやがって。
ムカツクからさっさともしゃもしゃ食ってやった。
なんですかね、この人は。前よりもウザさに磨きがかかったよ。
「ジル?あ~んしてあげようか??それともしてくれる?」
「してあげるよ。ホラよっ、あーんしろっつか口開け、オラ!」
「モゴぉッ?!」
残りのウサギさんを一気に口の中に投入してやった。全部ね。どうだ、嬉しいだろう。
あがあが言ってる人は無視しよう。新聞紙が近くにあったので、それに目を通す。
……ふむふむ、今売れっ子アイドルお通ちゃんというのが人気があるらしい。
過激すぎるファンクラブが急上昇。いつの世もアイドルってのは大変だねぇ~。
んで、次はハタ皇子のペットがぐちゃぐちゃのスプラッタにされた?ハタ皇子って誰?写真載ってるけど、触覚がある。人間に触覚ってあったっけ?
不思議に思いやっとリンゴを呑みこんだゴリぱぱに聞いてみた。
「ぱぱ、ハタ皇子って何人?」
「ん?ハタ皇子?天人だよ、それいつの新聞だ……」
そういってどれどれと日付を見た。すると先週の新聞だなと言いました。
先週だろうが今週だろうが私にとっては全部初体験です。
「天人……宇宙人みたいなモン?」
「そうそう、宇宙人。ジルは天人に会いたいのかい?」
「会いたいっていうか、もうすでに会ってる。魚に」
「ジル、……大丈夫」
「お?」
ゴリぱぱの手が私の頭に乗せられなでなでしてきた。訝しむ私を彼は真剣に見つめ
「俺が、いや皆が守るから大丈夫だ。もうあんな怖い目にあうことはない」
「ゴリぱぱ…」
心配して元気づけてくれているらしい。でも心配ご無用だ。
なんせ私は奴らにもう一度会う機会を伺っているのだ。なぜなら私に手を出した制裁を与えるため。ええ、諦めてませんよ!網焼きしたみたいに焼き目をつけてこんがり焼き殺してやる野望はいまだメラメラ燃えてますわ。
ザ!!題して『魚人の網焼き』。
死んじゃってるけどおんなじの見つけたら実行してやる。
やられたまんまじゃないんスよ。
「クハハハハハ!今にみていろ、全て殲滅してくれるわっ!」
「何?!!悪魔の笑い声みたいな!ジルが壊れた???」
やべぇ。ワクワクしてしまい全て声に出てしまった。慌てて幼児のジルに戻る。大丈夫、ゴリぱぱは単純なので突然高笑いした幼児だろうとすぐに受け入れるはず。
話題転換の為にゴリぱぱの事について尋ねてみた。
「ね?そういえば、ゴリぱぱって好きな人いるんでしょ?」
「ぬぉ!?ジル、誰から聞いたの!」
「総ちゃん言ってたじゃないの。…それでゴリぱぱの好きな人って誰?」
ゴリぱぱはぽっと乙女のように頬をピンクに染めもじもじしだした。男らしくないオトメンさを見せられてもキショイだけである。がツッコむと面倒なのでスルーしよう。
「……お妙さんっ。きゃ、恥ずかし~」
「キモいわ」
だが条件反射でぺしっと新聞紙ではたいてしまった。
「ジル!?反抗期かいっ。お、親としてどうすればいいんだぁぁあああ!?」
「とりあえず専門書でも漁れば?」
「なんだい、それは!名案じゃないか。よし!ぱぱは頑張るよぉぉぉ」
いちいち雄たけびあげないでほしい。ゴリぱぱは私のアドバイス通り本屋へ行くと言い残して駆けだしていきました。ま、いいや。放置しよう。
しかし、『お妙さん』か。どんな女性なのか一度会ってみたいもんだ。
【スイマセン!家の娘が高笑いして困ってるんですがどうすればいいですか―!?】
春のうららかな日。廊下で寝そべっている少年発見!仕事してる時間帯だろうに総ちゃんは熟睡していた。起こしちゃ悪いかなと思ったけ、土方さんがまた探して乗り込んでくると思うので声をかけた。変な赤いアイマスクをしていて規則正しい呼吸をしている。
私は膝をつきその体に手をかけようとした。
「総ちゃん……うわっ!」
だが腕ごと引っ張られ彼の上に乗っかる形におさまる。
「ククク。ジル、引っかかった」
「…なんだ、起きてんじゃん」
なんと私としたことが狸寝入りに見抜けなかった。
そんなに面白いのか彼はアイマスクをずらし子供の悪戯が成功したように笑う。
「何がそんなにおかしいのさ」
ぶすっとした表情で彼に聞けば、
「ジルのびっくりした表情なんてレアだからな。写メに撮っておけばよかった」
と珍獣扱いされた。なんだ、それは。
「…っつか、離して」
ただの暇人に付き合う暇はない。せっかく起こしてあげようと思ったのに。
だがいまだ腕を彼につかまれてるので起き上がることができない。
「いやでさぁ」
「は?」
あっけにとられた瞬間、ぐるんと視界は反転した。私はいつの間にか総ちゃんの下にされていた。ぶつかり合う私の瞳と彼の瞳だが片方には欲情が潜んでいた。
「……綺麗な紫、だな」
するりと軽く頬を撫でられ瞳の色を褒められた。ここまではセーフ。
「それはどうも。…ちなみに私は幼児ですから盛るんだったら他のもっと大人な人にしてもらえません?」
そう、男女の秘め事には私には早すぎる展開である。そもそも、真昼間の庭先から丸見えな廊下でわざわざ汗かくことはない。乱れる必要もない。
「俺は一度だってアンタを幼児として見てたわけじゃねぇ」
「じゃ、ロリコンだ。総ちゃん、ロリだよ」
「幼児のくせしてよく舌が回るもんだ。案外子供じゃなかったりしてな」
顔を埋めて私の首筋に彼の髪がかかる。くすぐったい。襲われている気分だ。いや、まさにそうか。
しかし疑われてるということか。それは非常にまずい。幼児として保護してもらっているのに実は精神年齢大人だなんて怪しい実験でもされてしまいそうだ。
ここはちょっとカマかけてみるか。
「子供じゃなかったらどうするの」
「別に何も」
総ちゃんは至極簡単にあっさり拍子抜けするほど返してきた。
「何それ、変」
「人間まともな奴の方が何考えてるかわからないぜ?俺はもっとも変だからな。単純なんでさぁ」
「変で単純なら、さっさと退きやがれ」
用事だからってなめんなよ。徐々につかまれて腕に力が込められていく。普段はばれないようにセーブしているが今は使ってもいいだろう。投げ飛ばして目でも覚まさせてやる。そう思った、けど彼が言葉を紡ぐ言葉にピタリと動きを止めてしまった。
「アンタに惚れてる。ジル」
一気に私の瞳は限界まで見開いた。それから瞬き2回ほどする。
彼はこちらがたじろぐほどまっすぐに見つめてくる。穴でも開きそうなほどに。
「冗談?」
「冗談でこんなこと言わないぜ」
「どこで?」
「出会った時から、一目惚れ」
「…子供だよっていうか幼児ですよ?」
「だから別に気にしないって」
どうやら、総ちゃんは真面目に言ってるらしいが年齢差とか気にしない性格なんだろうか。
あまりの衝撃に顎が外れそうになってしまったがここは大人の余裕を見せるべきか。それとも恍けてかわしてみるか。
ストレートに来たのはいつぞや以来か。ちょびっとだけ照れてしまい戸惑いながらも礼を言った。
「…一応、まぁ、ありがと」
「どういたしやして」
「でも受け取れないから。その気持ち」
「ジルが子供だから?それとも」
最後の言葉は続けずに総ちゃんは切なそうに顔を歪ませた。
「………いずれ、わかるよ」
私にはそれしか言えなかった。どうせ時間が来れば自ずとわかること。
今ここで彼に伝えても理解してもらえないだろうし余計な手間だろう。
なんて考えていた私が馬鹿だった。あっと言う間に総ちゃんの顔が近づい、一瞬にして唇を奪われた。
「…………」
「頂き♪」
下唇をぺろりと赤い舌が艶めかしいとは女としてどうか。張り合いたい気もするが幼児に色気などありはしない。
「総ちゃん、ファーストキスとか?」
「全然」
「あそ。良かった」
「ジルはファーストキスだろ」
「残念違います」
「え」
まさかこの見た目でファーストキスだと思っていたのか私の答えに目を丸くした彼。
よし、チャンスと彼が呆けている隙をついて華麗に脱出。
「あ!ジル今の嘘だろ」
「さてどうだか」
私はたったかとその場から逃げた。それから総ちゃんのスキンシップが一段と激しくなり土方さんがそのたびに刀抜き出して乱闘騒ぎになった。
【我関せず】