自称幼女は銀魂世界でぷりちー天使あいどるにレベルアップする。 作:松魚
夕方それは食堂で忙しくご飯の準備をしているおばちゃんの言葉から始まりました。
おばちゃんたちのお手伝いをしていた私はその発言を聞き逃さなかった。
「あら、大変!土方さんのマヨネーズ切らしちゃってるわ」
チャンス!
「はい!私買に行く!」
しゅぱっと手をあげおばちゃんに猛烈アピールしまった。だって外に出る口実にも絶好のチャンスだ。逃してなるものか。
「でもジルちゃん。一人でお外出ちゃいけないって言われてなかった?」
「じゃあ、誰かに言ってから行く!ね?それならいいよね?」
「…まぁ、それだったら私も助かるんだけど…でもねぇ~、心配だわ…」
おばちゃん、しぶしぶお許しくださいました。
心配ねぇ~、と何度も言ってくれて嬉しいけどなかなか外に行けなくなった状況、好機を逃すわけにはいかない!!
おばちゃんから、とりあえずマヨネーズ5本ぐらいでいいからと、お金を渡された。
私は食堂を出て、屯所の仕事をする部署に行きました。
「ジルでーす」
ひょっこりと顔を出すとそこには見慣れた顔発見!
「ジルちゃん、どうしたんだい?」
最近私の癒しになりつつある監察のやっちん。だが彼は一人でミントンをしていた。
仕事を疎かにしているとは、告げ口して欲しいと私に言っているようなもの。でもやっちんは私の癒しなのでそんな卑怯なことはしない。
「おばちゃんにお買いもの頼まれたからお外行っていい?」
「ダメ」
即行に斬り捨てられた。だが、ここで負けれられるか。私はダッシュでやっちんの太ももにしがみ付き
「なんで?なんで?なんで!?」
と連発して駄目な理由を問いただす。
「危ないからだよ。俺がその買い物代わりに行くから、ジルちゃんはおとなしくしてなきゃ」
局長とか副長とか沖田隊長とか怒っちゃうよ、と私を脅すやっちんは、私の両脇に手を突っ込んで体を持ち上げた。軽々と抱っこされ「駄目だからね」と言い聞かされる。私は子供らしく頬を膨らませ抗議した。
「ぶぶー!危なくないもん」
「危ないって、ジルちゃんは可愛いから変態に誘拐されるかもしれないじゃないか」
「だったらやっちん。一緒に来てよ」
「え?俺が、いや俺が行くから」
「仕事放棄してミントンしてた事土方さんに告げ口すんぞ。いいんか?蹴りくらうで、ワレ」
「黒っ!?ジルちゃんが黒くなった!」
声音低くして言ったら信じられないような顔した。でも一緒に行ってくれることになった。
手を繋いでやっちん曰く絶対離れないようにだそうだ。フッ、逃走する時はしっかりついてこいや。ま、外に出れれば私はなんでもいいんのだ。こうして私はやっちん付きで屯所を無事にでることに成功した。夕方になるとやはり自宅へ帰る人などでかぶき町内は人の数が多かった。
「ジルちゃん、おばちゃんに何頼まれたの?」
「土方さん用のマヨネーズ、5本」
「え?5本で足りるの?」
「私が行くことになってたから私が持てる量で言ったじゃないかな?やっちんいるならもっと増やしてもいいかも。ところでマヨネーズ5本で足りないの?」
「足りないよ。なんせ、副長はマヨラーだから」
その言葉で納得できる。
「なるほど」
「ジルちゃんはマネしちゃいけないからね?」
「あの人以外にできる人間がいるならぜひ会ってみたいもんだ」
やっちん、ソレはないよそれは。
スーパーで目当てのマヨネーズ5本買ってついでにやっちんが内緒だよってジュース買ってくれた。ご飯前にお菓子類は食べちゃいけませんってゴリぱぱがうるさいのだ。
急に教育ぱぱに進化した彼から最近はお勉強やら習い事やら色々やらされている。
でも、剣術だけは教えようとはしない。護身のためにいいと思うんだけどね。私は体も動かせるしストレス発散もできるから一石二鳥だ。
けどゴリぱぱ曰く、ジルはそんなことしなくてもぱぱが守るから、いらないの!だって。
でも体動かさないとなまっちゃう。戦闘狂と言う訳じゃないけど毎日それなりに運動をこなしていた私には窮屈すぎる。あいにくと愛用の刀は置いてきてしまい身を守る武器が欲しいが子供には不釣り合いなのだ。
場所が場所なだけに許可さえもくれない。武器よりもぬいぐるみが似合ってるよとゴリラのぬいぐるみを渡された時はその場で思いっきり踏みつけてやった。
あ~、暴れてぇ~。
どっかでストレス発散しないと爆発しそう。でも久しぶりに外に出れて今日はいい気分転換になった。
「よし、ジルちゃん。そろそろ帰ろうか?」
「うん」
やっちんが手を伸ばしてきたので自然な動きでその手を取る。見上げて微笑んでみるとやっちんもつられてへへっと頬を緩ませた。
ほのぼのしてていいなぁ~、なんて思ったほっこりとした時間は一瞬で消え去った。
「うぉぉぉぉおぉおおおおおおおおおお!」
突然すごい雄叫びというか叫び声が通りに響いたのだ。ご近所迷惑通り越して何かのパフォーマンスかと思ったくらいだよ。やっちんは驚きながらも素早い動きで私をすぐに抱き上げてささっと後ろに退く。何やら向こう側から土ぼこりを起こして疾走してくる何かがやってくる。大きい動物?…よくよく見れば犬のようだ。でも犬にしてはデカすぎるような気がする。しかもその犬に引きずられていく人間の姿があった。その人物は大声を上げながら通行人を端に追いやる。
「どけどけどけぇぇぇええええぇえぇええ!」
「「あ!」」
私とやっちんは同時に声をあげた。なんと必死にぶら下がっている人物は、あのときの行き倒れのおにーさんではないか。
足が地面に擦られつつ犬のリードを離すまいと必死な形相をしていた。そしてアッと言う間に土煙起こして去って行った。ものの数秒の出来事である。
やっちんが声をあげて驚いていたがもしかしてあの人と顔見知りなのかと思い、それとなく聞いてみることにした。
「ねぇ、やっちん。あの引きずられてた人やっちんの知り合い?」
「うん、知り合いって言えば知り合いだね。坂田銀時って人だよ。万屋やってる人なんだ」
ほうほう、あの人は万屋か。なんでも屋みたいなものと考えてよいかな。
「じゃああのでっかい犬は?」
「最近飼いはじめたらしいよ、ペット」
「…ペット…」
その言葉が私の胸に響いた。
そういえば、シロとゴーラちゃんどうしてるだろうか。
ずっと一緒にいることが当たり前だったから淋しいだなんて感じたことなかったけど今は一緒じゃない。
ずどーんと一気に私は暗い雰囲気を背負った。やっちんはぎょっとしながら、
「ど、どうしたの??」
と心配してくれけど屯所帰っておばちゃんにマヨネーズ渡してあとは部屋に閉じこもった。
ゴリぱぱとか、土方さんとか総ちゃんとか、声かけてくれたり部屋にまできてくれたけど私は布団にもぐりこんで軽く引きこもり。
【だってね、私だって寂しいもん】
ジルの部屋はうるさいことになっていた。
「ジルが引きこもりになってしまった!?俺はどこで教育を間違えてしまったんだ!」
「ジル。メシくわないと大きくなれねーぞ」
「しかたねぇ、俺が口移ししてやりまさぁ」
そういって総悟はジルの布団に潜り込もうとした。が、近藤と土方が二人がかりで止めた。
「「総悟!!」」
「チッ」
舌打ちしつつやっぱり総悟もジルが心配な様子。
「………ジル、一体何があったんだ」
「…………」
ジルは沈黙したまま微動だにせず布団の中から出てこようとしなかった。
影が薄いが山崎もちゃんと存在していた。ジルの部屋に。
「ジルちゃん、俺と買い物が終わって帰ろうかって時に様子がおかしくなってそれからこんな調子なんです」
「山崎、テメー“一緒にいながらジルに何してんだよ!」
「ちょ!?俺ッスか!」
怒気を散らしながら山崎の制服の襟を締め上げようとするがジルはか細い声で「やっちんは違うよ」と山崎を庇った。
「じゃあ何が原因なんだ?」
「シロとゴーラちゃんに会いたい」
もぞりと布団から頭をだし今にも泣きそうな声をだした。
「シロと、ゴーラちゃん?」
「うん……あいたい」
うるうると瞳いっぱいの涙を浮かべジルはまた布団にもぐりこんでしまった。
不謹慎にもドキンと胸をときめかせてしまった、男ども。
なんだこの小動物は!?
この幼児が我々人類と同種であることすら疑ってしまうほど男どもとっては衝撃だった。
「…そのシロとゴーラちゃんってのはどういう動物なんでぃ?」
「そうそう、もしかしたら探せるかもしれないし」
「こっち来たときにはぐれしまったんだろうが。捜してきてやるよ」
「ジル!!ぱぱに任せなさい!!ぱぱの権力使って探しまくってみせるよ」
とにかく男衆は必死だった。どうやったらこのぷりちーな少女の機嫌をよくすることができるのかと模索するも先にジルが思いついたのはごく簡単なこと。
「あ、宅配で送ってもらえばいいんだ!」
そういって布団から飛び出たジルは急に動き出して呆ける総悟に携帯貸してと催促。
総悟は言われるままジルに自分の携帯を貸した。ジルは手慣れた様子で番号を打ち込んでいく。幼児の手には大きすぎるので両手使いだがその打ち込み速度と言ったら目を見張るものがある。最後まで打ちこんだジルは耳に携帯を当てた。
「……もしもし?私、私ー。あのさー、ちょっと頼みたいことがあるんだけど、いいかな?え、オレオレ詐欺は間に合ってますから!?ふざけんじゃねぇよ!私だって言ってんだから私だっつーの!ひつじてめぇ、舐めたマネしやがってると承知しねぇぞ、ああ?スイマセンスイマセン連呼して本気で心の奥底から謝ってんのかよ、本気で謝るってのはなぁ、何百回って数をバネにしてもっとすげぇ数を叩き出してなおかつ額の毛が消滅するぐらい、いや頭の毛根消え失せるまで床にこすり付けて土下座するくらいの心意気がなくちゃ駄目なんだよ!ひつじてめぇ、草食動物だからって人間舐めてんじゃねぇよ!リーマンの親父はすげぇんだよ、それくらいの事毎日やってんだよ、家族の為に自分の毛根死滅させてまで必死に汗水働いてんだよっ!ああ?それでもわからねぇようだったらお前のモコモコの毛をバリカンでゴリゴリ削ぎ落としてやるよっ!分かりましたらそれだけは勘弁してくださいって?だったら神男出せやッ。今すぐ出しやがれ。…あ、もしもし?神男?私だけどシロとゴーラちゃん宅急便で送ってくれない?もう寂しくて寂しくてたまんないんだよね……ハァ?今なっつた?メンドクサイからしたくない?ふざけんな、貴様のせいで私はこっちに落とされたんだぞ!?魚人に奴隷扱いされて首輪までご丁寧にやられてあやくう身売りされるとこだったのにそれを貴様がのんきに、面白そうだからなんとなく落としちゃえ☆みたいな気軽な気持ちで実行しやがるから私はそのたびに胃がキリキリする思いを感じてるってのに!全部お前が諸悪の根源んじゃないかぁ!………え、精神不安定じゃないか、だと!?誰のせいでこうなった思ってるっ!え、わかったから黙れ?すぐ送ってやるから待ってろ?じゃあなって!ちょっと待て!まだいいたいことっ」
ブツっ!ツー、ツー、ツー………
「ッチ!切りやがった、あの野郎……まだ文句言い足りないってのに…」
花も恥じらうほどの可憐な容姿に汚い口調を平気で使う幼児。これは夢だ、夢なんだと必死に現実逃避しようとする男衆。しかし、これは夢ではない。まっこと、真実であり現実なのだ。
「「「「…………………」」」」
ギロッ!
まるでその睨み一つで虎さえも倒してしまえるのではないかという気迫があった。いわゆる八つ当たりである。
「なんか言いたいことでもあんの?だったらかかってこいや。……今なら全力ではったおせる自信あるわ。見た目幼児だからってなめんなよ」
「「「「何もありませんっ!ジルの姉御!」」」」
男衆は見事同時に土下座をしこの幼児に逆らうような馬鹿な真似は死んでもしない、と固く心に誓った。
【お腹減った~】
次の日の朝、
「ちわーす、宅配便でーす!」
「待ってましたー!」
大型トラック横づけで現れたのは、数人の男が厳重に梱包された大の男の丈ほどありそうな箱だった。それを隊士達の力を借りて中の方に入れてもらう。
ジルはウキウキとその様子を心待ちしていた。土方と山崎が玄関口でジルの可愛さに浮かれつつもあのデカさには驚いていた。
「…デカすぎじゃねぇか…」
「アレのどこかペットなんでしょうね」
運び込まれてくるのはそれだけではなかった。
檻らしきものもあった。今は中身を確認することができないが暗幕ようなものが上からかけれていて時折獣のの唸り声ようなものが聞こえるのは気のせいだろうと男たちはそれを直視することはやめた。
「…ジルの奴、このSな総悟様から一時でも主導権を奪わせるとは……なかなかやる俺の嫁だぜぃ…」
「違うよ!ジルは俺の娘なのっ!嫁になんか一生やらないからっ!?」
総悟の中でジルのあの態度で意外な快感を得てしまった事を認められず照れ隠しに発言したのに対し、絶対に認めたくない近藤は涙&鼻水たらしながら、必死に反対しまくる。
男衆の事など興味ないジルは宅配員にサインをしさっそくその只ならぬ気配を感じさせる檻に近づき暗幕外しにかかる。
「シロ~、ちょっと待っててね。すぐ出してあげるから」
「俺も手伝うぜ」
んしょんしょと総悟とジル二人で暗幕を下した。すると現れたのは
『グルルルルル……』
と獰猛な鳴き声をあげる見事な体躯の大きい白虎だった。大の男をも簡単に喰われてしまいそうなデカい虎。もう一度リピート。獰猛な鳴き声をあげる見事な体躯の大きい白虎。
『ガゥゥルグググルルルルゥゥゥゥウ!』
「「ちょっと待てぇぇぇぇえええええいいい!?」」
見事な動作でジルを間一髪抱き上げ鍵を開けさせないことに成功した土方と山崎。
「は?何すんの」
「お前アレがなんだか分かってんのか!?」
「ジルちゃん!アレは絶対気軽にペットなんで呼べる代物じゃないから!」
「ちょっと俺の嫁さんにちょっかいだすんじゃねぇよ」
青筋浮かべながらジルを土方から奪取した総悟。
「こんな時に嫁発言はやめてくれ!」
「こんな時でも自分を見失わない、これが俺のポリシーでさぁ」
「どんな自分の貫き方だよっ!?」
さっきからブランブランと人形のように扱われるジルを見ていたシロは暴れ出した。
うちの主になにしてんだよっ!それで遊んでいいのは俺だけだって。
体ごと檻に体当たりしてジルを助け出そうとする姿にジルは微笑ましいものをみるように嬉しそうに言った。
「相変わらず元気だね、シロ」
「「「そういう問題じゃねぇぇぇええええええ!」」」
屯所にいまだかつてない緊張感が走った。
見物人していた隊士たちも刀を抜き出しいつでも最年少あいどるジルちゃんを守らんと冷や汗たらしながら、獰猛な獣を警戒する。
俺たちの癒しを奪われてなるものかぁぁああああ!
一気団結した隊士たちは皆、心の中で叫んだ。ついに白虎は檻を破壊した。
『ガゥゥルグググルルルルゥゥゥゥウ!』
後方の方でジルの周りを固めるのは沖田、近藤、山崎、そして土方である。
「いいか!?ジルに手出しさせんじゃねぇぞぉぉおおおお!」
土方の叫びに隊士たちは呼応し、
『ウォォォオオオオオオオオ!』
とやる気を見せた。そしてむさ苦しい男どもに囲まれ守られる立場となった我らがお姫様、ジルは
「なんでこうなるの?」
と首を傾げる始末。己が生み出した危機的状況を指の先ほども理解していない辺りやはり大物である。
さて、緊迫した状況の中ジルの愛しのペットであるシロはとりあえずジルをぞんざいな扱い方した男どもが気に食わない様子で見事な牙をちらつかせ男共を睨み付ける。
「グルルルルルルゥゥウゥウウウウ……」
総悟に抱っこされたままのジルはどうやらおなかすかせているのかと勘違いし一応隊士の皆に注意勧告をした。
「皆、今シロはおなかすかせてるみたいだから餌にならないようにね?シロも人間食べちゃダメだよ。逆におなか壊しちゃうから」
「「「「「どんな叱り方!?そして食べられるのはイヤァァアアアアアアアア――――!」」」」」
一目散に隊士たちは逃避行の旅に出た。結果、隊士の防御はなくなりシロはどうやら獲物を決めた様子。鋭い爪を出しながらその獲物に襲い掛からんと地の足を蹴った。
「グルルルルルル」
「チッ!」
土方が遅れながら刀を握りしめ白虎に狙いを定める。一発で仕留められるかそんな不安が土方の頭をよぎった。だが彼には頼もしい仲間がいた。土方の右隣に出たのは、
「副長、一人でかっこつけないでくださいっ!」
「山崎!」
そして左側には、
「トシ、一人で行こうとするな」
「近藤さん!」
にぃっと土方に笑みをおくり土方は頼もしい仲間が今並んでいることに身を震えさせた。
こんな時こそ、侍としての底力を見せてやるとき!
そんな気概が土方の中で生まれ、腹の底から大声をあげた。
「よし!……かかってこいやぁぁあああ!」
ここで散るわけにはいかねぇ、侍魂ってもんを叩き込んでやる!
そう、土方達は覚悟したのだ。武士として。ジルのペットであることをすっかり頭から飛ばして勇猛果敢に挑もうとしていたのだ。
今にもシロのキラリンとした研ぎ澄まされた爪が襲い掛からんとした、その時!
バキャァァァァアアアアア!!
「何だと!?」
「箱が、粉砕されたっ!」
「土煙で何も見えない!」
と、土方たちが驚きながら説明をしたので簡潔に説明するがあの丁寧な大型の箱がいきなり、破壊されその中身か突如姿を現したのだ。総悟もそれには警戒してジルを抱っこからおんぶに切り替え、腰の刀に手を添える。
「なんでぃ、アレは……」
言いようのない緊張感、人ともとれぬ並々ならぬ気配。
心臓がバクバクと激しく鼓動し極度の緊張感から呼吸が漏れる。それは土方たちも同様である。未知なる脅威に唯一、平然としているのはジルただ一人。
ついにその箱を突き破って出てきた者の正体がわかるときがきた。
視界が開けそのシルエットが徐々に明るく照らし出されていく。
皆、驚愕してしまった。なぜならそれは予想だにしないものだったからだ。
ジルは場違いなほど嬉しそうな声を出した。
「ゴーラちゃん、起きたんだねぇ」
その未知なる者を目の当たりにした近藤達は驚愕のあまり刀を落としてしまった。
「う、そだろ」
「あれが、ゴーラちゃん…」
「ジルちゃん……ぱぱ、ショックで立ちくらみ起きそうだよ」
口パクパクさせて何も言えないこれ以上何を言えばいいのか。
総悟が冷や汗たらしながらも一応感想を述べた。
「……ジルのペットって、金属の塊だったんだな」
「うん。正確には殺戮兵器人形だけどね」
グォングォングォン……と不気味な音を出しながらその『ゴーラちゃんは』ズゥゥゥウウンン!と佇んでいました。
「「「そういうことじゃねぇぇぇぇえぇえええええええええええええええ!というか殺戮兵器人形とかもっとやべぇぇ―――!!」」」
屯所にて漢をみせた者たちの叫びが空しく木霊した。
ジルの愛猫 白虎、『シロ』。もう一人のペット 殺戮兵器人形、『ゴーラちゃん』登場也。
【ゴーラちゃんは嬉しそうにジルを抱き上げて感動の再会を果たした】
シロ(固定)
不明
白い光沢あるふわふわの毛並のヒロインのペット1号。子猫から大虎に変身可。気に入った相手は踏みつぶして甘える。主の命令には忠実。
ゴーラ・モスカ(固定)
3歳児
全身金属の殺戮兵器人形でヒロインのペット2号。
ヒロイン命であり彼女に危機が迫るととにかく抱えて逃げるという習性がある。主に家事・炊事・洗濯が得意。