「お出かけがしたいです!」
ある日の朝食を食べた後、私はアリスさんにこんな事を言った。当然アリスさんは驚く。そして少し考えてから
「分かったわ。でも、私の他にもう一人つくけどいいわね?」
「はい!もちろん。」
結構、簡単に決まった。
何の目的もなく、出かけようと提案したわけじゃない。幻想郷の色々な所に行って、ここがどんな所が見てくる。…と言う建前の元、外の世界で毎日書いていた絵が書けなくなったのでいい場所を探しに行く為でもある。おお、頭が悪い私にとっちゃ、結構いいアイデアじゃない!?偉い!緋色ちゃん!日本一!
「…緋色。顔がにやけてるわよ。」
「へへへぇ、すみませーん。」
いけない、いけない。危うく、本来の目的(ただ絵が書きたいだけ)がバレる所だった。あれ?そういえば
「アリスさん、そのもう一人ついてくる人ってどんな人ですか?」
「まあ、一言で言えば騒がしいっt「お邪魔するぜー。」…来たわ。」
何だか露骨に嫌な顔をしたアリスさんを尻目に私は今来た少女の方を向いた。見た目は私たちと同じぐらいで頭に大きな黒いとんがり帽子、黒と白の服に手には大きな箒を持っている。
「よっ、アリス。遊びに来たぜ。」
「はいはい、いらっしゃい。お茶用意するからちょっと待ってて。」
アリスさんは台所の方に行った。
「なあ。」
「はい?」
急に話しかけられてびっくりして声を出しそうになったけど何とか口に出さずに済んだ。
「私は”霧雨魔理沙”(きりさめ まりさ)って言うんだ。お前は?」
「あ、自己紹介がまだでしたね。私は神崎 緋色です。いつこの間幻想郷に来て、アリスさんに助けてもらってそこから居候させてもらっています。」
少し長くなったけど、軽く自己紹介をした。すると魔理沙さんはクスッと笑った。
「いや、ごめんな。その、私が今さっきイタズラして来た奴がお前とそっくりなんだよ。だから思い出しちゃって…」
ククク、と笑いを必死で堪える魔理沙さん。どんなイタズラして来たんだろう。私、気になります。
「魔理沙、あまり早苗をからかうと神奈子と諏訪子に怒られるわよ。二人は過保護かって程、早苗LOVEだから。」
アリスさんが紅茶とお菓子を持って台所から出てきた。なるほど、魔理沙さんがイタズラをした相手は早苗さんって言うんだ。どんな人なんだろう会ってみたいな。
「そうそう、魔理沙。」
「何だ?」
「貴女、緋色を連れて幻想郷を案内してくれないかしら。」
アリスさんは紅茶を飲んだ。一方の魔理沙さんはお菓子を取って悩んでいる。
「アリスは行かないのか?」
「私は慧音から寺子屋の演劇の衣装作りを頼まれているから行けないのよ。」
そういえば何日か前、妙に角ばった帽子を被った人がアリスさんと話してたっけ。寺子屋ってことは先生なんだ、あの人。
「よし分かった!しっかりと案内して来るぜ!」
魔理沙さんは胸を張って言った。自信満々だけど、何故かアリスさんはハァ、とため息をついて頭を抱えている。
「頼むから緋色をトラブルに巻き込まないでね。」
「りょーかいだせ。緋色、行くぞ〜。」
魔理沙さんは外に出て箒に乗った。
「え、どうやって行くんですか?」
「そりゃお前。この箒だよ。」
早く乗れよと言わんばかりに自分の隣を指差す魔理沙さん。いや、危ないですよね?戸惑っているとアリスさんが耳元で一言。
「大丈夫よ。少し、スピードが速いだけだから。万一落ちても…まあ、何とかなるわよ。」
あれ?何でアリスさんは目を合わせてくれないの?もしかして死んじゃう?私、アリスさんみたいに空飛べませんよ?
「行くぞ〜。緋色〜。」ガシィ
「え、ちょっと、まだ死にたくないぃぃぃぃ…
私の声は空に消えて行った。
次回もお楽しみに!感想や意見がありましたら教えてください。