【東方】この4人、能力持ってます。   作:勇気のコーン

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投稿遅れました!最早、誰も覚えていてくれないかもしれませんがご覧頂き有難うございます。ではではどうぞ。


第五話〜緋色編〜 ある夏の忙しい1日【前編】

幻想郷にも夏が来た。ここ、魔法の森ではそこかしこで蝉が鳴いている。

 

 

「…暑いわね。」

 

「暑いですね。」

 

 

まだ私達の住んでいた町より夏特有のジメジメ感は少なく、早朝は涼しいくらいかと思って居た自分が甘かった。

 

 

「「……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラッ!

 

「よーっ!今日も暑いなー。」

 

 

もう喋りもしなくなって来た所に魔理沙さんが来た。私とアリスさんは机に突っ伏したまま出迎えた。

 

 

「おーおー、諸君。暑そーだね。」

 

「…何が言いたいのよ魔理沙。」

 

 

アリスさんがさも、ウザったそうに声をかけた。

 

 

「フフフッ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館で涼みに行かね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、すごい赤い建物ですね。」

 

「元々この建物は幻想郷のものじゃないんだぜ。」

 

 

私達は赤い建物の前に居る。《紅魔館》と言われているらしい。門には長い赤髪で中国人っぽい服を着た人が立っていた。

 

 

「…ZZZ…」

 

 

寝てはいたけど。

 

 

 

 

「おーい美鈴。起きろ〜。」

 

「うーん?むにゃむにゃ…」

 

 

魔理沙さんが箒で美鈴と呼ばれた人をバシバシ叩いた。めっちゃ痛そう。それでも起きないこの人はやっぱり人間じゃないのかな?

 

 

「あれぇ?魔理沙さんじゃ…ふわぁ…それにアリスさんとどなたでしょうか。」

 

 

「あ、私は神崎 緋色と言います。アリスさんの家で居候させてもらっています。」

 

 

私が自己紹介すると門番さんはやっと目を覚ました様で急にシャキッとした。

 

 

「あ、私は”紅 美鈴”(ほん めいりん)と言います。ちょっと待ってください。咲夜さん呼んで来ま

 

「もう居るわよ。」

 

 

声のした方を振り向くと銀髪でメイド服を着た綺麗な人が立っていた。あれ?いつからいたんだろうこの人。私が不思議な顔をしていたのをアリスさんが気づいた様だった。

 

「咲夜は【時間を操る程度の能力】を持っているのよ。」

 

「あら、アリスの知り合い?私は”十六夜 咲夜”(いざよい さくや)と言うわ。」

 

「あ、神崎 緋色と言います。」

 

「じゃあ、自己紹介も終わった所で…涼ましてく「まーりーさーぁー!」ぐぼぎゃあ!」

 

 

急に喋り出したと思ったら魔理沙さんの首に紅い何かが飛びついた。その反動で魔理沙さんは思いっきり地面に倒れた。

 

 

「い、妹様!永遠亭の薬を飲んだとはいえ、流石に急には…それに魔理沙が気を失ってますよ。」

 

「だってだって!フラン、魔理沙が遊びに来るの楽しみにしてたんだよ!?」

 

 

うわあ、また知らない人が出てきた。もう誰が誰だかわかんないよ。

 

「と、とりあえず中に入れてもらえないかしら?汗でベトベトなんだけど。」

 

 

アリスさんの一声で私達は紅魔館のなかに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー。涼しーな。」

 

「今回は魔理沙の案は正解だったわね。」

 

「それにしても大きな図書館ですね。」

 

 

今、私達がいる場所は紅魔館の大図書館に居る。窓にはカーテンがかかっていて中は薄暗かったけど、それがちょうどいい位の室温を保っていた。

 

 

「というか、来るなら連絡しなさいよ。こっちが何も準備出来ないじゃない。」

 

 

と言いながら手際良くお菓子や紅茶を配る咲夜さん。なんでも小さい頃からここに住んでいてメイドさんをしているらしい。

 

 

「まあまあ、そう言うなよ。そんなこと言ったら、私は何回連絡に行かなきゃいけないんだよ。」

 

「もう、あんたについては諦めているわ。」

 

 

咲夜さんは呆れ顔で魔理沙を見ていた。ちょうどその時、何もない空間に円形の魔法陣が出てきた。

 

 

「わわっ!?な、何ですか?」

 

 

私は素っ頓狂な声を出してしまった。

「あ、多分パチュリー様が帰ってくるからですかね。」

 

「昨日から居なかったもんね。どんな面白いもの持って来るのかな!?」

 

 

おおっと。また新しい人?やっと覚えた所なのになぁ。そんな事を考えていると魔法陣の中心が開き、中から人が出てきた。

 

 

「…むきゅー。」

 

 

 

 

バタッ

 

 

 

すぐ倒れてしまったけど。

 

 

 

 

 

「ちょっ!パチュリー大丈夫かよ!?」

 

 

魔理沙さんが慌てた様子で走り込んで来た。

 

 

「しょうがない…!私のマスパで何とか!」

 

「出来ませんよね!?というか気を失ってますよ!?この人に何があったの?!」

 

「糸で縫えばいいんじゃないかしら…!?」

 

「アリスさんも怖いこと言わないでください!というか、人形じゃないんだから縫っても痛いだけです!」

 

 

明らかに狼狽する三人。そんな中、咲夜さんがスッと前に出た。

 

 

「美鈴!パチュリー様をソファーまで運んで!」

 

「は、はい!」

 

「アリス、魔理沙、緋色はパチュリー様を見てて。」

 

「りょ、了解!」「分かったわ!」「分かりました!」

 

「咲夜、私は!私は何をすればいいの!?」

 

「では、妹様は私の手伝いをしていただけませんか?」

 

「うん!分かった!」

 

 

咲夜さんの迅速な対応に従い、皆が一斉に動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜30分後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うーん?」

 

「お、目を覚ましたぜ!」

 

 

皆から安堵の表情が零れた。

 

 

「咲夜。私は一体…」

 

「パチュリー様はお戻りになられた時に気を失ったんです。でも大丈夫ですよ。」

 

 

するとその人は「そう」とだけ言った。見た目は魔理沙さんぐらいの身長で紫の服と変な帽子を被っている。私はその人を見つめていると、それに気づいた様だった。

 

 

「貴女は誰?」

 

「あ、私は神崎 緋色と言います。」

 

「ふーん。私はパチュリー。”パチュリー・ノーレッジ”よ。」

 

 

今日、何度目か分からない自己紹介を終えるとアリスさんがパチュリーさんに声をかけた。

 

 

「ねえ。何か、いい童話はないかしら。こう…小さい子にでも分かるような。」

 

「あ、今度の寺子屋でやる人形劇の話ですね。」

 

 

アリスさんは月に一度、人里に行き必要な物を買ってくるついでに寺子屋で人形劇を行う。それが結構評判が良くて、今では住んでいる人の半分が来るほどになっている。

 

…どんだけ面白いんだ。

 

 

「あー。それなら…って今日こあもここあも居ないから自分で取りにいかないと。」

 

「いいわ。何処にあるか教えて?」

 

「この本棚から125個目の本棚を右に曲がってそこから91個目の本棚を

 

「ごめん、やっぱり一緒に行きましょう。」

 

「冗談よ。その本棚の上の方にあるわ。」

 

 

そう言うとパチュリーさんはポケットから眼鏡を取り出し、テーブルに置いてあった本を読み出した。

 

 

「私も本を持って来ていいですか?」

 

「別に構わないわ。けれど、迷わない様にして。」

 

「それなら私が着いて行くぜ。」

 

 

さっきまで人が倒れていたとは思えない。そんなゆるーい空気で、時間はお昼まで進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そして二人は幸せに暮らしました。おしまい。妹様、この本面白かったですね!」

 

「…スー…スー…」

 

「…って寝ちゃってますね。ん…ふわぁ…何だか私も眠くなって来ちゃいました。」

 

 

お昼も過ぎ、日がくれ始めた頃。この季節だと昼の暑さが消え、少し風が冷たくなる時間帯。それでもここはちょうどいい室温だった。しかも薄暗いからフランちゃんや美鈴さんが眠たくなるのもわかる気がした。

 

 

「パチュリー様。紅茶はいかがいたしますか?」

 

「適当に頼むわ。あ、魔理沙、本は大事に扱ってよね。」

 

「へいへい。お?なんだこの本。おーい。借りてもいいかぁー」

 

 

室内は静かで時折聞こえる魔理沙さんの声がよく響いた。私の目の前ではアリスさんが熱心に本を読んでいる。たまに『ここは上海たちを飛ばして…』などと言っている手前、劇のシュミレーションをしてるのだろう。本当に静かな空間だった。

 

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

地面が揺れて図書館の扉から大きな槍が飛んで来るまでは。

 

 

「え、ちょ、どういうことですか…?」

 

「これってレミィの仕業かしら?本人そこにいるし。」

 

 

扉を見るとそこには”レミィ”と呼ばれた小さい女の子が立っていた。背中には黒い羽根が生えていて肩をワナワナ震わせている。

 

 

「お嬢様?一体どうなされたのですか?」

 

「…のに。」

 

 

何か、小さい声で呟いた。その時、アリスさんがコソッと言った。

 

 

「あの子は”レミリア・スカーレット”この館の主よ。」

 

「なんか、怒ってますよね?」

 

「そうよね。何か嫌な予感がするわ。」

 

 

私達がヒソヒソと話していると魔理沙さんがレミリアさんに声をかけた。

 

 

「どーしたんだよレミリア?」

 

「…たのに。」

 

「ん?なんだよ?」

 

 

魔理沙さんが首を傾げたそのとき。

 

 

 

 

「待ってたのに、どーして誰も私のところに来ないのよー!!」

 

 

ガラガラドーン!

 

「本がーっ!」

 

 

レミリアさんが放った弾幕が色々な物を破壊して行った。パチュリーさん涙目。

 

 

「うわっ!ちょ、レミリア落ち着けって!」

 

「これの何処が落ち着いて居られるのよ!何だか騒がしいなぁーと思って外を見たら貴女達が居るからいつ来てくれるんだろうと思ってワクワクしながら半日、自分の部屋に居たわ!」

 

 

もっと少ない時間で気づけなかったのだろうか。というか半日ってすごいな。

 

 

「でも中々来ないからパチェと本でも読もうとしたら仲良く皆居るじゃない!美鈴は今日は一日仕事しない気かー!!」グサッ

 

「ぎゃぁー!!!おでこがぁ!!?」

 

 

美鈴さんについては100%レミリアさんの八つ当たりです。本当にありがとうございました。

 

 

「私の半日どーしてくれるのよ!返せー!」

 

「んなこと言ったって、うわっ!返せるわけないだろ。」

 

「もー!こんな時に限って魔理沙は冷静になるのをやめろ!一番ムカつく!」

 

 

どんどん過激化して行くレミリアさんの弾幕。流石にこれはヤバイんじゃ?

 

 

「アリスさんどーしましょう。」

 

「こういう時は逃げるが勝ち

 

「何してるのアリス?まさか、帰ろうとかしてるわけじゃないでしょうね?」

 

「ソンナマサカー。」

 

 

ダメだこりゃ。そ、そうだ!ここは咲夜さんに頼もう!

 

 

「咲夜さん!何とかしてくれませんか!?」

 

「うーん。出来ないこともないけれど今日は家に帰れないわよ?」

 

「」

 

 

今日帰れない=永遠に帰れない

頑張って逃げる=どうやってもピチューン

 

どっちに行っても殺される…っ!

 

 

「あ、別に危なくはないわよ。命に関わることではないわ。でも今日一日は帰れない、それでもいい?」

 

「助かるならお願いします!」

 

 

咲夜さんは「わかったわ」と言ってスタスタと歩き、止まった。そして

 

「お嬢様!一つ提案がごさいます!」

 

「咲夜!?私、魔理沙とアリスを痛めつけるのに忙しいのだけれど!」

 

「「怖いこと言うなよ!!」」

 

「お嬢様は今日、魔理沙達と遊べなかったため怒っていらっしゃるのですよね?」

 

「っ!そ、そんなことないわよ!ただ単に紅魔館に来たのに主である私のところに来なかったからよ。」

 

「そうでしたか。私の早とちりでした。では私の提案は要りませんね。」

 

 

咲夜さんはスッとレミリアさんに背を向けて、こっちに歩き始めた。

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!」

 

「はい。何でしょうか?」

 

 

咲夜さんは止められるのをわかっていたかの如く後ろを振り向いた。

 

 

「い、言って見なさいその提案。」

 

「はい、もしお嬢様が魔理沙達と遊びたいと思っていらっしゃれば文屋を呼んで『紅魔館で大宴会を開く』と言います。すると、文屋は号外を幻想郷中にばら撒き、皆に知らせます。それを知った者は紅魔館に集まり、とても楽しくそれでいて多くの友人と遊べる、という提案です。」

 

「ふ、ふーん。面白そう…じゃなくて中々盛り上がりそうじゃない。」

 

「しかし…お嬢様が別に思っていない様でしたので、この提案は辞めておこうかと…失礼しました。出過ぎた事をしてしまって。」

 

 

咲夜さんは恭しく一礼した。一方のレミリアさんは「え、でも…」と困っていた。提案に乗りたいならそう言えばいいのに。

 

 

「レミリアはツンデレだからなぁ。」

 

「ツンデレじゃないもん!」

 

「分かった分かった。んでも残念だなぁ宴会はなしかぁー。」

 

「まっ、まだそうと決まったわけじゃ

 

「そうね。残念だわ。それならもう遅いし帰るわ。」

 

「えっ!ま、待ちなさ

 

「えー!?魔理沙、もう帰っちゃうの?じゃあまた明日も来てね!」

 

「おう!また来るぜ、フラン!」

 

「美鈴、怪我の治療は終わったなら魔理沙達を門まで送って。」

 

「あ、りょーかいです。」

 

 

ぞろぞろと帰りの用意をし始める私達。ちょっとだけレミリアさんを見て見ると。

 

 

「えっ…本当に帰るの?いやっ…でも私何も遊んでないのに…う、ううー!」

 

「見てて面白いですね。」

 

「でしょ。でもそろそろ吹っ切れるわよ。」

 

 

アリスさんが笑いを堪えながら言った。というか皆が笑いを堪えていた。パチュリーさんは堪えきれないのか本で、顔を隠している。そしてレミリアさんが声を上げた。

 

 

「し、しょうがないから宴会を開くわよ。べ、別に遊びたいとか、寂しいとかじゃないからね!」

 

「え!いいのか?別に無理しなくてもいいんだぜ?」

 

 

魔理沙さんが意地悪っぽく言った。

 

 

「うー!とにかく宴会を開くわよ!咲夜!文屋に連絡しておいて!」

 

「かしこまりました。美鈴!貴女も手伝って!」

 

「はーい。」

 

「私はこあ達に連絡しとくわ。」

 

「お願い致します。」

 

 

またもや咲夜さんの迅速な指示が飛び、一気に忙しくなる紅魔館。やっぱり咲夜さんって凄いなぁ。よし!それならー

 

 

「私も手伝います!魔理沙さんもアリスさんも手伝ってくれますよね?」

 

「フランも手伝うー!」

 

「私はちょっと用事があってだな…」

 

「さ、魔理沙。霊夢とか紫とか呼んできてよ。緋色、私は上海と一緒に装飾をしとくわ。」

 

「ちょ!アリスは手伝うのかよ!?ったく、分かったよ!しっかり用意しとけよ!」

 

 

魔理沙さんは箒に乗ってすごい速さで飛んで行った。さ、用意を始めますか。私は図書館を出て、咲夜さんに教えてもらった大広間へ向かった。




ツンデレおぜうさま、降臨(笑)
それともう一つ。
季節感皆無でごめんなさい。m(._.)mこの話を書き始めたのが夏の終わりの頃だったと思います。まだ暑かったので勉強する気もなく「あ、書こう。」という気持ちになり、書きはじめました。

では次回もお楽しみに!
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