深夜のテンションで書いたので、誤字・脱字・不要な句読点などがあるかもです。なので、注意していただけたら直すので感想に書いてください。
それでは、どうぞ‼
いつもの通学路、いつもの学園、いつもの日常、代わり映えにしない学園生活が今日も当たり前に過ぎていき、明日には、また今日と同じことがループするかのように続いていくと思っていた。でも、まったく同じ時間が流れる事がない様に、昨日と同じ今日、今日と同じ明日が来るはずもない。
つまり、僕が当たり前と考えていた日常が壊れるのはいとも容易く、簡単に崩れ去り、地獄となるのは早いということだ。
~平野~
あたり一面からは、途切れる事のない悲鳴が響き亘っている。
そんな、ゲームやアニメの中にしか、存在していないと思っていた地獄があった。たった数時間前には、どこにでもある普通の学校だった頃の面影は、もう感じる事は出来なくなっていた。
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思い出してみると、この大騒動の初めは、授業中に流れた放送だった。
《校内にて暴動が発生、繰り返します。校内にて暴動が発生。》
五時間目、温かい日差しの中昼食で大きくなったお腹をさすりながら何も考えずに窓の外を眺めている時に流れた放送。
避難訓練のお知らせなんて、担任から聞いていないし、そもそも避難ならこんな放送はしない。そして、担任も何も聞いていないのか、不安げな顔をしながら、担任への指示が来るのを待ている。
突然の放送に皆、不安を隠せない。しかし、まだ放送による警告だけなので、これから言われる教師の指示に従っていれば安全だろう、と他人事のように考え、退屈な学校生活で起きたちょっと刺激的なイベント程度にしか思っていない。クラスはざわついてはいるが、誰も自分には関係はないと信じ込み、隣にいる友達たちと「暴動って、怖いね。」などと怖がっているフリをしている。
これだけなら、放送通りの暴動事件だけならどんなに良かったか。
《全生徒は、担任の教師の指示に従い____な、なんだ君たちは‼
やめろ、‼ こ、来ないでくれ‼ギャアアアアアア__‼》
突然のスピーカーから聞こえてくる断末魔に、教室の中に静寂が生まれる。
聴覚的な情報しか得られないが、確実に放送室で誰かが殺されたことがはっきりと知るには十分な放送、自分には関係のない、対岸の火事と思っていた出来事が急に現実味を帯びてくる。そして、教室では誰も動かなく、動けなくなる。比較的平和な国の日本で生きている中で、すぐ近くに迫ってくる”死”に対し、自分は何をすればいいか、どう対応すればいいのか判断できなくて、固まってしまうのだ。
カンッ____。
教卓の上に置いてあったチョークが床に落ちる。
チョークの発した音によって、"死"が近くにある事を思い出し、一気に”生”への執着心が芽生え、自分の身の安全のためにわれ先にと出口に向かい出口はすぐに人だかりができた。
簡単に言えば、パニックが起きた。教師も生徒も皆等しく自分は死にたくないと、友達を押しのけ、クラスメイトを引き倒して、安全な場所を求め出口に群がった。
僕は、パニックに巻き込まれないように、じっとパニックが収まるのを待っていた。
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そういう訳で、パニックが収まった今、同じくじっと席に座って待っていた高城さんと”ヤツら”から逃げている。
いじめられっ子の僕がなぜ、自他ともに認める天才の高城さんと一緒に逃げているかは聞かないでくれると嬉しい…なんか、小室が居なかったからとかちょっと悲しくなる……。
で、身の安全を確保するために僕たちは現在、職員室の近くにある蛇口の陰に隠れている。
僕は、こんな場所に隠れずにさっき手に入れた釘打ち機を使って屋上にでも立て籠もったほうが安全だと思ったが、彼女曰く、「”ヤツら”から逃げるには、”ヤツら”の特性を知らないと危険が増すわよ!」ということで、無暗に歩き回るのではなく、先に"ヤツら"が少なそうな職員室で特性の調査をすることになった。
だが、僕たちの運の悪さを嘆くべきか、”ヤツら”の行動力のすごさを恨むべきか分からないけど、あの放送があってから、数十分しか経っていないのにも関わらず、職員室の前には、多くの”ヤツら”で溢れかえっていた。しかも、移動中の足音が響いていたのか"ヤツら"を見つけた時には、僕達に向かって来ていた。これが二、三体なら殺してから調査もできたがこんなに”ヤツら”が居たらそれどころではない。
二人の内で武器を使えるのは、僕しかいない。だから、生き残るためにただひたすら目の前の”ヤツら”の頭に釘をぶち込む。
「キャアーーー!!!」
流れ作業の様に釘を打っていると、目の前の”ヤツら”に気を取られすぎたみたいで、後ろから来た”ヤツら”を取りこぼしてしまったようだ。
くそ!っと心の中で毒づきながら後ろにいる高城さんの方に近づく、教師だった”ヤツら”に釘打ち機を向け、引き金を引いく。
「あ……。」
出ると思っていた釘が出ず、間抜けな声が口から出てくる。急に、マガジンが空になるというアクシデントに体が硬直してしまう。
すぐに高城さんを救うために僕がすべき行動を考える。技術室から持ってきたカナヅチで”ヤツら”の頭を砕きたいがカナヅチの入っている工具袋は高城さんが持っているので、僕がカナヅチを取り出す頃には、彼女は喰われるだろうし、そもそも近接格闘なんて運動の苦手な僕には無理だ、今からマガジンを変えても、高城さんを救うには遅すぎる。目の前にいる一人の人間ですら、たった一本の釘がないだけで救う事が出来ないのか、っと自分の無力さを呪っていると、
教師だった”ヤツら”の頭が消えた。
え……。すぐには何が起きたのか理解できなかった。いや、”ヤツら”が誰かに殺されたのは分かるが、突然すぎて目を疑ってしまう。
高城さんの方を見ると、直前まで鮮明な死と直面していた彼女は、助かった安心感よりも、急に”ヤツら”の頭が消えたことに驚愕したのか今まで見たこともないような顔で唖然としている。そんな彼女の顔を見ながら頭の整理をして、教師だった”ヤツら”の首を切った人物を見る。
彼は、元々ホウキの柄であろう棒に、サバイバルナイフをガムテープで留めた武器を手にまだ職員室前にいる”ヤツら”を倒していた。
”ヤツら”を倒すために動き回っているため顔こそよく見えないが、身長は165㎝程度でやや小柄で手に持っている棒をまるで、槍のように扱っている。
”蝶のように舞い、蜂のように刺す”
素早くヤツら”の間を駆けながら、一撃のもとに”ヤツら”を倒していく彼の姿はまさにそれを体現していた。心臓を突かれても、手足を削がれても、生きている人に喰らいつく"ヤツら"を確実に殺すために一撃で"ヤツら"の首を斬り飛ばす。口にするのは、簡単だがそれが途轍もない技術の必要な事であることくらい、銃にしか興味のない僕にも分かる。でも、そんな技術よりも彼の動きが滑らか過ぎて、まるで舞を見ているような気分にさえられた。彼がこの舞を舞っているなら、僕たちの命は安全だと確信することが出来た。
しかし、彼の登場に僕が感じたのは、そんな安心感だけではなかった。
僕は、彼の動きを見て"妬み"も感じてしまっていた。彼ほどの力があればこの地獄の中生きていくのに苦労はしないであろう。その上、今までクラスメイトのいじめに耐え、教師から蔑んだ目で見られることもなかったに違いない。それに、もし今この力が手に入ったならこの地獄の中彼らに復讐するのも良い。
でも、実際僕にあるのは釘が無くなると使い物にもならなくなるシューティング能力だけで、その他には銃に関する知識と運動が苦手なこの太った体しかない。
だからこそ圧倒的な槍捌きを見せるかれが妬ましく、羨ましかった。
そんな複雑な感情を抱きながら彼が”ヤツら”を倒していくのを見ていると、彼が一瞬止まった。その時、彼の顔を初めてしっかりと見ることが出来たが、僕は彼の顔見て”あること”に気付いた。
それは彼の顔が”何かに耐えるかのように”歪んでいるのである。
なぜ、彼はそんな表情をしているのだろう?あんなに圧倒的な力が有れば"ヤツら"を倒すのも楽しいだろうに。と疑問に思ったが、すぐにそんな自分を殴りたくなった。
考えてみれば簡単なことだった。
いじめられてそんなに友達のいない僕とは違い、彼にはいつも一緒に遊んだ友達や親しい恩師が多くいたはずだ。
でも、こんな人が人を喰らう地獄の中、そんな彼と親しかった人たちが生き残っている確率よりも”ヤツら”になってしまっている確率の方が高かったに決まっている。
自分が生き残るためとは言え、親しかった人であった"ヤツら"を自身の手で殺していくのはどんなに苦しい事だったのか友達のいない僕には知ることは出来ないが、それでも彼の表情を見るとクラスメイトへの復讐を考え、彼の技術に妬みを感じていた自分がどれほど愚かな存在だったかが分かる。
「大丈夫か!」
高城さんの悲鳴を聞いて走ってきたのか、小室と宮本それに木刀を持った女子生徒と保健室の鞠川先生が走ってきた。
「これは……。」
木刀を持った女子生徒が職員室前にできた惨劇を見て目を見張る。やっぱり、彼が作り出した頭と胴体が離れた”ヤツら”の死体はこんな壊れた世界でも珍しく、これを作り出した人に人は恐怖を覚えていた。
でも、彼が僕が考えてしまったように楽しんで殺していると誤解されたく無くて、苦しんでもがきながらも殺しているのだと知ってもらいたくて、僕は口を開いた。
「これをしたのは、彼ですけど彼は…。」
そこで、彼がいないことに気が付いた。
職員室前の"ヤツら"を倒し終えた彼は、さっきまで彼自身が作り出した血の海の中で頭に手を置いて苦悩に耐えていたのに、今彼の姿は何処にもなかった。
さっきは勢いで彼のことを話そうとしたが、考えてみればこの場所にいない人物のことを勝手に話すのはなんだか彼の陰口を言っているようで気が引けて、何も言えずにいると、
「彼が誰のことを指すのか分からないのだが。まあいい、鞠川校医は知っているな。
私は、毒島 冴子 3年A組だ。」
木刀を持った女子生徒が、僕たちに向かって話しかけてきた。
どうやら、彼女は僕が言い淀んでいるのを見て、目の前にある惨劇の説明を待つよりも、自己紹介をする事を先に始めようと云うことなのだろう。
「小室 孝 2年です。」
毒島先輩の言いたいことが分かったのか、小室が自己紹介をそっけなく返した。が、言いたいことが伝わって嬉しそうにしている毒島先輩の笑顔を見て頬を少し赤くしたのを紳士な僕は、見なかったことにした。
「去年の全国大会で優勝された方ですよね?私、槍術部の 宮本 麗 です。」
座り込んだ高城さんを近くで慰めていた宮本さんの自己紹介をするので、僕も毒島先輩に挨拶をするが、小室の時の様な笑顔を向けられ、あまり女性に対して耐性のない僕は一気に自分の顔に血が上っていくのが分かる。
一通り皆の自己紹介が終わり互いが互いの事を知ったあとは、やはり話題は職員室前のこの惨劇のことになるだろう。
「で、これは誰がやったものなのだ?君たちの武器ではこんな風になるとは
到底思えないのだが……。やはり、さっき言っていた彼なのか?」
「あ、はい。これをやったのはかr『その彼は、俺だ。』」
毒島先輩の質問に答えようとしたのを遮ったのは、もぎれもないこれを作り出した彼だった。彼は、タオルを片手に職員室から出てきた。
彼が今まで職員室で何をしていたか知りたいが、まだ彼の名前も学年すら知らない状況でそれを聞くのはのはなんだか命の恩人に対して何だかマズい気がするので彼の自己紹介を待つ。
『俺は、小村 隼人 1年だ。』
彼……小村は、そう僕らに自己紹介した。そして、手に持っているタオルを高城さんに渡して、
『もう大丈夫だから、我慢しなく良いぞ。俺たち、男は職員室で待ってるから。』
小村はそう言うと、職員室に入っていった。
僕は小村の突然の行動に驚いたがなんだか職員室に入って行った方がいい様な気がしたので、僕と小室も小村に続く。
僕らが、職員室に入って小村にどうして僕たちだけ職員室に入ったか聞こうとしたが、すぐに高城さんの泣き声が聞こえてきた。それで、僕は、小村が何で男だけで職員室に入ったのかがを知ることが出来た。
要は、今回の騒動で一番精神的ショックが大きかった高城さんが泣ける場所を作るためだったのだ。
小村はプライドの高い高城さんが男の前で変に意地を張って泣かないのを危惧しての行動だろう。変に泣くのを我慢したら後がつらくなると聞いたことがある。
そう考えると納得がいく。学校一の天才である高城さんのことを小村が知っていても不思議はないし、そんな彼女がプライドが高いのは想像に難くない。
やっぱり彼は、すごい器の持ち主だと確信した。
こんな状況の中、誰もが自分本位で生きているのに小村は、高城さんの心配をして、他人に気を配る余裕を作ることが出来る。まだ、”ヤツら”がいるかもしれない職員室に入り、偵察という危険なことをして、タオルを高城さんに渡す、なんてマネ僕には全く出来る気がしない。
しかし、小村と僕の器の大きさの違いをこんなにまざまざと見せつけられると、その器の大きさに憧れてしまう。彼のような器の持ち主になるためにまずは、彼に認めてもらえるようになろうと心に決めた。
~小村~
何とか職員室にたどり着いたけど、なんか太った人がこっち見てるよ……。やっぱり、さっき職員室の炊事場で見つけたカップラーメン食おうとしてるのばれたかな。
平野「……さっきまで彼自身が作り出した血の海の中で頭に手を置いて苦悩に耐えてい
た………。」
唐揚げ「中二じゃねえか!」
平野「……蝶のように舞い、蜂のように刺す……。」
唐揚げ「これは重症だ!」
平野「……命の恩人………。」
唐揚げ「……もうやめて。」
ヒロインを誰にしたらいいかな?