おとぎ話の末裔   作:C&Y

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寮監先生&人外生徒の明日はどっちだ、賢者の石編。
妖女シスターズが活動してるなら、あらゆるジャンルの音楽を歌っても問題ないよね。
と、いいつつ懐メロなのは、ファンタジー世界だよねという遠慮からだったりします。
R15と残酷描写は、予防処置と寮監先生の苦行でできています。

エロは無いが、外野が見てたら、多分、いかがわしいかもしれない。


グレイブス氏からの手紙と賢者の石 ⑥

「スネイプだったんだよ。

 ハーマイオニーも僕も見たんだ。

 君の箒にブツブツ呪いをかけてたんだ。

 ずっと君から目を離さずにね」

 

「バカな、なんでそんな事をスネイプがする必要があるんだ」

 

 お散歩していたら、あかん現場に遭遇。

 ワイ、大きな人の飼い犬のお口を塞いでいるところ。

 

 ワンって鳴いちゃ駄目。

 ワイのスニークスタイルが見破られちゃう、ふぅ〜やっふぅ!

 ん、全然隠れてない?

 見つかっても、まぁダメージコントロールできる程度の話題だからね。

 これがね、おヒゲの長いおじいちゃんとか、眉間にシワの入った髪の毛ぺったりした人の密談だと、拳骨が降ってくるんだよ。やーねー。

 うん、うん、やだよねー。

 紳士な犬の君、飼い主と同じく心が素直でいい子だね。

 じゃぁなんで、中に入らないの?って。

 やっぱりお互いに、気づかないほうが良いことって世の中にあるのだよ。

 因みに、君の犬種、グレートデン?

 飼い主の人のご飯、おいちい?

 ほら、例の四階のさーワイの舎弟?

 もちょっと鶏肉?表面炙ってほしいなーって。

 

 あぁ、鍵?

 まぁ鍵はあってないよーなもんじゃない?

 おしゃべりに行ってるんだー、耳裏こしょこしょ、かいてあげるぞーよしよし。

 

 さいきんどーよ、うん、うん、森の奥が怖い?

 あんまり変な生き物いるようなら、ワイに言ってなー。

 

 校長?

 うーん、寮監先生にしとくよ、ほら、お薬の材料?現地調達してるみたいだしー、

 危険な物体Xでるようだったら、校長に言うよ、うんうん。

 

「僕、スネイプについて知ってる事があるんだ。

 ほら、あの女の子の事もさ、呪いかけてると思うんだよ。

 奴の腕、左腕にさ、あの子のリボンを巻いてるんだ。

 呪う相手の、持ち物をさ」

 

 うん、ごめん。

 本当にごめん。

 悪役ムーブと噛み合って、色々な部分で、評判ガタ落ち。

 

 マクゴナガル先生の胃が、胃が溶けるー!!

 

「それ、男子たち、言ってるけど、違う意味だと思うよ」

 

 小声のハー子ちゃん、もっと大きな声で言って。

 でも、それも風評被害!

 

「でも、確かに先生のマントに」

 

「それに、あの部屋の、怪物、スネイプをさ」

 

 うーん、位置取りが悪くて会話が聞こえぬ〜。

 

「なんで四階にいるはずの、フラッフィーを知ってるんだ?」

 

 もしかして、あのワイの舎弟、フワフワちゃんとか命名してるの?

 まぁ甘党だし、生肉嫌いだし、音楽好きの...亡者をモグモグするワンワンだよね。

 唾液からトリカブトが発生するワンワンだよね。

 フワフワちゃん。

 大きな人って、乙女?

 

「もう聞かんでくれ、重大な秘密なんだ、これは」

 

「だけど、スネイプが盗もうとしたんだよ」

 

「そんなわけねぇ。

 スネイプはホグワーツの教師だ。

 そんなことするわけねぇ」

 

「なら、どうしてハリーを殺そうとしたの?」

 

 ハー子ちゃん、さすがにね、寮監先生ね、子供を殺害しないよ。

 それも殺害するなら、公衆の面前とか、アホすぎる。

 あの吾輩氏なら、完全犯罪、いや、わざと見せつけるとか?

 いやいや、それ、何つー自虐。

 自虐、ありえるぅ。

 とか、思うけど、吾輩氏、意味ない事には指一本動かさない人と見た。

 

 そして校長指示で動いてる不審人物でもある。

 子供をねー、嫌いとか憎い?つーだけで、殺す?

 そもそもあの人、嘘つきだし、そこまでサイコ?

 いや、サイコだった。

 

 ここでいうサイコは、精神分類の話。

 傾向ね。

 それに吾輩氏の不快指数を叩き出してるの、ワイがリストナンバーワンじゃーん。

 デスノートの...

 強ち冗談にならん...

 そいでもね。

 理由がないとね、それも怨恨以外。

 あの人、怨恨なら殺さないで、拷問とかする系統の人種。

 それも自分の手を汚さんタイプだよ。

 もうね、子供の前でボロ出す?

 わざとなら..それでもなーキャラ解釈ちがうー。

 恨んでたら殺すんじゃなくて、ジメジメ復讐して苦しめる人、そーいう話じゃなかった。

 ともかく目的とか色々あっても、子供は殺さんと思うよ。

 大人は殺すかもしれんが...フォローになってねー!!

 

「ハグリッド、私、呪いをかけてるの見たの。

 試合の時、箒を見てた。

 瞬き一つしなかった。

 私、たくさん本を読んだの。

 呪いは、じっーっと目を逸らさずにかけるの。

 この目で、見たの!」

 

「お前さん達は間違っちょる!俺が断言する」

 

 大きい人、ありがとー。

 ワンワンもありがとーナメナメしてくれて。

 ちょっとお口くちゃいよ、歯磨きしてる?

 骨っ子カジカジしたほうがいいよ?

 牛の骨?

 この贅沢なー。

 

「なんでハリーの箒を動かしたんだか、俺にはわからん。

 だがスネイプは生徒を殺そうとしたりはせん。

 三人ともよく聞け、お前さん達は関係のない...」

 

 また、聞こえなくなっちゃったなぁ。

 

 うん、最近、変な匂いがする?

 

 うんうん、へぇ、ちょっと知らないなぁ。

 うん、ありがとう、こっちには中々来ない?

 わかった。

 チミも近寄っちゃ駄目だよ、そいつ頭に入られたら養分チュウチュウされるかも。

 クィレル先生のアレって流行りなの?

 寄生茸みたいな?

 へぇ、アレ、そんなの?

 魔法生物系ではお約束?

 こわっ。

 言っててこわっ。

 うん、お互いに気をつけよーね。

 

「ニコラス・フラメルって言う人が関係してるんだね?」

 

 そいで、去っていくハリー君達。

 うおぅ、余計な事いっちまったーって悔やむ大きい人。

 ワイは三人がお城に戻るのを見送る。

 

 話を纏めると、秘密がある?

 寮監先生は、その秘密?を盗もうとしている。

 さらにさらに、ハリー君を殺害しようとしている。

 そいでニコラスうんちゃらが関係している。

 

 わからん。

 

 それよりワンワン情報の方が気になるんじゃが。

 

「お前さん、何をやっとるんじゃ?」

 

 あっ、見つかっちゃった、へへっ。

 

 ...

 ...

 ...

 

「お〜スネイプ先生ー!!

 お姫さんを見つけたぞー!!

 ファングにしがみついて遊んでたんで、抜け毛だらけになっちょるし、ちくっと犬臭いぞーほれ。

 先生に心配かけるんじゃないぞぅ。

 迷子になるにしても、城の外にでるんじゃない、ほら、行った行った。

 

 怒られる?

 

 まーしかたねぇっちゃぁしょうがねぇ。

 じゃぁ俺も外回りの片付けが残っちょるんでぇ、後はよろしく、おぅ、めずらしいな、どーした?

 あぁわかるわかる、野生動物ってぇのは、思い通りになるもんじゃねぇ、ん?

 がははっ、俺に言われたらおしまい?そりゃそーだ」

 

「...そこの野生の猿、言い訳はあるか?」

 

 ***

 

 皆、目を逸らす。

 もしくは、あーって顔をする上級生。

 知らない子ばっかりだしね。

 

 そもそも試合の後でグリフィンドール生もそうだけど、スリザリンは次回は勝つと寮で盛り上がっているだろう。

 校内で出会う生徒は2つの寮以外の子たちが多くて、引き渡されたのは職員室の近くだった。

 

 つまり誰も助けてはくれぬ。

 そもそも騒ぎの元、この間の発狂と今回の火だるま事件の本人である。

 近寄りたくないだろうし不評だろうと思う。

 

 でも、この学校の子供たちは、なんだかんだ言っても、毒が少ない。

 異物への寛容さは、普通のセカンダリースクールよりあると思う。

 アップタウンの子供とダウンタウンやスラム寄りの子供を一緒にしたら、荒れるでしょ?

 

 それが魔法界だと、こう格差とか解りあえない絶望感の種類が違うというかね。

 純血とか血統がそれなんだろうけどね。

 まぁそれも魔法界内での戦争の話になると、子ども同士でも殺伐とするのかな?

 そいで久しぶりにフヨフヨ浮かせて運ばれている。

 

【私は猿です、脱走しました】の大きな厚紙を持たされながらだ。

 

 わーい!

 今日はズボンだ、やったーマクゴナガル先生、今日は見える心配ないよ、大丈夫だよー!

 

 久方ぶりの教授室である。

 薄暗かった部屋に照明が灯り、暖炉に火が入る。

 湿気がありそうだけど、冷えていてあまり感じられない。

 

「座りなさい」

 

 まぁ怒っている時の、静かな言葉は怖い。

 怒ってるかは不明だけどね。

 感触的には、どちらかといえば、別の事を深く考えているようだった。

 

「説明を」

 

 何についてだろうか?

 言い訳ではない。

 説明だ。

 と、するとやはり、アレか。

 

 確証は無いが、私が指示する守りは、誓約が多いが効果は高い。

 寮監先生に渡した、私の匂いのする物とは、私の力の依代である。

 身代わり札であるし、私の力の依代でもある。

 ただし、今回は異例の作用をもたらした。

 本来ならば、私の魔力が使われ、品が役割を引き受ける。

 つまり一度、私の魔力により目的を果たす。

 

 対価は私の魔力だ。

 

 ただ、私が忘れている事、私の指示が曖昧だっただけ、術者が対価を支払う形となった。

 これは要検証だ。

 

「術者の指示が未熟だったと?」

 

 効果の明確な範囲指定がされていなかった。

 私自身の経験、記憶が無い事もよくない。

 私は教授をヤバい事から守ろうとした。

 ここで、魔法界の守りならば、明確な術の指定があるだろう。

 だが、私の血を使う魔法は、範囲が広い。

 それも間違いの元であったと推察できる。

 

 では、そのヤバい事ってなんだ?

 想定は、クィレル氏の頭部に巣食う異様な事柄から、一瞬でも退けろという意味だ。

 今回のような身代わりのつもりはない。

 私は誰かの痛みを引き受ける器ではない。

 己が引き受けられる領分は知っている。

 力の分け方、使い方もよろしくなかった。

 まぁ失敗したという事だ。

 

 こんな感じ。

 本当に身代わりになるつもりもなかった。

 余計な手出しや、貴方を侮った行いのつもりはなかった。

 

「なぜ、私に?」

 

 私は、誰かが死ぬのが怖い。

 

「私が死ぬと?」

 

 違う、死んでもいいと思っている人間を優先した。

 アレは、そういう匂いを嗅ぎつける。

 

「クィレルに巣食っていたモノ、か?」

 

 私の中の血が、そう告げた。

 子供の側に置いてはならない。

 貴方のような人間の側に置いてはならない。

 校長は、もっと酷いし手遅れだから、除外した。

 

 それに何故か、寮監先生は笑った。

 嘲笑というやつだ。

 本当なら、貴方のローブが燃えていた。

 本来は、その程度では発動しない。

 でも勘違いした、守りが勝手にやった。

 お陰で、私のローブが昇天した。

 

「無傷だったのは?」

 

 私は腰にある杖ホルダーを叩いた。

 嫌そうに寮監先生は溜め息で答えた。

 

 リボンは?

 

 彼は左手側の袖を少しあげた。

 リボンは複雑な紋様が描かれ、おしゃれに進化していた。

 

「外しても?」

 

 もう少し検証したい。

 私に繋がりをつけられる、品が欲しい。

 金属、鉱物、布ではない耐久性の高い品がいい。

 それはそのままで、どうせ、そのルーンを調べるんでしょ?

 調べる時はいいけど、必ず身の回りに置いてね。

 

「君が身代わりにならなければ」

 

 寮監先生がしくじらなければいいんだよー。

 

「四階のケダモノもコレに従うようだ」

 

 フワフワちゃん?

 だって、あれ、ワイの舎弟ー!

 んで、吾輩氏の方の情報はー?

 全部内緒?

 

「首輪を、損傷部分が無いか見る」

 

 調整と外す為に近づく。

 相変わらず疲労しているのか、ヒットポイントが底辺らしく、椅子に腰掛けてだらけている。

 力を抜ききってだらけている日頃は見せない姿に、あーまた、何か暗躍してるんだろうなーとわかる。

 

 いやぁ、何でそんな生活をしてるんだろうね。

 教育者もストレスマックス職種筆頭じゃん?

 おまけに、寮監先生はどうみても、研究職で低年齢層を相手にするパーソナリティじゃない。

 最先端の、界隈筆頭の研究者が基礎教育しているようなものだ。

 研究費とか持ち出しだったりして、この学校、お給料低そうだし。

 名誉職とか?

 副業やら副収入ないとキツイよね。

 

「雑念を他に向けろ。文字がやはり損傷している、暫し修復作業をする」

 

 クッキーアンドクリームラテシェイク

 クッキーアンドクリームラテシェイク

 クッキー...

 

「Sing!(歌え!)」

 

 アコースティックギターバージョンを覚えてる。

 多分、撮影場所はカリフォルニアかな?

 ギターで歌ってた、可愛い女性。

 ダンスナンバーだったような気も。

 これは2020年代の歌だったはず。

 つまり三十年後の曲だね。

 

 女の子に、君は強い子だから大丈夫だよねって言っちゃう彼氏。

 と、別れた後の歌かな?

 

 まぁ男女間だけじゃなくて、大きな意味で、大丈夫だよって、安心しなよって言ってもらえたら、幸せだよねって歌かな。

 真夜中に目が覚めて、不安になった時、大丈夫、オッケー俺がいるよ、私がいるよ。

 って抱きしめてもらえたら幸せだ。って感じの歌だって思ってる。

 人は一人だと、くじけちゃう時があるからね。

 

 そんな感じの歌を歌ってたら、吾輩氏が力尽きたようだ。

 ぐったりして、私のウエストを片手で抱えたまま、椅子に伸びた。

 

 どうやら、この手の歌は、何かトラウマを抉るようだ。

 ごめんちゃい。

 

 クッキーアンドクリームラテシェイク

 クッキーアンドクリームラテシェイク

 クッキー...

 

「それは何の呪文だ?」

 

 クッキーアンドクリームのアイスをラテシェイクに乗せたデザート。

 アメリカなら、あるのか?

 そもそもシェイクスタンドはあるのか?

 ともかく血糖値爆上がりのデザート、カロリーの暴力。

 ダイエッターの敵。

 でもここのデザートと違って、冷たくてちょっとコーヒー入ってておいちい。

 

「...」

 

 大丈夫?

 

 聞いたけど、しばらく伸びたままだった。

 

 ***

 

 あっという間に12月になった。

 ハイランドにあるホグワーツは、めっちゃ寒い。

 雪景色は美しいけど、そもそもお城の断熱構造は、機能しているところは、ずっとじんわり温かいけど、暖かくない場所は、更に冷える。

 そりゃもう凍死体になるレベルでだ。

 

 だからいつも、そっと寮監先生に、温め魔法をお願いしている。

 ローブの下がほんのり温かいっていうやつ。

 だいたいは、朝の儀式の時だ。

 

 首輪のお陰で、魔力吸収の石の使用は終了している。

 けれど、首輪そのものの調整が毎日必要で、結局、寮監先生の元へとお願いしに行くことになっていた。

 儀式って誰が言い出したか不明だけど、大広間で必ず壁沿いで調整。

 調整って言っても例の補修とか署名とかじゃなくて、本当に、今日は大丈夫そうか、危険な何かを漏らしていないかの確認。

 そん時に、せんせー寒いー、叫び出したいーって半ば脅すと温め魔法をしてくれる。

 

 自分でしろ?

 いやぁ熱とか炎とか光り?

 その手を自分にかける勇気がない。

 何しろ奴、私の杖は炎の属性に近いと少しでも思ったら、そりゃもう力いっぱい干渉してくる。

 それこそ自分で自分を炭にしたくない。

 

 そーいやー首輪、休暇中はどうすればいいんだろ?

 居残りの先生方、いや、駄目だよなぁ。

 でも毎日見てるのは、不具合発見だけだし、署名の上書きとかは、本来は必要がない。

 たまたま、私の使い方が不味くて荒いだけで〜

 最悪、精気吸収がコントロールされていれば、お部屋にお籠りでもいいのか?

 

「今年は残る」

 

 ほっほぅ、何やら暗躍の為に冬休みも返上での労働奉仕をするらしい。

 死なないといいね。

 で、冬休み、お家の事情なんかで帰らない子のアンケートがとられた。

 

 もちろん、危険物筆頭の我が名は最初に刻まれておるぞよ。

 もうねー、誰もそこには突っ込まないの。

 ワイの家族は、聞いちゃいけないのさ。

 

 そして今回の居残りには、グリフィンドールのハリー君&ウィーズリー弟君ぷらす三兄弟が名を連ねた。

 四人だったんだね。

 双子と監督生、そいで全員グリフィンドール。

 

 帽子よ、手抜きしてない?

 

 で、この居残り組が決まると、マルフォイ君の煽り芸が激しくなった。

 クィディッチで負けて、というかシーカーで活躍したハリー君に突っかかるネタに飛びついたんだろう。

 クリスマス休暇で、生徒達が盛り上がってる空気の中。

 へいへい、お前、家にも帰れねーのかよぅ、家族もいないしなーという感じ。

 しかし、ここで思わぬ落とし穴が。

 

「クリスマス、姫と過ごせるのかー!

 姫ー遊ぼうぜー!

 雪だるま作ろーなぁースネイプ先生ー姫と雪遊びー」

 

「屋外での、子猿の取り扱いには注意するように。

 これに声を出させるな。

 後は、他に女子生徒も加えるならば良しとする。

 返却はスリザリン寮まで、女子生徒と共に移動させろ」

 

「アイサー!」

 

 最近、扱いが雑い。

 んで、そんな感じで双子兄達がワイと遊ぶーとびゃーびゃー騒いで周囲も気がつく。

 

 ワイなーハリー君と結構、被ってるって。

 

 それまで居残りとか、家族がいねぇーんでやんのぅとか、ハリー君を罵っていたマルフォイ君。

 はたと気がついて、罵りが出なくなっちゃったらしい。

 

 いやー気にせずに、どんどん煽り芸を披露するがいいよ。

 ワイ、結構、好きなんだー。

 

 まぁようするに、何かハリー君への罵倒言葉を考えてみると、全部、ワイと重なる。

 ワイ、ハリー君と違って唯一の血縁行方不明だし、強火担からの得体のしれないプレゼントとかあるけど、それでも悪口はだいたい被っちゃう。

 言ってるうちに項垂れて、最後に取り巻き二人に回収されてテーブルに突っ伏すという。

 

 何だ、可愛いなー。

 って感じで、へいへい煽ってる、へい煽ってるぅ〜っていうやり取りは、ワイがいると不完全燃焼になるようだった。

 じゃが、それでもめげずに煽り芸の道を突き進むマルフォイ君だったりする。

 

 冬休み前の最後の魔法薬学の授業、寒くて集中できないよーって思うが、換気を優先してか寒いまま授業が終わる。

 そいで皆、わーっと出ていく中、生徒の流れの先にはモミの木を引きずる大きな人。

 大広間はクリスマスの飾り付けをしているのだ。

 そこで再びのハリー君達とのバトル再開、ファイ!!

 

 寮監先生は、ここだとばかりに減点に走る、イケ、そこでデュエルだ、すたんだぁっぷ!!

 いやーすごいよねーと、すっかり観客のワイ。

 なんだろうこの小コント。

 

 そんな思考が伝わったのか、寮監先生は減点するとさっさと通り過ぎていった。

 ワイ?

 飾り付け見てから戻るーってスリザリンの皆に伝えていた。

 最近は自由に歩かせてもらっている。

 寮監先生は誰かと行動しろって言うけど、曲がりなりにも叫べるし、案外、攻撃力高めなので、トラブルになっても逃げられるだろうと判断されたようだ。

 

「違うわよ、ドヴワティーヌさんに何かしたら、スネイプ先生が出てくるって知れ渡ったからよ」

 

 十二本も並ぶXmasツリーを見ていたら、一人なの?

 って聞かれて、そうだよーって答えての反応。

 相手はハー子さん。

 

 その彼女は、私が一人だとわかると、何か話したいらしく近寄ってきた。

 柊に宿り木、キラキラの飾り付けが壁で輝いている。

 お城だものね、おとぎ話の中みたいだ。

 ハリー君とウィーズリー弟君は、大きな人とXmasツリーの飾り付けで騒いでいる。

 

 それはね、私の保護者がホグワーツ理事会と校長先生だからだよ。

 私に何かあると、寮監先生が責任をとることになる。

 

 と、メモ書きを見せる。

 するとハー子さんは、飾り付けをするハリー君達に目をやった。

 

「スネイプ先生は、グリフィンドールが嫌いだし、私達も嫌いだわ。

 私達も、スネイプ先生が嫌い。

 先生が何を考えているかわからないけれど、嫌われたら嫌うのは普通よね。

 マルフォイも、意地悪ばっかり。

 ほっといてほしいのに。

 貴女は、スリザリンだし、わからないわよね。

 スネイプ先生は、貴女には優しい。

 マルフォイだって、貴女をお姫様だと思ってるわ。まぁ、実際、そうなんでしょうけど」

 

 グレンジャー嬢、他に言いたいことがあるんだよね?

 ざわつく大広間は、とても楽しい雰囲気だ。

 その中で、彼女だけは憂鬱そうだった。

 

「マクゴナガル先生に言われた。

 不問にします。

 事故だったと相手も言っています。

 二度目はありません。

 それから、失望したって。

 私が火をつけたの。

 スネイプ先生に、そうしたら、貴方が燃えた。

 すごく、怖くなった。

 スネイプ先生は」

 

 私は頭を振った。

 私は寮監先生の意図を知らない。

 余計な事は言えないし、私自身の事も、あまり伝えたくない。

 まぁ簡単に言えば、相手は子供だ。

 

「彼がハリーを殺そうとしてると思ったの。

 止めさせようとしたの。そしたら」

 

 マクゴナガル先生は、怒った?

 それとも理由があれば、許すと言った?

 君の行いは正しかったと言った?

 緊急だった、ハリーの為だから許す?

 

「いいえ」

 

 叱責された。

 何故だと思う?

 彼女に問うと口を閉じて俯いた。

 

「何故、貴女の方が燃えたの?

 魔法?

 スネイプがやったの?

 貴女は、脅されてるの?」

 

 私は思わず笑った。

 声がでちゃった。

 ふふって。

 

 口を押さえて笑ってしまった。

 大人は嘘つきだ。

 そして子供は、答えが2つだけだと信じている。

 

 オーケーオッケー

 寮監先生、貴方は自らを傷つける姿をとれている。

 そのメッセージは正しく届いているよ。

 貴方の嘘は彼らの真実になっている。

 そして貴方自身も自分の嘘を信じているのかな。

 

 なんて、酷い。

 なんて面白くも、痛い。

 寮監先生は、とてもとても、大人に見えるだろう。

 子供からしたらね。

 でも、不器用な人なんだよ〜。

 

 貴女は、どう見える?

 私は、脅されているように見える?

 

 笑う私に、彼女は眉を下げた。

 

「ごめんなさい。

 火の事も、全部、ごめんなさい。

 でも、それでも私達は、スネイプ先生を悪い人だと思ってる。

 貴女とスネイプ先生は、それなりに楽しく過ごしているのは誰でも分かることよ。

 でも、それでも信用できないの。

 貴女自身も、私は少し怖い。

 絵本の中のお姫様みたいだけど、貴女を見ると怖いの。

 きっと雪の女王を見たゲルダと同じ気持ちなんだって、思った。

 こんな事、言うなんて失礼よね。

 何をいってるのかしら。

 ごめんなさい。

 私が魔法界出身じゃないからかな、慣れてなくて怖いのかも」

 

 私は頷いた。

 その恐れは正解だ。

 魔法界だから?

 違う。

 なんでも魔法界だからといって許容するのは間違いだ。

 この学校も、先生も、すべてを許容するのは間違いだ。

 けれど、まぁ、私は何も答えない。

 ハリー君は、危険な目にあった。

 彼らは、スリザリンは悪い奴だから、その寮監先生も態度も悪いし怪しいから、犯人だ!ってなったのかな。

 何か誤解を受ける行動を見たのだろう。

 そして誤解かどうかは、私としては不明だ。

 

 だって、内緒にして話してくれないんだもん、ヒゲとペッタリは。

 つまり、私にはスリザリンのスネイプ先生を擁護する材料がない。

 

 人間性?

 決して、彼は良い人ではない。

 悪い人じゃないなら、良い人かっていうアレね。

 彼はハリー君が嫌いかもしれない。

 もしかしたら、ハリー君に嫌われたいのかも知れない。

 普通の教師と生徒の関係にしたくないのかも知れないし。

 仲良くできない理由があるのかもしれない。

 ねぇ、もし、彼が犯人じゃなかったら?

 

「えっ?」

 

 スリザリンは、悪い。

 グリフィンドールは、正しい。

 ジェーン・エリオット1960年。

 もう一つ、スネイプ先生が犯人じゃなかったら?

 考えてくれたら、今回の放火は許す。

 貴女は、人に火をつけた。

 どんな理由があろうともだ。

 これぐらいの要求は許してほしい。

 その私の言葉に、彼女は考え込んだ。

 そして小さく、わかったと言い、ハリー君達の所へ戻って行った。

 

「休みはいつからだ?」

 

「明日からよ」

 

「ハリー、ロン、お昼まで、あと三十分あるから、図書室に行きましょう」

 

「あぁそうだった」

 

 三人は、大きい人と一緒に大広間を出ていった。

 ふぃ〜...シリアスは柄ではない。

 

 私はフワフワの飾り付けをするフリットウィック先生に近寄った。

 芸術点ばっちり、フリットウィック先生に百点!

 って伝えたら、先生は笑うと、金色のフワフワの他に、ピンクのフワフワも出してくれた。

 

 もーねー、何で皆もっと気楽になれないのかなー。

 こんなにロマンチックなお城のクリスマスなのにねー。

 

 と、思いつつ、大きな人のワンワン、紳士ファング君の情報を元に、気になる匂いとやらを探しに行くのだった。

 お昼もうすぐだから、あんまり真剣じゃないけどなーヒャッハー!!

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