R15は、エロではなく基本はグロという、ラブはどこに消えたんだろう寮監先生の苦行成分でできています。
「僕は、君の家族に会ってみたいよ。」
「いつだって会えるよ。
今度の夏休み、家に来ればいいよ。」
断片から拾い上げる会話が耳にスルリと入り込む。
寝不足でぼーっとしながら、食卓に集まってくる子供たちを眺める。
昨夜の色々で、寝たのが午前様。
なのに起きたのはいつも通り早朝。
朝活してるんよ、勉強ってさ、早朝がいちばん脳みそに染み渡るのよ。
んで、勉強しながら、吾輩氏の告白の衝撃と物体Xもろもろの事で、ちょっとばかりワイもオーバーヒートしていた。
んで、寮に現れた吾輩氏に普通にハグして朝の挨拶。
普通に仲良く手を繋いで歩いて、普通に首輪の調整をしている。
あれ?
きょりかーん、ぱーそなるすぺーす。
とうとうペット枠に?
「野生動物を飼う趣味はない」
そーだよねー。
「早寝しろ、ふらついているぞ」
ナチュラルに介護されていた。
今夜も見回るー、せめて傾向と対策、多分、目にすれば情報が浮かぶ気がする。
例の物は?
「もう送った」
できれば、枝が繁殖する前に、見分け方とかわかるといーなー。
「ベーコンかなにか食べたら、何も食べてないじゃないか」
「うん」
「大丈夫?」
少年二人の会話が通り過ぎる。
何となく吾輩氏を見る。
今日も麗しくないご尊顔。
毒々しい目の下のクマに、屍色の顔色。
ぺったりヘアスタイルは、実は無臭。
お体はお察しのお薬と素材の苦い香りでやんす。
あのさー、まだ三十路に足をつっこんだばかりのイケイケのハズなんだよ。
同年代、酒場でナンパしまくりなのに、何でシニカケてるのん?
「ほっとけ」
しってるーこの人ー、じつはーあだるてぃーなおんにゃの人にモテモテー。
よなよなであるいてるんですよーいけいけぼいすでー。
...
ポーカーフェイスだー、まぁマジな話、そっちは寝不足どころじゃないでしょ。
「この後、校長に呼ばれている。暫し、外にでる」
じゃぁ、さりげなく、混じっておくよ。
ヤバメの物に近寄らせないように。
「いや、詳細を伝えずに、寮内に留まるように伝えるはずだ」
あー、まーねー。
外出禁止令ね。
吹雪きになりそうだし、ちょうどいいんじゃね。
寒さに弱いし。
「おい」
なーにー?
「今、何と言った?」
吹雪そうだね~
「違う、『寒さに弱い』だ。いい加減にしろ」
うん、だから木、死んでたんでしょ?
冬で良かったよね、じゃなかったら、完全変態してスピーシーズシリーズみたいに、ちょっと倫理委員会案件になってたよ。
セクシー美女による、村中の男むしゃむしゃ事件。
村壊滅?
「情報共有の意味はわかるか?」
いや、そんな絞め殺しそうな顔せんでも。
今、浮かんだんだし。
あれ、寒い場所だと活動が減る。
いーまーがちゃんす、ボーナスタイム!
木は死んでるし、枝なら、焼けばよろしげというお告げが。
「火炎系魔法の練習は屋内でするなよ」
自動発動して、燃やさんでもいいものを燃やしそうだー。
りょうかいりょうかいー。
調整が終わり、食卓につく。
疲れ切った校長とマクゴナガル先生がやってきて、村で事件があった事を告げる。
外部の犯罪者が入り込んだようなので、しばらくは屋外活動や村へ行くことは禁止ですよって話をされた。
まぁ、犯罪者どころか、謎生物である。
魔法界は、不思議生物がたくさんいるし、不思議生命体も、別段めずらしくもない。
しかし、攻撃力バリ高で人間に寄生して入り込む、正体不明の何か?
と、その周辺に得体のしれないマグルや魔法使いがいるとなれば、これは危険生物やねー、どころの話ではない。
話ではないが、きっと公にしたくないのだろう。
まぁその辺の諸々は、私が考える事ではない。
関係ないって話じゃないけど、目先の汚物を消毒するのが先である。
何となく、蛮族プレイになる未来が見えたような気がした。
んで、夜。
昼間はいつも通りだよ。
自習して、図書室行って、校舎近くで雪遊びして、動物たちとお話。
変化は、不安そうなマクゴナガル先生と、ハリー君&ウィーズリー弟君。
ハリー君は終始ぼんやり、ウィーズリー弟君と時々何かこそこそ話している。
うん、突撃するのもアリだが、行動に問題がなければ放置である。
「マグル式治療痕のある歯が四本。
癒者による治療痕、魔法金属使用の物が一本だ。
再生治療で抜けたのなら、他の治療を先に選択した理由がわからない、との回答だ。
再生限界で、他の治療を選択。
もしくは他に身体に不具合があり、先に再生以外の治療を選んだ、というのは、考えられないとの話だ。
高齢である可能性も否定できない。
つまり再生限界の先、治療したが抜けてしまった。もしくは事故で抜けた。
この考え方もできない事は無い。
ただ、癒者やマグルの医療機関で抜いたモノではないらしい。
術を使った形跡が無い。
同一人物である事は確定。
それ以上は、捜査機関に渡す事になるが、落ちていた歯を理由もなく調べる事はない。」
今日はスリザリン側から、回転階段方向、つまり図書室を経由している。
歯を生やす薬で、古い歯が抜ける。
治療跡のある、歯が抜けている。
そもそも魔法族なら、新しい歯を生やすのが治療の第一選択。
わざわざ面倒でパフォーマンスの悪い結果を選ぶんだよ?
選んでから、やっぱ再生治療にするよ?
それ、ないんじゃね?
最初に痛い治療、次に魔法薬でおNEWの歯にする?
やっぱりわけがわからない、というのが普通の見解。
マグルかスクイブの人で、こっちに来たのが治療の後?
「魔法癒者の治療跡もある。故に、こう考える。
勝手に抜けた。
もしくは抜いた、だ。
治療には関係がない、抜歯だ。」
あー
で、ワイの表情を見て、彼は片眉を上げた。
今更だろうが、である。
まーねー
すごくすごく、嫌な想像をすればだ、抜かれたのだ。
拷問?
それはR18以上よ、ファンタジー世界の拷問って、グロゴアスペシャル有りなの?
倫理、中世魔女狩り時代と変わらずなの?
ブレア・ウィッチ・プロジェクトなの?
世の中は、相変わらずゴミ溜めである。
11歳の少女よ、ワイ?
まぁ見えないけど。
「誕生日には、血の力が入りやすい装身具を贈ろう。好きなデザインを考えておけ」
それ実験やん。
珍しくツッコミに笑う雰囲気。
組んだ腕が微振動。
今夜は介護の為に、腕を組んでいるからわかるのだ。
誰の?
ワイの介護や。
ふらつくから、階段で落下して昇天しないようにだ。
傍目にはお優雅にお散歩であるが、会話内容は、得体のしれない謎生物の周辺捜査、出てきた歯の話。
事件性がアリかナシか。
グロゴアの可能性。
夢も希望もない。
「そもそも職員の歯かは、調べていない。
そして、そのような証拠を残すか、という疑問もある。
こちらとて、何やら異様なモノが出てくるとは思っていない。普通の職員がしない事、違和感を探しているのだ。
歯があった。
だから?
問いかけが不適当だ。
その歯は、誰のだ?がよかろう。抜けた原因よりもな」
それなー。
誰の?
という問いかけ自体が怖い。
因みに、夜回りについて歩く私を見たマクゴナガル先生は、胃を押さえて呻いた。
一応、説明としては、寮にてお部屋に収まるまで猿の散歩をしているという説明。
猿。と、公言されるワイ。
「猿に迷惑だったな」
相変わらずの塩っぱさである。
「もう一つ、歯がある事。
この違和感が、アレと結びつくかだ。
君は、違和感が、アレと結びついたから、指摘した。
では、その根拠を述べよ」
ロッカーに歯だよ?
「どこぞの教授は、喋る植物を部屋で育てているが、その植物の餌はタンパク質、それも生肉だ。
今は手のひらの大きさだが、いつか、最後の朝が来る事だろう。」
とめろよー!というか誰?
植物スペシャリスト先生ではない事は確かだ。
そして何、そのリリック。
最後の朝とか綺麗にまとめんなよー!
きになるぅ〜ではない。
...つまり魔法界、奇人変人ばかり也。
歯ぐらいじゃ、おどろかねーという事かよ。
「魔法薬学の材料を思い浮かべろ、私室には無いが、おそらくマグルでいう猟奇的な風景であろう。
だが、犯罪現場ではない。
それに私であれば、殺人を犯したとしても証拠は残さぬ。
塵に混ぜてしまえばよいだろうし、使える部位ならば実験の材料にもよかろう。
故に、マグルの常識以外での違和感を述べよ。
後出しで、寒さに弱く焼却可能という話を聞かされたくない。」
サラッと完全犯罪の話になっているが、ちょっと考える。
何で、抜けた歯で、これ証拠になるんじゃね?って思ったのか。
脳内会議。
ワイ、ねぇねぇ、何か気がついたー?
『そうねぇ、彼、受け入れると距離感が近くなる人なのね。意外』
野生の猿というカテゴリーのようだよー。
『まぁ愛玩動物飼ってもいいよの括りに入ったのなら上等よ。
じゃぁ違和感ね。
白い魔女の託宣までは使わないわよ。うーん、種子のままだから、まだよくわからない。
どちらかというとアナタのビジョンよ。
つまりアナタが取捨選択した情報で答えを出した。
貴方と彼女は、マグルでいう回転の良い頭をしているの。
視覚や聴覚から入る情報で、答えを出す。
きちんとした理由はあるけど、結局、感覚で答えを出しているように見えてしまうの。
だって、普通の人には一つの風景だけど、アナタ達二人は、多くの情報を得ているって訳ね。
で、アナタ、そうアナタ、大人の貴女。
あの歯を見て、どこかで見たな?って思った。ほら、糸口よ、考えて』
どこかで見た?
私が?
どこだ?
『貴女はマグルの娯楽を持ち出した。
アレの事は、貴女が知っている架空のお話にそっくり。
私が良く知っているアレも、そういえば、そっくり。
寒さに弱くて、人間に寄生して、どこからともなくやってくる。
焼き殺して、子供や愛する人から遠ざけなきゃって。
そう、架空のお話なのに、何故か浮かんだ。
それ、架空なの?
ここは架空の世界だったかしら?』
「凍えちゃうよ、もう諦めて帰ろうよ」
彼はダンスのターンを切るように、私を柱の影に押し込んだ。
「嫌だ、このあたりのはずなんだ!」
声だけ、聞こえる。
でもハリー君とウィーズリー弟君だとわかる。
四階の通路に来ていた。
見廻りの事は周知しているはずだ。
そもそも警戒するようにとされているのに、あの二人はどうしたのだろう。
傍らの人は、イライラと心配が混ざっている。
仕掛けといたのに?
黙れという感じで、喋らぬ口を押さえられる。
そのまま頬を指で挟まれて、変顔に。
なにゆえ〜
「ここだ、ここだったよ!」
ゴツい鎧の側に、少年たちが現れた。
二人は不思議なマントを脱ぐと、空き教室に入っていく。
少年たちの様子を、扉の隙間から眺める。
それは不思議な光景だ。
細長い立て鏡に、それぞれが興奮してうつし合っている。
ハリー君は家族。
ウィーズリー弟くんは、自分が監督生になった姿、が見えるらしい。
背後からは、ただ、鏡に映る少年と暗闇ばかりだ。
私達は、フィルチさんの気配がするまで、そんな少年たちを眺めた。
そしてミセス・ノリスが現れるのを見て、再び柱に隠れた。
あとは、お察しのやり取り、また少年たちは消えて逃げ去っていった。
部屋に入る。
これ、魔道具?
彼は薄く笑った。
「覗いてみろ」
鏡の前に立つ。
いつもの私だ。
灰色がかった鈍い銀髪。
情けないような表情にも見える垂れ目。
促成栽培で身長も伸びた、少女の姿。
「何が見える?」
大きな鏡だ。
黄金の装飾、そして何故か誰かに見られているような気分になる。
そこには私がいる。
いつもの私が揺らいで、成人後ぐらいの私が見えた。
まぁそんなに変わらないけど、もっとふてぶてしくて、それでいて心配になるほど痩せていた。
ただ、相変わらずバランスの悪いスタイルで、実に挑発的。
厚底のブーツの攻撃力も高そうだし、皮の手袋とライダースーツは、夜に似合っていた。
誰か背後にいるけれど、顔は見えない。
たくさんの人の気配はするけれど、顔は見えない。
不思議。
私は一人ぼっちで立っている。
苦笑して、斜に構えて。
そうね、マグルのファッション。
スレンダーで黒のハイネックをスーツの中に着ている。
ゴールドの腕輪。
化粧は、眉を整えて、キリッとした線でアイライナーを引いてる。
似合うわ。
髪の毛も、もうちょっと金色がいいな。
中々いいじゃない。
ルージュを引いて、ほら、笑って。
タバコを片手に、うん、いつかの私ってこんな感じだったみたいね。
イライラしながら、くだらない嘘を聞き流す。
きっと我慢の限界が来たら、男の顎をめがけてストレートを叩き込んでいるわ。
そう、強い私ね。
今の私にはフィジカルが足りないわ。
「開心術と同じ系統の術だ。
未熟な閉心術を使用している場合は、映らぬ。」
未熟?
高度じゃないの?
と、差し出される手。
うん、私に見せる、読ませてくれるとー。
高度な閉心術の術者が見せる鏡の似非情報?
そうして鏡を覗き込む。
はーい!
こんにちは。
彼女が話しかける。
ほんのりと笑う彼女。
美人ね。
明るい色合いの女の子。
綺麗ね。
きらきらしてる。
綺麗な緑の瞳。
白い肌に、微かなそばかす。
空、青空。
景色、滲む風景。
春、ね。
テムズ川が見える。
風が吹いて、振り返る。
彼女の微笑み。
綺麗ね、きらきらね。
公園ね、ちょっとした公園。
ざわざわしてる。
私達は手を繋いで歩いている。
たわいもない話。
あそこの犬が怖いとか、あのアイスクリームスタンドのアイスの乗せ方が信じられないとか。
何かとっても真剣に話している。
頷くだけなのに、ちゃんと会話になってるって、とても嬉しく思う。
あぁ、
こういうの、よくない!
悪趣味だぞ。
私は断ち切ると、鏡に映る男を睨んだ。
これはよくない魔道具だと、一発で理解できた。
けど、布教するなら、こういう見せ方をするんじゃねーよ。
「布教?」
安直な例題を並べて見せてくれたんだろうけども。
ワイなー
残念ながら、リリカルロマンチック乙女じゃねーのよ。
初恋フィルターの世界を見せられて、ちょっと泣きそうになるのとか、うれしくねーの。
高度過ぎる閉心術をありがとう。
まぁ一周回って、本気で見せているかもだけどね。
叩き割っていい?
「駄目だ。
これは学ぶ為の道具でもあり、必要な代物だ。
現実から目を逸らし、偽物に頼るような弱者を囚え腐らせる。
悪質な罠。
逆に性質をわかっていれば、利用もできる。
開心術と似た仕掛け、思念を読み取る魔道具である。
修練にも良い。
閉じた上で取捨選択した心を読ませる、確認できるのが良い」
よくねーよ!
何だか、腹が立つのは気の所為?
私の場合、おかしくない?
願望、願いがフィジカルアップ?
夢も見させてもらえないの?
バカにしてる?はぁ?
「野生の猿らしい発想だ」
扉を閉じ、鏡の間から出る。
子供より、こんな代物を持ち込んだ大人の方が学ぶべきだよ。
親の無い子供に、現実を見ろって?
それとも、過去よりも未来を願えと?
それに説教が返るのかと思ったが、彼は肩をすくめた。
「深い思索の上で与えられる学び、なのだろう。
だが、君の言う通り、これはエゴでもある。
正しくはないだろう。
だが、必要でもある。
彼の歩く道筋の困難さを思い、学ばせている、というのは、エゴそのものでもある。
故に、叩き割るのは止めたが、考えは正解だ。」
ややこしい。
「リリーなら、叩き壊しただろう」
即座のレスポンスで頷いてから、頭を振る。
わかってて、それかよ。
自分の息子に、あんなクソな魔道具を覗かせる?
目的は何だよ?
って母親だったら背筋が寒くなって、ジジイのヒゲを毟って、貴方にパンチを食らわせるだろう。
いや、納得すんなよ。
「その解釈は妥当だ。私はどうかしていた。」
目覚めるのが遅いだろう。
力が抜ける。
「君には明かしていない、様々な要因がある。
だが、クィレルのことで、前提条件が崩壊した。」
前提条件?
「闇の帝王が復活する事を前提に動いていた。
謎の第三勢力の台頭、それも魔法界の外から。
グリンデルバルド以来になるだろう。
新たに死喰い人の中から台頭する勢力が有るかなしかの話とでは、まったく違った動きになる。
帝王の復活そのものが、こちらの考えていた筋から外れ始めてもいる。」
階段を登り、天文台方向に向かう。
肖像画に挨拶をし、通り過ぎる幽霊の集団にも手を振った。
闇の帝王(笑)って、あのクィレル頭部で、半ば化石みたいになってた奴でしょ?
「君の血筋の発覚もある。
魔法界では、君の両親や血筋の事は、話題にもなっていなかった。
君がホグワーツに来てから、さまざまな歯車が噛み合わなくなっていった。」
私が原因だと?
まぁ原因かも知れないし、この高い塔から突き落として終了にされても不思議ではない。
「私が手をとっているのにか?」
淀んだ瞳を見上げる。
利用し終わったら、協定も終了でしょう?
...
その笑いの意味がなー。
笑顔、こわいんだよー。
彼は何も言わず、通路の終わりと教室の扉に灯りを向けて方向転換をした。
ここは一番高い位置なので、はるか遠くの青白い山や、魔の森が雪に沈んでいるのが見えた。
「そう怒るな。
君を引き入れたのは、前提が崩れ、不確定要素によって、語られていた道が壊れたからだ。
ダンブルドアは、その確認に今、奔走している。
更に、あの死体だ。
私にとっては、君は思いもよらぬ僥倖だ。」
お世辞はいらぬ、なのだ。
つまり想定から大幅に外れた事が起きた。
だから、少しでも安全マージンをとりたくて、私を手元にいれておくと?
それに少し首を傾げてみせると彼は言った。
「私がどうなったところでいいが、私が願う事に対してリスク管理をするのは当たり前であろう。
君にも利益はあると何度も言った。
共闘すれば死の影を少なくできる。
例えば、今、この城の中で何かがおきてもだ、未熟な魔法使いの君だが、未知の知識とその厄介な能力、それに私がいれば、生き残れるだろう。
君の能力は、男という寄生先ありきのものだ。
そう、あの木と同じく、寄生先がなければ、簡単に死ぬというわけだ。
君も理解しているんじゃないか?
私を選んだのは、このホグワーツで一番、闇を知っている獲物だからだ。」
嫌な事実をありがとう、先生。
「名でいい」
人でなしな話なのに、だからこそ信じられるという理屈に、頭を振る。
「早く大人になってほしいものだ」
誤解を招く言いざまだが、子供だから外聞が邪魔をして動きづらいという意味だろう。
***
「それで、この(みぞの鏡)は、何を見せてくれると思うかね?」
わからない、とハリー君は首を振った。
「では、ヒントをあげよう。
この世で一番、幸せな人には、ただの鏡じゃ。
わかるかな?」
「欲しいものを、見せてくれる?」
「あたりでもあるし、はずれでもある。
こころの一番深い場所にある、望みをみせてくれる。
じゃが、これは真実をうつすものではない。
現実なのか、可能にできるのか。
見た者はわからなくなる。
希望ではない、己が中にある欲であって、知恵ではない。
じゃからな、見ると惑わされてしまうんじゃ。
この鏡は、明日には他所に移そう。
もう、この鏡を探してはいけない。
そして理解したじゃろう。
夢を見て現実を忘れてはならない。さぁもう大丈夫だろう、もどりなさい」
少年はダンブルドアに質問をし、答えを得ると頷いた。
考え込む姿は、姿を隠す魔道具と共に消えた。
「さて、良い夜じゃのぅ、セブルス。そしてドヴワティーヌ嬢」
酷いペテンを見た気分だけれど、何故か、校長が凹んでいる気がした。
ろくでもない魔道具は、賢者だって惑わすのだ。
そして高説をたれたところで、人間は人間だ。
「今のところ動きは見られません。」
「そうか。村の方でも余所者には監視をつけているが、今のところ何も出て来ぬ。
で、彼女は?」
べっつにーなにもぉ。
「何も」
「言いたいことは無いのかの?」
この鏡は何処へ?
「身元は割れましたか?」
しかとー。
「被害者は、新聞記者じゃった」
「ホグワーツの休暇時期にですか?
そもそも正式な取材依頼がなければ、敷地内にも入れませんが」
人間に見えるナニカも、この鏡を見たら、何かがみえるのかな?
それで見分けられたら楽なのになー。
見た目じゃ判別できないし、喋っても本人だしなー。
吸血鬼みたいに鏡に映らないとかだったら簡単なのになぁ。
まじで吸血鬼いるとか、この世界謎すぎだし。
で、彼が私を見た。
変な事いった?
じょーくだよー
「何と言っているんじゃ?」
「認識の誤差があるようです。
つまり、アレは見分けがつかなくなるのか?」
ん?
クィレル先生は、隠してたけど、あれって頭に顔があったからでしょ?
木の姿の奴は、病気で言ったら発生源。
そっから増えてく木の枝は別だよー。
そいで私が探してるのは、枝。
だって大本ぽいクィレル氏は隔離されてるんでしょ?
お外で呼ばれた木は、季節を間違えてるし、凍死とか。
でもさ、枝の方がやっかいだよね。
アレは擬態完璧だしぃ。
完全に寄生した相手の複製をつくるから。
だから、見分け方を探したいんだ。
大本の木はさ、そもそも冬の寒さに耐えられずに死ぬしね。
「つまり、あの死体やクィレルは異形の姿をしているが、他は違うと?」
貴方もわかってたから、私の手をとったんでしょ?
違うの?
そのつもりで話してたんだけど。
アレは、入り込んだ生き物と同じ姿というか、複製をつくるんだ。
入り込んで徐々に体を侵略する感じかな?
置き換えて、時間をかけて乗っ取る。
だから、普段はわからない。
まぁ人間だったら違和感に気付けるかな?
それも外見も発言も、記憶も複製するから、こっちはわからない。
貴方と私はこうして繋がっているから、安心だって理解してるからだと思ってたよ。
まさか、怪しいからって火をつけたり刺したりできないでしょ?
簡単な見分け方を探したいの。
中世スタイルだったら、拷問すれば正体を見せるでしょうけど、そもそもそんな手段はとれないしね。
闇祓いだととれる?
セウェルスは顔を片手で覆った。
冬で良かったよ〜。
「情報を整理する時間と、学校内の徹底的な走査。
休暇明けに異物を排除できる術式の考案。
神秘部と闇祓い双方、ある程度の情報共有をすべき事態かと。」
校長が何かを言おうとして口を閉じた。
「気温の低下で活動を停止。
人体に入られた場合は、偽装を見抜く事が困難。
つまりある程度、元の知性と人格を有する。
焼却が望ましい殲滅方法。
屋外の死体は、不完全、失敗作。
頭部寄生は、成功とは言えぬ状態。
判別方法不明。
これの頭をかち割りたいところですが、本人も確定情報と発言の整合性が未だにとれておらぬようです。」
神様に、永遠がほしいですーって、信者が願う。
生贄は、永遠がほしいと思ってる本人でもいいわけで。
神様は、生贄ねー、じゃぁ食べますねーで食べる。
そしてその生贄を元に、子を産みます。
産めよ増やせよ地に満ちよだよー
神様的には、我が子になれば永遠だよ?
繁殖したまえ!
で、産み落とされたのが、あの死体。
気温低下してる雪の中で死亡。
寒さに極端に弱い。
けど、あれ、どっかで温めると、不幸の手紙みたいに増えるから注意。
そいであれが木ね。
木は動かないし、姿も変わらない。
けど、木の枝は、散らばって増えていく。
神様の望む子を増やすためにね。
これを心配してるの。
だから、生贄の儀式を心配してるのは、その先にある繁殖、増殖だよ。
今回は雪の中で、死骸になってたから、枝はできてないと思うんだ。
ただ、クィレルは、奇妙な状態で人間のままだったから、どこかに枝をまいてそうで、不安。
だから、冬の間に、枝が育ってないか見ておきたい。
その枝が心配なんだよ。
まったく区別がつかないから、記憶も侵略されちゃうしね。
男に入られると、女に植えられて生まれちゃうかもだし。
あれ、なんで、こんなに知ってるのかな?
そうだ、あれ、男に入り込むと厄介なんだ。
赤ん坊が枝の擬態で生まれちゃうんだ。
そうすると化物だってわかってても、親が絶対に離さない。
やっぱり魔法史、歴史として残ってるはずだよ。
クィレル氏と接触していた人の中に、紛れてる事が怖いんだ。
でも、それこそ魔女狩りみたいな状態は怖いもの。
セウェルス、校長先生は読んでる?
「あぁ」
校長先生。
校長先生は、本物かしら?
「これは、困ったのぅ」
注)名前はいい間違えではありません。わざとです(*´ω`*)