R15は、グロ予防処置と寮監先生の苦行成分でできています。
愛は確かにあるのですが、見えないのですよ。
結局、枝の痕跡は学内にはなかった。
私が知っている事。
木は、儀式によって生まれたモノ。
その木は、寒さに弱いし、あからさまに異形。
で、その木の枝は、人間に寄生して増える。
木が増えるんじゃなくて、木を支える枝がね。
枝は人間に寄生して、複製がなりかわる。
見分けはつかない。
そして男に入られたら終わり。
女がその男の子供を産むと、枝ではなく、根が生まれる。
根だ。
そこから繁殖できれば、あっちの勝ち。
根は、そもそも人間じゃない。
儀式で呼び出したモノと同質。
人類終了ね。
木は、寒さで死ぬ。
枝と根は、焼き払わないと駄目。
昔は、気がついた人が、町ごと燃やしたりした。
天罰のように、溶岩の下になった事もあった。
私の記憶では、けっこう奴らと遭遇する事が多かった。
魔女を苗床にするのが、一番、いいってね。
絶対に嫌よ。
だったら、死ぬわ。
心を砕いてくれた貴方に殺してもらうの。
優しくね。
痛いのは嫌よ、貴方を見ていたいの。
最後まで。
私の体を盗られないように、深く埋めてね。
焼くのがいいんでしょうけど、
焼かれたくないの。
ほら、いつも焼かれて死んでたでしょ。
そんな最後の姿を貴方に見てほしくないの。
最後まで、キレイな私を覚えていてほしいの。
覚えていてね。
ほら、お願い。
私、怖がりだから、自分で死ねないの。
お願いね。
最後まで私を離さないで。
そうそう、可愛い貴女、お喋りさんの貴女、ちっちゃくて可愛い貴女にも伝えておくわ。
奴らが私達を狙うのは、それだけ木になる事が難しいからよ。
だってそうでしょ?
神に喰われて生まれ直す。
そんな悍ましい儀式を乗り越えられる魂なんて無いわ。
だから、特別な魔女を探しているの。
美しい私達。
私達ぐらい美しいと、守ってもらえるのよ。
人でなし?
弱い女が、奴隷を作ったからって、悪い事かしら?
邪神を崇めるような輩から逃げるには、たくさんの奴隷が必要でしょ?
奴らは、子供を狙うの。
それから爛れた心を狙うわ。
死にたいと願う魂もね。
だから、私は欲望を選んだのよ?
死にたい?
ふふっ、死にたくてもね、息をしてるってことは、生きたいのよ。
欲望はね、死ぬまであるのよ。
わかるでしょ?
ほら、負けないわ。
怖くないでしょう?
…
…
…
…
( ゚д゚)ハッ!
さいこぱすー!
アンタがこえぇよ!
ってじぶんかー!
すんごい、嫌な目覚めである。
女のイヤラシイ部分を煮詰めたような囁きで目覚めた。
これが自分である。
すんげー嫌。
もそもそと起き出して、寒いんだよーっていいながら、可愛い鏡台の前に座る。
寮に寄贈された、なぜかファンシーで乙女な鏡台が、部屋に設置されているのだ。
そこに座る。
細かな魔力コントロール、炎系は無理だが、室内をほんのり温める事はできる。
石造りのお城の、個室の大きさならできる。
かなちぃ。
つまり広いお部屋でやっと魔法が使える。
やけしなないんだよー。
で、杖をちょいっとふって、ほんのり温風。
ついでに鼻歌を歌う。
気持ちが落ち込んだら友達に電話...は、できないので、歌う。
Lady Gagaを朝っぱらからだ。
歌詞がね、人前で歌えない系。
たぶん、夢の中の魔女子さんで、この選曲になったんだろうな。
ほら、Bad Romanceとかね。
んで、本来、11歳の女の子は化粧をしない。
する子もいるだろうけど、子供用のだよね。
座ったけど、朝チェックだけだよ、ムダ毛とか。
女子の朝の顔なんかに夢をみるなよー。
まぁ化物の私の顔は、朝からパーフェクトである。
ムダ毛も無いし、涎もたれてない。
朝から無駄に、キラキラ瞳が輝いてて、人間なの?って疑うレベルだ。
だからってさ、自分の顔にはうっとりしない。
皆そうでしょ?
枕カバーのあとがついてたって、自分の顔は顔だ。
わーきれいーなんて思わん。
私の顔があるだけだ。
目ヤニないよね?ってところ。
朝起きて、自分の息が臭くないかなーとか、やっと体が温まったら、洗面に向かう。
部屋に洗面の支度とか妖精さんがしてくれてたんだけど、やっぱりバスルームの方で、盛大に嗽したりしたいわけ。
そりゃもぅオエッてしながらね。
ほら、女の子だって普通の人間なわけよ。
普通にトイレタイムとって、少しストレッチして、シャワーは寒すぎるしなーとか、一通り済ませる。
実は生理がきちゃって、憂鬱。
とうとう外見だけじゃなくて、中身の成長も追いついてきちゃった。
生臭い話だけどね。
更に能力が上がりそうな気がする。
それも心配なんだよ。
女郎蜘蛛とか茶化してたけど、ね。
夢の中の私が完成形だとすると、完全に寄生虫。
そうそうスピーシーズみたいって、木の事を言ったけど、あれは自分自身の事だ。
言われなくても、理解しているよ。
スピーシーズ種の起源ね。
アメリカ映画のスピーシーズシリーズ。
セクシー美女の女優を起用して、B級SFでも人気があった。
この世界で撮影されるのは、数年後かな。
視点は人間側のSFホラーなんだけど、敵対者の視点からすると、常に人間が怖いんだよ。
彼女、そのエイリアンの細胞をつかって生まれた女の子は、本能に従ってるだけ。
悪いのは、そのエイリアン細胞を使った科学者じゃん。
で、お約束。
自分の子孫を増やす恐怖のエイリアンっていう。
だから、健康で病気の無い人間の男と子供をつくりたい。
で、念願かなって子供を宿すことができるんだけど、エイリアンだって事で追い回される。
まぁ容赦なく、人間の邪魔な男を殺したし、嫌な相手も殺す。
そんな訳で危険な生命体だし、産んだ子だって繁殖するなら人間社会の敵だし、人間の外見でも討伐は必須。
んで、当然な話、映画の人気のひとつ、エイリアンの擬態は美人でセクシー美女に。
エロホラーって事さ。
すげぇ思い当たらね?
今後、奇跡的に誰かと愛し合えたらさ。
その時、自分がとんでもない化物になるんじゃないかって。
さらに言えば相手を、奴隷化しそうで怖いんだよね。
相手も納得するならWin-Win?
いや、そんな玄人になりたくないし、夢も希望も行方不明じゃん。
わかってるけどさー(>ω<)
恋愛に過大な夢は無い。
11歳の彼女には悪いけど、それで人生は変わらないし、変わったら駄目だ。
けどさーさすがにさーヽ(・ω・)/
エイリアンとまでは、思いたくないわけよ。
人生ってきびちぃ(>ω<)
もちろん、それは最悪の想定だ。
私だって、奇跡的に幸せになれるかもしれない。
恋愛もコミュニケーションのひとつで、素晴らしい人生経験と幸福感を齎す事も知ってる。
否定はしないよー...。
じゃが、魔女子さんとワイは、最低最悪なことも知っている。
そりゃもー溝泥のような人間関係も知っているし、クソのような付き合いも経験している。
そう人生ってきびちぃ。
朝っぱらからヘビーだぜぃ。
ただ、これで初恋によるご乱心とかは、私や魔女子さんがいる限り、無用な被害は出ないと保証できる。
夢も希望も無くしてごめんね。
こんなに美人なのにねーだから、お猿っていわれんだよー!
あの鏡の中の私が理想なのだろうか?
強くて自立してて、男を従えてる?
それよりも自由で、どこにでも行ける生活、じゃないかな?
ライダースーツ着てたし、きっとバイクで走り回ってる感じだ。
現実の鏡の中の女の子は、少し困ったようなタレ目に下がり眉だ。
マクゴナガル先生が選んでくれた服は、ロマンチックで古風なお姫様風だ。
だから、制服じゃない時は、私だけ中世スタイルなんだよ。
中身はねー猿なのにねー。
何だか、凹む。
考えるのがつらい...。
…
…
…
( ゚д゚)ハッ!
駄目だ、これがあの鏡の罠だ。
ほら、元気出せ〜!
少し眉を整えるかな。
本気で化粧するとね、マジで老けちゃうからね。
髪の毛をブラッシング。
前を向けよぅ〜。
力をつける。
フィジカルも含めてね。
自由を得るのに、自分を鍛えるのは本道だ。
男?
権力をもった誰か?
己が容貌や力を使う事をためらう必要はない。
けれど、それ以前に、人間としての力、能力があるべきだ。
か弱いお姫様では、怪物に男が喰われたら、自分もジ・エンド。
追い詰められて、男に殺してもらう?
冗談じゃねーんだよ、馬鹿が。
その男をひっぱたいて、使い倒して逃げるんだよ。
じゃぁどうするのか?
そりゃー魔女子さん、11歳の私、きまってるじゃーん、お勉強するんだよー!
元気出せ〜!!
朝活だ〜じんせーいはぁ〜いちどきりぃ〜!
何事も毎日の積み重ねだー!!
うっし!
ハイテンションで、新学期に備えて教科書を熟読。
んで、暫くすると。
夜明けの光は寮には入らないけど、窓の外、水中から巨大生物(イカちゃん)がご挨拶。
はーい!
朝なのね?
うん、ひとりでもだいじょうぶー、ありがとーやさしいー!
お部屋の時計とほぼ変わらずに、朝だよーって顔を出してくれる。
因みに巨大生物、模様から雌のような気がする。
SAN値チェック生物かと思ったら、優しくてサービス精神に富む生き物だった。
んで、彼女?のお知らせで、身支度の時間だと悟る。
といっても、先にシャワーやら何やらは終えている。
最近お気に入りの、ローズバームで整えるだけだ。
それだけでキラキラ唇にキラキラお目々のエイリアンが出来上がる。
こえぇよ!
まぁ、香水はまだ早いって話。
寝不足は無いよ。
夜回りは終了したからね。
既に枝として入り込んでるなら、休み明けに出勤してくる人達を精査するしかない。
学校内に不審物が無いとわかれば、それでいい。
後はヒゲとぺったり二人が考える事だ。
ともかく、自分は情報提供と、彼のフォローだ。
自分を守るって意味なら、この学校、私の生活空間を守るのは当然だもの。
さらに言えば、女神原理主義者が言う女神の息子の動向に気を配る事は当然だ。
ハリー君が怪しげな生き物に喰われでもしたら、セウェルスはSAN値直葬になって、色々な意味でゲームオーバーだろう。
側にいる私も巻き込まれてろくな目にならない事確実だ。
つまりハリー君をフォローする&木の撲滅、これが平和へのシナリオだ。
危険な生物を排除し、ハリー君が生きてれば、ゲームクリアである。
あ〜マーガレットに会いたいなぁ。
元気にしてる?
飛ばしちゃってごめん。
だけど、私のまわりにいないほうがいいかもね。
化物問題片付かないと、魔法界につれてきちゃダメだしな。
つーか、探さないと。
まだ情報が何も来ないし、これも相談しなきゃな。
下手に動くのも怖いや。
いやぁ、なんだろう。
ハリー・ポッター原作読んでる転生者いないかな?
つーか、ここハリー・ポッターの世界であってるんだよね?
物体Xとかフザケてたけど、もろ、物体Xと設定似てない?
まだ、人間だけだから、人間だけだよね?
ましゃかねー(´・ω・`)
何度も否定するけど、モノホンの物体X・The Thingだったら、すでにホグワーツにいる人間は全滅だ。
南極基地ほどの極寒の世界ではないし、この魔法界にたどり着く前に、ロンドンが壊滅しているだろう。
そう自分のアホらしい妄想を却下した。
そういえば、名を呼べと言われたが、あれも困った事だったと思い出す。
日頃から、セウェルスにしといた方が安心かな?
一応理由はあるんだよ。
女神が彼を何と呼んでいたのか知らないので、呼び捨てる時に勇気がいったのだ。
被ると嫌だろうってね。
きっと彼は女神以外の女から、彼の名を、愛称とかね、呼ばれると虫唾が奔るだろうなぁ。
と、余計な事を思ったんだ。
まぁ余計だけど、外れてないと思うんだよ。
彼女の優しい声や言葉を、彼は忘れたくないだろうし、こっちだって上書きはしたくない。
名前ぐらい誰でも呼ぶ?
それでも、だ。
人間の記憶は、どんどん上書きされてしまうし、忘れてしまう。
彼がその記憶を魔法的に保存したとしてもだ。
いつも住まわせている孤島でも、時間は流れ、その声は変わっていくのだ。
私が喋れない、物理的な声を彼にかけていないから、許されていると私は思っている。
言葉として届けているのは、意味とイメージで音ではない。
歌は音として耳に届いているけれど、会話は、音ではなくイメージなのだ。
だったら、声の無い私が名を呼ぶのもいいだろう?
彼自身も、そう考えている。
だから、面倒無く名でいいと言うんだろう。
けど違うって私は思うんだ。
それは違うんだよ、Baby。
あの時、ラテン語で呼んだのは、人間て思ってる事、考えてる事以外で、感じてる事があるって知ってるからさ。
私がそれだ。
だから、とっさに幼馴染だった女神が使わんだろう、セウェルスで呼んだ。
私が嫌だからじゃない。
きっと貴方は感じてるはずだってね。
許容範囲と彼は言うだろう、事実、名前でいいよって言ってたし。
同僚だって、彼をセブルスと呼ぶ。
けどさー、学生服を着た少女が、彼をセブルスと呼ぶのは、あまりよくない。
外聞の話じゃなくてだぞ。
名というものを、繰り返し口にするのは、魔術的にもよくないのもある。
彼も知っているだろうに。
魔術って形が物を言うのだ。
人形に、髪の毛とか血を入れると、あら不思議、呪いの人形が完成するのよー!
と、言う世界が魔法界。
セブルスーとか、おセブーとか呼んでみろよ。
彼は感じる。
自覚無くね。
吾輩氏、確実に病む。
こんな猿でもわかるんだぞ。
美しい思い出がAgainで、自覚無くSAN値が微量に毎回削られる。
イカン。
BADENDで、ワイ、今朝の悪夢がリアルイベント!!
まぁそれは冗談だけど。
セウェルス呼びでよいなら、そっちで呼ぶつもり。
偶然にも彼女が使用した愛称で事故ったら、大惨事だぞ!
似てても似て無くても、奴の瞳が淀む事確実。
深淵が見えるぅ。
ぎゃーホラー!
リリカルな、あの偽装世界のマジなバージョンが流れるんだよ。
音声とかリアル再現で。
成人男子の執念と情念のリリカルフラッシュバックだぞ。
ワイのSAN値もダメージ必須。
悲恋とか、ワイ、無理。
それもジメッとした陰キャの視点。
きっと女神は愛称で可愛く呼んでたはずだ。
花が散っちゃうくらいのリリカルロマンだ。
うがー!!
そんな女は現実にはいねー、絶対、彼女はもっとサバサバしてるぞー!
だってさ、つまりハリー君のパパと彼女は結婚してる訳だし。
つまり人妻なのだよ。
ご両親はお亡くなりになってる訳でさ。
こう色々あって、彼女の死因?ってのに関わってたとかの背景はヌキヌキにしてだ。
お元気だったら、もう、彼女の息子入学場面。
家の息子よろしくね、おセブーとか言われてたわけじゃん。
もうね、色んな意味で、泣けてくるよ。
スンッってなったよ。
朝っぱらから何やってんだろ、私。
人のあまずっぺぇ初恋の世界と、現実の塩っぱさを想像して、のたうつとか、オッサンかよ。
可愛くサイドを編み込んで、女子力を少しでも上げよう。
無駄?
無駄じゃねーよ、猿だって、生きてるんだぞー!
で、談話室でスタンバイ。
見えない妖精さんが、暖炉に火を入れ、お菓子を並べてと、朝からありがとうである。
そいで正気に戻った私は、談話室にある身だしなみ用鏡で最終チェック。
本日も、マクゴナガル先生が揃えてくれたワードローブから、古風なワンピースをチョイス。
クラシックスタイルで、おしとやかーな感じ。
ウエスト部分の大きなリボンが、何と言うか、先生の趣味を感じさせる。
絶対自分では選ばない、夢の国な感じ。
先生ってさぁ、こうお嬢様な感じが好きなんだよね。
まぁ普通の母親だったら、こんな感じなんだろうか。
そう、私は恵まれている。
アップタウン・ガール。
ダウンタウン・ボーイ。
セウェルスの時代といっても十五・六年前の事だろうけど、格差はけっこう大きかったはずだ。
それこそ大昔の階級社会とは別。
つい最近の話だよ。
ビリー・ジョエルが歌にするぐらい、当たり前の話だった。
乗り越えられそうな壁で、実際は大きな隔たりがあったのが、セウェルスの子供の時代。
労働者階級と裕福な家庭の子供は、すんごい遠いんだよね。
プライマリーだと同じ授業を受けても、決して同じグループにはならない。
そしてそんなアップタウン・ガールと友達になってしまった少年は、何を考えたんだろう。
素晴らしい出会い?
よくない出会いでもある。
淀んだ目をした男が出来上がるぐらいね。
ハリー君のパパってさ、どんな人だろう?
地雷で、絶対に話題にできねぇ事、確実である。
我が身が可愛ければ、封印案件だ。
しかし、その両親が亡くなった後、ハリー君の暮らしはどうなったんだろう?
これは聞いてもいいのだろうか?
いや、その周辺に探りを入れるのもありだ。
グリフィンドールといえば、ウィーズリー一族である。
じゃが、男の子に近寄ると、マクゴナガル先生の胃が溶ける。
そうなると、ハー子さん一択になろうか?
イジメにならんように、立ち回らんと。
ワイ、女子に嫌われる事請け合い。
可愛がりすぎて、猫様にハゲをつくる実績がある。
ちゅまり、女の子は人類のタカラー!!
なんぞと、朝からアクセル全開で思考をかっ飛ばしながら、身支度をする。
ワンピースの色味は紺に白いレース。
ギャザーが無いスカートに、首元は立襟である。
黒いレースの手袋に、真紅の首輪。
オサレには所詮なれない首輪装備。
でも、一応見られる格好だよね?
軽いローブを羽織って、もっと着込んだほうが本来はいいんだろうけど。
まぁせっかくだからマクゴナガル先生に見てもらおうと、杖ホルダーだけを下げる。
髪を今日は下ろしている。
真珠のバレッタでサイドの編んだ髪を纏めている感じだ。
靴も紺色でヒールは高めだ。
けっこうな背の高さになるかな。
もう、最近は諦めている。
可愛いチマチマした同級生も、徐々に背が伸びるはずなんだ。
首筋を伸ばし顎を引く。
背をただし、淑女の礼をとっていると、談話室の扉が開いた。
「おはよう」
んで、慣れてきた朝の挨拶。
もちろん、セウェルスがだ。
なんでハグぐらい普通だろー!
で、大広間に向かう前に首輪を見てもらってしまう。
休暇期間中の少人数の前でやると、非常に教育に悪い!
と、再び文句を言われたからだ。
どうしろと?
で、じゃぁどうせだから見てないうちに終わらせる。
という、至極当たり前の結論となった。
「長時間の装着で痛みや、擦れは無いか?」
不思議ですよねー、装着すると違和感が消えるんです。
外しても跡は残っていません。
そろそろ首輪無しでの魔力コントロールを訓練したいです。
「今、君の魔力量は私を下回っている。
それでも君が能力を発揮した場合、私でも動きが鈍るだろう。
練習をする場合、個室を用意した上で、君よりも確実に抗魔に優れた者を召喚しなくてはならない。
それもDADAの教師並のだ。
闇祓いの女性職員が該当するが、君の事情や状況を考えると、難しい。
意味はわかるな?」
もうちっと簡単に、猿にはわかりませーん。
(You do... understand, I presume?わかってるだろうが、とぼけんな・皮肉)
ぞわっとした。
すげぇ、破壊力だ。
咄嗟に倒れそうになるところを抱えてもらう。
「今、君が発語したのと同じ状況の魔力を乗せた。
実際、魅了能力ではない。
単に、私の素の魔力を君の抵抗を上回るように流した。
どんな気分だ?」
正直に?
「もちろん」
漏らしそうになった。
「... すまん」
実際、快感や不快感ではない。
微弱の電流が流れたような感じがして、失禁しそうになった。
恥ずかしいというより、びっくりである。
耳元での、美声だったのもあるだろう。
「再現できない者では対処できない。
私は君の魔力の流れが見える。
見えなければ再現できないのは当たり前だし、魔力コントロールも、癒者並でなければ、できまい。
もちろん魅了に抵抗できる者という条件付きでだ。」
ちゅまり?
「そんな闇祓いが、ホグワーツに派遣されてきたとする。」
うん。
「誰が雇って資金を出していると考えればいい?」
強火担。
「花嫁衣装が選べるぞ」
やだーっ!!
「徐々に慣らして、私が時折指導する。来期のDADA教師に期待だ」
また、志願するんですか?
「そのつもりだ」
そんな会話の後に、朝食の席へと向かう。
本来、教師の通る通路は別だが、どうせ休みだからと、そのままお喋りしつつ入った。
夜の見回りの時と同じく、腕を組んでのお喋り状態である。
冬休みの間に慣れきっていた少年少女も、先生たちも気にしていない。
一日早く休暇を終えて、朝食の席に混じろうとしていた人物以外は。
席についてから、視線に気がつく。
やぁお久しぶり、お休み楽しかった?
一日早く休暇を終えて来たんだね。
あぁ、クリスマスカード、ありがとう。
私のも届いた?
「お久しぶり、ドヴワティーヌさん。
えぇ、ありがとう。
可愛い猫ちゃんのカード、部屋に飾ってあるわ。
えっと、あの、いつも先生にエスコートされて食事に?」
うん、ほら、寮に一人だからね。
「じゃぁ明日からは、元に、寮生と一緒にもどるのよね?」
うん、そうだね。
「そう、よかった。」
にゃにが(ΦωΦ)?
「ねぇ、貴方達、他の寮生でも気をつけてあげなさいよ!」
と、グリフィンドールの少年たちを怒鳴る。
顔が、何故か、マクゴナガル先生と同じく瞳孔開いてそうな怒り顔じゃ。
なぜに?
「彼女、寮にひとりだったんでしょう?何で迎えにいかないのっ!」
「あー俺達に死ねと?
意味は〜わかるけどね。」
「フレッド、ジョージ、やっぱり、そうだよね」
「弟よ、これは意地悪じゃない、俺達が近寄るだけで減点の嵐だ」
「グレンジャー嬢、その、この件に関しては、俺も考えないようにしている。」
「ハリー、監督生までオカシクなってる。大丈夫なのコレ?」
「うん、多分」
ハリー君、すこし寝不足でクマがある。
あのクソ鏡の所為だ。
ヒゲ、子供の教育じゃねぇだろ、見せたかった理由は、絶対違う。
凹んでたから見逃したが、こんどまた、罵っちゃる。
「ドヴワティーヌさん、何か困ったことがあったら、私に言ってね。
女の子同士なんだし、男じゃどうにもならないことってあるでしょう?」
ありがとうねー。
困ったら相談するねー。
「うん、何だろう。私の方が間違ってる気分になるのよね」
「彼女と喋れたら、きっと皆、驚くだろうなぁ。こう、メモ書きだけで、このエライ外した感じ。」
「スネイプ、先生と近い魔力だから喋ってるって本当?」
そうだよーウィーズリー弟よー(*´ω`*)
「僕、ロンね」
「どんな話してるの?」
私の魔力は、ちょっと変わってるから、その事とか。
普通の話題だよ。
魔道具の具合とか、体調とか。
皆が先生と話してるような事だよ。
「想像がつかない」
「俺も、まったく」
シャンプー、変えたらーとか?
「えっ?」
「こわっ」
休みの日に彼女と会ってるー?とか。
「異次元の話題じゃね」
「冗談、だよな」
まぁ、猿あつかいされてるーだまれーって。
「どこまでが本当か、姫の話がわからんのがなー」
「それなー」
因みに、ワイ、スリザリン生じゃが、突っ込まれるのはグリフィンドール残留組のところ。
雪合戦やら何やら、ウィーズリー一族と遊んでいるのもあるけど、彼ら以外、私に話しかける者がいないのだ。
こっちから話しかけると、ちゃんと返してくれるんだけどね。かなちぃ。
「貴女に言われた宿題、考えてみたわ。」
ハー子さんは、食事が終わりに近づくと、私の隣に移ってきた。
「あの名前と年、わからなかったからパパとママに聞いて、調べてもらった。
とても話題と問題になった実験だったのね。
差別や偏見を無くす実験だったけど、怖い話だった。
貴女は、根拠なきレッテルで人を裁くなって言いたかったのね」
嫌うのは自由。
でもスリザリンだからってのを、外して考えてよ。
そもそもがこの学校のシステムが偏見を産むようにできている事は理解できたよね。
「貴女が、超リベラルだって事に驚きよ。純血のお姫様なのに」
ちがうよー。
大いなる誤解さぁ〜スリザリンびいきなだけさ!
それに私は人種としては混血だし、この国の魔法族の純血でもない。
スクイブの叔母に、マグルとして育てられた。
私が姫?
彼が言う通り、私は野生の猿のようなものよ。
意地悪するのは、スリザリンだからじゃなくて、マルフォイ君の得意技。
減点しちゃうのも、スリザリン寮監先生じゃなくて、スネイプ先生の考え。
そして彼は良い人ではないが、ハリー君を手に掛ける事は絶対に無い。
「そうかしら、根拠はあるわ。」
彼以外の犯人は考えられない?
「彼が魔法をかけているところを見たわ」
教師が生徒を手に掛けるリスクは?
彼は愚かではない。
「むしろ、疑わない理由を、こっちが聞きたいわ。
貴女だけに優しくたって、あんな気味の悪い人の何処がいいの?」
その時の、彼女の憤慨した、猫のような表情は可愛らしかった。
そして、きっと昔、今のようなやり取りが何処かであったかもしれないと思った。
不意に、悲しい気持ちが、胸いっぱいに広がるのがわかった。
そして、私は...爆笑しちゃった!
声が出ないように笑うって、くるちぃ。
「えっ、やだ、大丈夫?しっかりして。どうしたの?」
最後の紅茶をこぼすと、私は脇腹を押さえてのたうった。
周りがぎょっとする中、長椅子を跨いでセウェルスが来る。
私の爆笑の思念が届いてしまったようだ。
「グレンジャーどけ」
「えっと」
「声を出さないように、抑え込んでいるだけだ」
「でも」
「どけ」
私をひょいと小脇に抱えると、そのまま大広間を後にした。
ごめん、セウェルス。
声が出そうで。
「何がそんなに笑えたんだ?」
この世の、女の子の真理を聞いちゃってね。
「なんだそれは」
実際、子供にセクシーさは通じない。
そうだ、大人の女だったら、彼の良い部分を拾える。
それが微量でもね。
気味が悪い。
確かに、子供には気持ち悪いだろう。
気だるい雰囲気を隠す厳格さ、とっつきにくい皮肉な口調。
言い回し一つ面倒な感じだけど、彼はそれを習得した。
すごい努力だ。
ダウンタウン・ボーイが、今では薬学の権威で、教授だ。
だが、一発で言い当てた。
そうアップタウン・ガールは、ハイソで幸せを約束してくれる王子が大好きだ。
悪い男は敗北する。
人生はままならない。
背中を擦って、笑いをなだめてくれるくらい優しいのにね。
みぞの鏡の後遺症は、こうして終わった。
あんな鏡は、ぶち割って粉々にするべきだと思う。