R15は、予防処置と寮監先生の苦行成分でできています。
以下、お話が長くなってきたので注意書きっす。
エロではなく、グロなのは仕様です。
そしてヘイトではなく、アホなので許してくだされ。
いつも通り原作キャラ及び周辺は原型がありません。
ゆるい目で読んでいただけるとありがたいです。
そいでこれ重要!
そろそろお気づきかと思いますが、エッチはさせないぞ!
……のスタンスになっております。
魔法界的成人年齢まで待つのです!
しようとしたらエイリアンに喰わせるよ!!
聞いてる?そこのぺったりがっ!!
なので、えっちな内容に流れないのである。
つまり、大人になるまでまってね。
結論、エロと原作はシンでいます。ごめんねごめんね(汗)
「ハリーったら、いったいどこにいたのよ?」
「僕らが、勝った!君が勝ったんだよ!
マルフォイの奴に青痣もつくってやったし、ネビルだって負けてなかったんだぞ!
気を失って医務室にいるけど。
皆、談話室で君を待ってるんだ、早く行こう。
フレッドとジョージが食べ物をキッチンから持ってきたんだよ!」
「…それどころじゃないよ。こっち来て、他の人に聞かれたくないんだ」
「どうしたの」
「ピーブス、いないよね」
「こっちの部屋にはいないわ」
「やっぱり、僕らは正しかったんだよ」
「何の話?」
「四階の、部屋。
クィレル先生が倒れちゃったのも、きっと」
「どういう事?」
「聞いちゃったんだ。
あの四階の部屋に、隠してあるのは、フラメルの賢者の石だ。
クィレル先生は、きっとスネイプにやられたんだよ。
ハグリットが置いてる、フラッフィーも、スネイプは、あの子を脅して、フラッフィーが噛まないようにしてるんだよ。
あのリボン、彼女のリボンがあると、フラッフィーが噛まないんだ。
ロンも見ただろ、スネイプが来ると、フラッフィーが扉から下がるんだ。
彼女に、黙ってろって、脅してたんだ!」
「やっぱり!!」
「…あ〜、うん」
***
「何かね、急にこう、すっと頭が冷えたのよね」
ワイ、ハー子さんに捕まる。
朝食後の移動時だ。
その私とハー子さんを視界に収めたスリザリン女子のコメントがこれ。
「大丈夫?この子、中身がマグルの調味料でいうハバネロよ。
さすがにグリフィンドールだからって注意しないわけにもいかないし。
男子じゃないから、いちおう止めないけど。
困ったら、スネイプ先生を呼んでね。
私達も叱ってるんだけど、まったく聞かないのよ。」
失礼しちゃう、ぷんぷん!だいちゅきー!!
で、抱きついたら、頬をつねられた。
皆、扱いが最近雑い。
「次の授業に遅れないようにね。
それからくれぐれも、変な男子が来たら、殴るのよ。
ほら、そこの先輩、スリザリンの猿に触らないでよね。
スネイプ先生に言うから。
なに?ブスが煩い?触ってない、ぶつかりそうになっただけ?
はぁー寝ぼけてんの、このブタがっ!
マクゴナガル先生、害虫が出たー!!」
なんぞと楽しく去っていく。
ちなみに、彼女が誰かといえば、もちろん、パンジーちゃんだ。
その隣で生ぬるい目で眺めるダフネちゃん。
そっと影を薄くして騒ぎの輪から、一年生男子達が去っていく。
手を振る皆に、ワイも振る、ばいばーい。
そいで、ここ最近、マルフォイ君は静かだ。
ワイのスプラッタ以降、とっても静かで心配だ。
煽り芸が早く復活する事を祈ってる。
「仲、いいのね」
そりゃぁ、同じ寮生で仲が良くなかったら、楽しくない。
グレンジャーさんは、寮では楽しくやってる?
問題ない?
問題あったら、マクゴナガル先生にチクれ。
グリフィンドールの寮監先生はパーフェクトだから。
ワイの寮監先生は、可愛いけどな。
「か、かわいい、のね」
そこまで慄かなくても。
大人げなくて、かわいいでしょ、あれ。
あれで三十路の成人男性。
子供かよってレベルで、ハリー君と楽しんでるね。
って言ったら、ハー子さん。
頭を抱えた。
「そうなのよね、そう。
これが現実。
ちょっと、目が覚めたのよね。
魔法とかリアルであるし、自分でも使えるから、色々、こう、舞い上がってた。
ねぇ、本当に、貴女はスネイプ先生に脅されたり、嫌な事をされてないのよね?」
むしろ、迷惑かけまくってるよー
「確かに、そう、あぁ。わかった。
貴女の外見に、私も皆も騙されてるのよね。
貴女がロンみたいな男の子で、スネイプ先生の隣にいたら、何も思わないもの。
そうね、そうよ。
確かに、ハバネロだわ。
私達、貴女をはちみつだと勘違いしてた…」
ありがちょ!って言いづらいコメント。
ディスってる?
ねぇ、ディスってない?
んで、ハリー君とウィーズリー弟君の会話を知らされる。
で、ちょっとだけ、視野というか視点が変わると、あれっ?ってなった感じ?
「実は、最近の授業を受けて、その」
次の授業は少し始まりが遅めの温室集合。
合同授業だったから、しばし、食堂側の通路に置かれたベンチに座っている。
用意ができたら談話室で喋ってる時間だよ。
今日の授業準備は朝活してるから済んでるし、ハー子さんも朝活派である。
なにしろ勉強の鬼だ。
そして勉強の鬼だと、わかるんだよね。
スリザリンの寮監先生の、教師としての真摯な部分。
そう万年セルフネグレクターなのに、魔法薬学教授らしく、繊細で答えが正確に出る事が好きという、つまり勉学に関しては、手抜きが無い。
教えてほしいこと、知りたいこと、質問に関しては、迷惑そうにしながらも、絶対に答えるマン。
自分で勉強したうえで、資料を探し、図書室を徘徊し、現物の薬草なんかを弄った上での質問なら、さらに細かく指導してくれる。
だから、彼は低年齢層の教育じゃなくて、どう考えても研究室勤務の研究者でインターンの指導でもしてれば、イライラしないんだよ。
で、ハー子さんは、厳しい事を言われているけど、自分で努力した後に質問してる。
だから、彼は、羊皮紙にダメ出しをいっぱい書きまくるけど、答えのところまで導く。
先生、ちゃんと教師してるんだよ。
子供にとっては、包装紙にばかり目が行っちゃうけどね。
彼の言い回し、言葉のチョイスは、子供には理解できないだろうけど。
気楽で優しいセンテンスなんて、実際、若い教師は舐められるだけだ。
皆ね、忘れてるけど、先生、若いんだよー!
三十代に入ったばっかりよー!
オコチャマから見るとオッチャンだけどね。
若作りのイケイケだと、普通にアホみたいに腰が軽くて、遊んでる年代なのよー!
まぁあの雰囲気、オコチャマがビビるのは、わかる。
でもね、ホグワーツの中だと、本当に若いんよ。
だから、マクゴナガル先生の胃が溶けるわけ。
あれで童顔だったら、大変なことになってたよ。
そして彼が受け持っているのは上流階級の子供が集まるスリザリンである。
保護者は、超上流のモンペだ。
と、まぁ大人の事情を汲み上げない限り、彼の可愛さは理解できないだろう。
でも、勉強の鬼であるハー子さんは、それでもちょっとわかってきた。
嫌な人で、癖のある先生だけど…
あれ?ってね。
返ってくる宿題の修正だって、理不尽ではない。
時間と手間をかけて返ってくるんだよ。
それがわからないよーじゃ、教師の質にバラツキがあるって気が付きもしない。
指導とか学習には、先生の性格とかの要素も影響あるけど、本質は、どれだけ真摯に取り組んでくれるか?になる。
ただし、人格形成以外の話。
勉強面だけね。
教師は教えて当たり前、スリザリンの嫌味な教師だから敵だ!
はいはい、ワロスワロス。
敵ってなんぞ?
闇の魔法使いが多数出たのは、スリザリン。
アズカバンに収監されている死喰い人は、スリザリン。
実際の話、調べるとね、スリザリン以外の三寮の出身者も、死喰い人になってるし、その時々の権力の側についていたんだよね。
元、死喰い人疑惑、闇陣営疑惑の子供が多いのがスリザリン。
ってなってるけど、魔法界、親戚とか血縁たどると皆、兄弟なのよね。
そして魔法界、戦争以外の犯罪もあるし、別に、スリザリン出身者が全員犯罪者ではない。
考えてみてほしい、スリザリンに入ったら犯罪者なら、帽子を選んだ子供は皆、犯罪者って事。
そしてスリザリン出身者が犯罪者だっていうなら、ホグワーツは犯罪者を選んで教育してるって事になる。
そいでね、上流階級の殆どがスリザリン出身者であるってのはさ、つまり、いろんな意味で知識階級、支配者層にレッテルを貼っているようなものなのよね。
で、こういったスリザリンは悪の理論を口にする子供と、スリザリン以外は、劣等な輩だと主張する子供は、単に、親の立場に倣っているだけなのだ。
親は正しいって思うからね。
そして自分は正しいってお互いに思ってるわけだ。
それを助長しているのが、この学校のスタイル。
四人の偉人にならっての寮分けが、偏見と差別の区分けになってる。
もちろん、それぞれに素晴らしい資質を伸ばそうというご立派な愛や理想の末にあるんだろうけどね。
現実は、理想が高すぎて現場が、荒れるという。
ヒゲがよくないね。こんど、エンドレスで罵ってやろう。
で、考えを戻すとだ。
教師はね、別に嫌味だろうと何だろうと、勉強をしっかり指導してれば合格なんだよ、ガキがっ!
って、実はそういう考え方もあるのよ。
繰り返すけど勉強面だけならね。
真の教育者は〜ってのは無しだよ。
そいで寮監先生、セウェルスは、この勉強面だけは軽くクリアしちゃってるんだよ。
罵ってるガキンチョ諸君、マジで魔法界でお金を稼ごうと考えたら、魔法薬学は外せないんだよ。
そいで意地悪したり、依怙贔屓して減点してようが、彼は教える事は教えてるし、きちんと課題をやれば合格はくれてるんだよ。
これな、本当にテストとかの点数は依怙贔屓してねーの。
寮杯得点は依怙贔屓してても、テストは手心なんて加えてないからね。
どうしてわかるのか?
そこやっちゃうと、ホグワーツ卒業の価値が無くなるからだよ。
そいで魔法薬学において、彼が評価の誤魔化しなんぞ我慢ならん性格だって誰でもわかるでしょ。
彼が自分の技術や知識においてのプライドが高いってのは、考えるまでもない。
そこにいい加減なものを持ち込むって事は、自分の研鑽を否定する事にもなる。
そういう人が、舐め腐った誤魔化しを自分の専門領域で許すわけが無いのである。
そしてそれを誰もが認めているし、魔法薬学においての権威であるホグワーツの教授っていう職に値する能力者だって事も認められているんだ。
ホグワーツのポーションマスターという肩書は、とんでもなく高いって事やね。
その意味を知らんと、ありがたみってのもわからない。
きっと卒業間近の先輩の方が、彼の価値をわかっているだろう。
魔法界の肩書として世間一般通用する職につくには、魔法薬学で良い成績をとる事は必須なんよ。
闇祓いであろうと、癒者であろうと、そして魔法省職員だろうとね。
依怙贔屓とか彼の性格云々を持ち出して、自分の成績が悪いのは彼の所為だと主張したところで、実際、スリザリン生だって落第するし、グリフィンドールや他の寮生でも優等で合格するのは、卒業生ならわかっている事だ。
口先だけの良い顔ばっかりして、教えてるふりの落ちこぼれを量産するような教師は、無能以上の害。
友達教師?
仲良し授業?
宿題少なくて、テストも簡単?
まぁ、その人が卒業テストまでするなら、いいかもね。
その人が就職先まで斡旋して、お仕事教えてくれるならね。
アホくさ。
そいでね。
危険な実践授業で、それこそ動物みたいに騒ぐ男の子を怒れる教師がいなかったら?
皆、良い子ばかりではない。
まぁ、これは私の考えである。
誰にも語らないし、彼自身にも言わないのさ。
そして目の前の女の子にもね。
擁護してみても、実際、あの人、魔法薬学好きだけど、子供は嫌いだよね。
演技と言わないのも理由がある。
本心でもあるんだよ、グリフィンドール、嫌いだわーって。
おまけに大人げなく、子供に意地悪してるから、自業自得なんだけどな!
だから、ハー子さんの言い分も、わかる。
あの人、悪い人だよね?
うん、そうだねー、あははは、である。
なので、この手の考えは封印。
「うん、でもちょっとって、初めて思っちゃったの。
たぶん、ドヴワティーヌさんの、あの差別、偏見から入る考え方じゃないのかって」
で、私と彼が森にいた時の会話の本当のところが知りたいと?
「えぇ」
嘘つくかもよ?
「そこは自分で判断するわ」
じゃぁ状況ね。
まず、私はクィディッチに興味がない、という前提。オッケー?
「そうなの?毎回、特等席のひな壇にいるから、男の子達、がんばってる…あー、うん、違うのね」
猿が見える場所にいないとね、不安になる人がいるの。
あの猿、ナニカしてねぇだろうかって。
これ、冗談じゃなくね。
「はは、うん。授業中も確認してるものね。
あれ、やっぱり、そういう確認なのね。
時々、授業中、無言で見つめ合うから、うん。
静かになって、マルフォイまで黙るし。
グリフィンドールの子達は勘違いしてるけど、うん、そっかー」
猿、定位置でオトナシクしてろよって確認。
「あぁ〜何だろう、うん、そっかー」
んで、試合も終わったし、そうだ、ご飯まで時間あるしーで、いつものお散歩と言うか、梟小屋経由で、ワンワンに会いに行ったんだよね。
流石にね、いつも一緒だと愛が生まれそうじゃない?
「じょ、冗談?」
ははは、じょうだんー。
さて、私は彼がとても心配している事を知っているけど、私は私の主であるから、自由に行動する訳。
束縛彼氏は趣味じゃないし、奥さんをお家に閉じ込めるのはモラハラっていうんじゃない?
もちろん、私は猿枠だけどね。
「う、うん」
私が一人で行動するのは、悪いことじゃないでしょ?
「そうね」
でも、皆の心配もわかってる。
大丈夫、私、猿だけど、状況は一応認識してる、一応ね。
「一応なの?」
自分がどう見えているか、見られているか。
私は美人、それも頭がおかしくなるくらいの、化物ね。
美人のカテゴリーにいるのは事実。
望むと望まざるに関わらずね。
それに醜くする必要もないし、隠れたり謙る必要もない。
女性である事は恥ずかしい事でもない。
ただ、危険なだけよ。
「うん」
嫌だなぁって思った?
それは当然よ。
私も気持ち悪いもの。
ただ、恥ずかしいことではないし、隠れる必要もない。
男が最初に、おっぱいを見たとしてもね。
冗談じゃねーよ、私の本体はおっぱいじゃねぇんだよっ!ってね。
「ふふっ」
嫌味に聞こえるかも知れないけど。
どうしようもないことだもの。
でもね、私がこの姿なのは、血筋、呪いみたいなものよ。
それに後、数年すれば、皆も追いつくわ。
騒ぐようなことじゃない。
私の声の方が問題って事。
生徒、貴女もそうだけど、先生方の心配はね、そこじゃないの。
私が美人だから。
美人が巻き起こす、ろくでもない男女の問題を心配してる、わけじゃないの。
わかるかなぁ?
きっと心配している種類が、違うのよ。
「種類?」
マクゴナガル先生は、私が原因で諍いが起きないかを心配している。
校長先生は、案外、私がどういう人間かをわかっているから、私の血筋の事の方を心配している。
つまり、ホグワーツの外の事ね。
そして貴女が心配しているスネイプ先生は、実は、この二人とは違う心配をしているの。
「よくわからないわ」
前提として、先生方は、私のことを心配して保護してくれているのは変わらない。
これから言う事は、比重ね。
どう考えているかよ。
私のことも心配だけれど…
マクゴナガル先生は、生徒達が傷つくことを心配しているの。
校長先生は、外部からの干渉が生徒達に及ぶことを心配しているの。
スネイプ先生は、私がコントロールを失うことを心配しているの。
つまり、
私が貴方達を傷つける事を先生方は恐れている。
「私達?」
その中で、ちょっとだけ、彼は違う。
「何が違うの?」
取り返しのつかない間違いをしないように、気を配っているの。
優しいとかそういう事じゃないの、わかるかしら?
「むずかしいわ」
そうね。
でもね、先生方を疑う必要は無いって事。
スネイプ先生を疑う必要はない。
これが私の考えの根拠ね。
話がそれちゃったね。
あまり、関係ないことだから、考えなくていいよ。
私は森番の人の犬とお散歩してたの。
それも魔の森の方。
ファング君とはお友達で、森のところに変なニオイがする〜見に行こうよぅって感じ。
「あの、そういう感じなの、いつも?」
じゃぁ、スネイプ先生の動きを考えて。
試合終了、さて片付けて、色々な後始末を終えました。
負けちゃったスリザリンのフォローをしつつ、ふと、あれ?
猿がいない。
で、どうすると思う?
「慌てて探すわね」
行動パターンを考える。
怪しいところは、まぁ色々あるけど、森番の犬小屋をチェック!
動物が好きなの知ってるし、殆どがね、梟を構ってたり、犬を構ってたり、猫を追いかけたりしてるから。
外は暗くなってきてる。
あの猿、連れ戻さないと、また、動物にまみれて、そのまま夜を過ごしかねない!
と、気がついた彼は?
「外に行くわね」
慌てて外に駆けていく先生。
ハリー君は、それを見ました。
「あ〜」
彼と私は魔道具で微かに存在を確認できるの。
だから、魔の森の、入っちゃいけないところまで入り込んでるのを見つけた。
その時の気持ちは?
「なにやってるの!」
その通り!
見てみれば、私はワンワンと遊び、ひどい有り様です。
先生は私を引っ掴んで、スコージファイ。
お前なぁ、いいかげんにしろよ、ぶっころすぞ、まじでなー!
知ってる通り、私と彼の会話は一方通行に聞こえる。
おまけに、私の会話は、とても気安いの。
大体は見つめ合ってる時間、ずっとお喋りしてるのよ。
メモ書きの速さでわかるでしょ?
それを上回る会話量よ。
彼の忍耐力も凄いわけ。
それでもね、罵倒と拳骨がふってくる。
ハリー君は、見たんだろうね〜。
脅しているように見えるセウェルスが、どんな気持ちだったと思う。
「……わからないけど、見つかって、よかった?」
その通り。
で、どの辺が怪しいかなー?
って、何で顔を両手で覆って、ガックリしてるの?
「説得力が、でも、でも……先生のリボンが、その四階の」
四階の?
「あのリボンって何?」
私の魔力が入った私物。
私はルーン系の血の魔法っていう、遺伝の魔法がつかえるようなんだよ。
それを実験してる。
調べてもらってるの。
「そう」
彼を悪者にしたい?
それってね、彼が悪者だと、楽だからよ。
「えっ?」
わかりやすいでしょ?
でもね、本当に悪い人ってね、自分が悪者だなんてアピールしないのよ。
面と向かって嫌味も言わないし、毎度毎度、依怙贔屓もしないわ。
本当に悪い人はね、笑顔で酷いことをするのよ。
そしてね、こんなに手緩くなんてないわ。
マグルの世界で起きる犯罪が、こんなに時間をかけて進むかしら?
ハー子さんは、考え込んだ。
まぁ実際、あの人、色々暗躍し過ぎだし、ヒゲなんて善人面した教育者の癖に、一番、やべぇけどな。
つーか、寮監先生だけ、悪役ムーブさせんなよ、ヒゲ!!
***
そんな中、三月の誕生日が来た。
ハー子さんは、進級に向けての勉強に邁進し、ハリー君&ウィーズリー弟君は、四階のお部屋に興味津々らしく、時々、扉の前で中の様子を伺っていた。
因みに、そんな少年たちをセウェルスが眺め、そんな彼に私がヤジを飛ばすスタイル。
例の二人、補助教員の女性の動きも、特に見えなかった。
枝の成長速度って、どのくらいなのだろうか。
このまま、何のリアクションもなければ、寄生はなかった事になるのだろうか。
学生生活の忙しさで、不穏な事は押しやられていった感じだ。
で、誕生日。
寮生や友達には、教えていない。
というか、校長先生に言って、私の誕生日に、誰かがプレゼントを送ってきたとしても、誰にもわからないように処理してほしいって。
花嫁衣装とか、クリスマスだけで十分。
結局、知らない人のプレゼントは受け取っていないしね。
で、生徒にも知らせなければ、予防はできるでしょ?
こっそりと校長先生が、プレゼントしてお祝いしてくれるというので、叔母さんの事がどうなってるのか、途中経過でもいいので闇祓いの人に聞いて下さいって頼んだ。
マクゴナガル先生は、おしゃれな拡張してある旅行鞄。
夏季休暇の話を既に耳にしているようだ。
いつも先生ありがとう。
そして、血の魔力が馴染みやすい魔法銀と金で加工した装身具を差し出す寮監先生。
それを見て、胃を押さえるマクゴナガル先生という予想通りの事があった。
「なぜ、ブレスレットに?」
「血の魔力の性質を調べる為ですな。
魔法銀での吸収によって、どのような反応があるかの実験を考えております」
「セブルス、ブレスレットの意味はわかりますか?」
「はて?何かいけませんでしたかな。
では、彼女の同意を得られれば、ピアスなど彼女の血を利用した魔石を取り付けた品など如何か?
そうなると魔導回路などを石の座に刻む事に、少々時間と器具の調整が」
「セブルス、セブルス、そういう事ではありません。
ピアスもいけません。
いいですか、魔除けとして贈るとしても、装身具以外にできませんか?」
「その首輪型をどうにか、装身具に改良したいと考えているのですが?」
「あぁ、そうでした……そもそも首輪が、おぉマーリン……」
「夏季休暇前までに、その首輪をどうにか装身具に変更できればと考えております」
ってな感じで、おしゃれなブレスレットをもらった。
あの鏡で見たやつに似ている。
わーい。
で、先生方のお誕生日にお返ししようとしたら、気にしなくていいですよって断られた。
まぁ保護者代わりという事らしい。
そんな楽しいサプライズの後、ブレスレットの調整をすべく教授室へと寄り道。
留め金の部分を手首にあわせて調整してくれるようだ。
まぁ装身具型の魔道具だしね。
首輪の補修を重ね、ルーンも解読できたらしい。
そのルーンを、私の血の魔力が行き渡った装身具で再現したいと考えているそうだ。
もちろん、ありがたい話だ。
どうせ人目がないのだからと、以前と同じく、髪に纏めていたリボンを外す。
じゃぁいちおう、過ぎちゃったけど、セウェルス、お誕生日おめでとう。
話の流れで、1月生まれなんだーって知った。
これはいけない。
いつもいつも迷惑をかけている同志に何も無いとは。
で、実験のついでということで、もう一本リボンをあげる。
今度は右腕。
左腕のリボンは進化して、びっしりと文字が入っている。
ローズ色のリボンが、今では、怪しい包帯へと進化していた。
同じ色合いのリボンを進呈。
まぁこれで大方のワイの舎弟になりそうなアニマルに襲われる事はなかろう。
「身代わりの効能はないだろうな」
わからんちん!
と、フザケた事を言ったら、脳天に拳骨をグリグリされた。
それでも浮かび上がるルーンを解析したいので、素直にもらってくれた。
先に渡した方は独特のフェニキア語も混じっているとか、楽しんでいただけているようでなによりだ。
なんつーか、魔女子さんってさー、なんというかこう、怨念とか情念とか本格派魔女で怖いんだけど。
「そもそもが魔術とは、力だ。恐れるのは当然だ」
そうなんですけどね。
その力を押さえて、会話をしたいんですよ。
普通に、口頭で発語して、喋りたいんです。
私、このとおりお喋りでしょ。
早く、コントロールできるようになりたいです。
というか、私、この封印、両親がしたんでしょうけど、成人まででしょうかね?
「不明だ。だが、愛の護りに近いものだとすれば、それよりも早く解かれるだろう」
愛の護り。
「対抗魔法の一つに、愛の護りというものがある。
古の魔法であり、術者の命と引き換えに施されるものだ。
その守りを受けた者は、血縁者の側にて暮らせば、強化継続の魔法を成人まで、かける事ができる。
君にかけられた術も、古の血の魔法であるならば、血縁の側にて、封印も続いていた可能性が高い。
今の、壊れかけのおかしな状態ではなかったはずだ。」
つまり、成人をまたずに封印は消える。
「君を見も知らぬ遠縁に預けるのは、よくない選択であることはもちろんだが。
行方不明の叔母が戻る事を待つのも現実的ではない。
帰らぬ、という話ではなく、君と叔母の暮らしを現実に築いていくには、いくつものハードルがある。
それならば、今よりも強力な補助の魔道具をつくる事がより現実的だ。
完璧なコントロールができるように訓練はできようが、人間に、失敗はつきものである。
更に、体調不良や意識混濁などの状態に、不用意な能力の漏れで、ろくでもない事にならぬようにしておくべきだ。」
確かに。
「成人するまでに、まだ時間があるのだ。焦る必要はない。」
その言葉に、私は、気が付かず笑っていたようだ。
たぶん、嘲笑だろうか。
相手の驚きが伝わる。
微かなものだったが、伝わった。
「何を、考えている?」
Seriously?
「あぁ」
人は孤独だ。
でも、思い出があれば、耐えられる。
でも、私には、苦しい誰かの記憶があるだけだ。
お誕生日おめでとう、私。
血の記憶や、誰かの記憶が私を支えている。
ここにいる私は、確かに生きている。
誕生日を迎えた私は、一年前の今日生まれた私だ。
おめでとう、私。
私の愛は消えてしまった。
おめでとう、私。
時間があると貴方に言われた時、
貴方が、目覚めたように、私も目覚めた。
私は、ひどく、おぼつかない場所に立っている。
叔母を、家族を忘れ、何を忘れたかもわからない。
私の愛は消えた。
いずれ、私に残る愛も消える。
おめでとう、私。
私に囁く血の記憶は、近しいが、それは優しくはない。
貴方も孤独ではある。
大人は孤独だと、誰かの記憶も言う。
だが、貴方には過去があり、貴方を支えている。
だが、私の過去は、誕生日を迎えた私は、確かに支えるものが無い。
手を伸ばせば、多くの人が手をとってくれるだろう。
けれど、この冴え冴えとした孤独を、この感覚を誰もわからないだろう。
おめでとう、私。
貴方の言葉で、私は、生きている事を感じた。
酷く、冴えた、冷え冷えとした景色だ。
未来は恐ろしく、私はとても冷たい景色を見ている。
大人になるまで?
なんて恐ろしい言葉だろう。
時間はある?
忘れてしまったから、消えるのは怖くない?
おめでとう、私。
幾夜、私はこの孤独と向き合うのだろう。
絶望した訳では無い。
私が孤独である事、生きている事を教えてくれてありがとう、セウェルス。
そう伝えると、何故か彼は私を抱きしめた。
珍しく、躊躇うこともなく、痛いぐらいの抱擁だった。
「発語による会話を、どうにかして可能にしよう」
うん、もういつものオフザケに戻っていい?
「そうしてくれ」