R15は、主にグロ予防処置と寮監先生の苦行成分でできています。
ハグリットにプレゼントされた卵…もう、それ違うジャンルでしょ?なお話。(゚∀゚)アヒャ
このハリー・ポッターらしき世界に、そう推定世界に、例のSFホラー映画の金字塔は存在するのだろうか?
覚醒した前世の私は、色々なB級映画やB級カルチャー、洋楽、オペラ、ミュージカルと様々な娯楽作品が好きだった。
小説になると、推理小説やSFが好きで、古典的な作品をよく読んでいた。
古典的な、だよ。
昔の作品、シャーロック・ホームズも好きだし、シェークスピアを並べちゃならんかもだけど、ハインラインやアシモフも読んだ。
偏ってるけど、つまり、古今東西、これおもしれぇよなって作品が好きだった。
つまり真面目で国際的な賞をとるような純文学は読んでない。
読んでるとしたら、ほら、SFやファンタジーで賞を受けた物ばっかりだった。
マキャフリーやル・グインも読むし、トールキンやラヴクラフトは履修済み。
わかってる、わかってるよ。
なんで、ハリー・ポッターを読まなかったんだ。だよね。
大人で陽気な彼女の記憶では、友達はハリー・ポッターを読んでいた。
確かに読んでいた。
友達はね(泣)
どのキャラクターが好きとか、本と映画の話題で盛り上がっていた。
そう、私は非常に偏った趣味でもあったのだ。
ファンタジーではなく、ハードSFやグロスプラッタホラーに曲がって走ってしまったのだ。
ゲームとかもそう。
大手のファンタジーじゃなくて、パソゲーでFPSとか、協力プレイでゾンビサバイバルとかである。
一狩り行こうぜ!
それか、成人指定グロホラーSFでぶっ壊れかけた宇宙ステーションとか辺境惑星で、やっぱり肉弾戦してるんだよね。
武器改造してアビリティ進化させてのタワーディフェンスもいいね、うん、うん。
…
今、これほど悔やんでいる事は無い。
スーパーマーケット店員がチェーンソーでゾンビと戦うとか。
辺境宇宙で宇宙軍海兵隊が謎の虫型エイリアンと肉弾戦を繰り広げる世界とか。
脱走した超凶悪犯が宇宙の果てで肉食エイリアンと戦ったりしてるような作品が好きだったりする。
ファンタジーだと、ホビットが指輪を捨てに行くんだよ。
他?
…モモ、オズ、デルトラ、はてしない、ナルニア、で、ブラッドベリにタニス・リーになって又、SFとホラーへと続く。
ファンタジー、うん、重要なファクターが欠落している、たしかにそうだ。
…
ここ、ハリー・ポッター世界。
…
…
…
ふしぎだなー、なんでこれだけ抜けてんの?
ガンダム知ってる女子なのに、なんでユニバーサル・スタジオで思い出すのが、恐竜なんだよ!
ワイのイケメンセンサーパーフェクト記憶を引っ張り出すとだ。
オーランド・ブルームでトールキンの指輪。
ノーマン・リーダスでウォーキング・デッド。
ハリー・ポッターのキャストは?
…
…
わかってる、スタートレックと新旧ジェダイの騎士のキャストは言えるんだよ。
イケメン限定じゃがの。
オーケーオッケ。
知識無双は初手から無理なのは理解している。
ここには宇宙人に化けた人間はいない、はず、そうだよね、ねぇ?
そして超古典から、80年代や90年代のB級系古典が好きな一般人……推定のワイ。
その中でも好きだったのは、スティーブン・キングやクライブ・バーカーなどのホラーやSFだった。
クライブ・バーカーのヘルバウンドハートを知ったのは、映画作品の元ネタとしてだったんだけどね。
で、八十年代、九十年代は、B級カルチャーの宝庫だった。
クライブ・バーカーのヘルバウンドハート、映画版ヘル・レイザーはイギリス作品だったし、映画のリブートは2022年だった。
で、何が言いたいのか?
この世界に、キングは見当たらなかった。
バーカーはいるんだろうか?
のいつもの疑問だ。
急にどうしたのか?
ルマルシャンの箱という素敵アイテムがある。
ヘルバウンドハートで出てくるアイテムで、これほど刺激のある創作アイテムって初めてなんじゃないかって思う要素だ。
まぁネタバレは、ほどほどになんだけどね。
そのルマルシャンの箱を使うと超有名キャラクターが召喚できる。
セノバイトと呼ばれる異界の修道士?が呼び出せるのだ。
その中でも視覚的インパクトが大きいのが、禿頭と顔全体に釘がいっぱい打ち込まれているSM的拷問師であるセノバイトだ。
どんなジャンルかわかるでしょ?
簡単に言えば、悪い事をした奴の末路は、地獄行きって話。
で、バーカーへの疑問が浮かんだのは、話が戻るけどさ。
そもそもアノSFの金字塔は作られたのだろうか?という思考が先に浮かんだからだ。
地獄の修道士、セノバイトってキャラいたよね?からの。
地球外生命体ゼノモーフってキャラ設定をギーガーはデザインしたんだろうか?である。
ちょっと似てる名前でしょ。
映画・エイリアンはつくられたんだろうか?
これね。
エイリアンが作られてなかったら、後のSFホラーの流れが全く違ってくるだろう。
ハインラインの宇宙の戦士がなければ、その後のロボットアニメは生まれないのと同じである。
異論は認めるよー。
そいでエイリアンである。
前にも語ったスピーシーズもエイリアンもデザインはスイスの芸術家が手掛けている。
この画家であり、イラストレーターであり、造形画家のギーガー氏は、悪夢的なデザインと有機物と無機物を融合させ、更にセクシャルである。と、いう全く異次元の世界を見せてくれた。
つまり、怖いけどすげぇー。
彼が生み出したエイリアンってのは、その後の色々なカルチャーを塗り替えたって思ってる。
でだ、そもそも七十年代の映画だったエイリアン。
このエイリアン、ゼノモーフを思い出したのは、眼の前にある卵を見たからだ。
卵→エイリアン→ゼノモーフ→セノバイト→ルマルシャンの箱→SF映画とかドキドキホラー映画のB級古典は、この世界に存在するのか←現実逃避である。
いつも通りの放課後、イースター休暇が終わり、ますますテスト勉強と課題がいっぱいな今日このごろ。
ワイはいつも通り、梟の小屋を掃除し、日向ぼっこをする猫達にオヤツという賄賂を渡し、我が友であるワンワンに会いに来ていた。
補助教員の動向と最近のニオイについての情報収集でもある。
単に遊びに来た訳では無い。
因みに、こんなアホであるが、お勉強とアホはイコールではない。
実際、ワイ、朝活と超記憶でお勉強と課題を終わらせてからの、徘徊である。
唯一の不安材料は、箒と魔力コントロールだけである。
アホでもお勉強は別の技能なんじゃよ。
と、また、現実逃避していたが、大きな人のお家に、宇宙からの侵略物がいらっしゃる、あらまぁ。
…
…
ふふっ、今日は天気がいいなー!
ふふっ、目の錯覚かなー
あれって、エイリアンエッグに見えるなー。
…
お客様ー誰か、お客様でお医者様はいらっしゃいませんかー!
フザケても現実は無情にもかわらない。
泥酔していびきをかいて寝ている男の片腕に、にょっきりと異物が置かれていた。
二度見した。
コントじゃない。
マジで受け入れがたいモノを見ると、人間はアホみたいな行動をするって知った。
人生は学びの連続だ。
あぁ、今日もいい天気だなー
…
…
…
…
…
…
じゃねぇ、フザケてる場合じゃねー!!
まじかー凝視しちゃったよー。
あれ、なに?
マジで何?
大きな人、君の飼い主、奇跡的に生きてるけど、やばいよ!
まじ、誰が見ても、あれ、ヤバヤバ!
だめじゃん、あれ、危険物ー!!
さすがのワイも、びっくりでお漏らしするレベル。
んで、大きな人、酔っ払って寝てる。
気を失うように寝てる。
卵抱えて。
まだ、フェイスハガー飛び出してないよね。
マザー・エイリアンはいないよね、つーか、地球侵略完了済み?
どういう事?
ふぁんぐぅ、どういう事なん?
昨日の夜に、アレを抱えて戻ってきたん?
そいでそいで?
どう見ても、あれ、ヤバヤバな卵。
んで、外に避難してる?
おりこうでちゅねー
…
…
…
はっ!
また凝視してしまった。
ワンワンは賢かったが、飼い主はダメダメだ。
因みに、卵といったが、ツルリとした卵ではない。
例のエイリアンの卵にクリソツである。
どう見ても中から、顔面に吸い付くやつが出てくる造形だ。
それともハリー・ポッターだと違うのん?
そんなわけあるかぁーちくしょうめぃ!!!
子供の学びやにエイリアン持ち込んでんじゃねぇーどちくしょうがぁ!!
ここで様子見とか、容赦をしないのがワイのスタイル。
Attention!!
だれかー!男子ー!誰かーおとこのひとー呼んでー!
アレからナニカが生まれると嫌なので、酔っぱらいと卵のシュールな絵面を見つつ、絶叫した。
もちろん、念話。
たぶん、ダメージはセウェルスのみ。
授業中だったと思うけど、ワイの異常な念話を受けての、ダッシュで駆けつける。
ワイを怒ろうとして、ワンワンとワイの表情を確認、そいで開けっ放しの小屋を見る。
…
…
…
授業中の生徒の皆、ごめんね。
これ、一匹放置すると、魔法界全体が死滅するかもしれん代物やから。
そして目にする、アホな光景。
それでいながら、どう見てもヤバい代物が鎮座している。
吾輩氏の目からハイライトが消えた。
…
…
…
「森番小屋とコイツごと、燃やしてもいいですかな?」
「魔法省に連絡をするまで、待ってくれ、セブルス」
まぁ、寮監先生も、校長を容赦なく召喚した。
間違ったふりして燃やしていいよって感じで、校長先生の目が淀む。
滅多に見られない光景だけど、それだけ笑えない状況なのだ。
エイリアンというのは冗談としても、例の木のナニカである事は見ればわかる。
クィレル氏の頭部に生えていた木と同じく卵の下部には、枝が巻き付いていた。
枝が寄生体である事はわかっている。
それは動き出してはいないが、それがいつ人間に襲いかかってくるかは不明だ。
それを校内にわざわざ持ち込むとか、正気の沙汰ではない。
まぁ泥酔してたんだろうけどね。
んで、危険生物担当の部署の人、闇祓いの人、魔法省職員の人、何か、捕獲用魔道具?の器具が運び込まれる。
その間、大きな人は寝ていた。
遠巻きに包囲されてたけど、本当によく寝てた。
実は薬でも盛られてんじゃね?
「可能性はある」
セウェルスが同意するも、既に包囲してる人達もそんな事は想定済み。
卵を捕獲し、魔法的封印を施したら、次は大きな人をどうにかせにゃならん。
で、この間、校舎内で生徒は大広間に集められ、各寮の点検が再び行われていた。
むろん、理事会も臨時召集して大騒ぎだったんだって。
森番クビにしろーという声よりも、不安が大きくて、学校閉鎖しないの?って話まで行ったそうだ。
その週は、授業をお休みして学校中を、魔法省から派遣された人と闇祓いの人達でお掃除となった。
そいでセウェルスから聞いたけど、校長先生はホグワーツ校内に侵入者がいると感知できるそうだ。
ただし、外部から勝手に入ってきた者や、外部から勝手に入ってきた害意のみだ。
害意が判断基準でも、それはホグワーツ、生徒や教員、働く者に対する脅威だ。
そこでホグワーツの出入り口に、スキャナーみたいな魔法陣を置いた。
金属探知機みたいに、異物を感知するスキャナー。
で、今回、このスキャナーに反応はなかった。
なぜなら、卵は活動してなかったから、素材と判断したようだ。
害意、敵意、生命活動、篩にかける条件を設定してたんだけど、魔法界、そもそも異物だらけである。
設定を絞りすぎると、誰かのベルトの素材にまで反応してしまう。
魔法生物の皮とかね。
まぁそれでも無いよりマシ。
武器や危険物、害意ある生き物を判定しようって魔法陣を設置したわけね。
そいで卵だ。
体内に寄生されてる人と同じく、活性化していなければ、反応不可だ。
卵は素材であり、体内の寄生物はその人の体内に存在する物である。
つまりお腹の中に寄生虫がいても、本人の体力が奪われるだけの話だからだ。
つーか、これファンタジー?
元ネタのお話とは、流石に違うよねー
***
そいでそれからそれから…
今日も良いお天気。
クィディッチの練習は解禁。
あの卵騒ぎから数日。
ポエジーな事を大きな人は泣き叫びながら言ってたけど、あれ、ドラゴンの卵じゃねーから。
ワイとファング君、お墨付きの、ヤバヤバのニオイだからだ。
温めて孵化する前に、大きな人の顔面に張り付いて、胸から何か飛び出してくるから。
で、再びの祭り。
ホグズミードで消毒作業と、外部から来てた人達が容赦なく闇祓いに連行された。
もう罪状以前に、寄生されてないかの検査。
どういう事?
『予想になるけど。
枝を取り込んだ男が、女に移す事に成功した。
そして女は、産む前に、耐えられなくて死んだ』
それってさ、魔法界である程度、儀式が行われてるって事じゃない?
『顕著化しただけで、潜在的には続いていた、じゃないかしら?
話を戻すわよ。
人間の普通の女では、耐えられる代物じゃないだろうし。
そして残った卵の処分に困ったのかしら。
それともホグワーツで孵化させるつもりだった?
孵化、まぁ養分になりそうな子供もいっぱいいるしね。
順当に考えれば、枝を取り込んだ男というのは、志願した教団員になるわね。
でも教団員だとしても、枝には生殖限界があるから、死んでいるかも。
あぁ次代をつくると死ぬのよ、枝って。
だから、次代を確実に作れるまでは潜伏するって感じね。
そうそう次代っていうか、あれ、教団で言う神の卵だと思うわ。
回収先で、きちんと処理しなかったら、面白いことになるわよ』
グロい予想をありがとう、魔女子さん。
もちろん、このバイオハザード的予想は伝えてある。
たぶん、魔法省の神秘部は、何か新たなお部屋を作って、SFホラーな事をしてるのかもしれない。
考えたくない。
まぁそれよりも近場のリアルが優先である。
そんな感じでホグズミードで、グロホラーな出来事がおきているようだ。
リリカルマジカルな魔法族のほのぼのとした村は、今や、暗雲立ち込めるセイラムズ・ロットばりに呪われているかも知れない。
んで、ついでにココぞとばかりに、補助教員もホグズミードから来ているので回収されるのかと思ったら、回収できんかった。
まぁそこまでやると、この卵を発生させた元への手がかりも、切れそうではある。
だったら、学校に置いとくなよーとも思うが、今のところ、変な繭にはなってないし、背中から何かが飛び出してもいない。
普通に過ごしてるってこと。
結果、ホグズミードへの外出は当分禁止となった。
でも恨み言は聞かないからねー。
「わかっちょる、わかっちょるがー」
未だに泣きながら、大きな人が薪を割ってる。
あと、当然ながら謹慎処分中。
その間は色んな雑用をフィルチさんと一緒にこなす。
森番以外のお仕事もするんだって、まぁしょうがないよねー。
アズカバン行きになるところ、被害者だよーって申告が通って良かったじゃない。
卵をひっぺがされてからの、取り調べと身体検査はオールクリア。
体内に異常なナニカは宿っていなかった。
寄生生物である事は確定。
やっぱり記録はあるらしいよ。
魔女子さんの言った通り、これがお初の出現ではない。
だからか魔法省のお役人も、卵の現物見て、ビビりあがってたし。
興奮してた魔法生物研究の人と、なんかヤバい呪物を研究してるおジイちゃんが、冒涜生物の発見に大興奮してた。
不安しかない。
あれ増やすと人類滅亡だからってのも、いちおう校長先生経由で伝えてはあるんだけどね。
あの研究者二人こそアズカバン行きでいいと思うよ。
「ドラゴンの卵だと思ったんだ、酒場に来てた奴に言われて」
泣くなよ、大きな人。
ハンカチ貸そうか?
ん?
セウェルスに怒られる?
怒らないよーこのくらい。
ちゃんと仕事してエライねー。
そんなに不思議生物を飼いたいなら、森の奥にいっぱいいるんじゃないの?
最近、ナニカが増えたみたいってファング君も言ってたし。
「ドラゴンを飼うのが夢なんだ」
じゃぁドラゴン生息地に引っ越すしかない。
「ダンブルドア校長先生には、世話になっちょる。
暮らしもここで成り立っているしな。なかなか踏ん切りがつかん」
老後の楽しみ?
「おっ、それだ、それ。うん、老後の楽しみにとっとくかぁ、さみしぃがぁ」
あれ、どう見てもドラゴンじゃないしね。
「ドラゴンの卵にしかみえんかった」
上部開口部がぱっくり割れそうな、卵というより肉の塊みたいなのが、ドラゴンの卵のスタンダードなん?
「いや、綺麗な殻に可愛らしい模様がはいっちょったろう?」
こわい。
ふぁんぐぅー、あのヤバヤバの卵、ヘドロみたいな緑色の肉の塊だったよね?
うん、うん、そうだよね。
何言ってんの、この人。
君の飼い主、ヤバヤバだよ?
うん、ちょっと後でセウェルスに言っとく。
やばい、脳みそ弄られてるのん?
ねぇ、大きな人、卵、売ってくれた人ってどんな人?
「魔法省の役人にも聞かれたんじゃが、覚えておらんのよ、飲みすぎてたんだなぁ」
たぶん、おチャケと一緒におくちゅりもはいってたとオモウヨ〜
どんな会話で、ドラゴンの卵に行き着いたんだろうね。
そもそもドラゴンの卵を勝手に持ち歩くの、駄目じゃん。
「おぉぅ、それは、そう、だな」
ぺそぺそと泣き出す大きな人。
ファング君、なぐさめておあげなさい!
「そういやぁ授業は大丈夫なんか?」
べろべろされて泣き止んだ大きな人が、薪割りをやめて座り込んだ。
イースターを挟んでクィディッチ寮杯が続く。
テスト期間はちょい先で、一週間ほどの休暇がちょこちょこ入る。
授業も8限、午前午後、夜間全部が埋まっている訳では無い。
つまり一年生だと余裕があるのだ。
「なるほどなぁ、すまなかったなぁファング、お姫さんも心配かけちまって...
そういやぁ、あん時も、飼ってる犬の話をした気がすらぁ」
あの時?
「あぁ酒場のカウンターで世間話をしてたな、そいで飼い犬の話をした、と思う。
そう、どんな動物が好きかとか、珍しいペットの話を」
そこまで話して、大きな人の、表情が落ちた。
「やべぇ、俺ぁ、言っちまったかもしれん」
何を?
で、そこで正気に戻ったのか、大きな人は口をつぐんだ。
まぁ、ヤバヤバなら、校長先生にだけでも言っといたほうが良いよ。
因みに、ふんわりと言ってみ?
ワイ、この通り、言葉を使えないので、喋れるのセウェルスだけ。
「セウェルスって誰だぁ?」
吾輩氏。
ラテン語でセウェルス。
彼の名を呼んでいいのは、彼が愛する人だけ。
って言ったら、大きな人は、口をいったん開いてから閉じた。
どしたの?
「リリー・ポッターの事を知っちょるんか?」
セウェルスの女神。
って返したら、大きな人は自分の顔を手で覆った。
もう、大惨事だろって感じの全身での、あぁ何やってんだろう、馬鹿だろうあの男っていう、ね。
素で読み取れた。
念話じゃなく。
もしかしなくても、公然の秘密。
そりゃそうだ。
ハグリッドは、ホグワーツ暮らしだ。
女神の事を知らんわけがない。
因みに、ハリー君のパパはどんな人?
「ジェームズか、うん、まぁ、俺にきかんでくれや」
わかった。
じゃぁ女神は女神だった?
「それも勘弁してくれ」
はいはい。
泥沼の三角関係だったのかぁ。
「ちがうからな、本当にちがうからな。
色々あったが、まぁいろいろだ」
で、卵売りつけた奴に何を喋ったの?
「そりゃおめぇ、俺の飼い犬のフラッフィー」
はい、アウト。
了解了解、四階の秘密をペラったー!
はいはいはいはい、校長に言わないとお仕置きだね。
さっさと、ヒゲのところへイケっ!
「わっわかった、お姫さん、もしかして、フラッフィーの」
賢者の石とか守ってるんでしょ。
そいで、フワフワちゃんは、ワイの舎弟。
鶏肉はこんがり焼いて、焼きめがついてないと嫌だって。
生肉は無理って言ってたよ。
「おぉぅ、話せるんだなぁ、今度ちくーっと相談が、森の動物の事で、あぁケルトバーン先生にも」
はよいけ!
で、慌てて校長のところへ向かう大きな人を見送る。
つまり、枝どもは、賢者の石を狙っている?
賢者の石の情報を持っているということは、やはり、魔法界の中に教団員がいるって事だ。
枝自体に潜伏期間があるならば、それまで潜んで機会を伺うこともできるわけで。
うん、ここにきて、寄生されていないかどうかがわかるってのは、すごい安心感だ。
少なくとも、ホグワーツで、セウェルスだけは、人間だって信じられる。
いや、マジでこんな事いうのやだなぁ。
***
学生生活の一大イベントってなんだと思う?
エイリアンエッグ以外だよ。
それからクィディッチ杯でもない。
そう、学年末試験。
一年生は、初めての試験が迫る中、授業以外は図書室や色々な場所で教科書やノートを広げていた。
もちろん、クィディッチ狂だって、落第はしたくないので、試合や練習もあるけど、皆、勉強を頑張っている。
「コイツが二、三日前から、餌を食わんのだ」
お腹は痛くないけど、混ぜられてた松葉が美味しくないって。
最近、先生、ちょっとご飯の味付けおかしくないかって?
つまりハンガーストライキ、ごめんねってして、ちょっと柔らかめのお肉とフルーツあげるといーよー。
最近、何かと生き物が何を考えているのか聞いてくる先生だ。
彼は魔法生物飼育学の教授である。
今もずいっと顔の前に差し出されたのは、ちっちゃな犬っぽいナニカ。
狼みたいにも見えるけど、子犬ぐらいの大きさで、ゲップをするとナニカ青白い煙が出ている。
魔法界、謎生物多すぎだよ。
だから、エイリアンエッグみたいなのを渡されても、抵抗感が低いのだ。
どう見てもグロい卵が、ドラゴンの卵に見えるとか、それともドラゴンの卵もSAN値が削れるのかな。
「ドラゴンの卵の形状を知りたいそうだ」
「どのドラゴンかね?」
「たぶん、この間の騒ぎの所為で、アレと似ているかという質問だろう」
それに飼育学の先生は、面白そうに笑った。
「闇の生物と種として強い生物を混同しているのかな?
闇の生物は、自然のサイクルから外れた生き物だ。
その生態や形状は、自然によって作り出された物ではない。
つまり、関連性が無い。
ドラゴンもマグルの世界で言えば、すでに神話の生き物だ。
だが、彼らは自然のサイクルの中にいる。
国ごとに種類が違っているが、その生態は、その土地土地の環境と関連がある。
溶岩の中にあれば、その美しい卵の殻は、その流れにあっても溶けないようになっているし、草原にある卵なら、草木に隠れるような外見をしている。
しかし、闇の生物は、そのような自然のサイクルとは関連が無い。
この世界と結びついていないのだ。
闇の生物を思い浮かべてごらん。
アズカバンで飼われているディメンター。
まぁ見たことは無いだろうが聞いたことはあるだろう。
彼らが絶滅しても、自然のサイクルに影響はない。
グリンデローは、湖沼に住まう魔物だが、彼らがいなくなっても湖沼の営みに差異は無い。
むしろ、生き物が戻ってくるだろう。
魔法生物としての分類は、また違うがね。
魔法生物としては、動物、ビーイング、スピリットに分けられる。
ドラゴンは、その動物のカテゴリーだ。
吸血鬼などの闇の生物は、私達、魔法族と同じビーイング。
カテゴリー不明が、ディメンター、そしてあの魔の卵だ。
魔法省は、カテゴリーとしては、アレを魔法生物には分類できないと考えている。
スキャマンダー氏も、今回の事で現物を見に魔法省を訪れているよ」
教科書の人?
「そうだ」
「羨ましいぞ、セブルス。
私も直接話してみたいものだ。
それに生き物との交信能力は貴重、ぜひ、魔法生物飼育学を選択してもらいたいものだ」
ありがとう、先生。
つーか、何?セウェルス。
「動物どもと一緒に姿を消すコレを探し出すよう命じられる身としては、甚だ不本意ですが」
「ほぅ、生き物との時間をもっていると、それは有望」
満足して去っていく飼育学の先生を見送っていると、傍らのセウェルスが溜め息をついた。
テスト期間中に突入し、目の下の隈が酷い事になっている。
「どういう機序かわからんのが、問題だ。
アレらの、生態、発生方法がわかればよいのだが」
昔からいるはずだから、何処かに資料は残ってると思うよ。
魔女子さんの知識だって、正解とは限らないよ。
魔女子さんは、必ず、途中で死んでるっぽいもの。
「そうなのか?」
たぶん、この血の知識は、担当が死ぬと覚醒するんじゃないかな。
「どうしてそう思った?」
私は最後の子供である可能性が高い。
じゃぁ私が死んだら?
遠縁でも、男でも、この血の力、血の魔力ってのは移るんだと思う。
子供が二人いても、どちらか一方に権利が移る。
そして女の子に受け継がれると、覚醒する。
私のパパは、この血の力、能力や囁きを知らないと思うんだ。
だから、魅了の能力だけを封じた。
これは一族の女性には表にでる、わかりやすい能力だったから。
まぁ想像だけどね。
「なるほど」
で、何か話があるんでしょう?
テスト期間だ。
だから忙しいのではないだろう。
目の下の隈は、他の先生には無い。
セルフネグレクトを阻止すべく、食事量やら睡眠に口出しをしている身として、たぶん、暗躍しているので睡眠時間が削れているのだ。
「初期の我々の計画は、一部、そのまま遂行となった。
故に、更に面倒な話になりつつある。
アノ、魔の卵を売り払ったとされる男はホグズミードにいた。
干からびた死体となって、村外れの林の中で死んでいた。
身元は、元、死喰い人だ」
いつもの薬草群生地前のベンチである。
行き倒れているセウェルスと隣に座っている私は、きらきらしい午後の日差しを受ける緑を眺めていた。
死喰い人、特別な闇の陣営の人だね。
一番、危険視されてる。
「言っておくと、私も死喰い人だ。元、となっているが」
ふーん。
「何か言う事は無いのかね?」
帝王、戻ってこないね。
「あぁ」
校長は知ってる?
「あぁ」
大変だね。
「大変か」
今度、死喰い人について教えてね。
「まぁな」
そんな会話をした後、四階のフワフワちゃん居眠り事件がおき、誰かが最初の扉を破る事件が起きた。
つまりあの部屋、トラップが更にあるわけだ。
当然、子供たちは大興奮で、セウェルスを見張っている。
私は、なんというか、そんな賢者の石の心配よりも、別の事が気になっていた。
セウェルス、テストの採点と侵入者からの防衛で死にかけてるしな。
気になる、答えが得られた、と思う。
最初の疑問。
なぜ、彼を選んだか、だ。
死喰い人。
これだ。