R15と残酷描写は、予防処置と寮監先生の苦行成分でできております。
似ているようで、似ていない原作キャラが登場しますが、きっと似ているだけで別人なんだよ。
だって主人公、原作知らんしな!って感じで突き進んでおります。
こりゃぁアカンと思ったらごめんなさいの、ブラウザバック推奨っす。m(_ _)m
「敗因は事前調査不足よ」
へにゃっとなるトンクス姉さんに、ガッチリと背の高い女性?が言う。
派手な化粧の女性?で、私達を促すと歩き出した。
カバー?の人らしい。
「護衛の一人よ。名乗るのは控えるけど、一応女性のつもりよ」
さすがパリだなぁ。
美人な、元Mr.かな?
「マグル界と同じ書店が並ぶ通りに、何軒かあるわ。歩いてもそれほどじゃないから、このまま観光案内がてら行くわね」
で、お姉さんの案内を受けて、あっちが劇場で、こっちがどんな建物で〜と案内を受ける。
観光である。
すばらしい、やっと観光っぽい。
「お昼はホテルに戻る予定だけど、あっちが帰ってこないなら、適当に外で食べましょう。
食べられないものあるかしら?」
こなれた感じの観光案内である。
もしかしたら、マグル界では偽装でツーリストしてるのかもね。
ジェラートを買ってもらって食べながら、いろいろと聞く。
その間はしばし、歩道に置かれたベンチに座る。
中々陽射しが厳しい。
日焼けするかなぁ?
「しないんじゃない?」
どういう事?
「どういう事っすか、先輩。アタシも知りたい」
それにジェラートを同じく食べていた先輩が、うーんと首を傾げながら私を見る。
「彼氏から何かもらってるでしょう?」
彼氏?
「中々、癖のありそうな彼氏、パパじゃないんでしょ?」
見上げた相手は、面白いとばかりに少し唇の端を引き上げていた。
「あぁ教授っすか。」
「彼の魔力を帯びた何か、完全防御系の護符だと思う。とんでもない複雑な奴が二重になってるから、火傷とかと同じ扱いで、日焼けしないと思う。いい歳した男の本気って怖いわー」
「…あ〜、魔力紋かぁ」
「魔力が見える見えないは人によるけど、魔力の痕跡のニオイぐらいはわからないとねぇ。
感覚として感じ取れないと、攻撃を受けた時の反応が遅くなるわよぅ」
呪いの首輪、じゃなくて首飾りと指輪か。
まぁ日焼けしないのはありがたい。
私の場合、髪の色もそうだけどメラニン色素異常だったら、火傷とかよくない事になるしね。
で、手を目の前にかざす。
そうして見ていると、二人も指輪を覗き込んだ。
「可愛いデザインだなぁ」
「お手製かしら、すごいわぁ何層にも魔術が重なってるわ、こんな小さい宝石に」
「えっ」
「何よ」
「て、手作り…」
「怨念こもってそうよね〜」
「こ、こわ」
「まぁ冗談だけどぉ」
「じょ」
「これ以外にも?」
で、服で隠れてる首を指差す。
「首飾りね。まぁ護衛としては有り難い話よね。」
「そ、そうなのかな〜」
「変わった流れが見えるわね。チェイシング系の奴ね。
物理的に攫われたら痕跡が残る。
それから、魔道具そのものを奪われても、何か発動しそう。
多分、他にも複数。
トラップっぽいニオイもするから…やだ、うん。
護衛としては安心だけど、うん、何か、すごいわねぇ」
「なっなにがっすか?」
「ほら、嫉妬深い旦那様が奥様に贈る奴に似てるかなって。一歩間違えると呪いの品よねぇ」
「そ、そんな感じなんすか?き、気持ち悪いような、あれ、気持ち悪くないんすか?」
「プライマリーのカップルじゃないんだから、これぐらい普通っていうか、束縛系の彼氏だとあるあるじゃない。
年の差カップルが純血だとザラでしょ。
親子どころか祖父母ぐらい離れてたら、若いパートナーには首輪ぐらい普通。
魔法族って外見じゃ年齢わからない人もいるから。謎に若いお祖父ちゃんとか美魔女とかいるでしょ?」
「普通じゃねーっすよー!!」
首輪、してたなぁ。
「えっ、首、首輪?」
「外にでるから目立たないデザインにしたのかしら。
うーん、私も専門家じゃないから。
ただ、悪意を持った男が襲いかかったら?まぁ悪意っていうか、スケベ根性だしてお触りしたら、腐る?」
「くさるー!何考えてんだ、あの陰険根暗」
うわぁ、ホグワーツ生だなぁ。
ツッコミがオモロイ。
何処の寮なんだろう。
スリザリンぽくないし、グリフィンドールっぽさも無いなぁ。
「ほら、お客様が笑ってるわよ、よしなさい。」
「ねぇ、マジで大丈夫?お姉さん、ちょっと心配になってきたんだけど?」
寮監先生には、良くしてもらってますよ。
「落ち着きなさいな。
嫌がってる風でもないし、嘘でもないのがわかるでしょう。
いい加減にしなさい。
年上のはずが、アンタの方がガキっぽいわよ。
もっと男女のお話に慣れなさいよ。
初々しいのは、さすがに学生までにしなさいよ。
モテナイ女を口実にしないの。
実地をしろとは言わないけれど、映画とか小説とかで情緒を育てなさいよ。
ほら、見て。
ここから少し見える、あの建物が十二・三年前に公開された映画が撮影された場所ね。
貴方が生まれた頃になるのかな?主題歌も有名だったわね」
「ぼっボーイフレンドぐらい、いるもん。モテなくないもん」
「はいはい、友達いっぱいでいいわねー」
パリの街は、どこも舞台セットみたいに味がある。
汚い場所もあるんだけどね。
「フランス文化を学ぶ指針にもなるって言われてる、青春映画よ。貴方のママの年代だとメジャーな映画ね。」
青春映画とか恋愛映画になると、途端に記憶力が落ちるワイ。
「ソフィー・マルソーよ。当時十三歳のデビュー作になるわ。最近だとルノードー賞をとった小説が原作の映画が放映されたわね。デビュー作がヒットしすぎたからか、その後の路線が生々しい感じの役柄が多いわね。」
フランスの文学賞かな。
なんか難しそう。
「そうでもないわよ。根底は男と女の話ですもの。むしろ、貴女のリクエストが怖いわ。凄いラインナップよね。夢も希望もないっていうか、彼氏のリクエスト?」
語り口が巧い。
さすが、プロだわ。
私は笑いながら、メモ書きを渡す。
これから購入する物は、私のリクエストです。
そして特に注文したい本が半分混じっています。
半分です。
「半分?」
必要な本です。
私が覚えている限り、目を通しておく必要がある本です。
「なるほど」
それから通りを散策しながら案内されたのは、書店が並ぶオサレな通り。
オサレじゃない場所が無いというか、国を挙げての観光業で食べてるからね、建物外装が歴史を感じさせる。
その中でも店舗の前に花の鉢植えが置かれた店に入る。
薄暗い店内には本がぎっしりと詰まった棚が四方を埋めていた。
だが、見たところ普通のマグルの書店だ。
案内のお姉さんは、店員に挨拶しながら奥へと進む。
薄暗い建物の通路を進むと、中庭に出た。
背の高い建物の裏手を囲む場所で、ぽっかりと空間ができている。
彼女はそのまま左端の古ぼけた扉を叩いた。
「誰かいる?」
で、返事が返ってきた。
フランス語だろう、月が昇る頃に来な!という返事だ。
「あぁもう夜よ」
で、扉が開いた。
合言葉だろうか呪文だろうか、さっと扉が開いて薄暗い石の通路が続いていた。
夜だ。
真っ暗闇の石の通路に、小さな窓。
そこからは森林と夜が見えた。
魔法だ。
魔女なんだけど、ファンタジーに感動。
「先輩、ここは?」
「リクエストの学術研究者向けの書籍を扱う店、というか旧家や滅んだヨーロッパ魔法族の家、氏族から汎ゆる本、羊皮紙、まぁパピルスやら石板、巻物、遺物を買い取る問屋みたいなところよ。言っとくけど違法じゃないわよ」
ガチャンガチャンと何か金属音が聞こえる。
「大丈夫よ、店員の出迎えだから。」
薄暗い通路奥からランタンを掲げた首無し甲冑が歩いてくる。
ホラー耐性が無いと、帰りたくなる店員だ。
「防犯面もバッチリってこと。ライバルは墓荒らしどもや盗人だから」
いや、それって。
「まぁ彼氏には言わないでよね。一応、正規のお店よ。フランス魔法省公認」
「いや、先輩。教授は彼氏じゃ…彼氏なの?」
真顔で聞かれる。
トンクスさんって、おもろいなぁ。
ちょっと顎が華奢で尖ってる感じも、かわいい。
メモ書きを渡すと、ピヤッと言う感じで慄いた。
「...こ、コンヤクシャ、だとぉ..せっ先輩、はんざい、犯罪が」
それにデュラハンと会話?していた先輩が振り返って呆れたように答えた。
「婚約者の何が犯罪なの?
無理矢理でも何でも無いでしょう。
アタシだってダーリンが欲しいわよ」
「いや、彼女未成年、子供、子供だから」
「言ってるでしょう?純血なら普通よ。
まだ爺さんじゃないだけいいじゃない。
現役ビンビンだろうしぃ〜キャッ!
あの手の線の細そうな男のほうが、ねちっこくて元気いいのよ。
見せ筋肉なんてねぇ、エッチになると役立たずなんてザラなんだからぁ!」
「下ネタだめっす!お嬢様、お嬢様の前はダメッだって」
「この程度じゃ下ネタにもならんわ。
ちょっと癖強そうだけど、一部界隈でモテそうじゃないの。
それに婚約者は、いずれ結婚する相手でしょう。
手出ししてなきゃいいのよ。あら、手出しされてる?」
寮監先生は、真面目な人ですよ。
「いーわねー!
アタシも、ガッチガチにカタイダーリンがほしいわぁ」
「先輩、本当に止めてくださいよ。教授に呪われますよ!」
「いやねぇ、この子。見た目は弾けてそうに見えるのに、中身、お婆ちゃんみたいなんだから。」
誤解のないように言っておきますが、先生は仕方なく保護してくださっているだけです。
婚約者の立場も庇護する為の方便です。
「そ、そうだよね〜あーびっくりした。」
「そりゃぁ方便よね〜」
「ですよね〜」
「違うわよ、おバカ。
じゃぁしつも~ん、新人ちゃんに聞くわよ〜」
「なっなんすか?」
「アンタが彼女の立場だったら、あの男と離れる時にハグする?」
「しないっすね」
「指を絡めて手を繋ぐ?」
「勘弁してほしいっすね」
「何に対しての方便だと思う?」
「きっと理由が」
「愛って素晴らしいと思わない?
男と女に正しいことなんて無いのよ。
パリにいて、古いカスカスのチーズみたいな情緒してて楽しいの?
もっとわくわくドキドキしなさいよ」
呻いてトンクス姉さんは、地団駄を踏んだ。
「ぐぬぬ、うっそんな、陰険クソ野郎が、世の中、オカシイぃっすよ先輩」
「アンタのお師匠もそうだけど、なんだろう、生き辛い性格してるわよねぇ。
愛とゴシップをもっと摂取しないと駄目よぅ。
研修で国外なんて中々ないんだからぁ」
暗い通路を彷徨う甲冑の後について歩く。
なかなかできない体験だ。
回廊らしき通路が大きくなり、辺りの様子が良く見えるようになってきた。
森だ。
どこかの森の中で、遺跡の中にある建物のようだ。
古い石積みの建造物だ。
「ハグしてから、離れるまでの秒数って。関係性をはかるのにいいのよぅ」
「えっ?そうなんすか」
「じゃぁ、真面目な教授?が、彼女にハグをされてから、抱き返したのは一瞬ね。
それでも彼氏、ぎゅっと抱きしめ返してから、すこぉーし左右に揺れてた。
可愛いなぁって思ってるわよきっと。」
猿、脱走すんなよ?だけどね。
「こう頬を寄せて、苦しそうな顔で耳に口元を寄せて囁くの見た、見た?
いやぁ〜ん、素敵よねぇ。」
さすが闇祓い、観察してるなぁ。
因みに猿よ、くれぐれも暴れんなよなーである。
そいでトンクス姉さんの事を告げていったわけだ。
飼い主も大変だね。
「うへぇ」
虚無の表情がトンクス姉さんに浮かぶ。
セウェルスは、卒業してもトラウマを残してるようだ。
大人げねぇ人だもんなぁ。
嫌味と罰則しか口にしない男の私生活なんて知りたくないって感じだ。
むしろ私生活なんてあるの?
たぶん、ブラック企業戦士ぐらい私生活はないですよ。当たってます。
「仲がいいのは良いことよぅ。それで私はパパじゃぁないわよねぇって。
情報はもらってるけど、見えることの方が重要なのよ。」
「そういうものなんですか?」
「じゃぁ護衛対象本人の前で何だけど、どんな関係性かは置いておいて、前情報無しだったらどう見えた?」
「…仲の良いカップル」
「はい、その通り。情報って面白いわよね。
彼らが、うまくやっているのはわかるでしょ?
こういう場合の報告書にどう記入するかは、フラットに思考を回さないと駄目なのよ。
関係性良好。
婚約関係をほのめかす発言あり。
かしら。
建前で〜とか彼女の発言の部分は重要じゃないの。
婚約というワードが重要だから、その情報の裏取りはこっちでする必要がないわけね。
師匠への報告書は、理路整然としたものにしなさいよ。
闇祓いになったら、上司への報告書類に、主観だけの何かをダラダラ書くんじゃないわよ。」
「はい、了解しました」
そんな彼らの会話とは別に、私の方は、この場所を見るのに夢中だった。
どう考えても、パリの何処かではない。
夜で、遠くにお山が見える。
感覚としてはもっと南部だろうか。北部の木々の景色ではない。
回廊らしき突き当たりに、巨大な石のカウンターに複数のランタンが置かれた場所がある。
そこにはローブ姿の人が複数人おり、あれが彼女の言う書店、なのだろう。
「はい、お客を連れてきたわ。
神秘と背徳の集い、夜明けの兄弟団?だったわよね。
本式の名前、忘れちゃったわ。
お嬢さん、ここはヨーロッパで取引される魔法書のほとんどを扱う店よ。
一見さんでも大丈夫。
メジャーだけど、殆どの人が利用しない類といえばわかるかしら?」
「どうしてっすか?」
「玄人しか利用しないし、高いのよ」
「だっ大丈夫?」
うん?
でもどの程度の資金力が最低ラインなのかなぁ?
グリンゴッツ発行の小切手は使えますか?
で、どう見てもローブの下は生きてなさそうな店員が頷いた。
ゴーストとは別の括りの生き物っぽい。
「よくわかったわね。大元の雇い主、経営者は魔法使いだけれど、店員の殆どは魔法生物よ。
じゃぁ、リクエストを書いてもらえるかしら。」
んで、石のカウンターの側にある、ビロードのスツールに腰掛ける。
手渡された羊皮紙に、記憶の中の、魔女子さん推薦の書籍名を書き連ねた。
十三月下における変性薬精義・古代ルーン語版。
絶版だと思うので、無い場合は探索をお願いしたい。
探索費用も込みでの精算も受け付ける。
魔力位相理論と薬効を理解したいので、是非とも取得したい。
毒草と呪術的媒介の体系・初版本の毒草学書。
冊数が極端に少ない為、これも無い場合は探索を。
実験記録部分が失われていない物がベスト。
禁書扱いではあるが、魔法薬学研究の為、許可手続き費用をこちらで負担します。
錬金秘典断章集・錬金術始祖の手稿写本。
魔力文字での書籍な為、こちらも許可手続き費用は負担します。
呪歌・癒魔体系、古代ケルト版。
音律呪術による調合原点。
こちらも現代魔法省禁書の為、許可費用はこちらで負担します。
マニアックなので手に入らない場合の探索費用も負担します。
深き緑の密儀書・呪術的副作用付き初版本版。
副作用の為、発禁書となっている可能性があり、こちらも許可申請と諸経費支払い、それに国外への輸出の手続きが必要となります。
取り扱い時の副作用についても、料金の上乗せも認めます。
銀型蒸留器官錬成手稿・中世闇錬金医術版。
倫理違反により焚書となっている為、これも無い場合は探索をお願いします。
魔力腐食と精神汚染論・初版作者不明の為、近代のファーン博士の改訂版でも可。
状態の良い物をお願いします。
変性影響学の基礎・魔法省検閲版でも可。
ただし、初版の論文集が残っていれば、そちらを。
星蝕調合誌・調合実験近代版。
こちらは冊数が残っているようならば、十冊単位で購入します。
重複していなければ、定期購読をお願いします。
「これが、貴女の欲しい本なのかしら?
先に概算を出させるわね」
ここまでが、まぁ魔法薬学研究に良い物でしょうか。
私が必要だと思うのは、これから書きますね。
「先輩、このラインナップ、殆ど、禁書なんじゃないですか?名前、聞いたこともないんですけど」
「店員の喜びようを見れば、そうでしょうね。
お嬢さん、購入できたとしても魔法省の方での検閲が入る事になるけど」
その辺はお任せします。
個人で所有できそうにもなければ、保護者と相談します。
「見積もりはこれね。大丈夫そう?」
税金関係はどうなりますかね?
「後で確認しとくわ。でも税金より許可が問題ね。」
なら、ホグワーツへ寄贈する形になるかなぁ。
元々、先生への投資ですから。
「もしかして彼に?」
持ち出しで研究してそうなんで、できれば投資したいと。
「新人ちゃん、膝をつくんじゃないわよ。資産家の純血の子供ってこんなもんだから。
店員が踊りながら倉庫に走っていったから、大丈夫なんじゃない。
次のリクエストを書いてご覧なさいな」
まぁここからが、ワイの欲しい本だったりする。
深淵の食卓・羊皮紙版
とある神についての儀式記録。
精神汚染指数・高の為、魔法省での許可が必ず必要。
専用の書籍保管箱付きが希望。
黒き水脈の書・絶版の為、写本でも可。
こちらも専用の保管用具が必要、耐魔具の購入費も請求可。
囁く岩礁の文書・海魔古代語版。
現代語訳ではなく、古代語でのみ購入希望。
原語版があれば、それも購入。
囁きを封じる専用の箱があれば、そちらも購入します。
星辰の封印記録・初版。
専用の占術布があれば、それも購入します。
異常が出た場合の、補償金もこちらで負担します。
培養日誌・グリーブ版。
研究者の実験ログが残っていれば、それが副読本として合本になっている物を希望。
湿ったページはそのままで、専用の容器をつけた場合は、購入費に色を付けます。
水底の王種についてのグリモアール
こちらの書籍も音が外に漏れない封印済みの物を希望。
発見できない場合は、探索費の見積もりを出してほしいです。
支配者の調合薬理学、精神世界の亀裂研究
どのような形で残っているのか不明の書籍ですが、発見できた場合の価格は現物を見てからの交渉でお願いします。探索費、手付金等必要でしたら、先に教えてください。
既にあるようでしたら、どこの誰の所有であったかも、わかる範囲で教えてください。
深き地母神の胎動、囁く書架
こちらは精神汚染系のグリモアール(魔導書)になるので、こちらも専用の容器が確保されている物を希望します。
また、事故などが起きた場合の損害補償は、こちらでは受けられませんが、ある程度の金銭での補填はできるかと考えています。
また、この書物の管理ができる人材を紹介して頂ければ、相応のお礼を考えております。
「…先輩、どうしよう。アタシ、問題が多すぎて、何をどう考えていいかわからない」
「大丈夫よ、私も同じだから」
んで、魔法生物系書店員さんは、前半の書物は在庫ありだけど、後半、リクエストの在庫はあるにはあるけど、運送費とか人員とか色々お話し合いが必要ってことになった。
後日、ワイの保護者と連絡を取り合って、ホグワーツ宛で色々発送したりする事になった。
つまり校長先生と魔法省が色々、お話し合いをして、ワイの財産管理人へと相談となる。
じゃあ無難な方の支払いだけ。
手付けの代わりに、前半注文分のお代を小切手帳にかきかき。
小さなシャトーぐらいの値段になった。
実は、ワイのお小遣い1年分。
つまり残り、十一年分あったりする。
ワイの一族、パパ上とママ上の一族郎党の財産である。
そして貢がれ続けた女性たちが早世した結果、お悔やみ分も含めて、恐ろしい額になっているという。
ワイ、死んだら、そのお金はどこにいくのん?って聞いたらね。
そん時は、マクゴナガル先生が付き添ってたんだけど、長生きしてちょうだいってお願いされた。
それ以降、話題として出せんかったが。
今、早急に財産関係の整理整頓してるんだってさ。
もちろん、マグル側と魔法界側両方ね。
死んだら〜の事も、まぁ色々、できうる限りの事をしてくれている。
心配ないのかって?
別に、心配はしてない。
一人に任せてないし、魔法族だけでもない。
そして殆どが強火担介入してるらしいし。
それにね、マーガレットがね、普通の生活を教えてくれたから。
本当にね、彼女って聖女じゃない?
普通さ、財産関係だってさ、私に一極集中とかになったら、不満もでるじゃない?
それをさ、兄の娘だからって育ててくれてさ、育児資金に手をつけないでさ、自分で養ってくれちゃってさ。
ママとパパの代わりまでしてた。
うん、マーガレットに財産を..いや、人生破壊しちゃうか。
マーガレットも普通に遺産相続はしてたらしいしな。
投資とかもしてたみたいだし。
堅実、だったんだよねぇ。
子供育てながら、地味にさ、暮らしてた。
きっとお金なんてあるのわかったら、怖いことになるってわかってたんだよね。
同じ一族だもんね。
力が出なくてよかったって思ってたかもだよ。
だから私も、マグルの普通を知ってたわけだしね。
究極、アルバイトしてアパートで暮らして、やすいお惣菜でご飯でもいいんだよ。
だってさ。
お金なんてあったって、一人ぼっちじゃつまらないし、あったらあったで、私みたいな子供、ろくな目にあわないもの。
なら、使ったほうが良いと思うんだ。
使いたい相手にね。
ただ、受け取ってもらえないだろうから、ちょっとやり方を考えないとね。
喜んでたかる相手には、もちろん、あげないしぃ。
「無難、どこが無難なんですか、先輩」
「落ち着きなさい。
後半の注文目録を報告しなきゃでしょ」
「全部のほうがいいと思うっす」
「そーねー」
んで、一冊だけ、すぐに渡せるって本を受け取る。
「なになに、十三月下における変性薬精義。古代ルーン語版。なんつーか、どういう本かもわかんねぇっす」
「どんな本なの?」
魔法生物書店員さん総出でお見送りを受けながら、通路を戻る。
グリンゴッツといい、何だろう、魔法界の商売人は、金払いがいいと好感度もバク上がりするようだ。まぁマグル界もか?
「えっと、満月周期と魔力流の干渉による、魔法薬の変化と魔力位相の薬効変化の理論書。」
ほぼ、絶版でホグワーツ書庫にも無いレシピ集ですね。
先生に貸してあげるんですよぅ。
本当は、あげたいんですけど。
受け取ってもらえないと思うから、奮発して大人買いでっす!
「...おとな、がい。こっこれが純血のおとながい」
「さすがに違うから、ボケてないの。
その一冊でプロ用クィディッチ箒の最新型がダースで買えるのよ。大人買いじゃなくて、買収ね。
ダーリンに貸してあげるのね。それが無難よ。
真面目な相手からしたら、年下の婚約者からとんでもない貢物はドン引きというか、プライド的に圧し折れるから。」
わかってます。
投資ですから。
貸してあげてる間は、そばにいてくれるでしょうし。
「ジョーク?」
義理堅い人ですからね。
「売り買いできる愛は、手に入れると色褪せるわよ」
売り買いできる人ではありません。
それにこれは迷惑料です。
「なるほど、生まれつき女で、お金持ちで美貌をもってても苦労してるのね。
ちょっといい気になって自惚れたら人生ラクなのに」
美人でお金もちで、生まれつき女って負債なんですよ。
友達が少なくなるし、ゴミダニクズな男が寄ってくるんです。
だから、先生は貴重な癒し枠なんです。
「業が深いわね〜」
「話についていけないっす」
「この子、アンタより、女で大人って話よ」
この後、一旦ホテルに戻って伝言確認。
やっぱり戻れないようで、彼女達とこのまま夕方まで一緒にいることとなった。
自分の荷物だけまとめて、そのまま食事は外で、ショッピングになだれ込んだ。
普通のお土産とかだよ。
で、夕方、駅近くのビストロ&バーに入った。
地下はワインショップで、見学もさせてもらった。
店奥のテーブルに落ち着く。
ホグワーツ卒業生なんですよね?
「ん、私?」
先にドリンクを飲んでいたトンクス姉さんに声をかけた。
カバーのお姉さんは、今、セウェルスに連絡中。
そもそもセウェルスの用事の内容も知らんからなぁ。
大丈夫なんだろうか。
「入れ違いで卒業したのもあるけど、最終学年は殆ど登校してなかったんだ。だから、ドヴワティーヌ嬢とは初めてになるね。」
卒業後は闇祓いに?
「正式には闇祓いじゃないんだ。弟子入りして研修中。
実地訓練をしつつかなぁ。今回は、君の夏休みにあわせて影から護衛って感じ。
それもウィーンまでだ。
オーストリア国内を一緒に移動するリスクは避けたいしね」
リスク?
「二人で来いという要求の範囲が、何処までかわからないって感じかなぁ。
ほら、このまま付かず離れずウィーンまで一緒だったとして、相手のテリトリーの何処までついて行っていいのやら」
なるほど。
じゃぁウィーンまでは?
「一緒だよ。だから、少しおしゃべりして仲良くしてね」
それからホグワーツの事を色々お喋りした。
彼女はハッフルパフ出身で、闇祓いの師匠はムーディーさん。
あのホグワーツで会ったことのある、強面でがなり声のオジサンだった。
そうして夕食を食べ、雑談に興じ駅に向かう事になっても、セウェルスは現れなかった。
彼は、何の仕事を片付けているんだろう?