R15と残酷描写タグは、予防処置と寮監先生の苦行成分でできております。
今回、基本設定が色々でていますが、原作準拠ではありませぬ。
つまりミックスジュースですので、神々のお怒りをうけぬように、そっと注意書き→捏造ですんで、皆、目を細めて読んでね!
教科書ってなんだろう?
私はマジックだ!Magical Me
完全な自伝。
ボクチンを学べという偉人伝風、俺自慢。
内容を要約すると、ボクチン、子供の頃から天才だったお!
今の輝かしき、ボクチンは、ボクチンの才能と努力のたまものなんだお!
Mr.ギルデロイ・ロックハート説明書かな?
家庭害虫撃退法(ギルデロイ・ロックハートの一般家庭の害虫)
Gilderoy Lockhart's Guide to Household Pests
魔法生物と害虫の被害事例。
内容を要約すると、ボクチン、カッコよくスマートに登場したお!
実用書っぽいけど、ボクチン、皆の知ってる事をもう一度お知らせしてあげるンゴ。
一番マシだけど、一般常識を書き連ねただけの不思議指南書。何を指南してるんだろう……。
吸血鬼と休暇(バンパイアとばっちり船旅)Voyages with Vampires
吸血鬼が出る土地への旅行案内。
ボクチンのハンサムポーズで、超危険生命体がクッコロ!
モテモテ自慢...…記録?
旅行エッセイだったらよかったのに、何故、そこで架空武勇伝を入れる?
架空じゃない?
だったら具体的なプロセスをだな..うん、わかってる。そこは突っ込んじゃいけないのね。
架空だってなんだって、ボクチン、言った者勝ち..
グルメ旅行本にしたら売れたんじゃね?いや、売れてるんだ、こんなのが……。
トロルと戦った旅(トロールのとろい旅)Travels with Trolls
各地のトロール事件の概要、まぁ薄ぼんやりとした事例と流通してるデマの寄せ集め。
いや、そうとしか言えなくてさ。
ボクチンの大いなる知恵と見識によって勝ったんご!
ボクチンの頭脳明晰アピール。
これも一切の実務的な部分は省略されている。
どうやって倒したかではなく、倒した俺最高ってやつ。
重要機密だから、内緒ね?って理由が書いてあった。
じゃぁ世界最高峰攻撃型賢者に聞いてみるワイ。
..爺ちゃん、これマジ?
この小説家、そんな俺ツエェーのイキれる人なん?
って聞いたらね。
遠い目をしてお茶を煎れてくれた。
プルプル震えてたけど、あれ、笑ってたと思うよ。
ヒデェ大人だ。
まぁホンモノを前にしてもイキれるっていう意味なら、勇者だよな……。
死霊の警告(泣き妖怪バンシーとのナウな休日)Break with a Banshee
バンシー関連を主にした、怖い話。
ボクチンは、勇気百倍でカッコいい!!
怖い話集としては、面白い。実際、ホラー小説としてなら売れると思う..まじでさ、売れたって話。
自慢話が七割以上で、俺カッコいい勇者..これジャパンのネット小説アルアルの俺ツエェェーなアレね。
本気で読む人……いるんだろうなぁコレ。
そうそう、バンシーを退ける方法は、書かれてないよ。
資料探して補足もしてない。
ある意味正直なのか、馬鹿なのかな。
魔女との休日(鬼婆とのオツな休暇)Holidays with Hags
危険な魔女たちとの遭遇記録。
つまりボクチンのモテ記録。
ファンタジーとしてなら、オモロイかもしれないが、基本は、モテ自慢。
これは女の子とか子供に読ませていいのだろうか、キモい男の妄想みたいだった。
具体的なエロ話になってないからいいのか?
それはそれで、笑かしてもらったんだけど。
でもよくよく考えてよ、成人して久しい男のエロ妄想……。
雪男と過ごした一年(雪男とゆっくり一年)Year with the Yeti
雪深い土地での冒険譚。
未知の生物との交流やサバイバル感は中々。
旅行記とみても個人的には小説としても面白い方だと思う。
ただしエクストリーム俺すげぇ話である。
また、魔法や実例の討伐方法などは皆無。ノンフィクションドキュメントを書くには、調査や綿密な記録が必要だという事を..まぁ考えてたら、セウェルスにカス呼ばわりはされないか……。
バンシーと別れた一年(グールとお化けのクールな散策)Gadding with Ghouls
これ前に出したバンシー話を更に脚色した小説。
何か舞台脚本みたいだった。
美しき別れを演出して美談風にしている。
言いたいのは、たぶん、俺カッコいい、俺モテモテ、そして前に売れた本ぐらい売れたら良いな、かな?
ちなみに、書店の価格と一緒に書かれてた題名・ギルデロイ氏のサイン入り豪華装丁の題名を意訳した物、図書室に置かれた小説の原題である。
私はマジックだ!だけは、そのままだった。マジやめて、笑い死ぬ。
ギルデロイ・ロックハート氏の本をまとめると
実用書ではない。
防衛術の教科書ではない。
冒険文学、かな?
自己啓発本装丁の俺取扱マニュアル。
自己演出の紹介文を延々と書き連ねて、本にして出版している人、かな。
じゃぁこれを教材とする事はできるのか?
***
今日あった事を思い出してる。
あの後、ウィーズリーファミリーが合流する間の雑談ね。
***
漏れ鍋で暫し歓談していたが、中々、子供たちが戻ってこない。
「あぁモリーは、彼のファンなんだ」
説明終了。
つまりサイン会に並んでる。
そして男の子たちは、きっとアイスクリーム屋にながれただろうなぁ。
「アイスクリームを頼むか?ここでもでるぞ」
少し小腹がすいた、サンドイッチとかあるかなぁ?
ダーリンも食べようよ?
いらん?
回数増やさんと、小鳥さんより食べてないって、思春期女子レベルよ?
「時間がかかるようなら、彼女に少し食べさせてもよろしいかな?」
「あぁ構わないよ。」
聞いてもいいかなぁ。
ウィーズリー氏とか世間の親は、彼が教師になる事をどう思ってるのか?
「ダンブルドアの采配だ。誰も異論は唱えないだろう。」
馬鹿げていたとしても理由があると?
まぁあるのは、わかるんだけどねぇ。
それを教育現場に持ち込む意義ってさ、すんごく怖くね?
またロクデモナイ事、考えてるんだろうなぁ、ヒゲ。
「何の話だい?」
何も言わないセウェルスを見てから、オジサンは私に聞いてきた。
サンドイッチとフルーツゼリーを頼んでくれた男は、口にするのも馬鹿らしいという感じである。
『今度の防衛術の先生を父兄の方々はどう考えていらっしゃるのかと』
それにオジサンは少しおもしろそうな顔をした。
チラッとセウェルスを見て、私を見る。
「まずはホグワーツってどんな学校かって話になるんだよ。
少し長い話になるけれど、いいかね?
それとも教授から説明するかい?」
「父兄の考えを吾輩も聞いておきたいですな」
と、了承を得てからオジサンは話し始めた。
「じゃぁ結論に至るまでの、思考の道筋を説明しようかな。
前提の話、だね。
お嬢さんは、マグル育ちで記憶も怪しいという話だから、ちょっとばかり遠回りだけど説明を入れるね。
まず、ホグワーツに入る子供達の事からだね。
イギリス魔法界の人口はね、一万まで届かない。
子供の総数は多く見積もっても、その二パーセント以下なんだ。
年々出生率も低下していてね、マグル出身の魔法使いの魔法界への定着や融和の政策を推し進めようと頑張っているところ、なんだよ。
だからね、イギリス魔法界の魔力のある子供への教育、授業料や寄宿費は免除されているんだ。
この資本の殆どが、イギリス魔法界の経済から出されている。
理由としては、規模の小ささ故に、公的な資金はあまり投入できないっていう切実な理由もある。
マグルのシティになるだけの、総人口が無い社会だからって事だね。
イギリス魔法界生まれの子供が、ほとんど入学する学校なんだけど。
つまり、ホグワーツは寄付で運営されている私学になる。
なので基本的に学校運営は、資金基盤である理事会と校内采配をする校長の権限が非常に強い。
まぁその校長を任命するのが理事会で、理事会を監査しているのが魔法省になる。
この構図は理解できたかな?」
『校長のトップダウン方式だけど、資本金と運営資金を出している理事会などの権限も強い。そしてむしろ公的な機関からの発言は小さく、経営は独立している?』
「まぁ実際は、少し違うんだけど、基本はそんな風だね。
つまりホグワーツは、生徒の親がお金をだしている私学というわけだ。
ここまで聞いて、君はこんなふうに考えた。
資金提供者の発言が一番になるんだなぁってね。
だが、ここでこの学校の創設者の話になるんだ。
偉大な四人の魔法使いだね。
寮が四つに分かれてるのも、その四人の創設者の考え方を反映している。
まぁ創設者の話は、先生に聞くか図書室で調べてね。
授業でもするだろうからね。
彼らは、魔法族を良い方向へ導くための場所を作った。
そしてそれは普通の会社のように経営するだけの組織にはならない。
なってはいけないんだ。
魔法族ってなんだろう。
魔法ってなんだろう。
どう生きていくのが魔法族にとって良いことなんだろうか?
知識だけではなくて、魔法族の社会の存続を考える力を養う場所ってわけだね。
だから、お金をだしている人たちも、教育をする人をきちんと選んで、その人の考えを尊重するようにしている。
ダンブルドアを選んだのも、社会の流れもあるだろうけど、あの人なら、魔法界全体に良い事をしてくれるだろうっていう期待があるからだ。
だから、お金を出している理事会は、彼を任命するし解任もできるけれど、自由にはできない。
理由が必要になるんだ。
学校のことだけど、魔法族全体の同意だね。
資金を提供した者の意見じゃなくて、何が魔法族に貢献できるだろうか?と言う魔法族コミュニティの総意が重要。
さらに言えば、ダンブルドアは魔法界が認めた英雄でもある。
彼自身の力、能力が、彼の意見を一番上に置く構造を作っているんだ。だから校長、理事会、魔法省、魔法族コミュニティ、それぞれに独走することは無い。
ただし教育内容や教師の採用は、選ばれた人である校長の裁量が優先される」
お役人であり優秀な生徒だった人の言葉である。
背景や裏事情を考えるより素直に聞ける感じがした。
誰かさんとは大違いで、何となく、不死鳥騎士団でもこんな風に若い子たちの面倒を見ていそうだと思った。
「さて、そんなホグワーツに入学するのは、裕福な家庭の純血の子、ばかりではない。
マグル生まれの子や、農家の子、商人の子供もいるだろうし、貧しい家庭の子などもいる。
君はマグルの学校を覚えているかい?
うん、覚えているんだね。
ホグワーツとは人数が違ってたくさんの子供がいるだろう、だから、だいたいが同じ家庭状況の子とグループを作っていたんじゃないかい?
でも、ホグワーツでは、富裕層の子供と農家の子供が隣同士になる。
人数に余裕がないからね。
だから、その格差が見えないようになっているんだ。わかるかい?」
『寮生活で学用品にそれほど差がでない?』
「そうだね。制服もあるし、困っていたら古くなった先輩生徒の物を譲ってもらう事もできるしね。
金銭を使う場所も限られているから、わからなくなる。
きっと寮生活でのいざこざはね、そんな生活の差を理解出来ない事からでるものだと思ってる。
そこで監督生が置かれたりしているんだ。
さて、何でこの格差についての話をするかというと、おっと、食事が来たね。食べながらどうぞ、うん、私はいらないよ。できればお茶のおかわりを、自分ではらう...教授、いや、スコーンはいいよ、大丈夫、いや、いやいや」
毒見で半分をセウェルスに渡す。
しかめっ面で食べた相手が頷く。
マヨネーズ信者がいる店だね。
それもマスタード多めのマヨネーズ入り。
「衛生面も合格だ」
美味しいって意味だよ。
料理人がマヨネーズ嫌いに当たると、サンドイッチが少し物足りなくなるという話題を最近していた。
信者ほどではないが、マヨネーズ入りなら野菜サンドも食べるダーリンである。
半分食べて、ヤダ?
お昼も少しだったの見てたし。
これぐらい食べても大丈夫なのさ。
胃もたれ?
してないなら、女子の半分ぐらいはイケるだろう?
うわっ、嫌そうな顔。
じゃぁキュウリのサンドイッチ。
ハムとベーコンのじゃないからいいでしょ?
で、サンドイッチを食べている私達を見ながら、オジサンはほんのりと微笑んだ。
「さて、ホグワーツの学生には、決まった進路パターンがある。
卒業試験を受けて合格して正式な卒業生となる。
卒業試験を受けず、または不合格にて、7年生を待たずして、仕事に就くんだ。
まず大まかな話。
卒業試験は、専門職につくための資格だ。
この卒業試験に優秀な成績で合格できれば、専門性の高い就職先を選ぶ事ができる。
もちろん、就職できるという保証書じゃなくて、ホグワーツをでた才能ある魔法使いの証明書という訳だ。
そして思うより多いパターンがこれ。
本当は資格が欲しかったけど、成績が振るわなかった場合は、目指す職業を諦めるか、再挑戦する、だ。
留年だね。
それから残念な話、このパターンもある。
家庭の事情で学校を続ける事ができない場合、専門性が必要とされない一般職になる。
ホグワーツ卒業という肩書は無い。
切ない話、家庭の事情、働き手がいなくなって、学業が続けられない子供も一定数いるんだ。
これは魔法省にとっても今後の課題だね。
あぁ話がそれていってるかな。
ホグワーツは魔法族の将来をよいものにする学びの場ではあるんだけど、専門職採用条件の試験を突破できた者だけを卒業者にしてるんだ。」
うん?
「ホグワーツの試験は二つ。
5年生の時に受けるO.W.L.と7年生の卒業試験N.E.W.T.がある。
これは魔法省が行う共通外部試験なんだよ。」
およっ?
「そう、つまりホグワーツに在籍していない子も、試験は受けられるんだ。
だからこそ、この試験は公平で主観的な部分が排除されている、公式の資格試験って訳だね。
ホグワーツ出身の魔法省試験合格者なんだ!
ホグワーツを卒業した者とは、外部委託試験の合格者だけ。
少しニュアンスが違っているのがわかるかな?
これがホグワーツ卒業者だ!の本来の意味だね。
ふぅ、ちょっと長い寄り道だったね。
さて、この五年生の時の試験は、普通魔法レベル試験で必須の七科目と自分が受けている選択科目を受験できる。
この成績で7年生の極秘最高魔法資格試験を受ける。
五年時の成績が合格基準を上回れば、受けられるって訳だね。
魔法省試験官が立ち会って、本人が就きたい職業に必要とされる科目を受ける事になる。
例えば、闇祓いなら、防衛術、変身術、呪文学、魔法薬学、薬草学の五科目以上でE判定以上が必要だ。
また、マンゴにて治療師になる場合だと、変身術、魔法薬学、呪文学、薬草学、防衛術で、同じくE判定以上が必須となる。
魔法省の職員も、グリンゴッツの行員も、ともかくもこの試験を受け、合格しているのが前提なんだ。」
ここまで話してもらって、この遠回りな解説の意味がわかる。
思わず隣りの男の無表情を見上げる。
「今回のO.W.L.で十二科目全てに好成績で合格したのは、パーシー・ウィーズリーだ。
堂々の首席合格でのタイトルホルダーだな。
Mr.ウィーズリーの長男も首席で卒業後、グリンゴッツに就職している。ウィーズリー家は優秀なのだ。」
「ありがとう、教授。
パーシーは努力家だからね。
ビルも元気にやっているよ、仕事柄出張ばかりだけどね。」
あーウィーズリー家は、オモロイよね。
どの息子も頭の回転が速いし、あの双子の兄ちゃんも、とんでもない知識量だよね。
優秀さを勉学に向けてないし、イタズラをわざわざ仕掛けに来るから、面倒?
つーか、冴え渡る念話。
……?
えっと、あぁそーかー…。
ワイ、珍しくも、ちょっとばかり赤面。
じっと手を見るなり。
ワイの片手、セクハラしとる!
隣りに座って、自然な体勢で接触。
つまりワイ、ダーリンにぴったりくっついてた。
それも、あーなんだ、膝には乗ってないぞ!
重要なんは、ワイがぴっとりな。
お触りしてたという。
どおりでオジサンの疑いが晴れないわけだよ。
変態かっ!
「……今後の君の収蔵品目によっては世話になるだろう。氏のご長男は呪い破りだ。それから」
今更だろう?
……
そうだった。
手を繋いでるのはいつも。
同衾はしてないが、同室で寝起きイベントクリア済み。
ハグは日常、ワイはヤギ……。
わかった〜無になるー
じゃぁゼリーの毒見……。
うん、すっぱいね。
レモンとライム、これ何だろう?
少し歯ごたえが……しゅっぱい。
『もっと貴方を敬わないとダメ?』
同じく酸っぱいのを食べて眉をひそめている相手に問う。
「君に敬われた記憶など無いが?」
まーねー
と、いう会話が聞こえた訳でもなかろうに、オジサンは笑った。
「……君の隣に座っている教授は、そう彼は魔法薬学教授だ。
重要なのは、どの職業でも必須とされる科目を教える人の技量が大切だということだ。
彼は在学中から良い成績を残し、卒業試験ではトップクラス、さらに言えば、論文や新規の薬の開発や特許をもっている。つまり教師として招かれる理由は十分にある。」
『性格に問題があっても?』
「おい」
セウェルスに小突かれるが、私は一応配慮している。
死喰い人でも?とは聞かなかった。
まぁそれを持ち出せば、当時、死喰い人疑惑の人間はごまんとおり、糾弾すれば魔法界の行政と経済は破綻した。
なにしろ身内だ。
人口の少ない村みたいな社会での内輪揉めだった。
そんな私の想像に答えるように、オジサンは肩をすくめた。
それはあらゆる意味を含んだ肯定に見えた。
彼の経歴に問題があっても、それを補うとダンブルドアが判断した事。
求められる限界以上の高レベル学力と知識、技量。
政治的に利用でき、管理可能と考えた校長の判断をよしとする。
故に、私は反対しない。だろうか?
「私の持論からするとね、彼の教えている教科は、厳しい管理を必要とする実践授業だ。
子供を野放しにして、事故にあわせるような緩い感覚の人物では、親としては逆に心配をするよ。」
それは常々私も感じてきた事だった。
子供たちは彼に反発をするが、実際、火の側で油を被って踊るような事をする子供を、叱らない大人の方が頭が狂っている。
ちなみに、その油を被っているのはオジサンところの息子たちだけどな。
家庭教育って難しいね。
あぁ厳しいのは本当だけど、隣りの黒衣の不審者は子供にガチンコで嫌味とか意地悪してるんで、その辺は教師側にも問題ありで..
……言ってないでしょ!
ビリビリするなよ、ビリビリしたら、オジサンの前で泣き真似しちゃる。
「ご理解いただけていてありがたく思います」
「こちらこそ、息子たちがいつも迷惑かけているようで、すまないね。
はは、話に戻ろうか。
そういう訳で当時も、彼が最年少魔法薬学教授として就任した事に異論はなかった。
ダンブルドアの采配として、理屈はきちんと通っているし違和感がないからね。
彼の魔法薬学の才能を否定する材料は無いし、むしろ最先端の授業だ。
君が言いたい事はわかるけど、保護者の意見としては、他の人も変わりがないと思っているよ。
子供たちが気がつくのは、卒業試験になってからだろうけれど。
ホグワーツは公的援助を受ける私学であり、魔法省の卒業試験資格を目指している学校でもあるってね。
魔法使いとしての正しい姿や人脈をつくる場だけでなく、到達点としては優秀な人材を育てて送り出す場所って事だね。
だからこそ、ホグワーツの教師陣は敬意をもたれる。
ホグワーツの教師だったという実績は重い。
科目にもよるけれどね。
じゃぁ君の質問に戻ろう。
Mr.ロックハートは防衛術の講師としてどう思うか?
彼は卒業試験を通過して、今がある。
だが、彼の成績を耳にした記憶もない。
スネイプ教授の成績は記録としても残っているね、魔法薬学試験では歴代トップだ。
魔法省には、ホグワーツの学校運営の記録も年度ごとに送られてくるし、卒業試験はこっちの管轄だからね。
上位成績者の名前は特に残るし点数や内容も開示されているんだ。
マクゴナガル教授も優秀な方で、残っているね。」
オジサンはお茶を飲むと、ゆっくりと店内を見回した。
ざわめく楽しげな風景だ。
「魔法界が荒れた時代は卒業資格をとれない者ばかりだったね。
けれどその時代でも試験を受けたいと言えば、受けることができたんだよね。
さて、ギルデロイ・ロックハート氏、だね。
うん、彼の記録は目につくところで見た覚えはないね。
ほら、卒業時期に出る新聞にも、年度ごとの優秀成績者が出たりするけど、いっさい彼の名を見たことが無い。
落第も退学もしていないから、卒業はしている。
さすがに実務実績だけの教諭は、理事会も精査しないと雇えないんだ。
もちろん、特殊な授業はこの枠には入らないから、学歴は問わずに実務経験で採用というのはある。
でも、ロックハート氏は、ホグワーツ卒業を経歴として公表している。
さすがに、それを詐称したらダンブルドアが許さない。
じゃぁ、彼はどんな人か?
レイブンクロー卒、文才はある。
つまり悪くもないし良くもない。
防衛術教師に向いているかは、私は彼を深く知らないので、棚上げになる。
じゃぁ判断材料は何になるのか?
彼自身が発信している事で判断するしかない。
彼が成したとされる偉業の記録はあるからね。
ただ、事実として彼が自らの功績であると届けてある事々と、結果の間を繋ぐものが見受けられない。
結果はあるが、過程がよくわからない。
語られている事、記録がね、彼の出版物以外にないんだよ。
結果は出している。
私としてはね、意味がわからなかった。
私はね、理屈の通らない事が気になるタイプでね。
こう、妻とは逆に、違和感を違和感として受け取らずに、繋がりを探してしまうんだ。」
「仕事柄必要な思考でしょう。貴方は不正利用を摘発する仕事をされている。
小さな違和感から答えを探り出す。
奴の著書を見れば、その違和感がすぐに見えたという話でしょうな」
どういう事?
「君が奴の書籍を読み切った後に言った感想は、普通の知性があれば誰でもたどり着ける結論だ。
じゃぁ何故、奴が教師になる?と逆から辿ったのだろう。
Mr.ウィーズリーは、そもそもそうした仕事をしている。
マグル製品の魔法界不正利用など、法を破る行いを看破する立場だ。
あの手の啓蒙啓発本を装う集金詐欺の虚飾は見飽きているだろう」
それにほんのりと微笑んだまま、オジサンは言った。
「でも、必要だから、ダンブルドアは採用した。
防衛術も魔法薬学と同じく必須科目だ。
例え、教師が一年保たぬ教科であろうとも、そこに当てる人物だ。
必ず必要な要素はある、そう思わないかい?
そしてね、理事会も反対していない。
あぁあからさまに能力の低い男を教師にするのだ、教訓を得る為の教材だろうか?とね。
私はそうして納得したね。理屈は通るから。」
優しげなオジサンの顔を見てから、小馬鹿にしたような傍らの顔を見上げる。
やだ、ワイの想像より、保護者の考えがクールを通り越して辛辣?
ダンブルドアは正しいはずだという思考の出発点を甘く見てたわ。
『いっそ小説家が憐れと思うなりよぅ』
「言葉を慎め、カスでも一応教師だ。
そして何事も学ぼうとすれば学べるというありがたい訓示である。
Mr.ウィーズリーに礼を述べよ。」
「お礼はいいよ。何だか……ちょっと気が抜けちゃったよ。時代が変わったんだねぇ」
オジサンは笑いながら、カップに目を落とした。
***
ってな事を思い出してた。
ハリー君は元気だったし、ウィーズリーさん家との意思疎通もできた。
教科書も買い込めたし、その買い込んだ教科書をウィーズリーママと娘ちゃん、ハー子さんがキャァキャァ喜んでたのがすごい違和感だったけどね。
オジサンは特にコメントを控え、男の子達は防衛術教授のカッコつけをからかっていた。
うん、問題ない。
こうひっかかる事はいっぱいあったけど、私としては概ね、よかったんじゃね?
で、ホグワーツに戻って、ご飯食べて、ヒゲにお土産、スプラウト先生には種を渡して終了。
フラフラしてるセウェルスは夜回り前に寝ると言って寝室へ。
ワイもついていこうとして、頭部を掴まれてお仕置き。あばばばばば..ゲンコツから、このシビシビ攻撃に変わった。これはまずい、どっちも嫌だがこれはワイ、痺れ笑いの予感が半端ない。
それどんな狂気の人?
これでもアニマルはレディである。
んで、寝る支度してベッドに座りーのの、今、自室。
あれ、ナニカ忘れてる?
まっいーかーで、寝た。
***
一応、私達で書き置きしておくわね、葵。
まず、新聞記者とカメラマンがどうなったか。
ハリー・ポッターに気を取られて忘れているでしょ。
まぁ忘れてもいいけれど、教授だけでなく、貴女も恨まれたわね。
きっと近い内に、ちょっかいかけてくるかも。
あぁあの手の人間はね、理解できないの、何を相手にしているかなんて。
自分の事だけ好きだから、勝手にでっち上げてくるわよ。
可哀想に、あまりよい最後にならなさそうね。
次に、あの屋敷しもべ妖精ね。
ちょっと嫌な気配が憑いていたわ。
貴女が話しかけた時、どれほど注意しようかと思ったけど、どうやら向こうが怯えてくれたようね。
本当によかった。
あれ、まずいわよ。
ちょっとばかり不穏だから、屋敷しもべ妖精達の様子もよくよく見ておくのよ。
入りこまれている可能性があるわ。
ナニにかって?
それは貴女の記憶と知識が統合されたらわかるわ。
大人になってからのお楽しみよ。
それから、マルフォイ親子。
彼らの売り払った本よ。
あれもよくない紐が見えたわ。
あぁいうの、昔はいっぱいあったのよね。
すぐに廃れたけど。
だって、あれ、自分を呪うようなものだし、どちらにしろ本来の用途では使えないから。
まぁ、あの本がどうなったか、ちょっと調べたほうがいいわよ。
他には、何かあったかしら……。
あぁそうそう、校長に渡したお土産、とてもいいわね。
あの3つなら、心の慰めになるわ。
何の役にもたたない品を選ぶ、貴女のセンス、嫌いじゃないわ。
思い出の香りを一瞬だけ香らせる球。それも一日一回だけ。
時々意味深に音楽を奏でるガラスの置物。本当に何の意味もない。
そして、可愛いお花や景色を見せる小さな手鏡。
どれも女の子が欲しがる、無意味な小物ね。
おまけに色も小さな女の子向けの白とピンク。
きっと貴女はジョークのつもりでしょうけど、校長はね、本心で喜んでいたわ。
貴女は気がついていないけれど、きっと妹にあげるのよ。
誰にも見えない、心の中の妹にね。
彼の可愛いもの好きは、妹だったら?が、理由なのよ。
心の隅にいつもいる、恐れと愛と過去の大切な記憶にいつも語りかけている。
叱って欲しいけど、もう、失ってしまった人は何も返してくれない。
だから、これからも揶揄いながら叱ってあげるといいわ。
さて、他には何が気になったかしら、色々な断片を拾っていると、私達でも忘れてしまうわ。
そうそう、アーサー・ウィーズリーは、正しく貴女と彼のメッセージを受け取ったわよ。
貴女が年齢通りの子供だということ。
彼が思うよりも、貴女を子供として受け入れている事をよ。
これは残しておかないけれど、男がどんなに貴女を食いたいと思っていても、ぜったいに、食わないという意思をもっている事を見て取ったのよ。
えっ?
彼は自分に興味がない?
まぁそう思っておくのが無難かしら。
でもね、男ってね...まぁいいわ、お猿さんでいるのも、相手にはちょうどいいでしょうね。
セブルス・スネイプは、今でも真っ当ではない。
けれど、人としてのラインは知っている。
義務と責任は忘れていないって、アーサー・ウィーズリーは理解した。
まぁこれだけを残しておきましょう。
葵、貴女は男をわかったつもりでいる子供なのよ。
危ない橋を渡っているって自覚はないでしょうね。
でも、相手を間違わなかった事で、すくわれているわ。
まぁ私達の血があれば、間違いはしないだろうけれどね。
あぁ、葵。
私達を別に扱うのは終わりよ。
これ以上、私達を別の括りにすると、分離してしまうから。
それにようやく、混じり始めたのはわかってるはずよ。
時々、傲慢な女が出てきてるでしょう?
私達を魔女子さんと呼んでくれるのは嬉しいけれど、これ以上だとオブスキュラスになるわ。
独立して動き出したら、それこそ討伐されてしまうし、校長は、アルバス・ダンブルドアは耐えられないわ。
二度、妹を殺す事は無理よ。
あぁ殺してない?
いいえ、彼は殺したと思ってしまっているの。
事故だとしてもね。
だから、貴女を討伐するのは、きっとセブルス・スネイプになるわ。
二人とも貴女は傷つけたくないでしょ?
でもね、傷つけたくないからって、他の誰かに殺させたり、自分から死のうとしたら、二人とも耐えられない。
貴女は彼らに期待をしていないから、わからないでしょうけれど。
きっと二人は耐えられない。
そこでダイスロール、貴女のいう選択の時間が始まるでしょう。
どちらにしろ、そんな袋小路は嫌でしょう?
だから、知識は提供するけれど、私達はこのまま沈めてしまうのよ。
さぁ、後は、何があったかしら。
寝ている間に、色々、書いておくわね。
ちなみにね、私達、貴女の深層心理、生まれ変わりとかジャパンの記憶の詳細も知ってるけど、黙ってたの。
ごめんなさいね。
今は葵なの。
それ以外は、ノイズ。
教授の言う事は正しいわ。
さて、朝になるまでに、色々書いておくわね。
バイバイ、葵、いつか、またね。