R15と残酷描写タグは、予防処置と寮監先生の苦行成分でできております。
幕間
サラザール
うむ、我らが魔法族の敵を寄せ付けぬ凛々しい生き物である!
ナマモノ
シャー、あるじー、がんばるー
ゴドリック
なにそれ?
相変わらずだなぁ、わけわからねぇ爬虫類ばっかあつめてきやがって、おら、遊んでやろう!!
サラザール
防衛用キメラだ、できたてだ。
無理を……あぁ追いかけ回すな、ゴドーいい加減に...あぁ石化の魔眼は、あぁ弾きおったか。
毒は、噛みつきと吐き出しも弾かれたか。
まぁゴドーだからな、あれは例外だ。うんうん。
ナマモノ
シャー、あるじーあいつきらいー
ゴドリック
まだまだだな。
改良するなら空を飛んでみせろよ!
ナマモノ
キシャー!!
サラザール
素体は蛇だ。
羽のある蛇は、呪詛も撒き散らす。
管理が難しい。
ゴドリック
……いるのかよ、そんなびっくり動物。
サラザール
神と崇めているそうだ。
ゴドリック
まさか、お前、探しに行くとか言うなよな?
サラザール
ほぅ、貴様らしくもない。
飛べはせぬが、ふむ、少し改良しようかの。
改良するので、度々遊んでやってくれ。
ゴドリック
おう、楽しみだ!
ナマモノ
こいつきらいー!
サラザール
次は黒焦げにしてやれ。
ナマモノ
わかったー!
ばじりすくは、ほのおのぶれすをはける、れでぃに、なった!
たぶん、ヘルガとロウェナの意見で、可愛い色と見た目になったんだぉ。(カオス)
***
ゴドリック・グリフィンドール
イングランド西部出身。
アングロサクソン、ノルマン、ウェールズ(ケルト)あたりの辺境戦士(騎士)かな。
武装集団を率いていた。
伝わる限りでは、大柄で豪放磊落。
イメージとしては古典でいう英雄だと思う。
つまり思い切りがよくて馬鹿なことをするけど、誰かの為に剣をとり、まっすぐに理想に走る人かな。
そして弱点や駄目な部分は多いけど、友達が多い陽キャ。
ヘルガ・ハッフルパフ
ウェールズ(ケルト)出身。
典型的なケルト魔女を想像するといいかな。
牧歌的な雰囲気かもね。
共同体、酪農(農業共同体)、職人ギルド。
職人さんを引き連れて、生活基盤や人事調整をする管理職タイプ。
一見すると、古風な女性っぽいけど、仕事ができるタイプ。
ロウェナよりも、土着の魔法に優れている。
ロウェナ・レイブンクロー
スコットランド出身。
ピクト・ゲール文化。
神学(聖職者)、天文(学者)、建築学。
ホグワーツ城つくっちゃった魔法建築しちゃう才女。
そして美人だけど、どっちかっていうと魔女らしい魔女のイメージ。
ほら、近寄りがたく非常に恐ろしいってね。
魔法界の主な学問の基礎を作る。
古来からの口伝を、技術体系として残した事、のほうが人柄よりも有名だよね。
サラザール・スリザリン
東イングランド(フェン地方)
独立修道院勢力。
つまり権力者層出身ね。
貴族血統・支配家系。
他の三人との違いは、全体の社会システムと法律を担当していること。
あとは、やっぱりそれぞれの集団、ようは派閥をまとめ上げる宰相みたいな感じだね。
もちろん、魔法使いとしても優れている。
ロウェナやヘルガは、目に見える形の功績だけど、サラザールは魔法族の保護、基本の考え方や守るべき事柄を定めた。
法律家って考えるとわかりやすいかもね。
あと蛇とお喋りできちゃう。
イメージがあまり良くないことになってるけど。
魔法族を守ろう!
って、ゴドリックと一緒に前に出て、マグルの武装勢力と戦ってきた人ってわけ。
後年、サラザールが、
マグルは野蛮だし魔法族だけで生きていくべきだ!
って考えるようになっちゃったのも、それなりの経緯があるんだよ。
差別主義者じゃなくて、差別された末の答えだった。と、私は思う。
でも、ゴドリックからすれば、
マグルから生まれた魔法族が、完全に彼らを排除する事は無理だろ?
今後を見据えれば、マグル産まれの同胞(魔法が使える者)は、受け入れるべきだ!
って、考えるのも道理だった。
そして決別。
サラザールが悪い人みたいに言うけど、彼は去った。
今現在の魔法界で伝わる話は、まぁ偏っている。と、思ってるよ。
もう大昔の人だもの、後世の人間にとって都合のよい話として逸話が伝わるのはありがちだもの。
マグルが嫌いだった。
純血の魔法族を優先した。
要素だけだとこうなるけど。
魔法族を迫害した人が嫌いだった。
家族を守りたかった。
とも解釈できないかな?
それにね。
喧嘩したけど、去ったのよね。
サラザールは、狂人や犯罪者ではない。
他の三人と同じく、情のある人間の発言だ。
そう考えてみると、ちょっと想像できない?
友人たちがそう考えるなら、自分は去ろう。
君たちの意見と私の意見は違う。
ならば、去ろうだ。
賛成しない。けど、否定はしない。
だから別れるね。
これって、すごく理性的じゃない?
狡猾な人、憎しみだけの人なら争い始めるわけよ。
つまり、サラザールはね、ゴドリックと親友だった。
友達と別れるのは寂しいけれど、友達を殴りつけたくなかったから。
面白い偏屈爺ちゃんだと思わない?
友達思いで、捻くれ者の爺ちゃん。
そんな爺ちゃんが、残る指導者二人が女性と、ちょっと人を信じすぎる男一人だとしたら?
例えばこんな風に考えないかな?
……。
不安しかない。
口のうまい詐欺師に騙されるのが目に浮かぶ。
……。
しかたない……。
ちょっと置き土産おいとくかな?
って考えたかもしれない。
さて、なんでこんな話をしているのか?
答えは簡単。
*五分前ね*
眼の前に、巨大な生物が寝ています。
そしてサラザール・スリザリンの厳つい巨大な石像と、珍しく絶望顔の爺ちゃん。
大興奮だけどお互いに相手の口を塞いで、声をたてないようにする魔法生物大好きっ子の、大人二人。
そして私を抱える某魔法教授は、既に攻撃態勢だったりする。
「すまぬ、ともかく撤退じゃ。」
四人の大人は頷きあった。
ただし、賢者の頭部でふざけたポーズをかましている一匹は、ひらめいた。
この世には、もっと娯楽が必要なのである!(まぁそんな事は言っていないけどね)
きゅい、きゅいきゅいきゅい!
何で今鳴く!!!
*更に三十分前ね*
ニフラーの、でかでかブンブン予想するまでもなく厄介なのいるよね?発言に、結局、あと少し先に進んだら撤退するよって事で話はついた。
そもそもでかでかブンブンとやらを確認しないと、学校から近い森だもんね。
で、トコトコ。
ダーリンはすんげぇ離れて後ろ。
もちろん、その間中、お小言。
まず、今学期の勉強について。
飛び級する?
って話。
ワイ、アホタレ。
勉強はできないじょ?
っていったら、またお小言。
手抜きしすぎ。
テスト受けられるだろ?
いやいや、呪文だって覚えないようにしている!!
って言ったら、すんげぇ怒られた。
魔法薬学は、教科書上級まで読み込んでるのに、何で基礎しか呪文を習得していないんだ!
いやいや、それやると更に浮くから!!
って言ったら、もう浮きまくってるんだから卒業しちゃえよって。
それ面倒だから学校から消えろ発言じゃねーの?
でもな、考えてみてよ、学業終了しちゃうとね、ワイ、爺ちゃん所に普通に入り浸るよ。
成人までここで、フリーダムで過ごすよ。
それ、ワイ的に、すんげぇ楽しいんだけど、ダーリンはどう思うよ?
ちなみに校長のかわりに、ダーリンのお部屋に入り浸りでもいいよ。
ついでに私物運び込んで、一緒に暮らしちゃうけど?
って言ったら、無口になった。
すごい、無口。
お仕置きだね。
うん、わかったお仕置きだね。
暗い通路を三十分ぐらい進むと、通路が右にギュインと曲がっていた。
トラップも尽きたのか、静かだね〜って進んだら目の前に巨大な空間と、唐突に目にするモンスター。
*で、今な!*
薄暗い巨大な空間の中央。
影はフルトレーラーぐらいだ。
生き物なのは、すぐにわかる。
それが呼吸をする度に、床が微かに震えるからだ。
目にすれば、大きさだけで身が竦むだろう。
……。
まぁピンクなのは、ちょっとばかり違うと思うけど。
……。
ピンクなんだよ。
そんな緊張の奔る間も、きゅいきゅい鳴いてる銭ゲバ。
当然、硬直する大人達。
ここで不謹慎な事を言いたくなるワイ。
……。
そしてピクつく巨大な影。
「……shine」
爺ちゃんは観念したように、杖を掲げて灯りを大きくした。
灯りにより照らされたモノに、凍りつく大人たち。
きゅっきゅっきゅう〜
誰も巨大生物から目を逸らせないので、止めなさいと念話を飛ばすワイ。
……。
今、とっても調子がいい?
止めなさい。
……。
それでも賢者の頭部でヨサコイを踊るので、追加報酬を約束する。
すると変なエビ反ったポーズで動きを止めた。
銭ゲバ!!
ちなみに、爺ちゃんが唸っているのは、銭ゲバに対してではない。
どちらかというと、どうしてこうなったのか、いやだなぁである。
シリアス、じゃないのは確か。
シリアスより、めんどうくせぇのみちゃった……の方だね。
危機的状況だよね?
たぶん……Maybe
……。
自信がなくなるのは何故だろう?
賢者がいるから?
目が覚めそうになってる姿は、ビッグサイズだし、どう考えても人間は負けてる。
なのに怖さより、なぜか残念な何かを覚えるのは……
いけない、いけない。
シリアスよ、仕事をするのだっ!
……。
まぁ最強賢者とその一行。
と、ついでにヤギなワイであるからして、シリアスにはならない。
つまりワイの安全は、チミたちにまかせた!状態。
そしてほぼほぼ大丈夫やろなー
だって爺ちゃん負けるなら、どこにいても負けるわけで。
爺ちゃんは人間だけど、ゴジラだし。
ゴジラなら、このナマモノぐらいならコンガリ焼きめをつけられると思ってる。
さらに、その巨大ナマモノが、サイズ感をぬけばファンシーだった。
何を言っているのかわからねぇが..
現実味を失せさせる、ファンシーな造形だった。
ゆるキャラだ。
パワーワードが浮かんじゃう。
こいつぁゆるキャラ、御当地マスコットの匂いがする……。
へそ天で寝ているからか?
よだれかな、お口が大きいなー。
死骸みたいな寝方だね。
しかも、ふんわりパステルカラーのピンクのナマモノだ……
シュールな絵面だからだろうか。
魔法生物大好きっ子も、ふたりで唸った。
恐怖より、なんか奇妙な物をみてしまったなぁという。
「Easy now rest……」
小さく唱える爺ちゃん。
ピクついていた大きな生き物が、ため息をついて寝入る。
「動かんでくれ、眠りに戻った。撤退する前に、よくよく確認せねばならぬ」
爺ちゃんの呟きにケルトバーン先生が小声で言った。
「全長は、ここからだと大凡になるが、12メートル以上だな。
アフリカ象よりも大きいし厚みもある。
小型のドラゴンと同じだとすれば、10トン以上はあるか。」
「ケルトバーン先生、こいつはドラゴンの子供じゃねぇんですかい?」
ハグリッドの問いに、彼は目を細めてジッと魔法生物に見入った。
「四足歩行、鶏冠にも似た首周りの鱗配置、裏返っちゃいるが顔つきは、爬虫類じゃねぇ両生類にも見える。
鱗らしきものはあるが、甲殻は無い。鰓えらはあるかわからん。
瞼ではなくスペクタクル透明な鱗の蓋だろうか、だとすれば爬虫類か?
尾が巨大だな、もう少し側によって眺めねば、どの生き物かわからん。
足の爪だけみれば、哺乳類の特徴も見える。」
そんな中、ジリジリと後退するダーリンの背中を叩く。
あれ、どう見ても山椒魚じゃね?
メキシコのソチミルコ湖の生物じゃね?
「なんだそれは?」
だから、メキシコサラマンダー(作者訳・ウーパールーパーの認識)。
「メキシコサラマンダー(作者訳・魔法界の生き物の認識)、だと?」
体長23センチぐらいの両生類。
よく知らんが、水の中に暮らしてて、陸地だと一時間ぐらいで死ぬ。
絶滅危惧種に似てるね。
ティラノザウルスよりも大きいけどね。
つーかジュラシックパークだねぇ。
それでも不思議と生き物のニオイが薄い。
ほら、動物って生きてるわけだから、独特のニオイがあるわけじゃん。
ここは無機質で空気そのものにニオイがない。
と、いう会話が聞こえたのだろうか、爺ちゃんが再起動。
「サラマンダー(作者訳・まぁ認識の齟齬はわかってるけどね)ではないが、そうしておいたほうがいいかのぅ」
どういう事。
爺ちゃんの苦々しい顔つきで、ここがどういう場所で、この巨大生物がなんであるのか知っているようだ。
あと、爺ちゃんの頭で、再びブレイクな踊りをするのはやめなさい、小さきモフモフよ。
飽きた?
じゃぁ今度、変な光る置物あげるよ。
うん、ちょっと囁き声聞こえるけど、あれもイヤゲモノだし。
知らないオジサンのリリカルメモリーらしいけど。
……。
呪われてるのは嫌い?
好き嫌いあるの?へぇ〜
いつもホグワーツの湖に捨ててる?
ほぅ良いこと聞いた。
「火蜥蜴魔法界の小ドラゴンにしては少し混じりすぎてますぜ?」
と、いうケルトバーン先生に、爺ちゃんは困ったように笑った。
「キメラじゃの。
鱗、脚付きが違う生き物の合成じゃ。
部屋の様子を見るに、ここはホグワーツの施設じゃな。
ホグワーツ誓約内の魔法生物、キメラ、つまり防衛用の地下部分の一つじゃろう。
先程のトラップは、侵入を阻むが、これは地下防衛用の生き物じゃ。」
「置いたとしても犬や狼などの、人の制御がきくものでしょう」
セウェルスの言葉に、爺ちゃんは苦笑いだ。
「出入り口に崩れた署名があった。
雅号のようなものじゃの。
遺産として残された文献によく置かれた印でな。
サラザールの仕掛けである事はわかっておった。」
「……それは重畳、ならば吾輩は帰ります。存分にお一人でお楽しみください。」
睨み合う二人。
というか、すがりつく爺ちゃんと、知らんがなのダーリン。
いや、魔法生物だー!!で入って死んじゃう、そこの二人はどうするねん。
何?
死ねばいいだろっていう考えをストレートに投げない。
自己責任じゃないからね。
ここ構造的にホグワーツね。
そしてそこでふざけてる生き物が通過自由で、校内に出没してるってことは、これもフリーダムな可能性が大きいのよ。
さっき、目覚めかかってたでしょ?
ぐぬぬと唸り、憎々しげにニフラーを睨むダーリン。
変なポーズをしてみせるニフラー。
そして覚えているぞ、銭ゲバよ。
貴様、起こそうとしただろう?
なぜに、でっかい生き物を起こそうとしやがったんだよ?
で、この声を拾ったのか、爺ちゃんがニフラーを掴んで手の中に握る。
まぁ予想以上に、こいつも危険だ。
「抜け道だろうかと考えていたが、要塞・城塞都市にて地下に生き物を放つのはよくある撃退方法じゃ。
そして餌も魔素や魔力で与え、魔法契約に組み込むならば、キメラやホムンクルスとするのは理解できる。
寿命までもホグワーツの基礎魔法誓約に入れてしまえば、殺害されない限りは不滅で不老じゃ。」
そこまでの説明で、興奮していた魔法生物大好きっ子が、正気に返った。
何か思い当たる事があるらしい。
「サラマンダー(作者訳・魔法生物の方です)、火を吹きますかね?」
ウーパールーパー(作者訳・葵は誤解している)巨大版だぞ?
どうみても薄桃色の、ナマモノだぞ?
水でも吹きそうだけどな。
ん、違う?
でかでかブンブンは、火を吹くけど、もともとは毒にしたり石にしたりする?
主の友達にいじめられたから、火も吹けるようになったって言ってた?
つーか、話できんの?
れでぃなら、大丈夫?
うん?
レディなら、だいじょう、ぶ?
?!!!
つーか、レディなら大丈夫って、銭ゲバがレディじゃなくて、このデカいナマモノがレディつー意味……。
きゅぴーん!
ってひらめいた。
こいつ、うごくぞ!
じゃなくて、この銭ゲバ、このでかでかブンブンと日頃からコミュニケーションとってやがったな。
そりゃそうだ、魔法生物だもんな。
おまけに、この銭ゲバ。
巨大なナマモノからすれば、子犬みたいなもんだ。
なんかじゃれてくるけど、まっいーかー。
話しかけられても、気にもしなさそうだ。
基本的にワイ、アニマルだが人間の自認。
そっかーやっぱり、私、成分的に人間じゃないのか。
でも、傷つかないよ。
だって、元から知ってたもん。
ちょっと齟齬があったね。
魔法生物からすると変わったお仲間。
ヤギじゃないだけいいのだろうか...そこは深く考えてはいけない。
ダーリンの汚名が、淫行罪より進化してしまう!!
ただでさえ、危うい外聞が...元々か、ごめん。
とかふざけると、本気でお仕置きになるので、この方向は封印じゃ。
彼ピッピにこの思考が伝わると、なぜだか、彼のトラウマ込みでダメージがいくようである。
ヘビーな過去を抱える彼の取り扱いは、慎重にせねば。
プロレス技が、本気のグレコローマンになってしまう。
ワイ的には、銭ゲバといっしょに、お手上げポーズしながら、わーおってぐらいなんだけどね。
むしろ、変なバケモノと思われるよりいいじゃんとか……。
「具体的な思考は伝わらずとも、貴様の顔を拝めば、だいたいは分かると言っておこう。
帰り次第、医務室に放り込むが、仕置を許すとは言っていない事もな」
……。
今後は、気をつけよう。
仕方ない、カワイコぶって顔を伏せてみた。
あだだだだ!!!
回る手が腹肉を握る!
贅肉ゼロのワイ。
直接ダメージが!!!
「今度、あの作家が、決闘クラブなる催しをするそうだ」
ギブギブ!
「貴様は、絶対に側を離れるなよ。
カスをからかうのは良いが、今回のように、周りに被害を及ぼしてはならぬからな」
あ〜痛かった。
つーかマジで手あとが残ったら、前にも言ったけど、ダーリンけ
「マダム・ポンフリーの薬品は吾輩謹製だ。安心しろ、あとなど残らん」
っこん、って言わせてくれてもいーじゃん。
夢を見させろよぅ!
……。
あざっーっす!
蔑みの視線を頂きました。
調子こいてました。
はい、反省反省。
「ともかく、今後は、なるべく目の届く範囲にいるように。
トラブルは十分だ。
それから君は、人間だ。
非力な、馬鹿な小娘だ。」
そんなげんなりせんといて〜それに、別に人間じゃなくても、魂は人間でありたいと思ってるよ。
それでもね、現実は現実さ。
ワイ、アニマル、思ったより本当に魔法生物成分120パーセント。
人外認定、でもまぁショックでもない。
これを言うと、ワイを抱えるダーリンが激怒するので、お口チャック。
かわりにニッコリしながら見上げた。
呆れたのか、彼の眉が上がる。
機嫌直してよ。
「アオイや、これがどんな生き物か聞いてくれるかの?」
爺ちゃんは、さすがにどんよりしている。
そりゃそうだ。
んで、差し出される銭ゲバ。
ぺやっと口をひらいて、可愛いアピールをかます。
カワイイカワイイ……誤魔化されないからな!
つまりチミ、ワイを魔法生物、チミたちと同じカテゴリーと思っていたのね。
だから、このナマモノの側を通っても大丈夫、更に言えば通路も大丈夫って考えた?
ん、キラキラでピカピカは友達?
……。
でもな、ナマモノの前で踊りだしたの戦犯な。
……。
ん、お家を横切るんだから声かけるのあたりまえ?
……。
……!!
賢いんだか、ふざけてんだか!!
まぁ相手は銭ゲバである。
怒ってもしょうがない。
ワイ、そっと収納からきらめく小さな光り物(知らないオジサンからの投げ銭)を差し出す。
Question・でかでかブンブンとは、どんなお嬢様なん?
Answer・石と毒、炎もペッペできるって。
Question・いつからここに、飼い主や仲間は?
Answer・知らん。いないみたい、いつも寝てる。
Question・でかでかブンブンのお名前は?
Answer・昔、れでぃって呼ばれてたって、にょろにょろの頃。
Question・ニョロニョロとは?
Answer・ニョロニョロして手も足も無いやつ。
Question・これはいつもどうしてる?
Answer・寝てるー!
Question・何をここでしてるの?
Answer・オシゴトね、わるものからお城をまもるのーエライエライ
Question・でもな、人間はモグモグされるか、石になっちゃったりするわけよ、そこはどう考えてんの?
Answer・しらぬ!ピカピカが無事ならキラキラがもらえるしーもんだいなしっ!!
そっかー、なちゅらるに銭ゲバってていーとおもうけど、それ賢者の前でいっちゃだめだぞー!
って、通訳したら、爺ちゃんがニフラーを大きな人に押し付けた。
小動物を床に叩きつけなかっただけエライよ、爺ちゃん。
そして両手で顔を覆っている。
どうしたん?
ニフラーを掴んだ大きい人も困惑。
そしてケルトバーン先生も、暗い表情。
わからんのでセウェルスを見る。
で、最初に戻る。
昔々の四人の創設者ってねって話。
ホグワーツはそんな四人がつくりあげた場所である。
ここの石像は、その一人、サラザール・スリザリン。
当然、ここは?
「……たぶんじゃが、サラザールの遺産の一つじゃろう……秘密の部屋じゃ」
あ〜うん。
空気が重くなった。
冗談でも比喩でもなく、サラザールの遺産かぁ。
ゴドリックは、剣と組分け帽子を残したんだって、勇気や絆の証ね。
ヘルガは、黄金の杯、繁栄と豊穣ね。
ロウェナは、髪飾り、人の知恵と叡智かな。
そしてサラザールも何かを残したって言われてる。
今までは、謎だった。
でも、ドドーンと石像あるし、肖像画(動かないやつ)に描かれてる人と同じ顔だしね。
おまけに変なナマモノ……
「まずは、ホグワーツの基礎誓約、ホグワーツ根幹のルールの確認を、校長自身でしてもらわねばなりません。
こればかりは、誰も手出しはできない話です。
歴代の校長の肖像画にも協力を願う事になるでしょうな。
そしてこの場所に、安全に人が出入りできる通路があるのか。
出入りが管理できない、生徒が行き来できるような場所があるなら、潰すしかありません。
危険ですから。
事によっては、魔法省や理事にも報告が必要です。
面倒と言うなら……」
そして淡々と続けた。
「そうですね。
まずは上部基礎を調べ、ここを囲うように部屋を新たに置く。
その内部のみ重力変動を起こせば外部崩落はしないでしょう。
そして部屋を箱ごと埋めてしまうのが一番。
誓約を変える必要はありません。
圧殺し、石でも詰めて処分すれば良いのです。
魔素を断たれたキメラなど、簡単に死滅しますから。
誓約が問題だと言うなら、部屋ごと檻にして生かしておく方法もありますが」
推定、サラザールの遺産かもしれない厄介事を、跡形もなく地下に埋蔵する計画だ。
さすがダーリン、容赦がない。
「セブルスや……」
爺ちゃんが呻きながら、声を出した。
そして魔法生物大好きっ子二人は、詰め寄ろうとしてダーリンに嫌そうに払う仕草をされる。
「そんな手間をかけずとも、この場で始末しても良いのですが?
誓約を損ねない形にしたいとしても、やりようはいくらでもあるという話です。
始末して終わりにはできないのは理解しています。
忌々しい。
魔の森の動物ではなく、ホグワーツの遺産のようですからな。
校長権限で統制不能だったとしても、簡単に殺処分は許されないでしょう。
が、先にも言いましたが方法はあります。
未成年者が集う学び舎の地下に、巨大な魔法生物。
それも危険度分類がつけられない危険生物ですぞ。
地下ではないと言い切れますか?
どうせ、魔法的な位相で、ここはきっとホグワーツ城直下に決まっています。
故に、これがどういう存在か、地下構造部を徹底調査するしかありません。
冬季でよろしゅうございましたな。
このひと冬、地下探索となりましょうぞ」
「他人事ではない、君にも手伝ってもらう」
「他人事ですな、吾輩はいやですね」
即答するダーリンをよそに、魔法生物大好きっ子が再び、興奮しだした。
「石化するか、毒も扱える。普通のサラマンダーではないな。
石化なら、バジリスクだ。
ホグワーツの地下にバジリスクの巣か。
だが、合成魔法生物となれば、それもサラザールの手によるものならば、意味合いは違うか。」
「楽しまれるならご自由に。
ただし、森側からは強力な隠蔽、通路が解放されていますが、閉じねばなりません。
こんなモノが解き放たれて自由に森を徘徊するなど悪夢。
それでも保護をするというなら、ご随意に。
ただし、吾輩は勘弁願います。
これだけは、かわりません。」
言い切るダーリン。
珍しく、爺ちゃんを睨む。
そんな彼に、爺ちゃんはヘラッと笑った。
あ〜何か思いついた顔。
わかる。
セウェルスも気がついた。
無表情の下で舌打ちしそうだ。
つまり巻き込まれるね。
「アオイや、ここからどう進むのか聞いてもらえるかの?」
このドーム状の部屋は我々が来た方向ともう一方、体感では西北方向に通路がある。
また、ナマモノの背後は水場で石像と舞台のような場所が掘り抜かれている。
ナマモノがいなければ、地下の水場の反響を利用した舞台、音楽ホールに見えなくもない。
全体を見回すとお優雅な彫刻なの。
おどろおどろしくないよ。
きちんと調べたら、過去の遺物とかありそげ。
サラザール・スリザリンの何かが見つかるかもね。
つまり偉大な魔法使いの祖の、とってもアカデミックな何か?
「ダメだ」
先回りされちった。
「どっちだ?」
まぁ迷惑かけたばかりだったし、そろそろ限界。
私の体力と彼の忍耐力。
そして帰ろうってなった。
「先が通行不可能ならば来た道を戻る。
城内に入れた場合は、早急に対処を行わねばなりません。」
まぁ入口開きっぱなしだしな。
なんて歩き出すシリアスな場面。
それに、ぷひっと話しかけるモフモフ。
(しんぱいないねー)
で、見つめあうワイと銭ゲバ。
スナック感覚で光り物を要求して、大きな人の手のなかでもがく。
しかたないと収納から再びワイロを一つ。
「今更だがよぅーきりがねぇから、お姫さん。」
「おぉ感覚が鈍ってたわ、わりぃ。
生徒に何させてんだよなー。
あーなんだ、光ってりゃビー玉でも、その辺の石っころでも十分だぞ?」
魔法生物大好きっ子二人からすれば、ニフラーの群れを考えると甘やかしになるのかな?
「我らが過ちに気付いただけだ。
今更であるが、我々は勘違いをしないが、むやみに人前で財を見せるでない。
危険である。
分かっている。案内をさせたのは我々だ。
その貢物を心底嫌がっているのも理解している。
だが、行いとしては注意せねばならん。
決して褒められた行いではない。
盗人や詐欺師がたかるだろう、更には凡夫を過ちに走らせもしよう。」
見てないところでやれ?
ごいん!
顎が!
彼ピッピの顎が!
「……校長、吾輩には手に負えません。」
「まぁ儂らの前ではよかろうよ。
それに元手を有効に使っておる。」
爺ちゃんの騎士団に……わかってる。ダメね、はいはい。
「こっちの道かのぅ。
先が城内なら、アオイを戻してから、我々は引き返してくるとしよう。
他にも出入りできる場所がないか、詳細に調べねばの。
我々が入ってきた入り口は、内側から塞ぐのが妥当か。」
怒られちったけど、追加の光り物を与える。
ねぇねぇ、ナマモノは入り口開いてたらお外に出ちゃう?
(出れないねーおやくそく
コワコワきたらでるねー
主とおさんぽしたりしたいーって
散歩にはいけないよー
開けたのピカピカだからねー
しばらくするとまっくらね。
モヤモヤで通れないねー)
はい戦犯確定!
グリグリされていた顎を手で押しのける、ワイ。
お仕置きは一旦後にしちくれ!
これ以上締め付けられると、お漏らしする!
「子供だと思い手加減すればこの有様よ……」
わー怒ってるぅー、ぺやっとつられてびっくりポーズをする銭ゲバ。
そいで見つめあうダーリンとワイ。
しっかり覗いて聞いてる爺ちゃんも、また唸る。
胃のあたりを押さえてるのは気のせいかな。
ちゅまり秘密のお部屋を開いたの、推定魔法生物分類なワイ。
そいでニフラーとワイがいたから入れただけで、出入りは純正人間様……だと難しいようだ。
よかったね、閉じなきゃとか考えないで済むよ!
ぺやっとニフラーも口を開いてみせる。
シンクロするアニマル2匹。
なんでか、セウェルスにだけ挑発ポーズなんだよね。
小説家と同じく危機察知能力死滅してんの?
「……ハグリッド、今後は校内、それもこれの側にそのニフラーが出没しないようにしてくれ。
お調子者が揃うとろくなことにならぬ。」
大きな人が、珍しく重々しく頷くのであった。