異世界でロードアウトを組んで生き残る~FPSゲーマーの転生記~ 作:眼鏡丸
生きている。
斃れたレッサーグリフォンを前に実感する。
幸い骨は折れていないようだ。
体は動く。
レッサーグリフォンをインベントリへ収納し、帰り道につく。
戦っていた時間はそう長くなかった。
ものの10分くらいだろう。
それでも、5時間グラスリザードを狩り続けた時よりも疲れている。
野戦服のおかげか、目立ったケガはない。
防刃とかついてたのかな…
あちこち痛むが打撲の類なのだろう。
そうだ、以前レベルアップしたときに解放されたスティムを購入しよう。
手元に現れた注射器をとりあえず腕に刺す。
痛みがマシになってきた。
実際だとスティムは興奮剤だったり鎮痛剤の類らしいから、体力の回復はしないみたいだけどな。
それでも頭はさっきよりもしゃきっとしてきた。
ミニマップを見ながら警戒して帰るくらいならできそうだ。
身をとにかく軽くしたくて。
インベントリがあるから、銃が必要になれば出せばいい。
依頼出発時よりも幾分か重い足取りで町を目指す。
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町に着く前、いろいろと繕うことを思い出し、バックパックやら装備品を身に着ける。
門をくぐった瞬間に、のしかかっていた重石が外れたような感覚。
生きて、帰ってこれた。
異世界に来て10日ほど。
当たり前にできていたことがこんなにも嬉しいとは。
ギルドに向かい、ナタリーに一声かけてから裏口へ向かう。
サルヴォさんにレッサーグリフォンを渡し、この時間は暇なのか、様子を見に来ていたナタリーにギルドカードも預ける。
カウンター付近で何を見るでもなく、ただ待っていると奥からランバートさんがやってきた。
「おう、早かったな。お疲れさん。」
「あぁ、どうも。」
言葉がうまくでてこない、相当疲れてるな。
「ハハッ、その様子じゃ簡単にこなしてきたって感じじゃなさそうだな。
いいか、その経験は必ずお前を生かす、絶対に忘れるなよ。」
「…あぁ。」
先達のありがたい言葉だ。
もしかしたら、ランバートさんはこうして若者を育てているのかもしれない。
「ファイブさん!確認完了したっすー!
…あ、ギルドマスターもいたっすか!」
「ったく、お前は。上司の存在に先に気づけよ。」
「ハハ…ありがとう、ナタリー」
ランバートさんギルドマスターだったのか、一番偉い人じゃん。
「いえいえ、今回は依頼数の1頭のみなので、通常の報酬金の支払いのみっすね。
金貨10枚になるっす!
そして、こちらが新しいシルバーランクのギルドカードになるっす!
おめでとうございますっす!」
シルバーランク。前に聞いた話だと、ある程度依頼制限が解除され実入りもそれなりに良くなるって感じか。
登竜門の討伐で金貨10枚になるんだから、きっとそれ以上もあるだろう。
「俺からもおめでとう。これからもこのうちのギルドのためにきりきり働いてくれよな。
なんなら今から依頼受けてくれてもいい。」
「さすがに、今日とか明日くらいは休むぞ。」
このオッサン無茶苦茶言いやがる。
だが、こんなやり取りも日常に戻ってきたって気がする。
やっと頭も回り始めた。
ナタリーから報酬を受け取り、残高が100,000CP増えたことを確認。
二人へ挨拶をし、姉妹の家に帰る。
まだ二人は仕事なのか、家には一人。
荷物をすべてインベントリへしまい、落ち着いたところで視界にLevel Upの文字。
ーAR,MR,SR,SGが解放されました。
ライフルの解放だ。
にしても大盤振る舞いだな、一気にアサルトライフル・マークスマンライフル・スナイパーライフル・ショットガンの4カテゴリか。
本当に謎だ、このシステムは。
なにか一つの壁を越えたってことなのかね。
しかし、今日のレッサーグリフォンとの戦いで思ったことが一気に解決できる気がする。
そう、問題は火力だ。
大型の魔物になればなるほどタフ。見た目通り生命力は高い。
HPが多いと言い換えてもいいだろう。
だが、ライフルは口径が違う。
もちろん交戦距離や命中精度なんかもHGやSMGとは段違いだが、貫通力や弾の持つエネルギーもレベルが違う。
つまりATKが高いのだ。
わかりやすいのだとスナイパーライフルのバレットM82。
FPSゲームでも化け物スナイパーとして名高いが、その理由は威力。
対物ライフルとの名の通り、そもそも人相手に撃つような設計じゃない。
戦車の装甲を貫けるのだ。
他のカテゴリの武器も使用するカテゴリによるが、やはりSMGとは比べ物にならない。
次の目標はARだな。
シルバーランクの依頼でSMGでこなせそうなもの、数が多くて厄介かつ遠距離が刺さる敵を選んでいこう。
ライカに相談するか。
さて、もう一つの課題について考えよう。