異世界でロードアウトを組んで生き残る~FPSゲーマーの転生記~ 作:眼鏡丸
受付スペースへ戻ると、ランバートさんが集まった冒険者へゴブリン砦の討伐を説明していた。
今回の依頼は国からの要請に応じたギルドから直の依頼で、ランクに応じてだが一律でかなりの報酬が支払われるみたいだ。グルダの町は大きいとは思っていたが、それでも集まった中でシルバーランク以上の冒険者は50名ほど。多勢に無勢のようにみえるが、そもそもゴブリンは一個体あたりは弱い。
昨日二人で100体以上討伐できたことを考えると、上位種の割合次第ではあるが無理はないと思う。
そして普段から固定でパーティを組んでいるメンバーはある程度パーティ単位で行動すること、ライカは先方隊となるメンバーを率いて一気に中央突破をかけることが発表された。
そもそも人間側の廃砦なので、ある程度の構造はわかっているみたいだしな。
俺は弓矢装備で突破組に混ざらなかった冒険者が集まる後方支援組に加わることになった。
ただし、ランバートさんから話が合ったように自由行動が認められている。
ランバートさんが魔道具の説明をしてくれていたが、弓矢隊の皆様からは懐疑の目線を向けられている。
仕事で見せるしかないな。
そう意気込んでいると、長身で耳の長い男性から声をかけられた。
エルフ的な種族だろうか。
「君がファイブ君だよね、よろしく。」
「あぁ、よろしく。あなたは?」
「私はロン。同じ後方組だよ。」
「ということは弓使いか。」
「あぁ、エルフだからね。風の妖精の力で、より早くより遠くに矢を射れるのはエルフの特権さ。」
ほう?
「その魔道具と弓矢ではそもそも使いどころが違うだろう?君は本編成から外れて行動したほうがお互いのためではないかな。
君の魔道具の力、ギルドマスターがあそこまで言うほどのものなのか楽しみにしているよ。」
一方的にそう言うと去って他の弓矢隊の人へ話しかけに行った。
どうやら彼が指揮をとるようだ。
しかしまぁ、いけ好かないやつだ。
言葉は丁寧だが、こちらを明らかに見下しハブっている。
なんか弓矢隊の人も愛想笑いって感じの対応だな。
まぁ、自由に動けそうだしそれならそれでヨシ!
イラついてはエイムが悪くなるので水を一口。
ほどなくしている内に出発だ。
物々しい雰囲気の冒険者が連れだって街を出ていくのは明らかな異常事態なのだろう。
町の人々が不安そうにこちらを見ている。
廃砦まではまだ距離があるので、ライカと歩きながら話すことにする。
「そっちは大体4パーティくらい率いて中央突破だろう?大丈夫か?」
「まぁ、みんな実力あるやつらだし問題ないよ。あそこの砦は国境警備のために作られてるから、内側から攻める形になるし。」
「なるほど。ライカは大丈夫だろうが、気を付けて行けよ。」
「ファイブこそな。こっちが抜けられると、弓のやつらは苦しいだろ。」
「いや、俺は色々あるから大丈夫。討ち漏らし程度なら片づけれるさ。」
せいぜい、味方への射線管理の方へ気をつかうくらいだろう。
「なら、めんどいのはさっさと終わらせて酒飲もうぜ。」
「いや、二日連続は…」
この世界にはウコンが無いんだよ!
いや、探せばあるのかもしれないがそうまでして飲むつもりもねぇ!
「なんだよ、どうせ帰ったら全員で飲み食いすることになるぜ。」
「えぇ…」
打ち上げですか。
前言撤回だ、ウコン探そう。
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そんな話をしながら歩くこと数時間。ついに、廃砦が見えてきた。
確かに大きさは中々立派な砦だが、急造っぽい粗さも見える。
そして国境からみると砦の内側にあたるこちらは少し高所となっている。
これは後方組にとっては嬉しい。
ただ門がしっかりと閉じられている。
よく見ると廃砦にはふさわしくない、きれいな木材で修復されている。
やはり知能が回る上位種のさらに上もいるのだろう。
なんだっけ、ゴブリンキングだっけ。
ライカが難しい顔をしている。
「どうした、何をそんなに悩んでる?」
「いや、あの門をどうしたもんかと思ってな。
あんなにしっかりしたのになると、ハンマー組でも壊すのに時間がかかりそうだ。」
「まかセロリ」
SCARの見た目がゴツくなった原因。
持ってきてるんだよな、”マスターキー”を。