異世界でロードアウトを組んで生き残る~FPSゲーマーの転生記~   作:眼鏡丸

20 / 20
1-20 止まるな!走れ!

 

40mmグレネードランチャー

 

SCAR-Hの下部レールに取り付けられたそいつから、ポンッという小気味いい音が鳴る。

放物線を描いた擲弾が門扉にたどり着いた瞬間、轟音とともに門扉が吹き飛んだ。

追加でいくつかグレポンを放ち、砦のこちら側の壁を破壊していく。

 

高所なので、ゴブリンたちが慌てふためいているのがよく見える。

わらわらと砦内部からゴブリンが出てきたタイミングで、ライカ率いる中央突破隊が突撃を仕掛ける。

 

未だ統率の取れないゴブリンを食い破った突撃は、砦の内部に深く侵入しようかというところで、追加のゴブリンたちに物量をもってして止められたようだ。

ここからは乱戦に入るだろう。

 

俺はというと、遅れて突撃…なんてこともなく、後方から弓を放つ弓矢隊のところへ戻ってきていた。

味方に当たらないよう乱れている前線の奥へ曲射を行い、ゴブリンの増援を削っているようだ。

だが、今回の弓矢隊の冒険者は合わせて20名ほど。いくら高所有利で削れたといっても正直数がしれている。

 

砦のほうに目を向けると、建物の二階や三階から弓をつがえるゴブリンたちの姿が見えた。

セミオートにしているSCARでそのゴブリンたちを的確に狙撃していく。

FPSっつーかゲーセンとかにあるガンシューティングだな、こりゃ。

 

「無限にわいてくるな、こいつら」

 

そうひとりごちて、顔をあげると弓矢隊の皆様がこちらを見て驚かれてらっしゃる。

ふっ、SCARのすばらしさに見とれていたか。え?銃声がうるさい?すんません、仕様です。

ロンに目をむけると、非常に悔しがっている顔をしている。

駄目だよ、落ち着かなきゃ

 

中央突破隊に目を向けると、それぞれ善戦しているようだが、やはりそれは各PTの寄せ集め。PT内で連携はできていても、他PTとは連携できず討ち漏らしが結構発生している。今はライカが適時処理しているがこのまま敵の圧力が大きくなれば間に合わなくなるであろうギリギリの状態。

 

こちらからの援護もしてやろう。

SCARを構えなおし、各PTの討ち漏らしを順次処理していく。

幸い、漏らしたゴブリンは中央突破隊の面々とは離れているため、射線が被ることがない。

 

また一匹、討ち漏らしが出たところにエイムを合わせ狙撃を行うと、さらに討ち漏らしが出てきた。

これは間に合わないかと思っていると、ゴブリンの脳天に鋭い矢が突き刺さる。

 

ちらっと発射点を見ると、ロンのようだ。

こちらのやっていることに気づいたか。

風の妖精の力なのだろうか、矢は相当早いスピードで直線的な弾道を描いている。

エルフというだけはあるらしい。

 

こちらも負け時と狙撃を行おうとした時、砦の奥からさらに増援が現れる。

今度はホブゴブリンだ。

さらに今までの倍近くゴブリンの増援が現れた。

 

これは不味い。

今までだって結構ギリギリだったんだ。

個々の優秀さではこちらが勝つが、相手は圧倒的物量。

 

よし、決めた。

 

「ロン!俺は前線に行く!ゴブリンを一まとめにするよう冒険者たちに動いてもらうから、弓矢隊はそこに積極的に撃ち込んでくれ!」

 

「何を言っている!その魔道具では前線に向かえまい!」

 

「武器はこれだけじゃないんでね!」

 

どうやってやるか、などと説明していては時間がかかりすぎる。

信じてもらえるかは賭けだが、行くしかない。

 

SCARをしまい、一先ず砦内部へ急行する。

MP5を装備して、苦戦していそうな箇所にとにかく銃弾を撃ち込んでいく。

 

MP5が弾切れになればSCARを再装備、迫るホブゴブリンをHSで確実に減らしていく。

グレポンで破壊した壁がいい感じに遮蔽になっていて助かったな。

 

そうしていると、ヘイトがどうやら集まってきたようである。

じゃあやりますか、トレインを。

 

「みんな、聞いてくれ!一か所に留まって戦うな!

全体で流れるように走りながら戦うんだ!」

 

そう声をかけ続けながら、ゴブリンたちをトレインしていく。

振り返ると数十にのぼるゴブリン、ホブゴブリンがついてきている。

クソッ、距離が近すぎてグレポンが撃てない。

仕方なくMP5で先頭を削りまた走りだす。

 

「みんな!ファイブの言う通りにしろ!」

 

ライカが号を発してくれた。

ライカ自身もトレインを行いながら走っている。

振り返り、槍で少し応戦、またトレイン。

天才だな、近接武器であそこまで綺麗にトレインできる気がしない。

 

と、ライカとゴブリンが刃を交えトレインがの列が膠着し始めたその一瞬。

ゴブリンの集団めがけて、数十の矢が上空から降り注ぐ。

どうやらロンは信じてくれたらしい。

ライカの負荷が一気に軽くなった。

 

それを見たほかの冒険者たちも一斉に走り始める。

ある程度まとまると、ある者は大盾で受け止め、ある者は剣で薙ぎ払い、ある者はハンマーで吹き飛ばしていく。そしてそこに弓矢隊からの一斉射撃。

 

いいねいいね、効率よく数が減ってきたぞ。

俺自身もトレインしながらゴブリンを撃ち、弓矢隊の援護が間に合わないところにグレポンをブチこんでホブゴブリンともども一掃していく。

 

グレポンの残弾を撃ち切ったところで、ゴブリンの数がかなり減ってきた。

だが、ホブゴブリンがしぶとく残っているな。

やはり弓矢では致命傷にはならないようだ。

 

俺を追いかけてきているのもホブゴブリンだけになってきた。

MP5をフルオートで撃つが、減り方が甘い。

 

一度無手の状態で全力ダッシュ。

距離をとったところでSCARを構える。

フルオートでホブゴブリンのヘッドラインを蹂躙していく。

FPSのゲームでは20000キル以上してきた銃だ。

リコイル制御は体が覚えている。

 

よし、一気に減らせたな。

残りは数体程度、今度はセミオートで確実に処理していく。

 

そこからは他の冒険者の援護に回る。

確実にホブゴブリンの頭を撃ち抜き、全体の数を減らしていくと冒険者側も戦いやすくなったのか、トレインをやめホブゴブリンへ向かっていく。

ライカは変わらず無双していた。

トレインして固めては、三体同時に薙ぎ払い、さらに三連突きでもう一体を持っていく。

別の個体の攻撃を躱したと思ったら、飛び上がり距離をとってまたトレイン。

 

激戦ではあるし体力の消耗は激しいが、ついに最後のホブゴブリンを討伐した。

いや、なんか逃げようとしている一体を発見。体格的に大き目のホブゴブリンか。

ステンバーイ、ステンバーイ、ビューティフォー。

落ち着いて狙撃。

 

こうして、周りには夥しい数のゴブリンの死体が積み重なっている。

1000体くらいいるのだろうが、正直数えることもできない。

冒険者立ちも死屍累々だ。いや、こちらは比喩の意味だが。

戦いのアドレナリンが切れたのか、全力トレインの疲れが一気に来ているようだ。

 

そういや、ゴブリンキングとやらはいなかったな。

いないよな?

 




お気に入り登録、感想ありがとうございます。活動の励みになります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

FF14で現代ダンジョン(作者:黒蓮華)(原作:ファイナルファンタジーXIV)

FF14のプレイヤーが現代ダンジョンの世界に転生したら、戦闘システムがFF14だった話▼※作者の知識は暁月まで▼※FF14のストーリーやキャラクターは出てきません


総合評価:1081/評価:7.08/連載:55話/更新日時:2026年11月05日(木) 21:45 小説情報

雷神の系譜~鹿紫雲一の末裔に転生したので、原作の悲劇を打ち壊す~(作者:メンチカツ)(原作:呪術廻戦)

『呪術廻戦』を愛読していた男は、なせか『呪術廻戦』の世界に転生してしまった。しかも転生先は原作には存在しない家系───"雷神"鹿紫雲一を始祖に戴く呪術師の名門だった。▼五条悟に勝るとも劣らない才能を持つ主人公だが、待っていたのは名門特有の権力闘争と、原作の悲劇。▼「鹿紫雲の術式」と「原作知識」を武器に男は決意する。推しの死も、羂索の策謀も…


総合評価:3079/評価:7.95/連載:23話/更新日時:2026年10月31日(土) 17:00 小説情報

セレスちゃんねる ~TSして四百年、異世界の英雄が地球へ生配信を始めました~(作者:セレスちゃんねる)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

かつて日本で暮らしていた、一人の男子高校生。▼そんな彼が異世界エルセリアで絶世の美少女となり、気づけば四百年以上もの歳月が過ぎていた。▼幾多の冒険を経て、不老の英雄となったセレスティア。▼剣と魔法の世界を自由気ままに旅していた彼女は、長年の魔術研究の末、ついに遠い故郷である地球へ映像と声を届ける方法を発見する。▼「エルセリアの大地から、こんにちは!」▼美しい…


総合評価:3533/評価:8.53/連載:10話/更新日時:2026年11月06日(金) 11:30 小説情報

ポケモン現代入り(作者:ささみ)(原作:ポケットモンスター)

▼ よくあるポケモン現代入り系作品です。それ以上も以下もないよ。


総合評価:16456/評価:8.29/連載:102話/更新日時:2026年08月16日(日) 00:00 小説情報

スキル制ステータスで現代をお気楽に過ご……したい(作者:逆鯖)(オリジナル:現代/ノンジャンル)

▼ 工場派遣として働く25歳、佐藤直人。▼ ある日突然、視界に《スキルシステム》なんてものが現れた。▼ 《清掃》《料理》《プログラミング》みたいな普通の技能から、《豪運》《魔術》《錬金術》《ダンジョン作成》なんて明らかにおかしいものまで、SPさえあれば取得可能。▼ だったらまあ、使うっきゃない。▼ 仕事は楽に、金はなるべく効率よく稼いで、自分の時間はしっかり…


総合評価:8033/評価:8.45/連載:19話/更新日時:2026年10月09日(金) 21:25 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>