異世界でロードアウトを組んで生き残る~FPSゲーマーの転生記~ 作:眼鏡丸
森の中では特に戦闘も起こらず。
道すがらこっそりHUDに表示された薬草を採取しているくらい。
買取依頼があれば、弾薬は賄えるくらいは採取できた。
そうしてたどり着いた草原。2日ぶりだな。
ここに来てライカも初めて槍を抜く。
ならばと、こちらもホルスターからP2000を抜き、セーフティを解除。
レティクル表示も問題なし。
ぱっと見は兵士だが、装備内容的には警察の特殊部隊みたいだ。
今のところミニマップには反応が無い。
「さて、どうやって探す?」
「適当に歩いてりゃ見つかるだろ。一応森っかわより奥のほうが見つかりやすいはずだぜ」
なんとも大雑把だが、相手は自然。
地道に見つけていくしかないが、ミニマップに写るということを考えると案外簡単かもしれない。
「わかったよ。二手に分かれはしないんだな?」
「一応監督責任があるからなぁ。オッサンの話を信じる限りそうヤバいことにはならねぇと思うし、ファイブがチクるやつでもねぇとは思うが、なんかあったらマズいからな。
あとファイブの戦い方は見てぇし。」
最後のが本音だろ。
建前だけで終わらせられないところに残念性を感じる。
「了解、じゃあとりあえず奥に進むか。」
「おう、割とそこらへんにいるから、適当でいいぜ。」
トカゲってそんな増殖するっけ…と思いながら歩き出して数分、ミニマップに反応が。
範囲外からの反応なのでわかりづらいが、おそらく魔物が3匹。
しかしこれをどうやってライカに伝えたものか。
うーん、なんとなくで進路を変えて偶然を装うか。
「なんか、見渡す限りはあんまいないな。
あっちの方に行ってみないか?」
「おう、いいぜ。」
特に疑われてはいないようだ。
そうして歩いていると、ミニマップ上に赤い点が表示される、数は4。
どうやら範囲外で移っていなかったか被っていた奴がいたようだ。
遠目にも姿が確認できた。事前に聞いていた形と一致している、あれがグラスリザードだろう。
体色が保護色になっているが、鱗が太陽に反射していてすこし光っている。
「ライカ、前方」
「あぁ、間違いねぇぞ。あれがグラスリザードだ。
お前、結構目もいいんだな。」
ミニマップで見えたからな。
ゲームだとギリースーツで草むらに隠れてるようなやつを見つけなきゃいけなかった。
それに比べれば易いもんですよ。
「まぁ旅人だからいろいろとな。」
「ふーん。ま、そんなもんか。」
なんかライカがあんまり考えない性格で助かってる気がする。
「それじゃ、事前の作戦通り俺から仕掛けるぞ。」
「おう、問題ないぜ。」
まだ気づかれている気配はないもう少し近づこう。
遮蔽物がないのでかなり駆けにはなるが、姿勢を下げて目標まで30mの地点を目指す。
だが、グラスリザードの方は昼寝でもしているのか一向に気づく気配がない。
ライカも初心者向けの魔物を選んでくれたのかもな。
難なく目標ポイントに到達。
P2000を構えて、射撃体勢に入る。
今までは立った状態だったが、今回は左膝をついたしゃがみ姿勢での射撃。
おそらく今までよりも安定するだろう。
野戦服ごしに草や土、石の感触を感じる。
あぁ、だから片膝にサポーター巻いている兵士がいるのか、靭帯やっちゃってるわけじゃなかったんだな、あれ。
関係ない思考と並列してどの個体から狙うか順番を組み立てていく。
今いる位置からヘッドラインが綺麗に通っているのは2体。
残り2体は他2体の胴体で隠れる位置に頭がある。
プランは立った。
とりあえず2体を速射し、残り2体に対しては胴へ射撃。
ライカの近接にとどめを任せよう。
ライカにプランを伝え、射撃開始の旨を伝える。
特に反対もなく了解を得られたので、ADSに移行。
もう慣れたもんでADSから射撃に移るまでに1秒もかからない。
いや、能力のおかげで元々かからないんだけど、気持ちがね。
パスッ、パスッっと気の抜けたような音が2度鳴り、視界の先でグラスリザードの体から力が抜けるのがわかる。ヘッドショット、我ながら完璧だ。
残り2体が異変を感じたのか頭を上げ、様子をうかがう。
すかさずこちらにも射撃。どちらもヘッショ。
どうやら、これぐらいの魔物ならヘッショ1発で仕留められるらしい。
終わったとライカに声をかけると、ちょっと不機嫌な様子。
あ、
「すまない、ライカ。仕留めれそうだったから4匹ともやっちまった。」
「まぁ、いいけどよ。次は譲れよな。」
「わかった、約束する。死体の回収は任せてもらっていいか?」
「おう?あぁ、マジックバッグ持ちか。ありえねぇ薬草だしてたもんな」
マジックバッグ?とやらは知らんがここは便乗しておいたほうがいいだろう。
「そんな感じだ。」
「ポーターとしてもやってけそうだな、お前。」
ポーター、荷物運びか。登山とかで重いものを運ぶ仕事だった気がする。
こっちだと単に依頼の荷物運びだろう。
「あんまり興味はないかな。コイツがあるし。」
「あぁ、確かにな。いくらグラスリザードとはいえ、こんな短時間で正確に頭だけを射貫く魔道具なんて聞いたことねぇ。音は変だが、すげぇんだな、それ。」
「これでも控えめなんだがな。」
実際、破壊力だけでいえばランチャーや対物ライフルとかの方がえげつないしな。
「マジかよ。これもファイブの故郷の魔道具なのか?」
「まぁそんなとこだな。」
間違いではない、世界が違うだけで。
とりあえず、死体の回収だ。
グラスリザードをバックパック経由ですべてインベントリにしまい、次の獲物を探すこととする。
ゲームだと4キルもすれば、偵察機を呼べて便利なんだが。
ここではそうもいかない。
足で稼ぐしかあるまい。
そこらじゅうにいるというライカの言葉通り、それから10分足らずでミニマップに反応。
幸い特に進路変更も必要ないので、たまたま気づいた風を装う。
数は3。
今回はライカに譲ると約束したので、後方で見守りに徹する。
一応何かあれば撃つが、ライカ曰く「あんな雑魚に遅れをとると思ってんのか?アァン?」(直訳)とのことなのでADSまではせずに30mほど後方で待機。
ライカの戦い方はすさまじいの一言だった。
一気に近づいて、槍の遠心力を利用して2体の首を切断。
そのまま飛び上がったかと思うと、直上から重力を利用し脳天を一突き。
槍を振るときなんて、こっちまで音が聞こえてきた。
実際援護するとなると弾にも影響ありそうだな、と考えていると、イカが呼んでくる。
「おーい!終わったぞ!」
「すぐ行く!」
死体はさっきと同じように回収していく。
「どうだ、アタシの戦闘は。」
「いや、すごかったよ。さすがゴールドランクって感じだ。」
「そうだろう、そうだろう。」
ドヤ顔してくるが、正直本当にすさまじかった。
槍の適正距離に入られると、動きの速さも相まってハンドガンじゃ勝てるビジョンが浮かばない。
逆にナイフの距離に持っていけるかと言われれば、厳しいだろう。
薙ぎ払いはそれ自体で脅威だし、距離をとることにも使える。
SMGかSGならなんとか戦えるか?といった具合だ。
「もしライカと組手なんかしたら、敵いそうにないな。」
「いやー、その魔道具なら近づく前にやられそうだぞ。」
「ライカならよけられそうなんだけど。」
「もっと光ったり、前兆がわかりやすけりゃできるかもしんねぇけどな。」
確かに、ハンドガンにサプレッサーの組み合わせは対象に攻撃を気付かれにくくするような装備だ。
「さてと、次行くとすっか。」
「そうだな、この分だと早く終わりそうだ。」
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その後もグラスリザードも見つけては狩り、見つけては狩りを繰り返して昼過ぎ。
まだ時間に余裕はあるが、帰りのことと残弾を考えると心もとなくもある。
倒したグラスリザードは合わせて30匹ほど。
途中で気づかれたりなんかもして、2.5マグほど消費した。
「どうする、ライカ?依頼数はとっくに超えてるし、そろそろ帰るか?」
「うーん、そうだな。もう十分狩ったし、ちょっと早いが帰るとすっか。」
ちなみに道中、報酬については折半ということになった。
監督責任もあるし、こういう依頼の場合はランクが高い方が取り分が多いのが通常らしいのだが、仕留めた数は俺の方が多いからそれでいいとのこと。
本来は素材の売却額なんかも倒した数に応じて割合計算するらしいのだが、全然数えてなかったのでそちらも折半。
計算がめんどくさかっただけともいう。
具体的な報酬額は帰ってからのお楽しみとぼやかされた。
PPShくらいは買えるといいが、高望みだろうか。
中途半端な額だったら、姉妹にお土産を買っていってもいいかもしれない。
捕った狸の皮算用をしつつ、ライカとどの辺に住んでるだの今後も一緒に依頼していこうかだの他愛もない話をしながらグルダへ帰るのだった。
P2000はゲームでほぼ見かけない銃ですね。USPの小型版みたいなイメージです。
しばらくは作者の好きな銃が続きますが、この銃出して!とかあれば是非コメント下さい!