TS転生して合法ロリになったので、ヒロイヴHappyEndのために頑張ります! 作:青いカンテラ
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「ゲンロウタ! このオムライスすっごく美味しい!」
「カカカ! そうかそうか、そいつはよかった!」
「次はパンケーキ出して! パンケーキ! 木の味じゃなくてちゃんと甘くてふわふわなの!」
「おう、いいぞ!」
……なんか昨日拾ってきたELダイバーとジイちゃんが仲良くなっている件について。
一緒に暮らしているし、倉庫も共用だからすぐにバレるだろうとは思っていたが、それにしたって仲良くなるのが早すぎないか。
ジイちゃん、電子生命体を前にして驚くどころかなんか餌付けしてるし……。しかも要望通りに甘くてふわふわしたパンケーキ出せてるみたいだし。
「……おはよう、ジイちゃん。リリア」
「おう、おはようさんユウリ」
「ユウリおはよー! ゲンロウタってすごいんだよ、ちゃんと味のする食べ物出してくれるんだから!」
とりあえず、ずっと見ているのも何なので、挨拶をする。それでオレがいることに気が付いた二人はこっちを向いて挨拶を返してくる。
ちゃんと味のする食べ物、か……。オレはGPDの筐体に保存されている砂やら木といったフィールド再現用のデータに少し手を加えて、見た目をそれっぽくしたものを出してただけだからなあ。ていうか、データの味の再現ってどうするんだよ。
「リリア、よかったな。いいもの食べれてるみたいで。……てかジイちゃん、データの味の再現とかどうしたんだ?」
「それはな、昔取った杵柄ってやつよ」
カカカ! と高笑いするジイちゃん。まったく説明になってないが……。まあ聞いたところでよくわからなそうだし、リリアが出されたものを美味しいと感じてるならいいや。
「それにしてもよぉ、お前が何かごそごそとしているのは知ってたが……。まさかこんな面白そうなことをしてるとはなあ」
「あー、それについては黙ってたのはゴメン。けど、ELダイバー……リリアを見て驚かなかったの?」
ちらりと筐体の中にいるリリアに目を向ける。見て、ジイちゃんに出してもらったパンケーキを口いっぱいに頬張って頬が膨らんでいるよ。……リスみたいだな。
それはともかく。筐体の中にいる小さな女の子に、いきなり自分はゲームの中で生まれた電子生命体だとか言われたら、普通はそういう設定のAIとかNPCか? と思うものだろうけど、ジイちゃんはなんか仲良くなってたしな。
「うん? そりゃあ最初に見た時は驚いたよ。驚いたが、話をよくよく聞いてみればGBNで生まれた電子生命体とやらだって言うじゃねえか。そうしたら驚きよりも面白さが勝ってなあ」
そう言ってまた高笑いするジイちゃん。うーん、いい意味で肝が据わっているというか細かいことは気にしないというか……。
しかし、ジイちゃんのこの性格に今回は助けられた気がする。こっちとしてもアレコレ説明する手間が省けるしな。
「ま、秘密を知ったからにはこれからは仲間ってこった。俺にできることがあれば何でも言え」
グッと親指を立ててニカッと笑うジイちゃん。何でも、何でもか……。それなら……。
「……ありがと、ジイちゃん。……それで、早速なんだけど……」
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「GBNよ、わたしは帰ってきたー!」
「はいはい、リリアちゃん。あんまり騒がないでね」
ところ変わって。オレたちはGBNにいた。ログインポートを抜けると、今日も今日とて多種多様な姿のダイバーで賑わっている。
さてさて、リリアがGPDの筐体にいる状態でGBNにログインできるかは少し不安だったんだが……これといって問題なくログイン出来て何よりだ。
これについては、ジイちゃんに組んでもらったプログラムがきちんと働いているということでもある。これもジイちゃん曰く昔取った杵柄よ、とのことだったけど……一体その杵柄は何個あるんだか。
「だつて、体がすっごい軽いんだもん! 今なら空も飛べるかも!」
「嬉しいのはわかったから、ぴょんぴょんもしないでね~」
リリアがぴょんぴょんと跳ねるたびに、その大きな二つのものも上下に揺れて行きかうダイバーたちの視線を釘付けにする。
そこのサングラスつけた人狼のやつ「うぉ……でっか……」とか小声で言っててもバレてるぞ。
ちなみにリリアが体が軽いと言ってるのは、データを最適な状態に保つ安定化プログラムのおかげである。
これによりリリア自体のデータ強度が上がり、こうして筐体に繋いだダイバーギアから経由してログインしても問題なく動けるくらいにはなっている。
「カカカ! 元気なのはいいことよ!」
聞き覚えのある高笑いに振り向くと、そこには浅黒い肌に白い髪の、額に黒いサングラスを掛けた狐耳のチャイナ服姿のダイバーが立っていた。
「おう、どうだユウリ。バアさんの若い頃をイメージしてみたんだが。どうだ、可愛かろう?」
誰だと思ったらジイちゃんだった。リアルだと身長百八十はある爺さんなのに、アバターはチャイナ服の褐色狐娘とかギャップで風邪を引くレベルだ。
「あー、うん。そうだね。可愛いと思うよ」
リアルがクソデカ強面爺さんだっていうのを知らなければな。
「わぁ、ゲンロウタすっごく可愛いよ!」
「こっちだとロウコと呼んでくれ、リリアちゃん!」
「うん、わかったロウコ!」
それからイェーイ! とか手を合わせたりしている二人。見た目はなんか美少女が戯れてるように見えるだろうが、片や生まれて数日も経ってない電子生命体と、片やリアルでは強面の爺さんである。
「それで、これからどうするんだ? ユウリよ」
「……急にスンッてなるなよ……。そうだなあ、まずはリリアの機体のテストかな。ちゃんと動かせるかどうかは見ておきたいし」
こうしてみるとアバターは問題なさそうだが、ガンプラとなるとまた勝手が違ってくるだろうしな。
機体が存分に動かせるなら、ガンプラに乗ったまま移動できるし、バトルに参加だってできる。
「それじゃあ、バトルするの?」
「いや、まずはチュートリアルか、初心者ミッションでも受けるかだな」
チュートリアルはNPDリーオー三体を撃破する……とかそんな内容だったか。ほぼ棒立ちで狙いの甘いライフル撃って来るだけ、みたいなやつだがそれでもないよりかはマシといったところか。
「ほぉほぉ。それはよさそうだな。どれ、俺もミッションをしてみるか」
「あれ、ジイちゃ……ロウコって、ガンプラ持ってるの?」
「あたりめぇよ。こうやってGBNに乗り込んだからにはガンプラの一つくらいは用意しとるさ」
言ってることは一理あるけど、いつもスケモ作ってるところしか見たことないからどんなガンプラを持ってきたのかは興味がある。
「そっか……。それじゃあ、ミッション受けたら格納庫に行こうか」
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ミッションを受けて格納庫に移動。メンテナンスベッドに配置されているのは三機の機体……。オレのグレモリーと、リリアのグレイズ。そして、ジイちゃんことロウコの機体だ。
「これって……シュヴァルベ・カスタム?」
「おう。といってもそれにちょっとしたミキシングしたやつだがな。名づけてシュヴァルベリベイクよ」
ベースはシュヴァルベ・カスタム(シクラーゼ機)。背中のブースターは上の二つがグシオンリベイクのバックアップになっている。
武装は元の専用ハンドガン一つと、デカい実体剣か……見たところ高機動による接近戦を重視した機体ってところだろうか。
「このガンプラ。早く戦いたいってうずうずしてる!」
「ガンプラが?」
「うん! この子が、シュヴァルベリベイクがそう言ってるよ!」
キラキラとした笑顔で言うリリア。そういえばELダイバーはガンプラの声というか想いのようなものを感じ取ることができるんだったか。
「ガンプラが、ねえ……。へっ、俺も同じ気持ちだぜ、シュヴァルベリベイク!」
グッと拳を突き出すロウコ。やる気がみなぎっているようで何よりだ。
「機体の確認も済んだし、早速出撃するか」
「おうよ」
「そうだね!」
「そして、ガンダムで出撃といえば定番のあれがお待ちかねだ、二人さん」
オレの言葉に、二人は「定番?」と小首を傾げる。タイミングバッチリだな。
ま、それはさておき。それぞれの機体に乗り込むとカタパルトへとの移動が始まる。
「おお、こいつはすげぇな!」
「ワクワクするね!」
「こういうのは勢いが大事だからな。思いっきり行こう」
初めてのカタパルトに興奮が隠し切れない二人へ、先にお手本を示すように操縦桿を握り直し手前を見据える。
「ユウリ、ガンダム・グレモリーミスクレニアスで行きます!」
音声入力によりカタパルトが作動してグレモリーが発進する。そしてお次はロウコとリリアの番だ。
「そんじゃま、続きますかねぇ。ロウコ、シュヴァルベリベイク出るぞ!」
「リリアはグレイズで行くよー!」
二人の機体も無事に発進したのを確認して、今回のミッションがある場所へと続くゲートを、潜り抜けた。
「おうおう、派手にやってるな」
少し小高い丘から破壊の限りを尽くしているザクたちの姿を見下ろす。やって来たのはいつかチャンプとヒロトと一緒に攻略した、初代ガンダムをモチーフにしたバトルミッションだ。
敵の数は六……。これも前回と同じだ。ただ、今回はリリアとロウコの二人の初バトルということでオレは極力手出しはしないようにするが。
「オレはここにいるから。二人であのザクたちを倒してくれ」
二人で六機のザクを相手にするには少し数が多い気もするが、低難易度のNPDは何かと隙が多いし射撃武器の狙いもだいぶ甘めに設定されている。ネームドでもないし大丈夫だろう。
「おう。そんじゃ、先手必勝! てなぁ!」
「わ、わたしも! てーい!」
シュヴァルベリベイクが専用ハンドガンを、リリアのグレイズが120mm25口径ライフルを撃ちながらザクたちに向かっていく。
こちらに背を向けてMSのパーツを破壊していたザク二機が、被弾して爆散。残りの四機がモノアイを光らせながら振り向いた。
「踏み込みが、甘ぇ!」
迎撃しようとしたザクのヒートホークを大剣で受け流して、シュヴァルベリベイクが左手に持った専用ハンドガンをザクのコクピットへと向けて射撃。
ハンドガン、といっても口径自体はザクマシンガンと同じかそれ以上だ。二、三発弾丸を撃ち込まれると胴体に風穴が空いたザクは爆散。テクスチャの塵となって消える。
「えーい!」
リリアはライフルで射撃戦をしていた。連射性能ではザクマシンガンに劣るが、その分一発の威力と命中精度は高い。
ザクマシンガンを破壊し、さらに右腕も撃ち抜いたところで、ザクはヒートホークを手に突進してくる。
「わわっ……!」
反応が遅れたリリアにヒートホークが振り下ろされそうになったところで、横からシュヴァルベリベイクが飛び蹴りを見舞う。
「リリアちゃん、大丈夫か?」
「えへへ、ありがとう、ロウコ」
残りのザクは二機だ。片方はリリアが右腕を破壊したやつ。もう片方のザクと組んでモノアイを光らせながらリリアとロウコの方に向く。
「わたしがライフルで援護するから、ロウコは突っ込んじゃっていいよ!」
「そうかい? それなら、背中は任せる!」
シュヴァルベリベイクがブーストを吹かして突撃する。それにザクマシンガンで射撃しようとしたザクを、リリアのグレイズがライフルを撃ってけん制した。
「ロウコ!」
「へっ、これで
フルパワーで振るわれた大剣が、ザクをまとめて薙ぎ払った。
「お疲れ~。二人ともいい動きしてたね」
「肩慣らしにはちょうど良かったな」
「バトルするのは初めてだったけど、楽しかったー!」
ミッションを終えてセントラルロビーに戻ってきたオレたちは、G-Cafeでバトル後の振り返りをしていた。
あの後シークレットは出なかったが、それでもザク六機を二人で撃破。初めてとしては上々の戦果だと言えるだろう。
「……うん、バトルしても安定したままなら大丈夫そうだな」
「大丈夫って?」
さっきのバトルログを見返しながらそう言うと、ケーキを食べていたリリアがこてん、と首を傾げる。
「リリアだけでログインしてもいいってことだよ。ただ、連続ログインは確か十八時間が限度だからそれまでにはログアウトする必要はあるけどな」
GBNに限らずなんだが、長時間の連続ログインは体調などへの影響の懸念から十八時間までと定められている。
これを超えると強制的にログアウトされ、その後一定時間の間再ログインはできないように安全装置が働くらしい。
「ふむ。リリアちゃんだけでGBNをねぇ。それだけじゃあないだろ? ユウリ」
「ああ。GBNにログインした後は状況報告をしてもらう。それと……他のELダイバーの捜索もな」
「えー、なんか大変そう……」
報告やら捜索のワードに、リリアは眉を寄せる。他のELダイバーを探すことについてはオレも出来る限りはするつもりだが、状況報告は今後のためにも必要なことだ。
何せ目標はELダイバーがこっちでも安定して生活できるようにすることだからな。そのためにデータは必要だし、当人にしか分からない不具合や不調があるなら、それも都度直していかないといけない。
「これもお前のために必要なことだからな? それにELダイバー探しもログイン中はずっとしろってわけでもない。どれくらいやるかはお前に任せる」
「んー、わかった。わたしもELダイバーの妹とか弟、いたらいいなって思うし!」
ここで面倒だからヤダ、と言わないあたりがリリアらしい。それにしてもELダイバーの妹や弟か……。
確かイヴもサラのことは私の妹と言ってた覚えがあるし、ELダイバーにとってはそれが共通認識なのかもしれない。
「頼むぞリリア」
「うん! あ、ケーキもう一個食べていい?」
本当によく食べるなこいつ……。まあ、ELダイバーを探してもらうための報酬だと思えば高くはないけどな。
あれから一週間。リリアは時たま一人でGBNにログインしては、連続ログイン時間の目一杯まで遊んで筐体に戻っていた。
おかげでELダイバーについてのデータが色々と集まっている。おかげでリリアの時に使ったデカールのアップデートもできた。次はよりスムーズにELダイバーの回収ができるだろう……。
と、思っていたんだが……。
「あ、ユウリー! こっちこっち!」
ある日の朝、いつものように店の裏にある倉庫へと行くと、筐体の中でリリアがぴょんぴょんと飛び跳ねていた。今日も元気だなー、と思いながら近くに行くと、見慣れない顔のELダイバーがいた。
「見て見て、二人目のELダイバー、見つけたよ!」
ニコニコとしながら、じゃーん! と両手を広げて紹介したのは、濃いピンク色の髪を太い三つ編みにしている少女。
顔立ちや、ぴょこんと飛び出たアホ毛、犬の耳のように見える横に跳ねた髪など、確かにリリアの姉妹と言われれば似ている。
「ほら、クーファ。自己紹介自己紹介」
「あ、そうデスネ」
リリアにそっと耳打ちされて、その少女は着ているエプロンの裾をちょんと摘まんでお辞儀をする。
「ハジメまして! アタシはクーファ! よろしくデス!」
「ああ。オレはユウリ。よろしくな」
こうして、二人目のELダイバーがやって来たのだった。
―――To Be Continued