TS転生して合法ロリになったので、ヒロイヴHappyEndのために頑張ります! 作:青いカンテラ
-03-
カチャカチャ……カチャカチャ……。
「ふんふんふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら、GPDの筐体のメンテナンスをする。個人店舗はどうしても数を置けないから、何かしら不具合が出て修理しますとなった時に、出すにしろ来てもらうにしろ発生する待ちの時間がそのまま損失になる。
なので、メーカーでしか直せないような深刻なもの以外は、大抵の不具合は自分で直せるように独学で直し方を学んでいく。今では日々の定期メンテナンスくらいなら軽くこなせるようになっていた。
……まあ、実際のところは将来的にイヴを助けるとなった時に必要になるだろうからと機械のことを勉強しただけなんだが。ただ、そのおかげでちょっとした修理や改造くらいは難なくできるようになったけど。
「……なんだユウリ。また機械いじりしてんのか」
筐体をメンテナンスしていると、強面の老人が顔を出した。
齢八十を超えているが、今もスケールモデルを中心に作っているモデラー。生涯現役とか言っているが、最近は老眼がきつくてなあ……などとぼやいている。
「あ、ジイちゃん。そりゃね。公式のサービスが終わるとは言っても、
「おう、そりゃあいい心がけだなあ。ガンプラバトルが新しい場に移るっても、こっちの方がいいってやつも、いるだろうからなあ」
そう言ってジイちゃんは顎を撫でる。ちなみにオレの言っていることは半分は本音だがもう半分はもちろん将来のためだ。イヴを助ける……というか、こっちに連れてくるためにはGPDが必要なのである。
「それでジイちゃん、どうしたの」
「ああ、ちょっと用事が出来てなあ。ちっと店番、頼めるか」
「いいよ~。何せ
ぱちん、と可愛らしくウインクして見せる。するとジイちゃんは一瞬ハトが豆鉄砲を食らったような顔になると、すぐに高笑いをした。
「カカカ! お前は本当にかわい子振るのだけは得意だよな! それじゃ、いってくらぁ! 夕飯までには戻る!」
「はいはーい」
そのまま笑いながら店を出るジイちゃん。そのまま笑いすぎて通行人に変な目で見られなきゃいいけど……。まあいいか。ジイちゃんだし。
筐体のメンテナンスを終わらせると、カウンターに向かう。ここは駅前や繁華街からも離れている立地上、客なんて一部の常連以外はほとんど来ないから暇ではあるが……まあ来る時はふらっと来るものなので、看板娘らしく店番をしていよう。
「あ、いらっしゃいま……!?」
話題沸騰中なGBNのトピックなんかを見ながら暇を潰していると、来店を知らせる電子音が鳴る。
だらけていた姿勢から、一瞬で看板娘モードになると、鍛え上げた営業スマイルで来客を迎えた……のはいいのだが、その来客というのが見覚えのある男だった。
「チャ、チャン……!?」
「チャン?」
「あ、ごほんごほん! ご、ごめんなさいお兄さん。ちょっと知り合いに似てたから……」
慌ててはぐらかす。その来客の男……どう見ても未来のチャンプ、クジョウ・キョウヤのリアルの姿だ……は「そうなのかい?」と首を傾げた。
「う、うん。そうなの! あ、そこの棚の作例、私とおじいちゃんが作ったの! よかったら見ていってね!」
「これは……。確かに素晴らしい出来栄えだね……」
さらに店の入り口のすぐ横にある、ガンプラやスケールモデルの置いてある棚へと意識を逸らさせることに成功。
六段になっているその棚には、上三段はオレの作ったガンプラたちが、下三段にはジイちゃんのスケールモデルが置いてある。チャンプは興味深そうにそれらを眺めている。
「まだこんなに小さい女の子が、これほどの作例を作れるというのは驚きだ。世界の広さを感じるね」
「あはは……」
オレはこれでも成人済みだけどな。もう二十歳を超えてて酒もタバコも口にできる年齢である。感覚が鈍るから酒もタバコも飲まないけど。
チャンプはそれからじっくりと棚のプラモたちを眺めた後、店内を巡っていくつかのガンプラの箱を手にカウンターへとやって来た。お、ついでに塗料も買っていくのか。さすがチャンプは分かってるね。
「これと、これ……それと、これを貰おうかな」
「はーい、ガンプラ二つと塗料ですね! ……ところでなんですけど、お兄さんってGBNする予定なんですか?」
「うん? 確かにGBNはするつもりだけど……。どうしてそんなことを?」
慣れた手つきで会計をして、袋詰めにしている途中で話題を振ってみる。たぶんGBNはやるんだろうけど、なんとなく聞いたのだった。
「えっと、ほら、もうすぐGBNがサービス開始するじゃないですか。だから今ガンプラを買う人って、もうすぐ終わっちゃうGPDじゃなくてGBN用のガンプラを組むためっていうのが多いですから」
「ああ、なるほど……。しかし、GPDか……。実は遠目に何回かやっているのを見たことはあるんだけど、実際にプレイしたことはなくてね。恥ずかしながら、GBNがガンプラバトルデビューになる予定なんだ」
思わず手が止まる。
「え、マジ?」
「うん?」
「あ、ええと、ならGBNの前に、GPDでガンプラを動かす感覚を知ってみるっていうのはどうかな! ほら、小さいけどGPDの筐体があるんだよ! ガンプラは棚にあるのを使っていいから、一度GPDを体験してみませんか?」
思わず素が出かかって、またもはぐらかして気を逸らすことに。と言っても慌ててたせいか目に留まったGPDへと行ってしまったが。
「それは面白そうな提案だけど……。いいのかい? 棚の作例は動かすように作ってはいないんじゃないか?」
「大丈夫! GPDのレンタルも兼ねてるから! 好きなものを選んで!」
「そうかい……? なら、お言葉に甘えて……」
チャンプは棚の前に行って少し悩んだそぶりをしてから……。
「……よし。このガンプラに決めた」
ガンダムAGE-1を手に取った。知ってた。
「それじゃあ、操作方法を軽く教えるから、楽しんでねお兄さん!」
「助かるよ。ありがとう」
初GPDなチャンプに軽くレクチャーしてやると、チャンプはすぐに操作方法を覚えたらしく、小さな筐体の中でAGE-1が縦横無尽に動いていた。
……上手くね? 本当についさっきまでGPDを触ったこともないド素人の動きか? これがGBNで不動の個人ランキング一位に上り詰める男というものか……。面白れぇ……。
「君は……何のつもりだ?」
宇宙フィールドでAGE-1を動かしていたところに、ビームを撃ち込む。不意打ちでいきなり当てに行ったりはしない。そんなことをしてこの男を倒したところで、何の面白みもないからだ。
ただチャンプは、いきなり現れた限定カラーの
「ふふふ。せっかくのお兄さんの初GPDなんだもの。バトルも経験していかないと、損でしょう?」
さあ、見せてみな……。いつかGBNのチャンピオンになる男の力をよ……!
―――To Be Continued