TS転生して合法ロリになったので、ヒロイヴHappyEndのために頑張ります!   作:青いカンテラ

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第七話『リリア』

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「いい? よく聞いてねリリアちゃん。アナタは……ELダイバーなの」

「エル……ダイバー……?」

 

 オレの言葉を、リリアは困惑した表情で繰り返した。それもそうだろう。記憶もなしに森の中で目覚めたら、いきなり「あなたはELダイバーです」と言われて混乱するなという方が無理だ。

 

「……」

 

 同じ状況ならオレだって混乱する。ただ、取り乱したりしない分、リリアはかなり冷静なようだが。

 

「それって、なに? 食べ物?」

 

 ぽかん、とした顔になるリリア。あ、こいつ取り乱さないくらいに冷静だったとかじゃなくてただ意味が分かってなかっただけだ。

 

「うーん、食べ物じゃないよ。ELダイバーについて説明すると長くなるんだけど……」

 

 とりあえず、ELダイバーについて知っていることをかいつまんで説明をする。といってもアニメや漫画などで語られていた範囲のことしか知らないんだけどな。

 

「……なるほどー、ここはGBNっていうゲームの世界で、わたしはそこに生まれた電子生命体のELダイバー。うんうん。大体わかったよユウリちゃん!」

 

 追加であげたサンドイッチをもしゃもしゃ食べながら、リリアはグッと右手の親指を立てる。セリフ的に少し不安になるが……まあ、今は自分がGBNに生まれた電子の存在であると知ってくれればそれでいい。

 

 ELダイバーは、イヴのように薄っすらとでも自分が何者かなのか自覚しているものなのかと思っていたが……どうやら個人差があるらしい。

 

 しかしこれで、イヴ以外にも未発見のELダイバーがいたということは確認できた。リリアが流れ星と共に降ってきたということは、他にも人知れずELダイバーが生まれている可能性は十分にある。

 

 可能性はあるというだけで、実際に出会える確率のことを考えれば……今回リリアに遭遇できたのは本当に幸運だと言える。それこそ小数点で0以下の桁いくつとかそういう超々確率だ。

 

 そしてもう一つ幸運だと言えるのは、現状行き詰っているデカール製作に進展がありそうだということだ。

 

 何せELダイバー用に作っているデカールなのに、その肝心のELダイバーがいないという有様だったからな……。ここで会ったのも何かの縁。リリアには大いに協力してもらうことにしよう。

 

「ククク……」

「ユウリちゃん?」

「リリアちゃん、まずはフレンド交換しよ! そうすれば、遠くにいてもお互いがGBNにいるか分かるから!」

「え? う、うん」

 

 ゼロ円スマイル、本当に便利である。ジイちゃんの店の手伝いで身につけておいてよかったと思えるスキルだ。

 

「これが、フレンド……」

 

 何やら感激した様子で自分のフレンド欄を見ているリリア。これがオンゲーやソシャゲだったら『初めてのフレンド』みたいなアチーブを獲得していそうだ。

 

 いや、GBNはオンゲーだけどな……。ただGBNはそういう、称号というかアチーブメント的な要素は無かったように思う。まだこれから追加されていくって可能性もあるが。

 

「とりあえず、ここにいるのも何だから……。移動しよっか、リリアちゃん」

「移動? どこに行くの?」

「もちろん、いい所」

 

 

 

 -14-

 

 というわけで、やって来たのはセントラルロビーである。リリアをゲストモードでサバーニャに乗せてここまで来たのはいいんだが、モニターの外に見える景色にきゃーきゃー言ってて煩かったな……。

 

 リリアにとっては生まれてから初めて見るものだらけだろうし、興奮するのも無理はないだろう。ただ飛びついてくるのはやめて欲しい。何度操縦をミスって地面に突っ込みそうになったか。

 

 それはさておき。セントラルロビーにも、リリアは目を輝かせていた。

 

「すごいすごーい! ここにいる人たち、みんな外の世界から来てるの!? あの丸っこいのも!?」

「ああ、SDタイプのアバターね。たぶんそうだよ」

 

 ぽてぽてと小さい手足を振りながら歩いている、二頭身くらいのゆるキャラみたいな見た目のザク。ここまでくると、現実の身体とアバターとのズレが凄そうだが……。慣れると案外動けるのだろうか。

 

「ねえねえ、あれはなに!?」

「あれはミッションカウンター」

「あれは!?」

「あれは地球のホログラム」

 

 何にでも興味を示すリリア。ELダイバーというのは生まれた時にある程度の知識を持って生まれるのかと思っていたが、どうやら違うらしい。

 

 目についたものをあれは何? あれは? と言われるものだから、途中で疲れてきてアイテムストレージから出したロールケーキを口にねじ込んで黙らせる。これで少しの間はおとなしくなるだろう。

 

「あらあら、随分とパワフルなのねぇ」

 

 突然声が上から降ってきた。振り返ると、そこには長身のダイバーがいた。ジッパーの下ろされたライダースーツからは引き締まった腹筋が半分ほど覗き、その上から赤いジャケットを羽織っている。そして薄い紫の髪は頭の後ろで一つにまとめているその人は……。

 

「えっと、アナタは……?」

「アタシはマギー。このあたりで初心者向けにナビゲーターを買って出ている、お節介なお姉さんよ♪」

 

 バチコーン☆という擬音が聞こえそうな、力強いウインクをして見せるその人。アニメでも要所要所で重要な役割を果たしてきた、人脈接着剤ことマギーさん本人だった。

 

 ……こうして実際に会うとめちゃくちゃデカいなこの人……。

 

「初めまして、マギーお姉さん! 私はユウリ。それでこっちはフレンドのリリアちゃんです!」

「もごもご」

「あら、お姉さんだなんて! ユウリちゃんってばお上手なのねぇ!」

 

 ほほほ、と笑うマギーさん。まとっている雰囲気が少し柔らかくなった気がする。

 

「あはは……。それで、ナビゲーターって……」

「ええ。GBNも日々プレイヤーが増えているでしょう? それで、初めは何をしたらいいのかわからないって人も多いらしくてね。運営も色々動画を出してたりしているみたいだけど、みんなが見ているわけじゃないでしょう? だから、アタシたちがGBNがハジメテな子たちのために、ボランティアでナビゲーターをしてるってワケ」

 

 そういえばアニメでもナビゲーターを買って出ていると言っていたか。この人、GBNの結構初期から活動していたのか……。

 

 これでGBNでナビゲーターをしながらも個人ランキングは23位、フォースもランキング12位につけ、さらにリアルの方でも酒場を経営しているのだから驚きだ。各ランキングについてはこれから上げていくのだろうけど、それでも大分精力的に活動している。

 

「アナタたちも、見たところ初心者みたいだったから……。つい声を掛けちゃったってわけなのよ」

 

 初心者……。まあ、リリアに関しては初心者と言ってもいいかもしれない。なんせ生まれたばかりのELダイバーだからな。

 

 かくいうオレもGBN歴数か月なら初心者だろ、と言われたらそれまでだが……。それを言ってしまったらここにいるダイバーなんて始めた時期がそれほど差がないのだから全員初心者である。

 

「なるほど。お気遣いありがとうございます、マギーお姉さん! でも私たちは大丈夫! 今日は先にGBNを始めた私が、このリリアちゃんに色々教えてあげようって決めてきたので! ね、リリアちゃん!」

 

 まだロールケーキをもごもごしているリリアが、こくこくと頷きを返す。これも半分くらいはウソは言ってない。

 

「あらそうなの? ユウリちゃんはしっかりしているし、変なダイバーにも引っかからなさそうね……」

「はい! 私たちのことはいいので、他に困っていそうな人を助けてあげてください!」

「ふふ、わかったわ。それじゃあ、GBNを楽しんでね、ユウリちゃん、リリアちゃん」

 

 フレンド交換を済ませて、マギーさんはひらひらと手を振りながら、人波へと消えていった。……あれだけデカい人も人波の中に紛れると見えなくなるのだから不思議だ。

 

「っはぁ……。もぉ、ひどいよユウリちゃん。いきなり口にものを突っ込むなんて……」

「ごめんごめん。目につくもの片っ端から聞いてくるからイラッとしちゃって」

「ひぇっ」

 

 なぜか怯えるリリア。何が怖いのだろうか。オレはただゼロ円スマイルしているだけなのに。ゼロ円スマイルコワクナイヨ。

 

 

 

 ―――To Be Continued

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